厨房にパンプキンパイの甘い香りが漂います。
ここは喫茶店オウマがトキ---------人外女児の拠り所。
この喫茶店の調理を担当しているアンコが、腕によりをかけてパンプキンパイを作っていました。
「あっつ!」
突然アンコが大きな声を上げました。焼きたてのパイをオーブンから取り出した時に火傷してしまったようです。
「あ~」
でもアンコは気にも止めませんでした。料理をしていれば、これくらいの事故はいつでも起こります。
急いで冷水で患部を冷やしましたが、まだ指先がジンジン痛むようです。
アンコは痛む左薬指を刺激しないようにラッピングする袋とリボンを掴みました。
ここは喫茶店オウマがトキ---------人外女児の拠り所。
この喫茶店の調理を担当しているアンコが、腕によりをかけてパンプキンパイを作っていました。
「あっつ!」
突然アンコが大きな声を上げました。焼きたてのパイをオーブンから取り出した時に火傷してしまったようです。
「あ~」
でもアンコは気にも止めませんでした。料理をしていれば、これくらいの事故はいつでも起こります。
急いで冷水で患部を冷やしましたが、まだ指先がジンジン痛むようです。
アンコは痛む左薬指を刺激しないようにラッピングする袋とリボンを掴みました。
「今日は魔法の夜だから、オカシな世界にいこ~ 街にイタズラしかけて、とてもワクワクするの♪」
アンコは歌を口ずさみながら翼を羽ばたかせました。
夜の風達がアンコを歓迎し、虫達の合唱がアンコを出迎えています。
ここは夜の青空町---------アンコは沢山のパンプキンパイが入った袋を抱え、それぞれの家に向かおうとしているのでした。
アンコは歌を口ずさみながら翼を羽ばたかせました。
夜の風達がアンコを歓迎し、虫達の合唱がアンコを出迎えています。
ここは夜の青空町---------アンコは沢山のパンプキンパイが入った袋を抱え、それぞれの家に向かおうとしているのでした。
始めにやって来たのは皆からライジングちゃんと呼ばれている女の子の家でした。
どうやらライジングちゃんは友達を呼んで、自宅でハロウィンパーティをしているようです。
窓の外から人数を確認し、その分だけ袋から取り出して玄関に置きます。
チャイムを鳴らして物陰に隠れると、直ぐに玄関が開きました。
「どちら様~?ってあれ?」
ライジングちゃんは玄関に置いてある袋を不思議そうに見つめました。
「どうしたの?」
青色のポニーテールの女の子が後ろから呼び掛けました。
「あ、五月!なんか置いてあって……あ、これパンプキンパイだ!」
ライジングちゃんは袋を開けると、匂いを嗅いで嬉しそうな顔をしました。
「わぁ、美味しい!これ、かき氷味だ!」
「って兎羽!危ないよ!毒入ってるかもしれないよ?!」
兎羽と呼ばれた子は五月という子の言うことを聞かず、パンプキンパイをもう一口齧りました。
「毒なんて入ってないよ!美味しいんだもん!」
アンコはその声に満足したのか、ふわりと浮き上がりました。
ふと、窓の奥にいた少女二人と目が合いました。
灰色の髪をした暗めの少女と、8歳くらいの幼い女の子です。
幼い子が手を降ってきました。アンコはにこりと笑い、手を振りかえしてから空を飛んでいきました。
どうやらライジングちゃんは友達を呼んで、自宅でハロウィンパーティをしているようです。
窓の外から人数を確認し、その分だけ袋から取り出して玄関に置きます。
チャイムを鳴らして物陰に隠れると、直ぐに玄関が開きました。
「どちら様~?ってあれ?」
ライジングちゃんは玄関に置いてある袋を不思議そうに見つめました。
「どうしたの?」
青色のポニーテールの女の子が後ろから呼び掛けました。
「あ、五月!なんか置いてあって……あ、これパンプキンパイだ!」
ライジングちゃんは袋を開けると、匂いを嗅いで嬉しそうな顔をしました。
