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リベンジャー・レディ プロローグ

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 その人型兵器は蒼く、滑らかなフォルムをしていた。
 全長約二十メートル。一見すると全体的に線が細く、華奢なイメージが強い。
 しかし、よくよく見れば、大口径の推進ノズルが幾つも付いたその姿は、歪なまでに出力に特
化した機体だと理解できる。
 これほど第一印象と、その数分後の印象のギャップが激しい機体も少ないであろうと、開発主
任であるエムレインは考える。
 つい先日世界に認められたばかりの、現在の科学技術によって生み出せる最高の強度と粘り
強さを誇る金属――エレメチアル合金をふんだんに用いなければ成しえなかった設計である。
 華奢なボディに対し、取り付けられた推進ノズルの配置は以下の通りである。
 脚部にメインブースター一口、サブブースター二口の計三口ずつ。
 腰部と臀部に軌道修正用のバーニアが大中計四口。
 背面部にメインスラスター四口。
 肩部に中型ブースターが一口ずつ。
 胸部に姿勢制御用の小型ブースターが二口。
 総計十八口の推進ノズルが取り付けられている。
 その容姿は細身でありながらも、これは人型兵器の姿をした弾道弾ではないのかとまでに思わ
せる、圧巻の迫力を有していた。
 この蒼い機体の名はダウンシューター。
 超高度をフィールドとした、高火力の遠距離射撃に特化した機体である。国防兵器(ガーディアン)
として開発された事もあり、各種ステルス装備が充実している事も特色の一つと言えるだろう。
「全く、とんでもない物の開発に関わってしまったものだ」
 完成したダウンシューターを見上げ、エムレインは呟いた。
 その表情は明るく、何処か充実の色を含んでいる。自分達が作り上げたこの機体がどれ程の成
果を出す事になるのかを期待しているその表情は、好奇心に目を輝かせる少年の様でもあった。
 コスト面からコレが量産できない事は、ある意味正解ではないかとすら彼女は考えている。
 最新のレーダーにも捉えられず、地上からの攻撃の届かない高度から、一方的に高火力の砲撃を
放つその姿は想像するだけで恐ろしい。ましてや、その砲口が敵に向いている内はまだしも、何らか
の事故により、自分達に向けられたとしたら……。
 そうならない為の策は立ててあるとは言え、もし、万が一にそうなってしまったとしたら?
 現在の日本に、この兵器に勝てる術は存在するのだろうか?
(恐らく、無いだろうな)
 ソレだけの物を作り出したとエムレインは自負している。
 もし、このダウンシューターに対抗できる存在が在るとすれば、ただ一つ。
 紅白鬼と呼ばれる機体に乗っている、あのパイロットだけではなかろうか……。

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