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  • 天才アル・ボーエンの仲間達

天才アル・ボーエンの仲間達

最終更新:2012年05月16日 10:39

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だれでも歓迎! 編集

天才アル・ボーエンの仲間達 ◆n0WqfobHTU



 アル・ボーエンの脳は、随時活発に活動している。
 例え物事に集中していなくとも、五感よりもたらされる情報を、つい分析してしまうのだ。
 当人は手持ち無沙汰な人間が、何とはなしにぶらぶらと手足を振る程度の感覚でしかないのだが。
 上に下にと揺れるシーソー。これを用いる事で、子供では届かぬ高さを得る事が出来る。
 高い視点はそれだけでより遠くまで届く視界を得る事が出来、アルにもこれを快いと思える気分は理解出来た。
 それに、大した労力を払わずとも行なわれる上下運動は、自分が強力を得たかのような気分にさせてくれる。
 子供だましの域は出ないが、なるほど、子供は騙せる程度に工夫はされているのだなと、今度は跳ねる感覚に意識を回す。
 ゴム、それも古タイヤを用いているようだ。
 シーソーと大地との接地点に置かれたこれは、貧乏臭くも思えるが、元々消耗品として作られたタイヤを再利用出来するという発想自体は悪く無い。
 タイヤは道路との摩擦係数を減らす為円状となっているが、ブレーキかければそりゃ削れる。
 というかそこで摩擦係数に上がってもらわない事には、止まってくれないのだから当然である。
 自動車の普及率を考えるに、大量に発生するだろうこの消耗品の処分は一工夫せねばならぬ所。
 公共事業がこれを為しているというのであれば、まあ、それなりにだがまともな部分も持ち合わせている政府があるのだろうと考える。
 段々思考がシーソーから離れていった所で、ふと、目の前に居るレイラという女の事を思い出す。
 重量差からレイラはシーソーの手前側に座らせているが、シーソーの最も楽しいと思える部分は、逆に今アルが座っている端にこそあろう。
 アルは考える。
 ちょびっとだけ、考えてやる。
 極めて不本意ながら、早朝稽古なぞというものをやらされていたアルならば、もしかしたらレイラが端に居たとしても、シーソーを振る事が出来るのではないかと。
 タイヤゴムの力もあるし、テコの原理を利用する事も出来る。要はタイミングだ。
「……レイラ。後ろの方に乗れ」
「え? でも……」
「いいから乗れ! やり方は僕が教えてやる!」
 逆ギレ気味に怒鳴られると、レイラも逆らいづらいのか言われる通りに後ろ端に座る。
「いいか、力はいらない。勢いをつけるんだ。ゴムの反動でシーソーが弾かれる、その勢いに乗せる感じだ。わかったか?」
 全然わからないが、ともかくやってみようとレイラは頷く。
「良しっ! 行くぞ!」
 妙に気合の入っているアルの言うがまま、レイラは思いっきり大地を蹴った。
 何度も繰り返して来た中で、アルもまたどのタイミングで大地を蹴ればいいのか、理屈では理解出来ていた。
 尤も、この通り体を動かすのはまた別の話であるが。
『しまった! タイミングを外したか!?』
 足を伸ばす勢いがシーソーに乗り切らなかった。
 理屈はわかってないが、何となくどうすればいいのか体で理解していたレイラの方が余程上手くやれていたり。
 シーソー接地時の高さが子供向けな為長い足が邪魔になるが、これを前方に放り出しながら上手いこと踵で大地を蹴ってる所など、アルより余程シーソーマイスターの称号に近かろう。
 レイラの体重のせいでかアルの体はぐんっと上へ引っ張り上げられる。
 そして頂点。
 アルはここでの挙動が勝負を決めると両腕にありったけの力を込める。
 シーソーの手すりを掴みながら、アルは真後ろに全体重をかけ伸び上がったのだ。
 手すりを離せば落下してしまう程の勢いでそうしてやると、下へと落ちる勢いが生まれる。
 そして、ゆっくりとだが、何とかレイラの全身が頂点に達する。
「わあっ」
 小さい歓声が上がるが、アルはこれを勝利とは思わない。
 レイラが力一杯蹴るようでは駄目なのだ。
 そうしなくても頂点へと至れる、そんなタイミングでアルがこれを操作出来て初めて、シーソーの最も楽しみと出来る部分を味合わせる事が出来よう。
 次こそはとアルは全身に力を込める。