「わぁ、美味しい!これ、かき氷味だ!」
「って兎羽!危ないよ!毒入ってるかもしれないよ?!」
兎羽と呼ばれた子は五月という子の言うことを聞かず、パンプキンパイをもう一口齧りました。
「毒なんて入ってないよ!美味しいんだもん!」
アンコはその声に満足したのか、ふわりと浮き上がりました。
ふと、窓の奥にいた少女二人と目が合いました。
灰色の髪をした暗めの少女と、8歳くらいの幼い女の子です。
幼い子が手を降ってきました。アンコはにこりと笑い、手を振りかえしてから空を飛んでいきました。
次にアンコが降り立ったのは、友達にきゅーばんちゃんと呼ばれている女の子の家でした。
きゅーばんちゃんの部屋の窓からこっそり覗くと、二人の女の子がおもちゃを片手にカメラを構えていました。
窓越しに見るその二人は、とても良く似ていました。
カメラで一枚写真を撮り、少しだけおもちゃを動かす、コマ撮りという物です。
アンコは袋から二つプレゼントを取り出し、ベランダにそっと置いて離れました。
と、緑色の髪の女の子が直ぐに窓を開けて出てきました。
「ろくばんちゃん!どうしたの?」
「いや、なんか妙な気配がして」
紫色の髪の毛の女の子---------きゅーばんちゃんがプレゼントに気づきました。
「わぁ!なにこれ!サンタさん?」
「ちがう、サンタさんはクリスマス……」
「あはは、そうだよね!」
きゅーばんちゃんが包み紙を開き、グラスの形をしたパンプキンパイを取り出して見せます。
「でも素敵なサンタさんだよ、季節外れなね」
明日、琲雪ちゃんやイブキちゃん、お姉ちゃんに自慢しよう!と言うきゅーばんちゃんの言葉を聞きながら、アンコは次の家に飛んでいくのでした。
きゅーばんちゃんの部屋の窓からこっそり覗くと、二人の女の子がおもちゃを片手にカメラを構えていました。
窓越しに見るその二人は、とても良く似ていました。
カメラで一枚写真を撮り、少しだけおもちゃを動かす、コマ撮りという物です。
アンコは袋から二つプレゼントを取り出し、ベランダにそっと置いて離れました。
と、緑色の髪の女の子が直ぐに窓を開けて出てきました。
「ろくばんちゃん!どうしたの?」
「いや、なんか妙な気配がして」
紫色の髪の毛の女の子---------きゅーばんちゃんがプレゼントに気づきました。
「わぁ!なにこれ!サンタさん?」
「ちがう、サンタさんはクリスマス……」
「あはは、そうだよね!」
きゅーばんちゃんが包み紙を開き、グラスの形をしたパンプキンパイを取り出して見せます。
「でも素敵なサンタさんだよ、季節外れなね」
明日、琲雪ちゃんやイブキちゃん、お姉ちゃんに自慢しよう!と言うきゅーばんちゃんの言葉を聞きながら、アンコは次の家に飛んでいくのでした。
今度は海の近くにある家です。中を覗くと、銀髪をポニーテールにした女の子がいました。
早速プレゼントを置こうとすると……
「そこにいるのは誰?」
いきなり声をかけられ、アンコはビックリして飛び上がりました。
「あれ、なんかいた気がするんだけどな……おかしいな、まあいっか、むらサメちゃ~ん」
声の主は後にアナザーむらサメちゃんと呼ばれる事になる御柱キオンちゃんです。
キオンちゃんはアンコが落としたプレゼントに気付かず、むらサメちゃんの家に入っていきました。蟹の形をしたパンプキンパイは、こうしてむらサメちゃんに届くことはありませんでした……(次の日、起こしにきてくれた友人の四ツ橋ちゃんが見つけてくれたので、無事にむらサメちゃんの手には届きました)
早速プレゼントを置こうとすると……
「そこにいるのは誰?」
いきなり声をかけられ、アンコはビックリして飛び上がりました。
「あれ、なんかいた気がするんだけどな……おかしいな、まあいっか、むらサメちゃ~ん」
声の主は後にアナザーむらサメちゃんと呼ばれる事になる御柱キオンちゃんです。
