俺の射弾を受けた相手を観測するうちに、
そいつの五体はバラバラに吹き飛んでそれぞれの分割面から煙をくすぶらせ始めた。
そいつの五体はバラバラに吹き飛んでそれぞれの分割面から煙をくすぶらせ始めた。
そいつ、俺たち軽機甲猟兵がゴリアテと呼んでいる木偶人形は、その五体を爆砕ボルトで締結されている。
外部からの信号が入力されると、その爆砕ボルトが爆発して五体がバラバラになる。
奴等は市街地のような錯綜した地形が持ち場だから、そういう狭い場所で動けなくなった場合は、
後の奴等が通れなくなってしまわないようにそこからどかさなくてはならない。
そして、あまり大きな「塊」だと、重量や周囲の物体との干渉でその作業が困難になることがあるから、
爆砕ボルトで五体をバラバラに分割するのだ。
外部からの信号が入力されると、その爆砕ボルトが爆発して五体がバラバラになる。
奴等は市街地のような錯綜した地形が持ち場だから、そういう狭い場所で動けなくなった場合は、
後の奴等が通れなくなってしまわないようにそこからどかさなくてはならない。
そして、あまり大きな「塊」だと、重量や周囲の物体との干渉でその作業が困難になることがあるから、
爆砕ボルトで五体をバラバラに分割するのだ。
俺が命中射を与えた奴の中からは誰も出てきてはいなかった、その状況で爆砕ボルトが作動した。
連中は自分に搭乗している人間の心身状態をリアルタイムでモニターしており、
その情報をデータリンクで友軍に常時送信している。
つまり、あれに乗っていた奴の生命活動は停止したと判断されたわけだ。
連中は自分に搭乗している人間の心身状態をリアルタイムでモニターしており、
その情報をデータリンクで友軍に常時送信している。
つまり、あれに乗っていた奴の生命活動は停止したと判断されたわけだ。
―――俺の腕もまだ向上の余地があるということだな。
乗っている奴が生きてはいるが動けないという状態になれば、敵は救出や回収にその分余計に手が掛かる。
無論そうなるように撃ったつもりだったが、やはり狙ってその状態にするまでには俺の技量は及んでいない。
無論そうなるように撃ったつもりだったが、やはり狙ってその状態にするまでには俺の技量は及んでいない。
むやみやたらという表現がふさわしい分隊支援火器の射撃―――恐らくは援護射撃のつもりなのだろう―――の下を、
敵兵が数名、バラバラになって転がっている木偶人形の胴体と両脚に近付いていく。
俺はこっちのほうの計算は外さなかった、
爆砕ボルトでバラバラになっても、胴体と両脚であの路地が塞がる位置にあいつが来たとき撃ったのだ。
敵兵は牽引ワイヤーの一方の端を持って走っている、もう一方の端は曲がり角で曲がって建物の向こうに続いている。
胴体と脚のどちらか、出来れば両方を引っ張ってどかす気だ。
恐らくあの建物の陰には、あの牽引ロープを繋げられたまた別の木偶人形が待機しているはずだ。
敵兵達はずいぶんとおびえているようだ―――辺りをしきりに見回している。
それぞれが、味方の巨人を屠った狙撃に自分が襲われるのではないかと思っているのだろう。
それについては取り越し苦労だ、その狙撃手、つまり俺は、お前等は撃たない。
狙撃手がお前等に構ったりせずに居座ってにらみを利かせているということで、敵は次の木偶人形を繰り出せない。
あの残骸のところでどうしても足が止まり、障害物を増やす結果に終わるからだ。
敵はこの市街地に戦車を引っ張り込んでいない、つまり火力を持って建造物ごと制圧する気は無いということだ。
そうであれば、俺は好きなように好きなだけにらみを利かせていられる。
それに、ボディアーマーしか装甲の無い相手に、
動力補助外骨格を使用しての運用可能量ギリギリのこのアンチマテリアルライフルを使う必要は無い。
そういう相手は味方に任せている。
目的地に行きつく寸前で、全ての敵兵は遠隔操作式対人地雷と機関銃により行動不能にされた。
敵兵が数名、バラバラになって転がっている木偶人形の胴体と両脚に近付いていく。
俺はこっちのほうの計算は外さなかった、
爆砕ボルトでバラバラになっても、胴体と両脚であの路地が塞がる位置にあいつが来たとき撃ったのだ。
敵兵は牽引ワイヤーの一方の端を持って走っている、もう一方の端は曲がり角で曲がって建物の向こうに続いている。
胴体と脚のどちらか、出来れば両方を引っ張ってどかす気だ。
恐らくあの建物の陰には、あの牽引ロープを繋げられたまた別の木偶人形が待機しているはずだ。
敵兵達はずいぶんとおびえているようだ―――辺りをしきりに見回している。
それぞれが、味方の巨人を屠った狙撃に自分が襲われるのではないかと思っているのだろう。
それについては取り越し苦労だ、その狙撃手、つまり俺は、お前等は撃たない。
狙撃手がお前等に構ったりせずに居座ってにらみを利かせているということで、敵は次の木偶人形を繰り出せない。
あの残骸のところでどうしても足が止まり、障害物を増やす結果に終わるからだ。
敵はこの市街地に戦車を引っ張り込んでいない、つまり火力を持って建造物ごと制圧する気は無いということだ。
そうであれば、俺は好きなように好きなだけにらみを利かせていられる。
それに、ボディアーマーしか装甲の無い相手に、
動力補助外骨格を使用しての運用可能量ギリギリのこのアンチマテリアルライフルを使う必要は無い。
そういう相手は味方に任せている。
目的地に行きつく寸前で、全ての敵兵は遠隔操作式対人地雷と機関銃により行動不能にされた。
敵が焦って繰り出した木偶人形も俺が片付け、敵が一旦引いて一段落ついた後、
俺は狙撃位置から敵が資材を提供してくれた障害物のところまで出てきていた。
俺の味方は、障害物が新しく出来た状況に合わせて、火力配置の変更や新しい地雷の敷設をしている。
俺はその防御布陣の変更を確認しつつ、自分が今度はどこに陣取るべきかを考える。
それにしても見事なものだ、木偶人形や敵兵の残骸が着々と防御構造物に姿を変えてゆく。
味方は俺の狙撃の腕を称賛する、
しかし俺は、何でもないようなものを有用なものに生まれ変わらせるそいつらの手腕の方が素晴らしいと思う。
そして何故かはわからないが、そう思うことは何か非常に重要なことのような気がするのだ。
俺は狙撃位置から敵が資材を提供してくれた障害物のところまで出てきていた。
俺の味方は、障害物が新しく出来た状況に合わせて、火力配置の変更や新しい地雷の敷設をしている。
俺はその防御布陣の変更を確認しつつ、自分が今度はどこに陣取るべきかを考える。
それにしても見事なものだ、木偶人形や敵兵の残骸が着々と防御構造物に姿を変えてゆく。
味方は俺の狙撃の腕を称賛する、
しかし俺は、何でもないようなものを有用なものに生まれ変わらせるそいつらの手腕の方が素晴らしいと思う。
そして何故かはわからないが、そう思うことは何か非常に重要なことのような気がするのだ。
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