 天才児アル・ボーエンの欠点を挙げるとするならば、ムキになりやすい子供っぽい性格であろう。
 いや実際年齢は子供なのだが、知性の高さと比して見るとやはりアンバランスに見えてしまう部分だ。
 そんな欠点が今回も出てしまった訳で。
「……なあ、自分ら何しとん?」
 そう声をかけられるまで、二人の人間の接近に気付けなかったのだ。
 このような場所で他者に声をかけられる意味をアルが理解出来ぬはずがない。
 しかし、まあ、即座の危険でもない上に、現在アルの精神状態はちこっと揺れていたりするのだ。
『み、みーらーれーたーだーとー』
 自分はかなり大人なつもりのアルが、子供の遊具で遊んでる所を他人に見られればそりゃ焦る。
「し、シーソーだ。見てわからんか」
 実にトゲトゲしい対応になってしまうのも無理からぬ。
 声をかけた男、佐野清一郎は、その後ろでつまんなそうに小さい石を蹴飛ばしているコロンビーヌをさておき言葉を続ける。
「……とりあえず、今こんな所でシーソーしとる理由は見ただけじゃわからん」
 アルは一瞬レイラのせいにしてしまおうかとも考えたが、それはそれで不快な事に思えたので誤魔化す方向で話を進める。
「それはどうでもいい事だ。それより、初対面の相手に、それもこんな場所であると自覚があるのなら何故自己紹介もしない? まさかとは思うがこんな下らん首輪の強制に恐れをなして殺し合いでもしようというのか?」
 実に憎たらしいお返事である。
 その気が無くても殺し合い始めたくなる勢いがあるが、アルのスーパー照れ隠しトークは中途でレイラに止められる。
「アル、それじゃあケンカを売ってるようにしか聞こえないわ」
「失礼な。僕がそんな野蛮な真似をするとでも思ったのか」
「私は思わない。でも、貴方も言った通り、あの二人とは初対面なのよ」
 そんな会話をアルとレイラの二人は、シーソーに跨ったままで続けていた。
 清一郎は一度だけコロンビーヌの表情を見てみる。
 コロンビーヌは心底どうでもいいという顔をしていたので、仕方なく話を続けた。
「ああ、もう、シーソーそないに好きやったらそのままでもええわ。話したいんやけど、ええか?」
 果てしない程に意味が無くどうでもいいやりとりであったが、この間にアルは最低限すべき事をこなしていた。
 アルは指輪の力により会話最中の二人の心を読んでいたのだ。
 そしてこの二人に関して極めて重要な情報を手にしていた。
 清一郎の『ああ、このおねーさんが子供に付き合ってあげてんやな』的な思考は噴飯ものであったが、まあ置いておくとして。
 問題はもう一人の少女である。
『あれ面白いのかしら』
『可愛くない子ね』
『もっと面白い事言いなさいよ、つまんなーい』
『同じ人間でも勝ちゃんとは大違い』
『つまんない人間とかいらないと思うのよねぇ』
『めんどーだし、消しちゃおっかな』
『……やめた。人間なんて殺したってつまんないしぃ』
 聞こえていないと思って危険思想全開だ。
 アルはレイラに一言断ってシーソーを降りる。
「そこの小さいの、代わるか?」
 そう言ってアルはコロンビーヌを指差す。
 コロンビーヌは少し逡巡した後、とことこ歩いてシーソーに跨る。
 そちらを一瞥した後、アルは清一郎に向き直って言った。
「アル・ボーエンだ。お前は?」

