Top > ボーイズラブ・やおい創作総合 > ボーイズラブ・やおい創作総合 投下作品まとめページ > 2-050 「Pride −君の誇り−」
「Pride −君の誇り−」
50 :Pride −君の誇り−:2010/10/03(日) 18:16:41 ID:OMip+oDK
駈け出しの社会人のお兄さん×男娼の少年という組み合わせでこれから投下
後半、少しだけえっちいかも
後半、少しだけえっちいかも
51 :Pride −君の誇り−:2010/10/03(日) 18:19:14 ID:OMip+oDK
「ああ、貴方が今日、俺を買った人なのか。 じゃ、とっとと初めようか。
俺、今日は、終わったら、ここに泊らないで、家に帰りたい気分なんだ」
俺、今日は、終わったら、ここに泊らないで、家に帰りたい気分なんだ」
俺の目の前に立っていた少年は、そう言って微笑むと、自らが着ていたTシャツを何の躊躇いも無いかの
ように、あっさりと脱ぎ始めた。
そして、そのTシャツを、この部屋のでかいベッドの上に、脱ぎ棄てるようにして放り投げた。
ように、あっさりと脱ぎ始めた。
そして、そのTシャツを、この部屋のでかいベッドの上に、脱ぎ棄てるようにして放り投げた。
既に上半身に何も身につけてはいない、その少年の艶やかな肢体は、同性の俺からみても、端正で、美し
いという形容詞のほかに思いつく言葉は無かった。
17,8歳位の少年にとっては、理想的とも言える彼の肉体は、しなやかかつ、程良い筋肉を備えた大型の
美しい猫科の獣を思わせる雰囲気を漂わせていた。
また、少年の短く整えられたプラチナブロンドの髪と、少しばかり怜悧な印象を与えているアイスブルーの瞳
の整った面立ちは、正に美少年と呼ぶに相応しい容姿だと思った。
いという形容詞のほかに思いつく言葉は無かった。
17,8歳位の少年にとっては、理想的とも言える彼の肉体は、しなやかかつ、程良い筋肉を備えた大型の
美しい猫科の獣を思わせる雰囲気を漂わせていた。
また、少年の短く整えられたプラチナブロンドの髪と、少しばかり怜悧な印象を与えているアイスブルーの瞳
の整った面立ちは、正に美少年と呼ぶに相応しい容姿だと思った。
「ちょっと、待ってくれ! 俺は、君を呼んだ覚えなんかないんだ!」
俺はその少年に慌てながら声をかけた。後で思うと、その時の俺の様子は、きっと滑稽だったに違いない。
だが、海外出張で訪れたその宿泊先で、仕事を終えて自らの泊っている部屋に帰ってきたら、見ず知らず
の美少年がいて、しかもいきなり服を脱ぎ始めたら、きっと誰だって驚くと思う。
だが、海外出張で訪れたその宿泊先で、仕事を終えて自らの泊っている部屋に帰ってきたら、見ず知らず
の美少年がいて、しかもいきなり服を脱ぎ始めたら、きっと誰だって驚くと思う。
そう、俺と彼が出会ったのは、正にそういう状況だったのだ。
俺は今年、25歳になったばかりだが、父の稼業を継ぐ立場にあるため、今回、通訳として、この海外での
商談に同行していた。
俺は今年、25歳になったばかりだが、父の稼業を継ぐ立場にあるため、今回、通訳として、この海外での
商談に同行していた。
仕事柄、宿泊していたホテルのランクは、いつもの通り、申し分のないものだ。
それに、専門用語が飛び交う中で通訳をこなしたり、相手先や周りの連中に気を遣ったりと、それなりに多
忙なスケジュールを終えて、これからようやく一息つけると思いながら、宿泊先のこの部屋に帰ってきた矢
先の出来事だったのだから、驚くなと言われても無理がある。
それに、専門用語が飛び交う中で通訳をこなしたり、相手先や周りの連中に気を遣ったりと、それなりに多
忙なスケジュールを終えて、これからようやく一息つけると思いながら、宿泊先のこの部屋に帰ってきた矢
