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チェンジ・ザ・ワールド☆
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チェンジ・ザ・ワールド☆

雨の日に〜4章−1

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streetpoint

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4-1
















 第四章










 涙が止まらない。

 止まらない。

 自分に何度言い聞かせても、どうしても止まらない。

 どうして泣くのだろう。

 赤色が取れない。

 どれだけ流しても、どれだけ拭いても、次から次へと赤い液体が手から溢れて来る。

 眠った女の胸に突き立てた肉の感触と、骨にぶつかる不快な衝撃。顔に飛び散って来る液体の感触は、毎夜夢に現れ己を苦しめる。

 これは自分の手が血で染まっているから赤いのだと思っていた。

 しかし、目を凝らして見ると、どうやら違っていた。

 そうか、これは、





 止まらない涙が赤いのだ。


















 成川皐子は、大正ロマン風の喫茶室で二人の女性と向かい合わせて座っていた。

 予め聖パトリキウス女学院に連絡をし、本村理恵や坂井春香と同級生である彼女達を、学校の喫茶室へ呼んでもらっていたのだ。

 明治時代後期に建てられたという聖パトリキウス女学院は、加藤達の住む堂ヶ崎市と福岡市の丁度中間ぐらいに位置する比佐市の山手にひっそりと建っていた。校舎こそ最近建て直されて奇麗な近代建築になっているものの、礼拝堂や教職員室は当時のまま残されており、時代を感じさせる重厚な造りをしていた。

 校舎と礼拝堂の間にある食堂と、その奥に造られたサロン風の喫茶室。少し丘になったさらに奥には寮があり、遠くから親元を離れて生活する生徒達の為の設備が整っていた。


「当時担任をされていた長谷川先生にお聞きして、お二人が古井仁美さん……松元仁美さんと一番仲が良かったはずだと」


 昼に近い時間の喫茶室は、授業中ということもあり誰もいなかった。

 成川の前に座る女性の一人は長い髪を茶色に染め、奇麗に手入れをされた爪と少し派手目な服装で、夜の仕事とすぐに分るなかなかの美人で、名前は近藤あかり。実際に福岡市内随一の歓楽街の有名高級クラブで働いている。近藤の隣りに座るのは肩くらいのセミロングの明るめの髪に、清潔感のある化粧をした小奇麗な服装の女性で、名前は池末美奈(いけすえみな)。福岡市内の有名ホテルに勤務している。


「仁美とは確かに仲は良かったですけど、あの子が結婚してからは一度も会ってませんよ」


 そう言って近藤は成川に微笑んだ。


「いいえ、高校時代のお話が聞きたいんです」

「……高校時代、ですか」


 池末は落ち着き無く近藤をちらちらと横目で見ている。動揺しているのが手に取る様に分る。


「別に、普通の友達でしたよ」


 池末を睨みながら、近藤は答えた。


「これは殺人事件に関係した、大事な事なんです。どんな些細な事でもいいんです、松元仁美さん、もしくは……坂井春香さんや本村理恵さんの事で、知ってる事があったら教えて下さい」


 深々と頭を下げる成川を見て、近藤と池末は互いに顔を見合わせた。おろおろする池末の太ももを軽く叩き、近藤がさらに口を開く。


「本当に何も知りませんよ。坂井さんはまあ、誰とでも仲良くするし明るい人だったから皆に好かれてましたけど。本村さんは実家がお金持ちでちょっと我が儘だったから、あまり好かれてはなかったみたいですけど……仁美は3年の時、坂井さんとクラスが一緒だったし、結構仲は良かったみたいです。私達は坂井さんとはたまに一緒に帰ったりするくらいで……そこまで仲良くはなかったです」

「そう、ですか……」


 喫茶室の高い窓から、明るい日差しが差し込み、近藤と池末の体を照らしていた。

 近藤の言葉に成川はこれ以上は何も教えてくれないだろうと諦め、一旦体勢を立て直す事にした。

 もしかしたら、何か連絡があるかもしれない。

 近藤の隣りで俯く池末をちらりと見、笑顔を二人に向けた。


「分りました。もし何か思い出したら、いつでも連絡を下さい。誰かに聞いた話しでも結構ですから」


 そう言って自分の名刺を二人に渡し、何度も丁寧にお礼を述べると、聖パトリキウス女学院の喫茶室を後にした。














                                  続く…















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