氷室と齋藤のなぜなにコーナー

「きょうか~ん、氷室きょうか~ん」

「ん?なんだ斉藤?」

「突発的なネタは瞬間風速が命で遅くなれば遅くなるほど鮮度が落ちると思うのですが」

「お前はなにを云ってるんだ…?」

BGM

「氷室と斉藤のなぜなにコーナー♪」

「このコーナーは、マブラブオルタネイティヴ~暁の空へ~ の独自解釈、独自設定について説明していこうというコーナーだ。
 しかしこういう本編からの場合、最初はメインヒロインに当たる源が来るものだと思ってたが」

「本編のヒロインが他でもメイン張れる時代は終わったのですよ氷室教官。
 今は本編以外で輝くことが許される時代!教官もそれに習うべきです!そうすれば派生も増えて、いずれは自分が主役として扱われることだってあるんです!
 原作にだっているじゃないですか、最初は球技大会でのパっと出なのにいつの間にかメインの一角に入った青い人が!」

「つまり呼ぶべき者は朝倉か勝名だった言うわけだな」

「あれ…主導権って教官にあるんです…?」

「何を当たり前なこと。教官はどこまでも教官なのだよ」

「強権はずるい!」

BGM

「第2回目は、外伝の外伝、~横浜の空は青いか~で開発してる『試作跳躍ユニット』の墜落原因についてです」

「ちょっとまて、普通そこはSS本編での疑問だろう!?」

「今の所補足が必要な設定ってありましたっけ?」

「本編でも時々で出てくる森上の”剣士衆”という単語について、まったく説め「そこは本編で説明するハズですからいいんです」教官に逆らうとは良い度胸だ…っ!」

「いやですよぉ教官、ここは訓練校じゃないんですよ?ここでなら逆らっても問題ないのです!」

「ほう………」

「こ、怖い顔してもダ、駄目ですよ?
 で、質問して良いですか?」

「色々納得いかん部分があるが………なんだ、云ってみろ」

「冒頭の試作跳躍ユニットの試験運転が墜落で終わってたじゃないですか?
 説明上では同期が取れなかったとかなんとかってなってるけど、具体的にはどう違うのかなって」

「あれはまぁ、言葉通りの意味なんだが…そうだな、解りやすい身近な例で説明しようか。
 ここに一台の車がある。それぞれのタイヤは車体前にあるエンジンから伸びるシャフトとギアを経由して、タイヤ間に伸びるシャフトに繋がる設計になっている。これにより一つのエンジンで二つまたは4つのタイヤが連動するようになっているな?
 若干差異があるが、これが従来の戦術機が使う跳躍ユニットだと考えよう。
 次に試作跳躍ユニットだが…こちらは個々のタイヤにエンジンが一つずつついてる。
 これが従来のと試作の違いだ」

「はぁ」

「気の無い返事だな…まぁいい。
 で、墜落した原因だが、このタイヤの一つ一つが異なる回転数をしていたからだ。
 路面が凍結した冬道を走った時に起きるスリップと似たようなもので、異なる回転数が擬似的にスリップと同じ状況を生んでしまうのが原因となる。
 事故が発生する初期の段階で機体が暴れたという証言と映像証拠がある。これは異なる回転数が個別に好き勝手に出力を上げたために起きた事だ。
 また、制御装置にも問題がある。これは外伝中でも説明していたが、ついでにここでも説明してしまおう。
 推力が足りてないユニットは、その分を補おうと周りに合わせようと推力を上げる。低い内はまだいいが、高機動にすると、その時各ユニットの間に推力の上限値に差が生まれるな?
 制御装置はその生まれた差を是正しようと推力制御を行う―――二個一対の要領で」

「と、いうことはあれですか?プログラムがいい加減だったと?」

「元々開発途中でろくに実験もしてなかった代物だからな。また、制御メソッドに関する重要度は、開発当時はあまり高くなかったのだ。XM3が出来上がるまでの、ソフトウェアに対する認識の低さは折り紙付きさ。
 富嶽重工の連中は、この部分を割りと楽観的に捕らえてた節もあるな。『同じ改造をしていれば同じ出力になるだろう』『従来の制御を弄っただけでも問題ないだろう』という考えが…な」