先の出来事だったのだから、驚くなと言われても無理がある。
「えっ、あんたが今夜の俺の相手じゃないの?」
少年の方も俺のその言葉に驚いたように、上半身裸のままで、俺を見つめていた。
彼はそれから、ジーパンのポケットに片手を突っ込んで携帯を取り出すと、何処からかのメールらしき画面
を確認してから俺に言った。
彼はそれから、ジーパンのポケットに片手を突っ込んで携帯を取り出すと、何処からかのメールらしき画面
を確認してから俺に言った。
「ああ、ミスター、申し訳ない、確かに俺の相手は、貴方じゃなかったみたいだ。
どうやら、連絡ミスみたいだね。俺の代わりにはもう、他の奴が行ってるってさ」
どうやら、連絡ミスみたいだね。俺の代わりにはもう、他の奴が行ってるってさ」
彼は俺に対して、少し申し訳無さそうな表情で微笑んだ。
それから、ついさっき、自らが脱ぎ捨てたTシャツを拾って、手早く着ると、彼はこの部屋から早々に立ち去
ろうとしていた。
彼はベッドルームの扉の前に立っていた俺とすれ違うようにして、外の廊下へと、つながる扉の方へと足早
に歩いていく。
それから、ついさっき、自らが脱ぎ捨てたTシャツを拾って、手早く着ると、彼はこの部屋から早々に立ち去
ろうとしていた。
彼はベッドルームの扉の前に立っていた俺とすれ違うようにして、外の廊下へと、つながる扉の方へと足早
に歩いていく。
「待てよ!」
彼が俺とすれ違ったその瞬間、俺は、彼の片方の肩を掴むようにして、呼び止めていた。
後から思い返しても、その時、どうして彼を呼び止めたのか、明確な理由は思い出せない。
とにかく、彼をそのまま帰すのは嫌だったからだとしか言いようが無い。
彼が俺に肩を掴まれて振り向いた瞬間、彼のアイスブルーの瞳と、俺の黒い瞳の視線が間近で重なり合う
よう至近距離の中で、お互いを見つめ合うような格好になった。
後から思い返しても、その時、どうして彼を呼び止めたのか、明確な理由は思い出せない。
とにかく、彼をそのまま帰すのは嫌だったからだとしか言いようが無い。
彼が俺に肩を掴まれて振り向いた瞬間、彼のアイスブルーの瞳と、俺の黒い瞳の視線が間近で重なり合う
よう至近距離の中で、お互いを見つめ合うような格好になった。
「……何?」
そんな状況にも関わらず、彼は冷静にアイスブルーの瞳で射るように、俺を見つめながらそう言った。
「君は……自らの身体を売る仕事をしているのか」
「そうだよ」
「そうだよ」
後から思えば、誰もが呆れたくなるような俺のその質問に対して、彼は自らの瞳に宿る強い意思と誇りを崩
すことなく、端的にそう答えた。
すことなく、端的にそう答えた。
「……なんでそんな……」
彼のそのあっさりとした返答に、俺は思わず小さな声で、母国語でそうつぶやいた。
彼のような容姿と身なりもそれなりに整った少年が、そんなことを生業にしているとは、にわかには信じがた
かったからだ。
そうなのだ。彼は、ホテルのコンシェルジュがこの部屋に通しただけあって、ラフな格好をしてはいたが、決し
て、薄汚れた身なりなどでは無かった。
彼のような容姿と身なりもそれなりに整った少年が、そんなことを生業にしているとは、にわかには信じがた
かったからだ。
そうなのだ。彼は、ホテルのコンシェルジュがこの部屋に通しただけあって、ラフな格好をしてはいたが、決し
て、薄汚れた身なりなどでは無かった。
「なんでって、決まってるだろう。
俺と、俺にとって、大切なものを守りたいからだよ。俺は、この場所でこうして生きていく為に、してるんだ。
あんたこそ、何の為に働いてるんだ?」
俺と、俺にとって、大切なものを守りたいからだよ。俺は、この場所でこうして生きていく為に、してるんだ。
あんたこそ、何の為に働いてるんだ?」