キオンちゃんはアンコが落としたプレゼントに気付かず、むらサメちゃんの家に入っていきました。蟹の形をしたパンプキンパイは、こうしてむらサメちゃんに届くことはありませんでした……(次の日、起こしにきてくれた友人の四ツ橋ちゃんが見つけてくれたので、無事にむらサメちゃんの手には届きました)
アンコはまだドキドキしながら次の家に向かいました。
「音楽に揺れる白いコたち♪ ロウソクとハートを灯す~ 今宵イタズラしかけて、街をカラフルにする♪」
歌を歌いながら、今度は駄菓子屋の前に降り立ちました。
中には友達から天号ちゃんと呼ばれている子がいます。
アンコはこんこんとドアを叩き、プレゼントを置いて隠れました。
「おやおや、こんな時間に誰かね……」
出てきたのは腰の曲がったおばあちゃんでした。
「おや可愛らしい贈り物、送り主は……ふふ『あそこ』からか。号姫や~らみ子や~」
プレゼントが無事に子供達の元へ届けられるのを見届けると、アンコは四つの翼を広げて飛び立ちました。袋の中は順調に軽くなっていきます。
「音楽に揺れる白いコたち♪ ロウソクとハートを灯す~ 今宵イタズラしかけて、街をカラフルにする♪」
歌を歌いながら、今度は駄菓子屋の前に降り立ちました。
中には友達から天号ちゃんと呼ばれている子がいます。
アンコはこんこんとドアを叩き、プレゼントを置いて隠れました。
「おやおや、こんな時間に誰かね……」
出てきたのは腰の曲がったおばあちゃんでした。
「おや可愛らしい贈り物、送り主は……ふふ『あそこ』からか。号姫や~らみ子や~」
プレゼントが無事に子供達の元へ届けられるのを見届けると、アンコは四つの翼を広げて飛び立ちました。袋の中は順調に軽くなっていきます。
気持ちの良い風に吹かれながら、次の家に向かいます。今度は冬実さんという名前の家の子、雪乃ちゃんの家です。
「あれ?」
窓の外に、籠が引っ掛かっていました。
その中には美味しそうなチョコレートクッキーが。雪乃ちゃんが作ったのでしょうか?
『お化けさんへ、どうぞ持っていってください』
籠の上にそんな置き手紙がくくりつけられてありました。
「ふふ、ありがとうございます」
アンコはクッキーを一つ摘まむと、梟型のパンプキンパイが入ったプレゼントを籠の中に置いて飛び立って行きました。
「あれ?」
窓の外に、籠が引っ掛かっていました。
その中には美味しそうなチョコレートクッキーが。雪乃ちゃんが作ったのでしょうか?
『お化けさんへ、どうぞ持っていってください』
籠の上にそんな置き手紙がくくりつけられてありました。
「ふふ、ありがとうございます」
アンコはクッキーを一つ摘まむと、梟型のパンプキンパイが入ったプレゼントを籠の中に置いて飛び立って行きました。
次にアンコは、音羽初という名前の子の家に行きました。
窓が空いていて、何やら話し声が聞こえてきます。
「へえ、ドアを開けたらプレゼントが、そんな事があったの」
部屋の主は、誰かと電話をしているようでした。
アンコはこれ幸いと、パンプキンパイを二つ置いて飛び立とうとしました。
「にゃあ~!とり!」
アンコはビクッとしました。猫耳と尻尾を生やした少女が、こちらを見ているのです。
「ちゃば、どうしたの?」
少女がこちらに振り返ります。
「あれ、君は……」
アンコは思わず飛び出してしまいました。
「あ、行っちゃった。でも謎のパンプキンパイの秘密は分かったかも」
初はそう呟き、電話の相手---------ぐれあというあだ名の少女との話しに戻りました。
窓が空いていて、何やら話し声が聞こえてきます。
「へえ、ドアを開けたらプレゼントが、そんな事があったの」
部屋の主は、誰かと電話をしているようでした。
アンコはこれ幸いと、パンプキンパイを二つ置いて飛び立とうとしました。
「にゃあ~!とり!」
