「あなたには新兵器の運用について助言してもらう。できるな」
「Affirmative.もちろんです中尉殿」
「早速だ。午後の演習内容の変更についてだが、何機揃っている」
「午後には自分の搭乗機を含め、8機揃う予定です。現在2機、0930に6機」
「わかった。付帯の編成には各小隊2機になっているな」
「その通り」
「当然だが、我が隊は新兵器随伴訓練など行ったことはない。あなたには我々の隊になじんでもらう時間が必要だな」
「6ヶ月運用訓練してきましたが、現場の空気は忘れちゃいませんぜ」
まるで士官学校時代の教導軍曹よろしく、リプトンは上官に対して砕けた物言いをする。
「では現物が揃うならそれを踏まえて午後の演習方針を固めよう」
「中尉殿」
「?」
「まずは自分の隊にどんな人間がいるか、知りたいんですがね」
気が焦っていた。自分でもこういった仕事は抱え込みやすいと日頃から自重していたのに、またやってしまったと反省する。
「すまん、曹長。先にそうするべきだったな」
「現場の将校が下士官にむやみに謝罪しちゃいけませんぜ。示しがつかねえ」
ウィンタースは苦笑いするしかなかった。
「Affirmative.もちろんです中尉殿」
「早速だ。午後の演習内容の変更についてだが、何機揃っている」
「午後には自分の搭乗機を含め、8機揃う予定です。現在2機、0930に6機」
「わかった。付帯の編成には各小隊2機になっているな」
「その通り」
「当然だが、我が隊は新兵器随伴訓練など行ったことはない。あなたには我々の隊になじんでもらう時間が必要だな」
「6ヶ月運用訓練してきましたが、現場の空気は忘れちゃいませんぜ」
まるで士官学校時代の教導軍曹よろしく、リプトンは上官に対して砕けた物言いをする。
「では現物が揃うならそれを踏まえて午後の演習方針を固めよう」
「中尉殿」
「?」
「まずは自分の隊にどんな人間がいるか、知りたいんですがね」
気が焦っていた。自分でもこういった仕事は抱え込みやすいと日頃から自重していたのに、またやってしまったと反省する。
「すまん、曹長。先にそうするべきだったな」
「現場の将校が下士官にむやみに謝罪しちゃいけませんぜ。示しがつかねえ」
ウィンタースは苦笑いするしかなかった。
8/23/2024 11:30
先頭を走るハンヴィーが砂煙を上げて急停止、
ボンネット付近から煙が上がった。
ウィンタースは、すかさず解放チャンネルを開く。
「円陣防御!2班は左舷、3班は右舷、リプトン、ウェブスター、前に出ろ!」
檄が飛ぶ。
ボンネット付近から煙が上がった。
ウィンタースは、すかさず解放チャンネルを開く。
「円陣防御!2班は左舷、3班は右舷、リプトン、ウェブスター、前に出ろ!」
檄が飛ぶ。
後続のEFVが停止したハンヴィーの側面につき、解放された後部ハッチから次々と兵士が飛び出していった。後続車両も続々と配置につく。
煙を噴いている車両の左右に2機の甲冑が鎮座した。足首を降ろし、パッシブモードで索敵中。リプトンの視界はステレオ赤外線温度変化表示モード。
息苦しい。リプトンは呻いた。
数刻後には、ハンヴィーを取り囲むように円陣が組まれつつあった。
煙を噴いている車両の左右に2機の甲冑が鎮座した。足首を降ろし、パッシブモードで索敵中。リプトンの視界はステレオ赤外線温度変化表示モード。
息苦しい。リプトンは呻いた。
数刻後には、ハンヴィーを取り囲むように円陣が組まれつつあった。
「早いな」
煙の吹いたハンヴィーの中で、ソベルはストップウォッチを片手に呟く。
配置完了の合図が次々と各班から飛んでくる
「全隊配置完了、大尉」
「20秒。もう少し改善の余地はあるな中尉」
煙の吹いたハンヴィーの中で、ソベルはストップウォッチを片手に呟く。
配置完了の合図が次々と各班から飛んでくる
「全隊配置完了、大尉」
「20秒。もう少し改善の余地はあるな中尉」
ガムテープで留められた発煙筒からは、未だ煙が上がっている。
「文句は車両隊に言うべきか」
「No Sir.3班の展開に手惑いました」
「結構」
3班を率いてるガルニアが部下を叱咤していた。
「もたついてる時間だけRPGの1発や2発打ち込むチャンスを与えてるんだぞ。威力防御だって事を忘れるな。こっちが構えていれば向こうは下手に手出しできん」
「No Sir.3班の展開に手惑いました」
「結構」
3班を率いてるガルニアが部下を叱咤していた。
「もたついてる時間だけRPGの1発や2発打ち込むチャンスを与えてるんだぞ。威力防御だって事を忘れるな。こっちが構えていれば向こうは下手に手出しできん」
「中尉、感あり、実際」
ウェブスターが唐突に割って入った。
「何だ?」
「距離約5000、クラス5の熱源」
甲冑に搭載されている赤外線センサーが何かを捕らえたようだった。
「このあたりで演習している部隊が他に?」とソベル。
「Negative.スケジュールにはありません大尉」
「現地人の事故かもしれんな」
ウィンタースは少し考えた。
「ウェブスター、他にクラス2熱源は?」
「人間らしき影は見あたりません。何か派手に燃えてますね」
スコープを片手にウィンタースは示された方角を覗く。
ウェブスターが唐突に割って入った。
「何だ?」
「距離約5000、クラス5の熱源」
甲冑に搭載されている赤外線センサーが何かを捕らえたようだった。
「このあたりで演習している部隊が他に?」とソベル。
「Negative.スケジュールにはありません大尉」
「現地人の事故かもしれんな」
ウィンタースは少し考えた。
