チェンジ・ザ・ワールド☆
風名13日目・No.4
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私のやんごとなき王子様
「えっ? 風名君!?」
「オディール姫、いや、美羽姫。僕はあなたを選んだのです……どうか、弱い僕を、あなたのその美しい心で支えて下さい」
「……か、風名君?」
一体何が起こってるの?
私はゆっくりと立ち上がって私の手を取った風名君をただ見つめるしか出来なかった。
何も言えない私に風名君が小さく笑う。
「好きだよ、小日向……ずっとずっと、好きだった」
―――嘘……そんな、まさか―――
「演劇祭で一緒に舞台に立ちたいってお願いした時、今日と同じ位緊張してた。もし断られたらどうしようって……でも、選んでくれただろ? あの時はマジで嬉しかった。買い物にも付き合ってくれて、幸せだな。なんて思ってたんだぜ。単純だろ? ――オデット役じゃなかったのはちょっと残念だったけど、こうやって小日向とたくさん話せて、改めてやっぱりすごい好きだって再確認出来たし―――」
私は混乱していた。だって、まさか風名君が私の事を好き……だなんて。
こんな何もかも普通の私なんかを、どうして? どういう事?
全身が震えていた。
そんな私の様子に気付いたのか、風名君が優しく微笑んでくれる。
「この間洞窟に行った時、学園に入った時に小日向の言葉に救われたって話したろ? あの時からずっと気になっててさ……ずっと小日向の事見てて、やっぱりすごく優しい子だって思ったら好きになってたんだ―――えっと、それで、返事をもらえると嬉しいんだけど」
「あっ! はいっ!!」
直立不動の構えになると、私は緊張で引きつる頬に力を入れてはっきりと答えた。
その時私の頭の中では洞窟で風名君と一緒に見た星空がいっぱいに広がっていた。
「私も、風名君の事が……好きです!」
「っ―――――――ホントに?」
すごく驚いた顔をする風名君に、私は思わず声が大きくなる。
「嘘なんか吐かないよ!」
「いや、うん……分かってるけど―――やばい……すっげー嬉しい……」
そんなの……私の方が嬉しいに決まってる。だって、風名君が私の事を好きだって言ってくれたんだもの。
ずっと握られたままだった左の手は、お互いの汗で変に湿っていた。
その感覚が妙に恥ずかしくて、私は風名君の顔をまともに見る事が出来なかった。
「――じゃあ、今日から小日向はオディールじゃなくて俺の本当のオデットだな」
風名君はそう言うと再び片膝を着き、私の手の甲に優しいキスをくれた。
演技ではなく、本当のキスを。
と、ふと頭の中で一人の人物の顔が浮かび上がった。
「あ……」
「どうした?」
私が変な声を出したものだから、風名君が不思議そうにこちらを見る。
「いや、あの……マネージャーさん、大丈夫かな?」
そう、風名君はアイドルなんだ。私みたいな一介の女子高校生が気安くお付き合いをして良い人物ではないのだ。
「ああ、あの時の事心配してるのか? 大丈夫、絶対に駄目だなんて言わせない。俺が小日向を守るから……俺を信じて?」
強い眼差し。
彼の意志の強さは知っている。どんな逆境にも負けないで努力をする、強い男の子なんだ。
私はこの人を信じて着いて行こう。どこまでも、ずっと―――
「うん、信じるよ」
しっかりとそう返事をすると、風名君は私の手を握る力を強めた。
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