 自己紹介後のアルは二言三言の会話で、佐野清一郎という人物をそれなりにだが理解する事が出来た。
 もちろん相手の心を読める心眼の指輪をつけたままである事がその一助となってはいるのだが。
 それ抜きでも、この男は比較的わかりやすい人物と思える。
 コロンビーヌという少女、清一郎曰くロボットらしいが、を保護するつもりで同行しており、アル達のように殺意に満ちた人物との遭遇はまだ無い。
 アルは胡散臭そうな目でコロンビーヌを見る。
「……アレのどの辺がロボットなんだ?」
 清一郎は悪びれた風もなく笑う。
「当人の自己申告や。確認せえ言われたて、まさかすっぱだかにひん剥くわけにもいかんやろ」
 もし人間に酷似させるつもりで作ったのなら、ひん剥いた所で無駄だろうがな、とアルは心の中だけで呟く。
 ロボットというから御幣があるのだろうとアルは考えていた。
 少なくとも心眼で心が読めるという事は、所謂意志を司る脳の部分は人間のそれであろうと。
 それ以外の部分が人間以外である、そういう事なら自身をそう言い放つ理由にはなる。
 思考がエラク子供じみているのは元が子供の体だったか、もしくは改造手術が精神に影響でもしたか。
 自身科学者でもあり、子供でもある事からさしてその辺に抵抗があるわけではない。
 そんな真似をする奴に嫌悪感を抱きはするが。
 アルがあっさりとコロンビーヌをロボットに類する何かと判断した事には理由がある。
 それは、コロンビーヌとレイラのお遊びにあった。



 ぎったん、ばっこん。
 ぎったん、ばっこん。
 ぎったん、ばっこん。

 これはこれで、理由は無いが楽しいと思っていたレイラであったが、コロンビーヌはすぐに飽きが来たようだ。
「つまんなーい」
「そう?」
 レイラはシーソーから立ち上がり、次なる遊具を探す。
「ならこれ、やってみない?」
 レイラが目をつけたのは二つ並んだブランコであった。これなら、二人が同時に遊べそうだと思ったのである。
 先程のアルの説明通りにとりあえずやってみるレイラ。
 何せ足が長いので、子供サイズに作られたブランコに、座った状態で前後にこぐのがエライ大変であった。
 そんなレイラの有様を見てコロンビーヌは得意げにふふんと笑う。
「わざわざ座るからよぉ。ほら、こうすればどぉ?」
 ブランコの上にひょいっと立つコロンビーヌ。
 おおっ、と目から鱗顔をするレイラは、これならと前後に漕ぎ始める。
 子供の体と比較すればずっと力の強いレイラの大人ボディは、ブランコが地面と平行になるまで振り上げる事が可能だ。
「これ、面白いかも」
 並んでブランコを振るコロンビーヌも、レイラと並ぶぐらい大きく振り回している。
「……ねえ、一つ気になった事があるんだけどぉ」
 レイラもまたブランコを漕ぎながらコロンビーヌの方を向く。
「あ、私も一つ気になってる」
 二人は同時に口を開いた。
『これ、上まで行ったらどうなるの?』
 まずはレイラ。
「下におっこちる」
 次にコロンビーヌ。
「ぐるんと一回転」
 下に落っこちるなんて予想してる癖にレイラは嬉々として角度を上げていき、コロンビーヌも負けるかと続く。
 結局、レイラは体だけは垂直に限りなく近い所まで持っていけたのだが、それ以上は危なそーなので引き返してしまった。
「うーん、ちょっと無理だったかしら」
 しかしコロンビーヌにそんな思考は無かった。
「ふふふっ、だらしないのー。見てなさいっ」
 大きく後ろに引く段階で、レイラのそれとは比較にならない。
 そのまましゃがみ込んだ後強くブランコを押し出し、一気に頂点近くまで至る。
 そこで、コロンビーヌは仰け反った姿勢を取る。
 両手はブランコの鎖を掴み、足裏でブランコの板を引っ掛けるように。
 まずは胸部を基点に回転の力を、更に腰部をも用いて脚部を前方へ突き出す。
 これにより円の頂点に至ったコロンビーヌは、回転の勢いを殺さぬようしたまま膝を折り曲げ、ブランコ板を蹴り出す。
 再び回転の力を得たブランコは、二週目の回転に入る。
 鎖が上に巻き付いた分短くなったブランコは、よりスピーディーに、小さな回転で頂点に。
 そんな速さにあわせた形で素早い挙動にて頂点での胸腰を用いた回転運動を。
 更に短くなったブランコの鎖。
 三週目には入らず、コロンビーヌは自由落下に任せ、くるーんとブランコを回す。
 短くなったブランコの鎖は、ブランコ上端のバーまでの長さが、ちょうどコロンビーヌの頭の高さちょい長いぐらい。でもなければ頭をぶつけてる。
 片手で鎖を握ったコロンビーヌは残る片手で自らの顎に手をあて、どう? と言わんばかりにレイラを見る。
 レイラは目を丸くしたまま、ぱちぱちぱちと拍手を送った。
 これでもコロンビーヌは真夜中のサーカスの一員であったのだ。オートマータの能力も考えればこの程度の芸当造作も無かろう。
 レイラの拍手に気を良くしたのか、コロンビーヌは今度は後ろに向けてブランコを振る。
 こちらは回転を先程利用できぬ為、鎖を掴んだ腕の力と蹴り足で強引に振る力を生み出し、二回転分の速度を生み出し、回転の最中に勢いを殺さぬようくるりくるりと。
 綺麗に元の位置に戻ったコロンビーヌは、ふふんと胸をそらす。
 今度はレイラだけではなく、話をしていた清一郎からも拍手が来た。
「おー! やるやんか!」
 超真顔で目を大きく見開いているアルは放置で清一郎は大絶賛である。
 アルの指輪からはコロンビーヌのこんな声が聞こえた。