ほんの少しの間だが、驚きを隠せないと言った表情をしていた俺に対して、彼は射るような視線で俺を見つ
めたまま、そう言った。
彼は、俺が小さな声でつぶやいていた、その言葉の意図を読み取っていたようだった。
めたまま、そう言った。
彼は、俺が小さな声でつぶやいていた、その言葉の意図を読み取っていたようだった。
いかにもヤングエグゼクティブらしいといった感じに見せるために丁度良いといった位には、仕立ての良いビ
ジネススーツを着てはいるものの、黒髪黒目で年齢よりも幾分幼く見える、良家のご令息といった風貌の俺
に対し、彼は、少し意地の悪い問いかけをしている子供のような表情で、ほん一瞬だけ、微笑んだ。
それから、自ら肩に乗ったままになっていた、俺の手を振り払うようにして退けると、再び廊下へとつながる
扉の方へと歩いていこうとする。
ジネススーツを着てはいるものの、黒髪黒目で年齢よりも幾分幼く見える、良家のご令息といった風貌の俺
に対し、彼は、少し意地の悪い問いかけをしている子供のような表情で、ほん一瞬だけ、微笑んだ。
それから、自ら肩に乗ったままになっていた、俺の手を振り払うようにして退けると、再び廊下へとつながる
扉の方へと歩いていこうとする。
「おい、待てよ!」
「何だよ!」
「何だよ!」
彼は、今度は、彼の片手を取るようにして、引きとめようとしていた俺の手を振り払うようにして、俺の方へと
振り返った。
振り返った。
「俺が……俺が、今夜、君を買うって言ったら、君はここに、このまま居るのか」
彼は、俺が馬鹿正直な気持ちで言ったその言葉に対して、一瞬驚いたような表情をしていた。
だが、彼は、その場で短く息を吸い込みながら、一呼吸置くと、先程と同じように冷静な表情を取り戻し、俺
に対して、挑むような視線を投げかけたまま言った。
だが、彼は、その場で短く息を吸い込みながら、一呼吸置くと、先程と同じように冷静な表情を取り戻し、俺
に対して、挑むような視線を投げかけたまま言った。
「そうだよ。ただし、俺を一晩買うには、
あんたが今、泊まっているこの部屋の代金の倍は、積んでもらわないとならないけどね」
あんたが今、泊まっているこの部屋の代金の倍は、積んでもらわないとならないけどね」
「いいよ、君を買おう。 とりあえず、これは手付け金だ」
俺は、彼の挑むような視線を受け止めながら、自分のスーツの内ポケットに入れたままにしていた、札入れ
に入っている札束―その場に持ち合わせていた現金の全てに等しい額を彼の手元へと差し出した。
彼は再び驚いたような表情で、その札束を見つめてから、俺の顔へと再び視線を上げた。
に入っている札束―その場に持ち合わせていた現金の全てに等しい額を彼の手元へと差し出した。
彼は再び驚いたような表情で、その札束を見つめてから、俺の顔へと再び視線を上げた。
「あんた……本気なのか? ……いいよ、分かった。あんたに買われてやるよ、来な!」
俺をほんの暫くの間、見つめてから、彼はそう言うと、手元に差し出された札束を受け取ることも無く、きび
すを返すように、この部屋のベッドルームへと向かって歩いて行った。
彼が俺の側を通り過ぎていく、その様子を振り返るようにして、俺はベッドルームへと足を向けた。
すを返すように、この部屋のベッドルームへと向かって歩いて行った。
彼が俺の側を通り過ぎていく、その様子を振り返るようにして、俺はベッドルームへと足を向けた。
そこには、先程と同じく、俺が一人で寝るには、少し寂しく感じる位に立派な大きさのクイーンサイズのベッド
がある。
そして、そのベッド端には、そこ座りながら、先程と同じように射るような視線で俺を見る少年の姿があった。
がある。
そして、そのベッド端には、そこ座りながら、先程と同じように射るような視線で俺を見る少年の姿があった。