アンコはビクッとしました。猫耳と尻尾を生やした少女が、こちらを見ているのです。
「ちゃば、どうしたの?」
少女がこちらに振り返ります。
「あれ、君は……」
アンコは思わず飛び出してしまいました。
「あ、行っちゃった。でも謎のパンプキンパイの秘密は分かったかも」
初はそう呟き、電話の相手---------ぐれあというあだ名の少女との話しに戻りました。
次にアンコは、薄紫色の髪を一つに纏めた、紫水龍香と言う名前の子の家に向かおうとしていました。
「ん、あれ…?」
ふと下を見ると、その女の子が歩いていたのです。
「珍しい、こんな時間に一人でいるなんて」
アンコはそう呟き、高度を下げました。
「さっきのシードゥス、しぶとかったね」
「ああ、そうだな」
龍香ちゃんはそんな事を言っていました。一人言でしょうか?いえ、その場には彼女以外にも言葉を発する存在がいました。
「ど、どうしよう。見ては行けないものを見てしまった気分……」
アンコは他の人外の存在に、少し戸惑いを見せました。
「いたッ!」
木の影に隠れたアンコは、つい袋を強く握りすぎて、さっき火傷した指を刺激してしまいました。
「誰?!」
少女の鋭い眼光に、アンコは面食らいます。
少女が来る前に、急いでプレゼントを投げ渡す位しか出来ませんでした。
「あれ、これは……」
龍香ちゃんの意外そうな声を耳にしながら、アンコはバサバサと羽音を立てて飛び去って行きました。
「ん、あれ…?」
ふと下を見ると、その女の子が歩いていたのです。
「珍しい、こんな時間に一人でいるなんて」
アンコはそう呟き、高度を下げました。
「さっきのシードゥス、しぶとかったね」
「ああ、そうだな」
龍香ちゃんはそんな事を言っていました。一人言でしょうか?いえ、その場には彼女以外にも言葉を発する存在がいました。
「ど、どうしよう。見ては行けないものを見てしまった気分……」
アンコは他の人外の存在に、少し戸惑いを見せました。
「いたッ!」
木の影に隠れたアンコは、つい袋を強く握りすぎて、さっき火傷した指を刺激してしまいました。
「誰?!」
少女の鋭い眼光に、アンコは面食らいます。
少女が来る前に、急いでプレゼントを投げ渡す位しか出来ませんでした。
「あれ、これは……」
龍香ちゃんの意外そうな声を耳にしながら、アンコはバサバサと羽音を立てて飛び去って行きました。
次の家に降り立ち、アンコは深呼吸しました。
美味しそうなご飯の香りが鼻を刺激します。そこは定食屋さんの離れでした。家の表札には『嵯峨』の文字が。
アンコは玄関をノックし、プレゼントを置くと、直ぐにそこから離れます。
「姉ちゃん!」
素早く開けられた扉、鳶色の髪を持った少年が飛び出てきました。
「……そんなわけないか」
辺りを見渡して、誰もいない事が分かると、少年はしょんぼりしてしまいます。
「お?」
少年が地面に置いてある二つの袋を見つけます。
「なんだこれ」
アンコはその様子をこっそり伺っていました。あの包み紙には、双子の兄弟の分のパンプキンパイが入っているのです。
「一悟、どうしたの」
唯一の兄弟の声が聞こえ、少年はしばし暗闇を見つめ、プレゼントを置いて家の中に入っていきました。
「別になんでもないよ」
扉を施錠する音が虚しくアンコの胸に響きます。
アンコは悲しくなりながら空を飛び立って行きました。
美味しそうなご飯の香りが鼻を刺激します。そこは定食屋さんの離れでした。家の表札には『嵯峨』の文字が。
アンコは玄関をノックし、プレゼントを置くと、直ぐにそこから離れます。
「姉ちゃん!」
素早く開けられた扉、鳶色の髪を持った少年が飛び出てきました。
「……そんなわけないか」
辺りを見渡して、誰もいない事が分かると、少年はしょんぼりしてしまいます。
「お?」
少年が地面に置いてある二つの袋を見つけます。