『この程度で喜ぶなんて、やっぱり人間って簡単ねぇ』



 アルは鎖のブランコで前から一回転が出来るかどうか、脳内で計算してみた。
『……うむ、無理だ。物理嘗めるな貴様』
 ブランコとは、立つ座るを繰り返す事で生じる位置エネルギーを運動エネルギーに変換するものだ。
 体が地面と平行を越えた所で、位置エネルギーを運動エネルギーに変換する事が出来なくなるのだから、平行前の状態から一発で一回転分の位置エネルギーを作り出さなければならない。
 コロンビーヌの身長で、どうしゃがもうとそんなエネルギーは発生させられるはずがない。
 頂点で何やら色々動いていたからあれが関係してるのだろうが、とりあえず出た結論は、まともな人間には不可能という事で落ち着いた。
 ARMSなんてものと付き合っていたせいか、理不尽な出来事への抗体でも出来ているのであろう。
 清一郎から聞くべき事を聞きだしたアルは、レイラとコロンビーヌを呼び寄せ、四人での話し合いを始めた。
 清一郎は才云々抜かすし、コロンビーヌは人形だとか言い出すしで、レイラの魔物だとかいう話を聞いてなければ、揃って怒鳴り飛ばしていた所だ。
 アルは、静かに思考の停止を自らの脳に命じた。
 これは処理能力を超えているだの、現実を認められないだのという理由ではない。
 尋常ではない事態に対し、あまりにアルの手にした情報は少なすぎる。
 確証を得る事も出来ぬ推論ばかり引っ張り出したとて、余計に混乱するだけだ。
 なのでアルはより直接的な問題を幾つか解決する事にした。
「おい、コロンビーヌ、だったか。お前は特に目的は無いと言っていたな」
「そうよぉ、だからそろそろ行くわね」
「いや待て。このまま無為に歩き回れば、いずれ殺意ある者達に駆逐されるだけだぞ」
「アタシ、そんなに弱くないしぃ。……それに、壊れたら壊れたで、別に構わないし……ね」
 アルはふふんと笑う。
「ほう、それはつまり、お前の能力を、技量を、コケにされても笑って死ねるという事か?」
 コロンビーヌの視線が鋭くなる。
「どういう意味よ」
「戦闘に敗北するというのはつまりそういう事だろう。まさか殺し合いをしろなどと言われて馬鹿正直に殺し合いを始めるような間抜けが、戦闘の後もお前に敬意を払ってくれると思ったか?」
「ばっかじゃないの。そんな事するような奴……滅多に居ないわよ」
「だろう。ならもしお前が、例えば僕達が先に出会った者のような奴に敗北すれば、ゴミ屑のように捨てられるぞ。お前はそれで満足なのか?」
 剣呑な気配を漂わせながら、コロンビーヌがアルの眼前に顔を寄せる。
「ねえボク。挑発も相手を選ばないと、壊されちゃうよぉ」
 清一郎の視線が鋭くなり、レイラが身構える。
 しかしアルは微動だにしない。
「どの道、この殺し合いとやらの会場から脱出しない限り、不快な死は免れんだろう。僕も、お前もだ」
 くくくっとコロンビーヌは頬を歪ませる。
「だからアタシにも手伝えって?」
「それがそんなにも不思議な事か?」
 今度こそ、コロンビーヌは天を仰ぎつつ大声で笑い出した。
「アハハハハハハハハッ! 何も知らないのねえ人間! アタシ達オートマータが何を動力に動いているか知ってる? 人の生き血よ! アナタ達の血を啜って動くの!」
 清一郎とレイラの表情が凍りつく。アルは、眉一つ動かさぬまま。
「そんなアタシと、一緒に居ていいのかしらン」
 アル・ボーエンは至極まっとうに、普段通りの判断力のままに答えた。
「人は動物を喰らう。ならば、人を喰らう存在もありうる話だ。その程度の事でこの僕が怯えるとでも思ったか」
 アルのリアクションの薄さにコロンビーヌは眉根を寄せるが、アルは構わず続ける。
「人間の血液が必要だというのなら手に入れてやろう。どうしても間に合わないとなれば、僕の血でも啜ればいい。感染症もなくかつ死なない程度なら笑って許してやる。たかだかその程度のマイナス条件は僕の判断に些かも影響を与え得ない」
 アルはコロンビーヌの眼前に顔を寄せる。
「そして、もしお前が僕の友達になりたいというのなら、僕と友達であり続ける為に必要な全てを僕が揃えてやる。どれだけ時間がかかろうと、いや時間なぞかけん。この今世紀最高の天才、アル・ボーエンが約束してやる」
 何故なら、とアルは真顔のまま言い放った。
「僕は、友達を決して見捨てないからだ」
 アルはずいっと右手を差し出す。
「さあどうする! 僕と友達になるかどうか! 今この場で決めろ!」
 コロンビーヌは、まさしく呆気に取られていた。
 運動神経の欠片も無さそうな人間、育ちの良さそうな容貌に不釣合いの挑むような視線、傲慢な態度を寸毫も崩そうとせず、コロンビーヌからは決して目を逸らさない。
 その小さな体が、強い瞳が、誰かを彷彿とさせる、そう思ってしまった瞬間、コロンビーヌはアルを傷つけられなくなってしまった。
「……アタシ、わがままよ」
「そうか」
「……つまんないの、キライよ」
「そうか」
「……アンタがつまらなかったら、殺しちゃうかも」
「そうか」
「……面倒になったら勝手に何処か行っちゃうわよ」
「そうか」
 アルの視線はまるで揺れず。逆にコロンビーヌの方が居た堪れなくなってきた。
「…………ねえ」
「なんだ」
「その手、取っていい?」
「ああ、構わないぞ」
 問答の間アルは伸ばした手を引こうとはせず、遂に、コロンビーヌはアルの手を取る。
 刺すような視線とは裏腹に、手の平はあったかいなと、コロンビーヌは思った。

