チェンジ・ザ・ワールド☆
不完〜.6
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不完全燃焼、恋愛模様
書店を出て待ち合わせ場所の商店街前の公園へ移動する。
なんだか妙に周囲が騒がしい気がしたが、千歳はそんなことより汐屋が本当に来てくれるかどうか心配だった。
約束を破るような子じゃないのは分かっていたが、こうやって待ち合わせをして出かけるのが初めてだったので、落ち着かないのだ。
そう思うと、今まで仲が良いと思っていたが、案外お互いのプライベートを知らない事に気付く。
家族構成や九州にいた頃どこに住んでいたかくらいは知っている。
しかし、どんな音楽やスポーツが好きだとか、そういった細かい事は何も知らない。
「なんか、相変わらずっちゅーか、高校に入って色気が増したっちゅーか……」
並んで立つ白石と千歳を見比べながら、忍足が呟いた。
昔から気持ち悪いくらいモテる白石は綺麗な顔立ちをしているし、千歳は190センチ以上の長身と優しい性格でこちらもモテる。
忍足も白石に負けず繊細な顔立ちをしているおかげでモテるのだが、そんないわゆるイケメンが3人並んで立っているのだ。周囲が騒ぐのも無理はない。
通り過ぎる女性達のほとんどがこちらを振り返る。
ちょっとした芸能人みたいだ。
数分過ぎた頃だった、遠巻きにこちらを観察する女性たちの向こう側から、一人の女の子が遠慮がちにやって来た。
「お待たせ……恐ろしく目立ってるからすぐに分かったよ」
そう言って千歳の前にやって来たのは汐屋だった。
忍足は少女を見てにやりと笑う。
千歳がこの少女の事を好きなのは先ほどの白石との会話で分かっていた。
特に美人という訳ではないが、優しそうで柔らかな雰囲気を持っている。
でもどこか一枚壁を作っている、そんな不思議な印象を受けた。
そこで忍足に気付いた汐屋がペコリと頭を下げる。
「こんにちは」
「あ、こんにちは」
吊られて忍足も頭を下げる。
それを見て白石が忍足を紹介した。
「汐屋、こいつ中学ん時のチームメートで、忍足謙也。謙也、この子は俺のクラスメートの汐屋雪緒さん」
「よろしく」
「よろしゅうな」
「千歳とはさっきそこで偶然会うたんや。なんや汐屋が来るって言うから、挨拶しとこ思って」
「そうなんだ。どこか行くの?」
「部活休みやし、謙也とテニスしに行こうか思ててん」
「休みの日もするの? すごい熱心なんだね」
「汐屋も一緒に来るか?」
「私は千歳君と買い物あるし」
「そうたい、2人とも早く行って来んね」
邪魔そうな顔をする千歳に、白石が微笑む。
「俺達も一緒に買い物付き合うわ。そんで飯食って皆でテニスしよ?」
「あ、賛成」
便乗してしたり顔で手を挙げる忍足を千歳が睨む。
が、反対する事も出来ないので汐屋に助け舟を求める。
「汐屋、お前テニスとか興味ないやろ?」
「ううん、テニス好きだよ」
「ほんまに?」
「やったことはないけど、見るのは好き」
「ほんなら決まりやな」
「よし、行こか、千歳。ハンドタオルやったな。汐屋、どっかいい店知っとるんか?」
千歳を置いてさっさと歩き出した白石と忍足に、千歳はまたため息を吐く。
汐屋も別に白石達と一緒に行動するのを嫌がっていないようだ。
ということは、千歳一人が汐屋と2人で出かけられることを喜んでいたということになる。
情けない。
もっと汐屋との距離を縮めたい。
しかしそのためにはどうするべきか。
千歳は前を歩く3人の後ろ姿を眺めながら必死で考えた。
続く…
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