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ドライブデェト

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ドライブデェト/2009.1.1
















年明け早々、私は花屋の臨時バイトが入っていた。

本当は真咲先輩と初詣とかどうかなぁって思っていたのに、店長から急遽バイトに入ってくれないかと頼まれたから入る事にした。

今のところは誰にも誘われてる予定もないし、臨時だからラッピング程度のお手伝いだけだった。

作業も2、3時間程度で終わるらしいから、それから誘ってみても遅くはないよね。

タイミングが合えば、初詣デート出来るかも。

「おはようございまぁす!」

「年明け早々すまないね、ユキオくん。バイト代弾むから」

「暇だったんで気にしないで下さい」

「あ、ユキオちゃんも来てくれたのね。ユキオちゃんもいるなら早く終わるわね。今年も一年頑張りましょうね」

「はい!こちらこそよろしくお願いします」

有沢さんはラッピングをしながら忙しそうにしていた。

残念ながら真咲先輩はいないみたい。

先輩なら絶対にバイト来てると思ったのになぁ。

すごく残念、タイミング悪いなぁ私。

「あのー真咲先輩は来てないんですか?」

「真咲くん?あぁ、真咲くんなら配達に出てるわ。もうすぐ戻るはずだけど。ユキオちゃん、この紙に注文の花が書いてあるからラッピングお願いね」

「はい!」

そっか。配達に出てるだけだったんだ。

タイミング悪いとか思ってたけど、それは前言撤回。

また今年も真咲先輩と一緒に居れるんだよね。

それだけでなんか頑張れちゃう。

「さぁて、ちゃちゃっとやっちゃおう」

「ただいま戻りましたー!」

「おかえりなさい、真咲くん。ユキオちゃんが淋しがってたわよぉ」

「あ、有沢さん!」

「ユキオ、お前も来てたのかー。そうか、そうか。俺がいなくて淋しかったかぁ!俺も淋しかったぞー」

真咲先輩は私の頭をくしゃくしゃになでなでしながら無邪気な笑顔で笑いかけてくれる。

褒められた時と同じようになんだか嬉しくなる。

私は張り切ってラッピングを始めたおかけで、作業は早く切り上げられた。

「皆、ご苦労様。あとは真咲と俺が配達やっとくから上がっていいぞ」

「お疲れ様でした」

「お疲れ様でしたぁ」

有沢さんは本当に急ぐように帰ってしまった。

いいなぁ、彼とデートする予定だったのかなぁ。

真咲先輩はこれから配達らしくて、店長と打ち合わせしていた。

「ユキオ、ちょっと来い」

「はい、なんですか?」

「お前も一緒に来いよ」

「えっ?でも…」

「ついでに帰りに初詣行こうぜ」

「いいんですか!?」

「さぁ乗った乗った!時間が勿体ねぇぞ」

真咲先輩に言われて私は急いで配達の車に乗り込んだ。

年明け早々に真咲先輩からデートに誘われるなんてラッキーだよ。

真咲先輩もデートするきっかけ作ってくれようとしてくれたのかな。

どんな理由にせよ、デート出来るなんてなんか夢みたいで嬉しいな!






ここ何年も初詣なんて行った事がなかった。
行く相手が居なかったからというのもあるが、今年の俺はある決意がある。
大学をきちんと卒業して、必ず就職するって決めた。
そして立派な社会人になった時にアイツに改めて告白する。
今日はその祈願する為に神社へとお参りに来た。


「ユキオ、しばらくここにいてくれ。ちょっと野暮用でな。じゃあちょっくら行って来るわ」


「はい」


俺は車から降りて神社の階段をゆっくりと上り始めた。
俺自身の決意は固いから、どうしても俺は一人でここに参拝して祈願したかった。
今年の俺は本気だ。
もう中途半端にはしないつもりだ。


「何やってんだ、あっぶねーなぁ」


階段の上でカップルが何やら危なげな事をしていた。
ある女が男により高く持ち上げられ、その時に女物の靴が俺の頭へと降ってくる。


「ゲッ、マジかよっ!」


俺はギリギリセーフでその靴を見事キャッチした。


「こんな急斜面な階段の上でなんて事してやがる」


靴を返そうとしたがどうやらお取り込みのようで邪魔というか話し掛け辛い。
なんてカッコ付けな男なんだろうな。


彼女は何をそんなに幸せな顔をして見てるのだろう。
ユキオにもその情景を見せてやりたいくらいだ。


「あのー、お取り込み中すみません!」


ラブラブな二人の水をさすのも悪い気がしたが、このままずっと居たくはなかった。
俺も車にユキオを待たせたままだしな。
いつかはここを通らなくてはならないなら今通ってやるさ。


「おや?君は真咲くんじゃないですか」


「あれぇー、若ちゃんっスか?」


昔の恩師にこんな所で会うなんて、世間は意外に狭いんモンだな。
ユキオを連れて来なくて正直ホッとした。
アイツは若ちゃんにちょっと気があったみたいだから会わせたくなかった。


