チェンジ・ザ・ワールド☆
不完〜.15
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不完全燃焼、恋愛模様
地区大会を見事優勝で終えた千歳達は、意気揚々と引き上げていた。
「白石、千歳!」
「謙也、お疲れ」
「お前達に負けたんは悔しいけど、優勝したから許したる」
「上からやな」
「やかましい、悔しかったんや。俺、これから小春とユウジと一緒に飯食いに行くねんけど、お前らも来るか?」
「遠慮しとくわ」
「千歳も?」
「ちょっと白石と話しがあるけん」
「ふうん。汐屋も一緒に飯食いに行くんやけど……」
チラリと千歳を見上げて言う忍足に、千歳は驚く。
「何でお前らが一緒に飯食いに行くねん」
「だって俺が試合の応援に来いて誘ってんねんから、汐屋と一緒に行動してもおかしないやろ?」
「忍足君」
と、丁度そこへ汐屋がやって来た。
「千歳君、白石君、お疲れ様。優勝おめでとう! すっごいかっこ良かったよ」
笑顔で言う汐屋に、千歳は胸が締め付けられた。
「あの、汐屋……」
「千里っ!!」
全員がその声に振り返る。
「あ……」
やって来たのは千歳が放ったらかした少女だった。
苦しそうに肩で息をしている。
「はあっ、千里、うちっ……」
「ごめん、放ったらかしとったね」
「……別にええよ、友達と一緒におったし」
その様子を見ていた忍足が白石に小声で尋ねる。
「誰や?」
「うちの学校の子や」
聞こえていたのか、少女が頭を下げた。
「こんにちは、千里の彼女です。千里がいつもお世話になってます」
「ああ、どうも……なんや、千歳の彼女ーーーーーーーーーーーーーええっ!?」
驚く一同。
千歳は危うく後ろに倒れそうになり、それを白石が支える。
「か、彼女? ほんまに? 千歳の!?」
忍足が千歳とその少女を見比べて少女の顔を凝視する。
「そうやよ。だって千里がしばらく友達として付き合って、うちの事好きになったら彼女にしてくれるー言うたもん」
「お前そんなこと言うたんか?」
「い……言っとらんばい、ちょっと待たんね! 俺、そげな事約束した覚えなかよ!」
我に返った千歳が言うと、少女は途端に両手で顔を覆った。
「ひ、酷いっ! 嘘吐きっ! 約束したやんか!」
「ちょっと待って。ほんなら先に聞くばってん、俺、あんたの事いつ好きになったて言った?」
「ーーーう、そ……千里、この間電話で話した時に千里って呼んで言い? って聞いたら、好きな子になら呼ばれたいって言うてたやんか。次の日うちが千里って呼んでも何も言わんかったから、それってうちの事好きやから千里って呼ばせてくれたんやないの!?」
「は? えーーー?」
千歳は必死になって思い出していた。
少女との会話は面倒でいつも適当に相づちを打っていて、まともな会話をした事はあまりない。
それでもよく思い出していると、数日前に疲れ切って半分寝ている所に少女から掛かってきた電話の中、そう言えば好きな子に名前で呼ばれたら嬉しいとかなんとかそんな事を言ったような気がしてきた。
「あ……言ったかもしれんーーーばってん、あの時の約束は友達になるってだけで、付き合う付き合わんは関係なかったやろ?」
「でもうちは千里の事好きなんやから、千里がうちの事好きになってくれたんなら付き合う事になんの問題もないやんか!」
「それでも俺は好きな子に名前で呼ばれたら嬉しかって言っただけで、好きな子になら呼ばれたかとは言うとらん」
「何で? じゃあうちの事好きやないん?」
ビックリした。
いや、驚愕した。
千歳は少女の言葉に、無意識に汐屋を見ていた。
汐屋は驚いているようで、じっと事の成り行きを見守っている。
そして次の瞬間、汐屋も千歳を見る。
目が合ったほんの数秒で、千歳は先ほど白石に告げようと思った内容を思い出し、口を開いた。
「ごめんけど、俺、あんたの事は好きになれん」
「……え? 何で? 何言うてるん? 意味分からんわ」
「あんたは裏表が激しか。こうやって人の前ではいい子の振りしたり可愛い振りしよるばってん、誰もおらんと人の悪口ばっかり言いよるやろ。俺、影で人の悪口言うような女は好きになれん」
「あ、あれはっ……千里との電話が楽しくて、会話を続けたかったから、ついーーー」
「ついって。それで人の悪口言う必要はなかやん。なんね? 俺がそんな事聞いて面白がる男やとでも思っとったと?」
「違うっ!」
「こんなこと言いたくなかけど、このまま一緒におってもお互い何にもならんばい……俺の言いよる意味、分かる?」
「っ……」
少女はもうそれ以上何も言えず、ぐっと地面を睨みつけ、ブルブルと体を震わせた。
「何よ……もう少し面白い男やと思とったけど、全然やん。もうええよ。あんたの事なんて本当は好きでも何でもなかったんやから! さよならっ!」
少女は泣いていなかった。
出来る限り優しい言葉で諭した千歳に、侮蔑を込めた言葉を投げつけた。
悔しさに満ちあふれた顔で千歳を睨みつけると、その場から走り去ってしまった。
急に静かになったその場を、忍足がなんとか取り繕おうと明るい調子で言った。
「え、ええ~っと……ほんなら仕切り直しに飯、行こか?」
「……せやなあ。千歳には色々と聞きたい事あるしなあ。なあ、汐屋?」
「え? わ、私?」
白石が辛そうにしている千歳の肩を掴んで汐屋に同意を求める。
汐屋は困ったように千歳の顔を覗き込んだ。
それに気付いた千歳が力なく笑った。
「騒がしくしてごめんな」
歩き出した4人に、公園の入り口から小春が声を荒げた。
「ちょっともう~! いつまで待たせるのよ! はっ!? ああ〜ん! 蔵ノ介とちいじゃな~い。ウェルカ~ム!」
「小春、浮気は許さん言うてるやろ! いてまうどっ!」
続く…
う〜ん、ぐだぐだ(笑)
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