「あんたは、俺を買ったんだ。俺を好きにしていい」
少年は、自らの側に立ち止って、そのまま一歩も動かずにいた俺を見上げて、先程よりも熱を帯びた、ほん
の少しだけ、潤んでいるかのようにも見える瞳で俺を見つめながら、そう言った。
恐らく少年は、今まで毎晩のようにして、数多くの男達から受けてきた、あの行為を、これから俺がすぐにで
も施し始めるのだと思っていたのだろう。
の少しだけ、潤んでいるかのようにも見える瞳で俺を見つめながら、そう言った。
恐らく少年は、今まで毎晩のようにして、数多くの男達から受けてきた、あの行為を、これから俺がすぐにで
も施し始めるのだと思っていたのだろう。
だが、彼の瞳が潤んでいるその理由は、その先に在る快楽を期待してのものなどでは決して無く、自らの誇
りを犠牲にしてまでも、大切なものを護るのだと言っていた、その決意と覚悟の表れのようだと、俺は思って
いた。
りを犠牲にしてまでも、大切なものを護るのだと言っていた、その決意と覚悟の表れのようだと、俺は思って
いた。
「金はいいのか?」
「あんたを信用して後払いにしてやるよ。さあ、俺を抱くといい」
「あんたを信用して後払いにしてやるよ。さあ、俺を抱くといい」
俺の問いかけ対して、彼はそう言うと、俺の腰の辺りに手を伸ばし、俺の身体を自らの方へと手繰り寄せる
ように引き寄せる。
それから、彼は俺の腕を取って、そのまま自らの身体の方へと引いた。
それは、恐らく、俺がベッドの上へと倒れ込み、彼の上へと、そのまま覆い被さるような体勢になるようにと、
仕向けていく為の所作なのだろう。
ように引き寄せる。
それから、彼は俺の腕を取って、そのまま自らの身体の方へと引いた。
それは、恐らく、俺がベッドの上へと倒れ込み、彼の上へと、そのまま覆い被さるような体勢になるようにと、
仕向けていく為の所作なのだろう。
彼は同時に、もう片方の手を俺の頬へとあてて、そのまま顎の辺りをなぞるようにした後で、俺の胸元のネ
クタイを軽く引きながら、彼自身の身体をベッドに預けるように、ゆっくりと後ろへと倒してゆく。
彼が自分自身の身体を後ろに倒していくのに合わせて、彼にネクタイを引っ張られたままの俺は、自然と彼
に覆い被さるような姿勢になっていった。
クタイを軽く引きながら、彼自身の身体をベッドに預けるように、ゆっくりと後ろへと倒してゆく。
彼が自分自身の身体を後ろに倒していくのに合わせて、彼にネクタイを引っ張られたままの俺は、自然と彼
に覆い被さるような姿勢になっていった。
俺の身体の動きにタイミングを合わせるようにして、自らの身体をゆっくりと後ろへと倒してゆくその様は、本
当に小慣れた男娼の仕草のように見えたが、よく見ると、俺のネクタイに添えられたその指先は、少し震え
ていた。
当に小慣れた男娼の仕草のように見えたが、よく見ると、俺のネクタイに添えられたその指先は、少し震え
ていた。
「なあ、無理してそんなことしなくていいよ。それより、君の名前を教えてくれないか」
俺は自らの片方の手を優しく添えるようにして、彼の震える手首に添えると、その腕をシーツの上へと降ろ
しながら、そう言った。
彼は、抵抗するでもなく、無言のままで、暫くその体勢のまま、俺の顔を見つめていた。
まあ、体躯では、かろうじて俺の方が勝っていたから、あまり抵抗する気になれなかったのかもしれないが。
しながら、そう言った。
彼は、抵抗するでもなく、無言のままで、暫くその体勢のまま、俺の顔を見つめていた。
まあ、体躯では、かろうじて俺の方が勝っていたから、あまり抵抗する気になれなかったのかもしれないが。
「マリア」
小さな声でそう言った彼の言葉を聞いて、俺は彼に問いかけるように、再びその言葉を繰り返した。
「……マリア?」
「俺の男娼としての渾名だよ、お兄さん」
