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転移戦線異常有り!? 大海上都市群「兵庫」重歩兵中隊がワームと戦うようです 第4話

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irisjoker

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狙撃部隊と砲撃部隊の攻撃、試製小型自走爆弾と試製小型飛行爆弾の自爆、現在こちらへ帰還途中の試製小型偵察機の小型ミサイルで多くのオルトロス四型を葬ったが、全てではない。
こちらの攻撃を一切受けず無事に砲撃を行ったオルトロス四型も多く存在した。千を越える生体化学反応ロケットがこちらへ飛んでくる。
大火力の砲撃だ。いくら重装甲強化服が頑丈に造られているといっても、戦闘車両と比べれば装甲は紙でしかない。元々直接防御など考慮されていない攻撃特化型の兵器があれを食らえばひとたまりもない。だが、それはまともに食らえばの話。
遮蔽は無く、広域妨害も無く、こちらのセンサーは一切阻害されず性能を100%発揮出来る。そんな理想的環境で飛んでくる砲弾を撃墜するなど、俺達には蚊を叩き落すよりも簡単な事。
塹壕の近くに着弾し、こちらに損害を与える可能性のある危険なロケット弾のみをピンポイントで迎撃する。
砲身がそれぞれバラバラに動き、多目標への同時迎撃が可能な6.25mm迎撃機関銃。5連装2基10門の銃口を目標へ合わせ単発射撃。放たれた10発の6.25mm振動熱徹甲弾は正確無比に10発のロケット弾を貫いた。
他の仲間が撃った分も含め、数十の爆発が空で発生し、轟音が轟く。その後、塹壕から離れた位置に数百発のロケット弾が着弾。凄まじい爆発が発生し、着弾点に大きなクレーターが出来る。
大威力ではあるが所詮は遠い場所、塹壕に立て篭もった俺達にかすり傷一つも無い。それに対してオルトロスにはこちらの攻撃を防ぐ手段は無く無防備。これだけ数に差があるのだから「たかがこの程度」のハンデは大目に見てもらいたい。だから、心置きなく死ね。
「ポチッとな」
仕掛けを発動させる。生身の人間では、優れた感覚器官を持つオルトロスでも全く見えも聞こえも感じもしないが、「それ」は確かに地面から空中に飛び上がった。

跳躍地雷。

空中で爆発した数百個の跳躍地雷は一個辺り数百発、計数万発の大粒振動熱散弾を下方へ広範囲にばら撒いた。
オルトロスの体を貫き体内に侵入した散弾は、それだけでは終わらなかった。球状をした散弾の中心部には少量の高性能炸薬が内蔵されている。それは、つまり「そういう事」だ。
高性能炸薬の威力が損なわないように軟化し、「『最大の被害を』与えられるよう弾殻に最適な細かい亀裂を走らせた」散弾は爆発、再硬化し、無数の振動熱破片がオルトロスの全身に拡散していった。
一発だけならともかく十数発をその身に受けたオルトロスは……御免なさい、あまりにもグロ過ぎてどう表現すればいいのか分からないの。笑えばいいと思うよ。なんだ、そうだったのか! フハハハハーッ、最高にハイって奴だぁぁぁぁぁーーーーーッ!
オルトロスに直撃しなかった散弾は空中で爆発し破片を飛び散らせる。一発たりとも「無駄弾」は存在しない。
跳躍地雷は敵にかなりの損害を与えはしたが、全体の数からすれば極一部。オルトロスの軍団は何事も無いかのように進軍してくる。
そして唐突に、何の前触れも無く、何事も無いかのように進軍してきたオルトロスの軍団の最前衛が細切れとなった。次から次へとオルトロスはところてんのように斬断されていく。何が起こったのか。無論、俺達が仕掛けた罠だ。
現代の鉄条網、振動熱伸縮可変鋼線の網。その名も「ウォルター結界」。あ、ウォルター結界ってのは正式名じゃなくて俺が今思いついて勝手に名付けた名前な。

不可視の鋼線で編まれた網に引っ掛かったオルトロスは一匹残らず「ところてん」と化した。それ以上生きて進軍する事は出来ず、流石の大軍勢も停滞せざるを得なかった。絶好の機会を見逃しはしない。むしろ、最初から狙っていた。
6基の25mm重機関砲に装備された50mm擲弾発射機から、直径5cm、全長10cmの50mm振動熱榴弾を120発全弾撃ち尽くし、弾倉を素早く交換して更に120発、計240発をブッ放す。
仲間が撃った分も合わせて千発以上の50mm振動熱榴弾が放物線を描き、ウォルター結界の後方に着弾する。凄まじい量の小規模爆発は見た目こそ地味だが、確実にオルトロスの命を奪っていった。
近接部隊が全弾撃ち尽くす勢いで、37.5mm散弾砲から37.5mm振動熱散弾を撃つ。
敵の上空で砲弾は破裂し、一発辺り十数発の、跳躍地雷と同じ大粒散弾をばら撒く。直撃した散弾は体内の奥深くで爆裂し、直撃しなかった散弾は空中で破裂して殺せないまでも確実に損傷を与える。これで一先ず良しとしよう。時間内に与えられるだけの損害は与えた。
オルトロスはウォルター結界を乗り越えてきた。
振動熱伸縮可変鋼線網は元々、重装甲強化服を着用した重歩兵、軽装甲強化服を着用した軽歩兵を相手に開発された代物。数千数万の巨大生物を相手にする事など最初から想定されていない。早い話が、電力が尽きたのだ。
電力が尽きてしまえばただの丈夫な網でしかない。振動熱を発生させられない素の状態でも生身の人間程度なら触れただけで骨ごと切り裂けるが、相手と数がとことん悪かった。
「ところてん」のようになった大量のオルトロスの死骸がウォルター結界を埋め尽くし、土台となり、安全な踏破を可能とした。こうなってしまえば、もう何の役にも立たない。
試製小型偵察機がようやく帰還する。
試製小型偵察機の母艦として大改造劇的ビフォーアフターした牽引式輸送車の天井、飛行甲板には交換用電池と小型ミサイルがずらりと並べられている。
牽引式輸送車の後方から速度を緩めずに、試製小型偵察機は電力の少なくなった電池を飛行甲板に投棄し、機体下部に取り付けられた二本の伸縮可変鋼線で電池と小型ミサイル一つずつを引っ掛けて収縮、機体に装備し再攻撃に向かう。目標はオルトロス四型。
オルトロスは最終防衛ラインの直ぐそこまで迫ってきた。仕掛けた最後の罠とこちらの攻撃でどれだけ数を減らせるか。
無人小型弾薬補給車「イグルー」の触手状給弾管で消費した弾薬を補給する。手数が多く、短時間で多数の敵に対処出来る近接部隊は最後の要だ。最後の罠と大火力を叩きつけた後、塹壕に迫るオルトロスを片っ端から殲滅する。さぁ、来い。


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