発子さんの冬支度
作者:◆wHsYL8cZCc
投稿日時:2010/10/20(水) 06:37:22
投稿日時:2010/10/20(水) 06:37:22
「あれぇ~?」
彼女は探している。
「おっかしいなぁ~? どこしまったっけ?」
彼女は求めている。
「こたつの脚が一本見つからない……」
彼女――発子・クリーシェは、自宅の押し入れの前で失われたアイテムを探していた。
彼女にとってそれは極めて重要な物であり、それが無ければ彼女にとって一大事になるかもしれない。それは、冬にこたつで蜜柑を皮ごと食すという、まさに女神にのみ成せる荒業である。
彼女は一応女神である。そして彼女の持ち物であるこたつはある意味においてアーティファクトと言える。
そしてその一部の消失とはつまり、アーティファクトの消失である!
こう書くとさも一大事に思えるから不思議である。実態はしょぼい物ではあるのだが……。
はてさて、この発子・クリーシェという存在は、普段は女神とは程遠いほんわかした日常を送っている。やる時はかなりビシっと決めてくれるが、その反動故か普段の普通っぷりたるやそこらのモブキャラも裸足で逃げ出す程。
さすがに寒くなってきたのでいつものキャミソールではなくジーンズにブラウスという何とも庶民的な出で立ちがその普通っぷりに拍車をかけている。
ちなみに公務に使うドレスは行きつけの着付け屋に預けてある。
彼女にとってそれは極めて重要な物であり、それが無ければ彼女にとって一大事になるかもしれない。それは、冬にこたつで蜜柑を皮ごと食すという、まさに女神にのみ成せる荒業である。
彼女は一応女神である。そして彼女の持ち物であるこたつはある意味においてアーティファクトと言える。
そしてその一部の消失とはつまり、アーティファクトの消失である!
こう書くとさも一大事に思えるから不思議である。実態はしょぼい物ではあるのだが……。
はてさて、この発子・クリーシェという存在は、普段は女神とは程遠いほんわかした日常を送っている。やる時はかなりビシっと決めてくれるが、その反動故か普段の普通っぷりたるやそこらのモブキャラも裸足で逃げ出す程。
さすがに寒くなってきたのでいつものキャミソールではなくジーンズにブラウスという何とも庶民的な出で立ちがその普通っぷりに拍車をかけている。
ちなみに公務に使うドレスは行きつけの着付け屋に預けてある。
「んぶぅぅぅ~」
「何よその目は」
「何よその目は」
彼女の横に居た猫とも犬とも狸ともつかぬ謎の生物は、めんどくさそうな表情でひと鳴きした。
「んぶぅぅぅぅ~」
「な……。『普段ダラけてるからこうなるんだ』ですって!?」
「んぶんぶんぶぶぅううう」
「コイツ……。『しまう時にちゃんと箱に入れておけばこうはならなかった』だと!?
うるさいわね! アンタだって結局コタツに入ってダラけてるクセに! 布団の上から降りなさいよ!」
「な……。『普段ダラけてるからこうなるんだ』ですって!?」
「んぶんぶんぶぶぅううう」
「コイツ……。『しまう時にちゃんと箱に入れておけばこうはならなかった』だと!?
うるさいわね! アンタだって結局コタツに入ってダラけてるクセに! 布団の上から降りなさいよ!」
謎の生物と見事にやり取りし、彼女はまた押し入れへと突入する。
「ぜ……絶対見つけてやるんだから……!」
戦いは、始まったばかり。
「んぶぶぶぶう~(我輩は謎の生物である。名前はまだ無い)」
「うっさい!」
「うっさい!」