「俺の男娼としての渾名だよ、お兄さん」
彼は、俺を見上げるようにして、見つめたまま、小さく微笑みながらそう言った。
その言葉を聞いて、今度は、俺の方が一瞬無言になった。
その言葉を聞いて、今度は、俺の方が一瞬無言になった。
男娼にして、慈悲深き聖母の名を渾名に戴くだなんて、滑稽な話だとは思うが、この少年が、その美しい容
姿と躯で、数多くの男達に対して、これまでにもずっと、慈悲にも勝る快楽を与えてきたのだと考えれば、逆
にこれ程相応しい渾名は、無いようにも思えた。
姿と躯で、数多くの男達に対して、これまでにもずっと、慈悲にも勝る快楽を与えてきたのだと考えれば、逆
にこれ程相応しい渾名は、無いようにも思えた。
「俺の名前は、それで呼んでくれればいいよ。で、あんたの名前は何ていうの?」
「俺は、聖人って言うんだ」
「ふうん、マサト、貴方は日本人なんだろ?」
「俺は、聖人って言うんだ」
「ふうん、マサト、貴方は日本人なんだろ?」
彼のその言葉に俺は、再び驚いて、彼を見つめた。
「どうしてそんなこと、解るんだ」
「こんなことをやっていても、昼間はそれなりの教育を受けてるんだよ。お兄さん」
「こんなことをやっていても、昼間はそれなりの教育を受けてるんだよ。お兄さん」
俺に組み敷かれたその体勢のまま、彼はにっこりと笑いながら言った。
「なあ、マリア、君の本名を教えてくれないか」
「それは俺が、貴方を本当に気に入ったら教えてやるよ、お兄さん。
さ、早く本気で俺を抱いてくれないかな。
俺はね、今日は早めに仕事を終わらせて、一度家に帰りたいんだ。
兄さん、あんたは割と綺麗な顔立ちと身なりをしているし、俺の仕事の中では、これは楽な方だから。
あんたは、俺に対して、何か気兼ねしてるようだけど、俺を抱くのに躊躇う必要なんか全く無いんだよ」
さ、早く本気で俺を抱いてくれないかな。
俺はね、今日は早めに仕事を終わらせて、一度家に帰りたいんだ。
兄さん、あんたは割と綺麗な顔立ちと身なりをしているし、俺の仕事の中では、これは楽な方だから。
あんたは、俺に対して、何か気兼ねしてるようだけど、俺を抱くのに躊躇う必要なんか全く無いんだよ」
彼の本当の名前を聞こうとしたことが、よほど気に食わなかったのか、彼は俺を再び挑発的な鋭い視線で
見つめてそう言った。
それに対して、俺の方も彼を挑発するような口ぶりで返事を返す。
見つめてそう言った。
それに対して、俺の方も彼を挑発するような口ぶりで返事を返す。
「それは無理だな……俺は、今夜、君に、ここに居てもらうっていう条件で、君を買ったつもりなんだよ。
だから、今夜は君を家に返すつもりは無いな」
だから、今夜は君を家に返すつもりは無いな」
「……何、馬鹿なこと言って……」
彼は俺のその言葉に驚いたような、半ば呆れたような表情を見せた。
ただ、彼は、俺の言葉を聞いて、少し苛々した気分になったらしく、俺のネクタイを先程よりも少し、強め引っ
張り、俺の顔を自らの顔の前へと寄せるようにする。
彼が相変わらず俺に組み敷かれている状況には変わりはないので、俺達は、再び互いを強く見つめ合うよ
うな格好になった。
彼の瞳からの強い視線に構うことなく、俺は真っ直ぐに彼を見つめながら、話を続けた。
ただ、彼は、俺の言葉を聞いて、少し苛々した気分になったらしく、俺のネクタイを先程よりも少し、強め引っ
張り、俺の顔を自らの顔の前へと寄せるようにする。
彼が相変わらず俺に組み敷かれている状況には変わりはないので、俺達は、再び互いを強く見つめ合うよ
うな格好になった。
彼の瞳からの強い視線に構うことなく、俺は真っ直ぐに彼を見つめながら、話を続けた。
「それに、俺は、君を抱くつもりは無いんだ。 君も俺に抱かれたいなんて、本気で思っていないだろう?