 コロンビーヌとアルの握手が終わると、アルはつけていた指輪を外し、コロンビーヌに渡した。
「謝罪と、僕の誠意だと思ってくれ」
 コロンビーヌは渡された心眼の指輪をはめると、アルが考えていた事を全て理解した。
 驚き、怒り、呆れ、ため息一つついた後、指輪をアルに返す。
「僕の謝罪を受け入れてくれるか?」
「……むー、及第点ぎりぎりよン」
 アルは心眼の指輪によってコロンビーヌの心を読み、それ故、彼女の発言前に内容を知る事が出来、驚きを顔に出さずに済んだのだ。
 コロンビーヌの凶悪な生い立ちを知りえたからこそ、アルは彼女を説得するに覚悟が必要だと理解出来た。
 つまる所ズルであるので、謝罪の証としてこの場でアルが身を守る重要な切り札をコロンビーヌに渡したのだ。
 ここに一つ、アルにもコロンビーヌにもわかっていない、重大な出来事がある。
 オートマータ、つまり総機械仕掛けのコロンビーヌの、心を読むなんて真似が出来てしまっている事だ。
 単にコロンビーヌの思考回路を指輪が読み取ったのか、はたまたそれ以外の理由があるのか、それは、まだ誰も知りえない事であった。
「僕も自分の身を守らなきゃならない。その程度出来ないような奴、そもそも信用に値しないだろう」
「アタシの好みでいうんなら、もっと勝ちゃんみたいなすてみーな感じがいいかなぁ。でも、一応頑張ったみたいだから及第点あげたのよぅ」
「勝ちゃん?」
「才賀勝っていう男の子、ここにも来てるはずよぉ。同じ年ぐらいだけど、アンタなんかよりずーーーーーっと強くって、賢くって、かっこいいのよぉ」
 ちょっとムッと来たらしいアルは胸と目を逸らす。
「ふん、誰だか知らんが、同世代の人間に僕が負けるはずないだろう。何処かで会ったらどちらが上かはっきりさせてやる」
 そして少し離れた所で清一郎とレイラが並んでいる。
「俺、あないに偉そうな友達作り、初めて見たで」
「……ああ、やっぱりアレ偉そうなのね。長い間人間同士のそういうの見てなかったから、人間はアレが普通になってるのかと思ったわ」
 でも、と続けたのは清一郎だ。
 いきなりアルに駆け寄ると、頭をひっつかんでぐりぐりといじりまわす。
「こ、こら! 何をするか!」
「俺もお前気に入ったで。クソ生意気なんも愛嬌っちゅー事で堪忍したるわ」
 そしてコロンビーヌに向き直る。
「改めてよろしくやコロンビーヌ。アル、お前もこのふざけた殺し合いぶっつぶしたろ思うてんのやろ」
「無論だ。こんな理不尽に黙って従う謂れは無い」
「そうこなきゃ嘘やで。ははっ、そっちのねーちゃんもよろしゅーな」
 身長差体力差から、清一郎にいいよーに遊ばれるアルに、そんなアルを指差してけらけら笑ってるコロンビーヌ。
 レイラは小さく息を吐くと、アルのかなり本気で怒っている顔を見直す。
 敵わないと思えた敵を見事な知恵で退け、脱出不能かと思われた罠も冷静な判断で突破、今はこうして相容れぬであろう存在とまで上手くやれてしまっている。
 アルは人間で、魔物の子みたいに力を使う事は出来ないが、それを補って余りあるものを持ち合わせている。
 頭が良いのはわかる。でもそれだけでは、きっとこうしてコロンビーヌも清一郎もすぐに味方になってくれなかっただろう。
「アル、貴方はとっても素敵な人なのね」
 レイラは自然と笑みが零れてしまうのだった。




