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戦脚は大陸に燃えたか【第三話】

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中国大陸南部・石竜近郊



バダダダダダ



帝國陸軍の空中砲兵、その中隊に所属する機体は全部で20機。先日の件で1機が失われており、19機のマングスタが戦脚を索敵、破壊すべく大陸の空にはばたいていた
「流石に広いわね」
基地から飛び立って、早一時間。眼下には人の姿もなく、荒涼とした平原が広がっていた
「どこに居るんでしょう」
ガンナーが聞いてくる
「情報はブリーフィングで言った通りよ」
コンテナ二個に入れられる程度の大きさ、最大で機銃が二基・・・ただ、移動力はそうでもない。歩兵と随伴するのが役目だから。
「何かの移動手段に頼っているはず」
大型トレーラーか、あるいは河川用船舶
「あぁ、それで川沿いを飛ばしてたんですね」
「それぐらいは理解してなさいよ」
まったくこの子は・・・でも、いったいどこへ?まだ海に出るほどの時間は経ってないのに。



???



「驚いたな、こんなものがあるなんて」
潜水式運貨筒、物資を潜水状態で運ぶカーゴ。動力はないため船に曳いて貰う必要があるが、潜水状態なら気付かれることはあるまい
「日本人はたいてい川の深さに無頓着ね」
通常より動力を強化してある漁船を操作している女が答えた

「日本は狭いもんでね」
「だから出てきたと?」
言葉尻がキツい。まぁ仕方がないんだが
「・・・それで、どこに連れていくつもりなんだ?」
組織のある場所に行って、何がどこまで出来そうなのかがわからなければ、何も出来ない
「すぐだ」
「すぐといわれてもな。って、おい」
危険と書かれたブイの傍を通る。この先は・・・!
「灰の町、そう呼んでるわ、私達は」
1960年代、九竜半島を中心にパンデミックが発生しかけた。詳細は良く知らないが、インフルエンザのたぐいだったらしい。
患者等を香港島に押し込め、隔離した日英両帝國は協議のうえ、艦砲射撃を間に挟む二度の核による熱殺処分を行った
      • 核を一度実地に使ってみたかったのだという説もある
「被曝しちまうぞ!」
「?」
これは杞憂である。砂漠地帯ならまだしも、東アジアの場合、毎年の台風等が放射能洗浄に役立っており、廃墟内で大暴れでもしないかぎりは、既定値を少し越える程度浴びる程度である
「じゃあ、私は漁をするから、運貨筒に乗って。あとは機械に曳いてもらえるから」
「お、おう」
漁船はカモフラージュの為に漁をしなければならない。現地人が無知のまま穴場として漁をしている。そんなストーリーだ


「ようこそ灰の町へ、同志よ」
漁船から切り離されて鎮座した運貨筒を何かが(アームだろう)ひっぱり入れた場所は、まるで潜水艦基地のようだった
「ここがあんたらの本拠地か」
「まぁそんなとこだ」
無線機の先に居た声の男が出迎える
「この桟橋のホール以外は殆ど潰れてしまっている。見てくれよりは狭い。まぁ、しがないテロリスト集団だがね、我々は。しばらくは我慢してくれ」
自嘲的に笑いながら、男は肩をすくめた
「ま、おたくのところの戦艦がほじくりかえしたせいだがね」
「わかってるよ。十分だ」
こいつら、かなりできる組織だ。こういった基地を設けられる時点で只者ではない
「武器や道具はそのうちクワンチョウの業者から届く手筈さ」
物資は先程の運貨筒を使って運び入れてたわけか、道理で手慣れてるわけだ
「あとは俺のOSだな」
「そうだ」
笑みがこぼれる。ここからだ。ここから戦脚は第三世界やテロリストに広がってゆくだろう
「仕事がしたい、パソコンはあるか、早速取り掛かろう」
彼らには世界に立ち向かう手段が必要だ、それを俺が与えてやる



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