俺が君を一生涯、買い取るから。君が心無く誰かに抱かれる事なんて、もう無くなるんだ。俺は、本気だよ」
俺が君を一生涯、買い取るから。君が心無く誰かに抱かれる事なんて、もう無くなるんだ。俺は、本気だよ」
「……えっ……!」
その驚きを現わす小さな声を発した瞬間、彼は、俺のネクタイを引っ張っていた手の力を自然と抜いた。
彼は、本気で驚きを隠せないといった表情で俺を見つめている。
俺の言葉を冗談だとでも受け取ったのだろうか?
でも、その時、口にしていた俺の言葉に、嘘偽りは全く無かった。
そうなのだ。俺には彼を抱く気など元から全く無かった。
ただ、先程、初めて彼の姿を目にしてから、無意識のうちに、彼を何とかこの境遇から救い出したいと思っ
ていただけだ。
彼は、本気で驚きを隠せないといった表情で俺を見つめている。
俺の言葉を冗談だとでも受け取ったのだろうか?
でも、その時、口にしていた俺の言葉に、嘘偽りは全く無かった。
そうなのだ。俺には彼を抱く気など元から全く無かった。
ただ、先程、初めて彼の姿を目にしてから、無意識のうちに、彼を何とかこの境遇から救い出したいと思っ
ていただけだ。
「……っ! そんなの……嘘だ!!」
彼は、俺を真下から見上げた、その姿勢のまま、信じられないといった表情で、声を上げた。
無理もない。
きっと、今までにも、客である男達と身体を重ねる度に、甘い睦言を囁かれてきたのだ。
そして、それが現実になることなど、絶対に無いと、自らに言い聞かせてきたのだろうから。
今、急に俺の言葉を信じろと言うのには無理がある。
それでも、俺は自分の言葉が嘘偽りでは無いことを信じて欲しかった。
俺は、もう一度、自らの正直な気持ちを心の底から込めるようにして、彼にその言葉を告げる。
無理もない。
きっと、今までにも、客である男達と身体を重ねる度に、甘い睦言を囁かれてきたのだ。
そして、それが現実になることなど、絶対に無いと、自らに言い聞かせてきたのだろうから。
今、急に俺の言葉を信じろと言うのには無理がある。
それでも、俺は自分の言葉が嘘偽りでは無いことを信じて欲しかった。
俺は、もう一度、自らの正直な気持ちを心の底から込めるようにして、彼にその言葉を告げる。
「俺は、本気だよ」
「嘘だ……嘘だよ……こんなの嫌だ……」
「嘘だ……嘘だよ……こんなの嫌だ……」
俺のその短い言葉を聞いた後、彼の瞳からは、自然と涙が零れ落ち始めていた。
それは、きっと無意識に零れ落ちたものなのだろう。
彼は、その涙を拭う事なく、俺を見上げるようにして見つめながら、泣いていた。
こんな風に優しくされてから、その掌を返されるような事があるのなら、
それは、心が悲鳴を上げる程に痛い。
だから自分に構うなと。
彼の瞳は、俺にそう告げているように思えた。
それは、きっと無意識に零れ落ちたものなのだろう。
彼は、その涙を拭う事なく、俺を見上げるようにして見つめながら、泣いていた。
こんな風に優しくされてから、その掌を返されるような事があるのなら、
それは、心が悲鳴を上げる程に痛い。
だから自分に構うなと。
彼の瞳は、俺にそう告げているように思えた。
俺は、自らの下に組み敷いたままの少年の乱れた金色の髪を額から除けるようにしてそっと撫でた。
「……っ」
たったそれだけのことで、少年の背中は、ほんの少し怯えるように、震えて撥ねた。
俺は、そんな彼を見つめながら、自らの指で、その目尻から零れる涙を掬う。