「やぁ、久し振りですね、真咲くん」


「若ちゃんこそ。まさかこんな所で会うなんて」


「若ちゃんのお知り合い?」


「ええ、昔の教え子です。あのすみませんが靴を返してくれますか?拾ってくれたんですね、ありがとうございます」


「すみません、ホントに

」
俺は若ちゃんの彼女に靴を手渡した。
若ちゃんにだっこされていた彼女が靴を履くと、ゆっくりと地面に下ろされた。


こんなにも大事にされてる彼女を羨ましいと思う自分もまた腹立たしいような。


「真咲くん、一人?」


「はい、今は一人ですけど」


「今は…ですか」


「若ちゃん!そういう意味深な事聞いちゃダメですって!彼、困ってますよ?」


「いや、そんな事俺は全然」


「そうですね、すみません。僕達は見ての通りデートです!
どうです?羨ましいでしょう?」


「若ちゃん!」


「やや、お姫様はご機嫌ななめなのでそろそろ行きましょう。良かったら境内までは一緒に行きましょうか」


「でも、彼女さんに悪いですよ」


「私なら平気です。どうせこの道は一本道です。気にしないで下さい」


若ちゃんの彼女さんは俺にそう言って微笑んだ。
俺はつい彼女さんの笑みにドキッとしてしまった。
大人の笑みとはこういう事を言うのか。


「じゃあ間を空けて歩くんで先にどうぞ」


「遠慮しないで下さい。あ、なんなら先にどうぞ。私、歩くの遅いので」


「ささ、真咲くん。行った行った」


「そ、それじゃあお先に失礼します」


「それじゃあ真咲くん、またね」


俺は二人を追い越して先に境内へ向かった。
さすがに一緒に上るとか有り得なかったからちょうどいい。


俺もユキオのいない前でイチャイチャされてもたまんねーしな。


最初から俺の目的はここの境内に参拝するって目的だったんだから、のんびり歩いている暇なんてない。
早く参拝してユキオの所に戻らないと。


やっと境内に着いた俺は早速賽銭箱に小銭を投げ、例の決意を祈願した。
今年は自分にとって後悔のない年にしたい。
自分の為にも、ユキオとの今後の為にも…。


「よし!頑張るぞ!!」


拳を握って気合いを入れると、俺は階段を勢いよく掛け下りた。
ユキオ、首長くしてっだろうな。
階段を駆け下りる途中に見た事のある長身の男に目が入った。


「あーれっ!勝己じゃーん。おーい勝己ー!!」


俺が勝己に大きく手を振ると、勝己は嫌そうな顔をした。

俺の幼馴染みの勝己は一丁前に彼女なんてのを連れていた。

アイツだっていつまでもガキのまんまじゃないんだって事を改めて知った。

幼馴染みが自分よりも先に大人になって行くのを見るのはなんか不思議な気持ちだ。

俺もマジでいろんな事に対して大人にならないといけないなと思う。

ユキオに対してもそうだったし、大学や仕事に対してもどこか中途半端だった。

俺もマジでここらでいろんな事を決めたっていいような年齢だ。

「おかえりなさい、先輩」

「おぉ、ただいま。待たせたな」

「いいえ、全然。それより私さっき志波くんに会ったんですよ」

「あぁ、聞いた聞いた。なんか一丁前に彼女連れてたな」

「幼馴染みが離れていくって淋しかったですか?」

「えっ?まさかー。やっと独り立ちしたなぁってホッとしてるさ。さぁて、今度は俺らがデートしようぜー。せっかく来たんだ。屋台とか見に行くだろ?」

「はい!」

俺とユキオはいろんな屋台を回り、他愛のない話をした。

こうしてる時間が一番楽しく感じるのは当たり前の事だ。

だけど俺は結局は現実からもユキオからも目を逸らしてしまうばかりだ。

こんな俺はもう今年でやめにしたい。

「ユキオ、話があるんだ」

「話、ですか?」

ユキオはきょとんとした顔で俺を見つめていた。

俺は何も言わずにユキオの手を引っ張り歩き出した。

「あの、どこに行くんですか?」

「いいから黙ってついて来い」

俺達は木の茂みへと入って行き、奥へと入って行った。

昔はよく、勝己と大事な話をする時は必ずここに来ていた。

今度は俺がユキオにここで約束する時だ。

茂みを抜けるとはばたき市が一望出来る所へと出て来た。

俺とユキオは崖の石垣へと座り込んだ。

ユキオは俺の言う通りにただひたすら黙ったまま俺の様子を伺っていた。

「ユキオ」

「は、はい」

「お前と改めて話がしたくてここに来た。話を聞いてくれ」

「はい」

「俺は今まで結構いろんな事に中途半端にしてた。大学や就活もまともにしてないし、それにお前の気持ちに対しても…。だからこそ俺はお前の前で自分の気持ちを意思表示したかったんだ。俺は決めて来た事、お前に今約束したい。ちゃんときちんとした所に就職して、俺自身が大人になったってそう思えたら、そしたらお前の事を必ず迎えに行く。それまで俺の事、待っててくれるか?」

「……はい!」

ユキオは少し瞳に涙を浮かべながら元気よく返事をした。

俺はユキオの前に小指を差し出した。

ユキオは微笑んで迷う事なく俺の指に自分の小指を絡めた。

「お前を必ず幸せにする。約束だ」

そう言って俺はユキオの指を確かめるようにキュッと握った。









END













ううう(涙)幸せにして下さい。お願いします。三つ指着いてお願いします!!!!
管理人は正月の祝い事をしないのですが、真咲に幸せにしてもらえるのは願ったりかなったりでございます!
頭くしゃくしゃされたいよう。手繋いで買い物行きたいよう。重たい荷物を笑顔で持って欲しいよう。
ああ、妄想垂れ流しww
本当にいつもいつもありがとうございます。えりさんには感謝の気持ちでいっぱいでございます!





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