「なんだこれ」
アンコはその様子をこっそり伺っていました。あの包み紙には、双子の兄弟の分のパンプキンパイが入っているのです。
「一悟、どうしたの」
唯一の兄弟の声が聞こえ、少年はしばし暗闇を見つめ、プレゼントを置いて家の中に入っていきました。
「別になんでもないよ」
扉を施錠する音が虚しくアンコの胸に響きます。
アンコは悲しくなりながら空を飛び立って行きました。
次で最後の家でした。アンコはベランダに降り立つと、そっと中を確認します。
紺色の髪の女の子が、ピンク色のベッドの上で眠っています。
「あなたで最後」
アンコはそう囁き、それをベランダの隅にそっと置いておきました。
他の人よりも少し大きなパンプキンパイです。
「さよなら、大石愛歩さん」
アンコはそっと空に舞い上がりました。
紺色の髪の女の子が、ピンク色のベッドの上で眠っています。
「あなたで最後」
アンコはそう囁き、それをベランダの隅にそっと置いておきました。
他の人よりも少し大きなパンプキンパイです。
「さよなら、大石愛歩さん」
アンコはそっと空に舞い上がりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふぅ、疲れたぁ」
こうして空飛ぶ宅急便は終わりを告げました。
普段あまり運動しないアンコは、肩を回しながら職場に戻ります。
喫茶オウマがトキでは、メローネさんが待っていました。
全身エメラルド色の少女、彼女がアンコに仕事を頼んだ張本人です。
「お疲れ様、ありがとうね~♪」
「いえいえ、これくらい!」
にこやかに笑うメローネさんに、アンコもつられて笑います。
「あ、そうだわ~♪これからお茶会にしましょう。私、お茶いれるわ♪」
「あ、お茶なら私が……」
パティシェの血が疼いて、アンコはそう申し出ました。
「何言ってるの~♪今日の功労者はアンコちゃんなんだから、座って待っててくれればいいのよ♪」
「あ、はい!喜んで!」
「ふぅ、疲れたぁ」
こうして空飛ぶ宅急便は終わりを告げました。
普段あまり運動しないアンコは、肩を回しながら職場に戻ります。
喫茶オウマがトキでは、メローネさんが待っていました。
全身エメラルド色の少女、彼女がアンコに仕事を頼んだ張本人です。
「お疲れ様、ありがとうね~♪」
「いえいえ、これくらい!」
にこやかに笑うメローネさんに、アンコもつられて笑います。
「あ、そうだわ~♪これからお茶会にしましょう。私、お茶いれるわ♪」
「あ、お茶なら私が……」
パティシェの血が疼いて、アンコはそう申し出ました。
「何言ってるの~♪今日の功労者はアンコちゃんなんだから、座って待っててくれればいいのよ♪」
「あ、はい!喜んで!」
「あら?」
紅茶とお茶菓子を持ってきたメローネさんの驚いた声に、アンコはニヤリとしました。
「えへへ、ご注文のパンプキンパイのついでに作っちゃいました♪」
テーブルの上には砂糖菓子で作った緑色の花飾りを堂々とつけた、可愛らしいメロンパイが一切れ置かれていました。
「まあ、とっても嬉しいわ♪」
メローネさんが顔を綻ばせ、アンコはまたにっこりしました。
「皆さんの分もあるんですよ!なんだか作りたくなっちゃって」
紅茶とお茶菓子を持ってきたメローネさんの驚いた声に、アンコはニヤリとしました。
「えへへ、ご注文のパンプキンパイのついでに作っちゃいました♪」
テーブルの上には砂糖菓子で作った緑色の花飾りを堂々とつけた、可愛らしいメロンパイが一切れ置かれていました。
「まあ、とっても嬉しいわ♪」
メローネさんが顔を綻ばせ、アンコはまたにっこりしました。
「皆さんの分もあるんですよ!なんだか作りたくなっちゃって」
ギィィと音を立てて寝室のドアが開きます。中には七つに並べられたベッドに、六人の少女が身を寄せあって眠っていました。
