チェンジ・ザ・ワールド☆
不完〜.9
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不完全燃焼、恋愛模様
「何ばしよっと?」
翌日の昼休み、偶然見かけた汐屋は必死に飛んでいた。
そんなぴょんぴょん飛び跳ねる汐屋に近づき、千歳が苦笑しながら尋ねる。
「あ、千歳君」
千歳を振り返った汐屋は棒切れを持っていた。
「なんかえらい必死ばってん、どげんしたと?」
「それがね、あれ……」
「?」
汐屋が棒で指す場所には、木の枝にひっかかった手紙があった。
「もしかして、あれば取ろうとしよったと?」
「うん。廊下歩きよったら急に風が吹いてきて、ここに飛んで引っかかったと」
「なるほどね」
「あ、千歳君背ぇ高かけん届くかもしれんね。お願いしてもよか?」
「よかよ」
軽くジャンプをすると楽々手紙を掴む。
「すごっ」
汐屋は目を丸くさせている。
「まあ、汐屋よりは背の高かけんね」
「あはは、随分とね。ありがとう、本当に助かった~」
そう言って千歳から手紙を受け取ると、汐屋はほっとしたような顔をした。
そんなに大切な手紙だったのだろうか。
そう思い宛名の所に書かれた名前を見た瞬間、ゾワリと背中に悪寒が走った。
汐屋の手に握られた手紙の表には、「白石蔵ノ介様」と書かれていたのだ。
まさかーーー
「もしかして、ラブレターね?」
無意識に尋ねた千歳は、驚く汐屋の顔を見て自分も驚いた。
「あ、ごめん。名前の見えたけん」
「えっ? あっ」
慌てて手紙を自分の後ろに隠すと、汐屋は照れたように笑った。
「あ、あはは、今見たとは内緒やけんね」
「ーーー別に誰にも言わんよ」
ズキンと痛む胸。
「でも千歳君ってほんとに背ぇ高かよね~。羨ましか~」
千歳の傷心に気付くはずも無い汐屋は、必死に背伸びをしながら千歳の頭の位置を手で計る。
複雑な笑顔で千歳は答える。
「まあ、高か所の物ば取る時は便利やね。ばってんいつも待ち合わせ場所にされるけん疲れるたい」
「待ち合わせ場所にされるとは嫌やけど、私小さいけん少し身長分けて欲しか。それに千歳君顔もカッコいいけんモデルさんみたいやもんね」
褒められてもあまり嬉しくないのは、間違いなくさっきの手紙の所為だ。
「そう? 汐屋になら身長分けてやってもよかけど、女の子はあんまり大きかよりも汐屋くらいの身長でちょうどいいっちゃない?」
「それはスタイルいいから言えるセリフやもん。まあ、これ以上は期待しても伸びんけん諦めとるけどね」
「無いものねだりってことやね」
「そうそう。でも千歳君くらいの身長から見る景色ってどげんやろか? 私が見よる景色とは全然違うっちゃろうねえ」
「見てみるね?」
「え? どうやって?」
「……はい」
そう言って千歳は汐屋の目の前でしゃがんだ。
驚く汐屋。
「な、なんしよっと?」
「おんぶ。これやったら俺が見よるのと同じ高さから景色見えるやろ?」
「そ、そうやけどっ」
「別に立ち上がってから手ぇ放したりせんよ」
「そう言う問題じゃなか」
「何ね?」
「誰かに見られたら恥ずかしかやん」
「ああ……」
ふと白石の顔を思い出し、千歳はポリポリと頭を掻いた。
「そうやね、もしも白石に見られて誤解されたら困るしね……じゃあ、まあ、もしまた高い所の物取りたかったらいつでも呼ばんね」
「え? あ、うん?」
そう言い残して千歳はさっさと汐屋の前から立ち去った。
続く…
千歳ショック!w
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