【E-2 公園前/一日目 早朝】


【アル・ボーエン】
[時間軸]:第四部「アリス」編終了以降。
[状態]:健康、心の力(小)
[装備]:レイラの魔本@金色のガッシュ!!、心眼@烈火の炎(オートマータコロンビーヌの思考も読めます)。
[道具]:基本支給品一式、通信鬼@GS美神極楽大作戦、ノートパソコン@現実。
[基本方針]:施設を巡り情報を集める。殺し合いに乗っている者は倒す。
※ルシオラの思考をある程度まで読んでいます。


【レイラ】
[時間軸]:魔本が燃え尽きた直後。
[状態]:大人化、ダメージ回復、疲労(小)、心の力(小)
[装備]:輪廻@烈火の炎。
[道具]:基本支給品一式、居合番長の風呂敷@金剛番長、 通信鬼@GS美神極楽大作戦。
[基本方針]:仲間達を守る。殺し合いに乗っている者は倒す。
※輪廻で大人の姿となることで能力が上昇していますが、副作用で会場に来る以前の記憶が朧気になっています。
※ガッシュ達が仲間であることは理解しています。


【佐野清一郎】
[時間軸]:不明。少なくても犬丸が地獄に落ちてから
[状態]:健康
[装備]:佐野の手ぬぐい@うえきの法則
[道具]:ランダム支給品1~3、基本支給品一式
[基本方針]:仲間たちとともに脱出する。コロンビーヌと共にアルに同行する。
※佐野の手ぬぐいは支給品ではなく、最初から装備してました。


【コロンビーヌ】
[時間軸]:本編で活動停止後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:ランダム支給品1~3、基本支給品一式
[基本方針]:さすらう。『生存目的』を見つけ出す。とりあえずアルに同行。
※アポリオンは使用可。制限されているかどうかは不明。 天才アル・ボーエンの仲間達




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049:ガキじゃいられない レイラ 091:既知との遭遇
アル・ボーエン
059:ナビ 佐野清一郎
コロンビーヌ
▲


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