アンコはまるでサンタさんのように、それぞれのベッドの近くにプレゼントを置いていきます。
フロートさんにはブルーベリーで飾り付けた甘さ控えめのミントパイ。
アイベリーさんにはブラックペーパーの刺激を加えて髪飾りのハートをモチーフにしたチョコの
飾りをつけたピリッとしたストロベリーパイ。
シトロンさんには中にトロッとしたカスタードが入った花の形のチョコを乗せたレモンパイ。
マーマレードさんにはスナック菓子のようにサクサクとした食感の、シトロンさんと色違いの花の形のチョコを飾り付けたレモンパイ。
プラムさんにはとびっきり甘い砂糖菓子をつけたとびっきり甘いピーチパイ。
ピオーネさんには星と月の砂糖菓子が乗った甘い甘いグレープパイ。
「うん、これでよし」
全員の枕元にパイを置き終わると、アンコはにっこりしました。
「後は明日来るバイトさんと本屋の二人ね」
アンコはまるでサンタさんのように、それぞれのベッドの近くにプレゼントを置いていきます。
フロートさんにはブルーベリーで飾り付けた甘さ控えめのミントパイ。
アイベリーさんにはブラックペーパーの刺激を加えて髪飾りのハートをモチーフにしたチョコの
飾りをつけたピリッとしたストロベリーパイ。
シトロンさんには中にトロッとしたカスタードが入った花の形のチョコを乗せたレモンパイ。
マーマレードさんにはスナック菓子のようにサクサクとした食感の、シトロンさんと色違いの花の形のチョコを飾り付けたレモンパイ。
プラムさんにはとびっきり甘い砂糖菓子をつけたとびっきり甘いピーチパイ。
ピオーネさんには星と月の砂糖菓子が乗った甘い甘いグレープパイ。
「うん、これでよし」
全員の枕元にパイを置き終わると、アンコはにっこりしました。
「後は明日来るバイトさんと本屋の二人ね」
アンコはキッチンに戻り、四つパイを置いておきます。
赤と黒の包み紙に入っているのがのじゃロリ猫先輩のパンプキンパイ。猫の形のパイの上に、ウイスキーボンボンが乗っています。
ビビットピンクと濃い紫の包み紙にはくゆりさんの為のパンプキンパイ。蜘蛛の形をしています。
濃淡な青の包み紙に黒白のリボンをつけたのがジュジィさんへのパンプキンパイ。仮面の形をしたパイは、ホワイトチョコとビターチョコの二層になっていて、二人でも楽しめる筈です。
淡い緑の包み紙に薄ピンクのリボンをつけた物は淡雪さんへのプレゼントです。枕の形をしていて、中にマシュマロが入っているので、ふわふわの食感が楽しめます。
「さあ、後は本屋!」
アンコはそう呟き、プレゼントを二つ持って本屋に向かいました。
赤と黒の包み紙に入っているのがのじゃロリ猫先輩のパンプキンパイ。猫の形のパイの上に、ウイスキーボンボンが乗っています。
ビビットピンクと濃い紫の包み紙にはくゆりさんの為のパンプキンパイ。蜘蛛の形をしています。
濃淡な青の包み紙に黒白のリボンをつけたのがジュジィさんへのパンプキンパイ。仮面の形をしたパイは、ホワイトチョコとビターチョコの二層になっていて、二人でも楽しめる筈です。
淡い緑の包み紙に薄ピンクのリボンをつけた物は淡雪さんへのプレゼントです。枕の形をしていて、中にマシュマロが入っているので、ふわふわの食感が楽しめます。
「さあ、後は本屋!」
アンコはそう呟き、プレゼントを二つ持って本屋に向かいました。
「あらアンコちゃんじゃない、まだ起きてたの?」
本屋に行くと、まだ起きていたマリネッタが、アンコをからかってきました。
「ええ、そちらこそ今日は随分遅いんですね、お昼に良く眠れたのですか?」
昼寝の件を皮肉ったアンコに、マリネッタは遠くを見るような目をしました。
「明日は満月なのよ」
「ああ…そう……」
思いがけない言葉に、アンコは少したじろぎました。
「で、こんな時間まで何してたの?」
「あ、これ」
アンコはプレゼントを手渡しました。