その場で安心しろと言っても無理なのは、十分に解っていたが、少しでも彼に安心して欲しかった。
俺は、そんな彼を見つめながら、自らの指で、その目尻から零れる涙を掬う。
その場で安心しろと言っても無理なのは、十分に解っていたが、少しでも彼に安心して欲しかった。
「どうして? 嘘じゃないから。君はもう、泣かなくて良いんだ。頼むから……もう泣くな」
そう言った俺は、自らの心に従うように、彼の整った曲線を描く額へと、そのまま、そっと口付けていた。
その俺の口付けに、彼の背中が再び小さく震えて撥ねた。
その俺の口付けに、彼の背中が再び小さく震えて撥ねた。
「……や……マサト……頼むから……俺にそんなに風に優しくしないで……」
彼は、俺からの視線を避けるようにしながら横を向くと、未だに涙に泣き濡れた横顔を俺に晒しながら、小さ
な、その場から消え入りそうな声でそう言った。
な、その場から消え入りそうな声でそう言った。
「俺が君を気に入ってしていることだから、もう、気にするな」
「……っ、あ……」
「……っ、あ……」
俺は、彼に対して言葉さえならない、この自分自身の内側から強く湧き上がってくるかのような、情熱的とさ
え言える親愛の情にも似た気持ちを行動で示したくて、彼のしなやかな躯を抱えるようにして抱きしめた。
それから、俺は、自分の身体と彼の身体の隙間が無くなるかのように、互いの身体を重ね合わせ、先程よ
りも強く抱きしめるようにしてから、彼の額へともう一度、口付けを贈った。
え言える親愛の情にも似た気持ちを行動で示したくて、彼のしなやかな躯を抱えるようにして抱きしめた。
それから、俺は、自分の身体と彼の身体の隙間が無くなるかのように、互いの身体を重ね合わせ、先程よ
りも強く抱きしめるようにしてから、彼の額へともう一度、口付けを贈った。
先程、彼を本気で抱く気など全く無いと言っていた筈で、事実そんな風な気持ちは全く無かった筈なのに、
今、俺は、彼に対して何故だかそうせずにはいられなかった。
そんな俺の気持ちを見透かしたのか、俺の腕の中にいた少年は自らの両腕を俺の首筋の辺りへとまわし
て、今度は、彼、自らが俺を強く抱くようにして、そのしなやかな身体を俺の方へと寄せた。
今、俺は、彼に対して何故だかそうせずにはいられなかった。
そんな俺の気持ちを見透かしたのか、俺の腕の中にいた少年は自らの両腕を俺の首筋の辺りへとまわし
て、今度は、彼、自らが俺を強く抱くようにして、そのしなやかな身体を俺の方へと寄せた。
「……頼む……から……俺を抱いて……」
彼は俺の耳元で、まるで小さな子供が大切な願い事をするように囁いた。
小さな声に魅かれるようにして、俺が再び彼を見つめると、そこには、その瞳に真摯な光を宿す、少年の姿
が在った。
小さな声に魅かれるようにして、俺が再び彼を見つめると、そこには、その瞳に真摯な光を宿す、少年の姿
が在った。
そして俺は、彼の真摯な蒼い瞳を見つめながら―その柔らかな唇へと口付けた。
【END】
−The Sequel−
その夜、結局、俺は、そのまま彼を抱くことになった。
あの出来事からは、もう既に何年かが経ったが、今も変わらず聖母は俺の傍で微笑んでいる。
あの出来事からは、もう既に何年かが経ったが、今も変わらず聖母は俺の傍で微笑んでいる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
後半だだ甘な気もしますが、楽しんでいただければ良いかなと