「実際には違うってことくらい、兵器を開発している企業なら解りそうなものですが…?」

「3個4個なら既存技術の応用でなんとかなるだろうが、なにせ今回は8個だからな。開発自体も手探りな部分も多かろう。従来の制御方法の応用というのも、1から開発するよりかはまだ良い方とも言える。まぁ、結局のところ1からの作り直しにならざる得なかったようだがな…
 それに、そんな数の推進機関を使う乗り物なんて、精々打上げ用のロケットくらいな物だろう。ましてやそれを兵器に使った事例なんて、どこにも無いだろう?」

「まぁ、普通に考えてもそんな数の推進装置が無くても飛べるっちゃ飛べますからね。
 あ、でも低い出力なら同じ範囲内で安定できそうな気もするんですけど、どうなんです?
 技官sは『知るか馬鹿っ、そんなことより限界性能の引き上げだ!』ってのたまってましたけど」

「問題が出力を上げた時に発生するのなら、低い時でも同じ結果になる。とは云え、低い故にふり幅も小さいから、結果的には安定しているとも云えるな。
 もっともそれは、問題の先送りにしかならない。あの装備の真髄は出力を上げたところにあるのだからな。低いままなら、別に従来の跳躍ユニットでも問題ないというのもある。
 だから技官達は上限の引き上げに拘ってるわけだ」

「あ、単に気が違えたように”改造!改造!”ってのたまってただけじゃないんですね」

「まぁ、8割はその考えだろうな」

「残り2割は?」

「趣味と実益の言い訳が1割9分と言ったところだな」

「さっきした説明が消えてませんか!?」

「残りの1分だ。慎ましいものだろ?」

「大儀名分にしなきゃいけない部分を慎ましくしちゃってるー!?」

BGM

「ふつおたのコーナーだ。―――なんだそのカンペは…もっとかわいらしく?できるかっ」

「でも教官、少しは笑った方がいいと思いますよ?あんまりにも笑わないものだからアイス・レディなんて恥ずかしい名前つけられてますし」

「他者に愛想を振り撒いてどうする?それにそのあだ名は戦技競技大会の際に付けられたものでこの顔に対するものじゃない」

「今の私達、その他者に愛想を振り撒かないといけない立場なんですけど…」

「大体だな、軍隊にいれば愛想なんてのもは関係ない。ヤリたけりゃ勝手にやってろ。それこそ久我にでも声をかければ一発だぞ?」

「体だけ目当てな男性はちょっと…」

「軍隊にいれば嫌ってほどその手の輩がいる。自由性交渉を推奨してるからな。
 むしろそれを目指して軍隊を目指してる久我は、ある意味生物としては間違ってないとも云える」

「その”ある意味”に区分されてない部分が嫌だと申しているんですよ」

「それにな、処女を大事にしたところで強姦されたらおしまいなんだ。後生大事に運命の王子様が現れるまで守り通しますなんて甘ったるい考えをしてるより、さっさと自分の意思で捨てた方がずっと精神的に楽なんだよ「貞操観念が薄れた年増はこれだから…」聞いてるのか齋藤!?」

「は、はいっ!ちゃんと聞いてますよ!?えぇ本当ですよ!?」

「嘘がバレバレだぞ齋藤?伊達に歳は食ってないからな。年増を無礼るなよ?」

「そこで名台詞を持ち込みますか!?」

「来い!その歪んだ根性叩き直してやる!」

「ちょ、ちょっきょうかん、まだお手紙の一つも読んで「御託は聞かん!」きょうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」


(ナレーションby高山 楓)
「この番組は、帝都戦略研究会、リレーSS、マブラブオルタネイティヴ、暁の空へ、製作班の提供でお送りしました」
最終更新:2009年11月10日 21:26
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