「ウェブスター、他にクラス2熱源は?」
「人間らしき影は見あたりません。何か派手に燃えてますね」
スコープを片手にウィンタースは示された方角を覗く。
「キレイなもんだ」
砂漠のど真ん中で揮発性の燃料か何かを燃やしているような細い煙が上がっていた。
「偵察だな。リプトン、先頭に立て。ブル、EFVで後方から援護だ」
「Roger」「Yes、Sir」
「他の者はそのまま待機」
微バックで足首を畳むとリプトン機は静かに前進した。ブルの班をすばやく詰め込んだEFVもそれに続く。
大隊本部にも一報を入れておく。
「HQ、こちらRomeo01、聞こえますかどうぞ」
『…こちらHQ』
「シンク大佐に伝えてくれ。演習中に現地人のものと思われる事故発生、現在カラサスから南5000、現在調査中、送れ」
『…こちらHQ…十分に注意し報告せよ。現地人とのトラブルは回避せよ。以上です』
「Roger that.調査を続行する」
砂漠のど真ん中で揮発性の燃料か何かを燃やしているような細い煙が上がっていた。
「偵察だな。リプトン、先頭に立て。ブル、EFVで後方から援護だ」
「Roger」「Yes、Sir」
「他の者はそのまま待機」
微バックで足首を畳むとリプトン機は静かに前進した。ブルの班をすばやく詰め込んだEFVもそれに続く。
大隊本部にも一報を入れておく。
「HQ、こちらRomeo01、聞こえますかどうぞ」
『…こちらHQ』
「シンク大佐に伝えてくれ。演習中に現地人のものと思われる事故発生、現在カラサスから南5000、現在調査中、送れ」
『…こちらHQ…十分に注意し報告せよ。現地人とのトラブルは回避せよ。以上です』
「Roger that.調査を続行する」
そうこうしているうちにリプトンは目標を正確に捉える距離に近づいたようだ。
『こちらRomeo11、中尉、車両火災です。人間はいません』
「車両?」
ソベルと目が合う。
『ロシア製の牽引車、キリル文字です』
「映像回せ」
「Roger that.」
甲冑からのブロックノイズ混じりの映像がハンヴィーに搭載されている戦術端末に投影された。
「…何でしょう」
「レーダーか何かの電源車両だな。旧式の」ソベルは事もなげに答えた。
「発電機ありますね」
火災はどうやらその発電機付近にあるタンクから漏れている燃料に引火して起こっているようだった。それにしては不自然なところもある。
「車輪が片方はずれてるな。運搬できなくなって捨てていったのか?」
視線が降ろされた映像には、何本もの轍が南北方向に伸びていた。
数にして約一個小隊分。
「この暑さだ。自然発火でもしたか」
『こちらRomeo11、中尉、車両火災です。人間はいません』
「車両?」
ソベルと目が合う。
『ロシア製の牽引車、キリル文字です』
「映像回せ」
「Roger that.」
甲冑からのブロックノイズ混じりの映像がハンヴィーに搭載されている戦術端末に投影された。
「…何でしょう」
「レーダーか何かの電源車両だな。旧式の」ソベルは事もなげに答えた。
「発電機ありますね」
火災はどうやらその発電機付近にあるタンクから漏れている燃料に引火して起こっているようだった。それにしては不自然なところもある。
「車輪が片方はずれてるな。運搬できなくなって捨てていったのか?」
視線が降ろされた映像には、何本もの轍が南北方向に伸びていた。
数にして約一個小隊分。
「この暑さだ。自然発火でもしたか」
今朝の偵察衛星報告は特に何も無かった。何者かが通ったとしたら午前中、演習前だ。
「我々の目と鼻の先で、敵対勢力が堂々と武器の運搬を行っていた、と考えても差し支えなさそうだな」
敵対勢力、か。とウィンタース。
「電源車、って事は、レーダーですかね」
「わからん。南には30kmほど先に村があったはずだ。今じゃ誰も住んでいないがね」
ソベルは思い返していた。
「映像をHQに送ります」
「そうしてくれ」
『こちらRomeo21、問題発生』
「どうしたブル」
「我々の目と鼻の先で、敵対勢力が堂々と武器の運搬を行っていた、と考えても差し支えなさそうだな」
敵対勢力、か。とウィンタース。
「電源車、って事は、レーダーですかね」
「わからん。南には30kmほど先に村があったはずだ。今じゃ誰も住んでいないがね」
ソベルは思い返していた。
「映像をHQに送ります」
「そうしてくれ」
『こちらRomeo21、問題発生』
「どうしたブル」
緊張が走る。
『フーブラ伍長が倒れました。単に熱中症です』
「……すぐに引き返せ。ユージーン、処置を頼む」
内心、驚かすな、と言いたいところだった。
だが砂漠の熱中症は甘く見てはいけない、と衛生兵には繰り返し釘を刺されている。
大事をとって部下には後退を命じた。
「リプトン、お前も戻れ」
『Roger that.』
「……すぐに引き返せ。ユージーン、処置を頼む」
内心、驚かすな、と言いたいところだった。
だが砂漠の熱中症は甘く見てはいけない、と衛生兵には繰り返し釘を刺されている。
大事をとって部下には後退を命じた。
「リプトン、お前も戻れ」
『Roger that.』
演習用の装備ではこれ以上深追いは危険だ。
砂漠の外れの村に偵察部隊派遣の具申をしなければならない、ウィンタースは戻ってからの算段を始めていた。
砂漠の外れの村に偵察部隊派遣の具申をしなければならない、ウィンタースは戻ってからの算段を始めていた。
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