「もうすぐハロウィンだから、お店の宣伝にパンプキンパイを配って来てくれない?ってメローネさんに言われて」
本当は別の意味もありそうだけど…とアンコは思いましたが、それは黙っておきました。
「私にもくれるの?」
マリネッタの意外そうな声に、アンコは答えました。
「他の皆に作って、貴女だけ作らないわけにはいかないじゃないですか」
「ふーん」
マリネッタは嬉しそうな感じで包み紙を開きました。
それは三日月型のパンプキンパイでした。
マリネッタは口に放り込み、咀嚼して飲み込みます。
「美味しいじゃない。好きよこれ」
「ありがとうございます」
満月の前夜だからか、お互い少し素直に話すことが出来ました。
「それじゃあ、私先輩にも渡して来ますので」
「先生ならまだ起きてるわよ」
「そうですか、……マリネッタさん」
アンコはマリネッタの目を見て言いました。
「明日、もし貴女が狼になったら、温かいココアを淹れにきますね」
本屋に行くと、まだ起きていたマリネッタが、アンコをからかってきました。
「ええ、そちらこそ今日は随分遅いんですね、お昼に良く眠れたのですか?」
昼寝の件を皮肉ったアンコに、マリネッタは遠くを見るような目をしました。
「明日は満月なのよ」
「ああ…そう……」
思いがけない言葉に、アンコは少したじろぎました。
「で、こんな時間まで何してたの?」
「あ、これ」
アンコはプレゼントを手渡しました。
「もうすぐハロウィンだから、お店の宣伝にパンプキンパイを配って来てくれない?ってメローネさんに言われて」
本当は別の意味もありそうだけど…とアンコは思いましたが、それは黙っておきました。
「私にもくれるの?」
マリネッタの意外そうな声に、アンコは答えました。
「他の皆に作って、貴女だけ作らないわけにはいかないじゃないですか」
「ふーん」
マリネッタは嬉しそうな感じで包み紙を開きました。
それは三日月型のパンプキンパイでした。
マリネッタは口に放り込み、咀嚼して飲み込みます。
「美味しいじゃない。好きよこれ」
「ありがとうございます」
満月の前夜だからか、お互い少し素直に話すことが出来ました。
「それじゃあ、私先輩にも渡して来ますので」
「先生ならまだ起きてるわよ」
「そうですか、……マリネッタさん」
アンコはマリネッタの目を見て言いました。
「明日、もし貴女が狼になったら、温かいココアを淹れにきますね」
先輩は相変わらず本の山に埋もれていました。
「先輩、大丈夫ですか?」
「大丈夫……ちょっと読書しながら微睡んでたら本棚にぶつかっただけだから……」
本の山の底から、先輩の白い腕が見えます。
その白い腕が天井を指差し、くるりと回ると、本棚が元通りになり、床に落ちていた本が本棚に吸い込まれるように戻っていきました。
「…アンコ、悪いけど窓を開けてくれない?今日は一回も外の空気を吸ってないから」
本の山が消えて現れたのは、床につきそうな程長い緑髪を二つに結わえた女性---------この本屋の主です。
主はあくびをし、伸びをしながら言いました。
アンコはそんな先輩に呆れつつ、いつものようにあの言葉を呟きました。
「はい喜んで!」
「先輩、大丈夫ですか?」
「大丈夫……ちょっと読書しながら微睡んでたら本棚にぶつかっただけだから……」
本の山の底から、先輩の白い腕が見えます。
その白い腕が天井を指差し、くるりと回ると、本棚が元通りになり、床に落ちていた本が本棚に吸い込まれるように戻っていきました。
「…アンコ、悪いけど窓を開けてくれない?今日は一回も外の空気を吸ってないから」
本の山が消えて現れたのは、床につきそうな程長い緑髪を二つに結わえた女性---------この本屋の主です。
主はあくびをし、伸びをしながら言いました。
アンコはそんな先輩に呆れつつ、いつものようにあの言葉を呟きました。
「はい喜んで!」