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SRAAM
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tekh
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SRAAM

(引用元)
SRAAM(Short Range Air-to-Air Missile)はイギリスのホーカーシドレー・ダイナミクスが開発した赤外線誘導空対空ミサイル。飛行制御の全てを推力偏向で行うという非常に珍しいミサイルである。
【歴史】
初期の赤外線誘導ミサイルには、シーカーの感度の悪さや視野の狭さという弱点があり、ベトナム戦争時のAIM-4やAIM-9といった赤外線誘導の空対空ミサイルの命中率はそれぞれ9%と14%ととても低いものだった。
この問題に直面した米空軍と米海軍は新たな訓練要綱を取り入れ、発射後もミサイルが対象を確認し続けられるような、発射前の操縦を重視するようになっていった。
これに対しホーカーシドレー・ダイナミクスの技術者は、「パイロットがミサイルの思い通りに動くより、ミサイルがパイロットの思い通りに動くほうが良い」と考え、いかなる状況下でも正常にロックオンし続けられるミサイルの開発に着手した。
実現に向けて必要なものは、非常に広いシーカー角「オフボアサイト能力」と追尾し続けるための高い機動性である。
初期の赤外線誘導ミサイルには、シーカーの感度の悪さや視野の狭さという弱点があり、ベトナム戦争時のAIM-4やAIM-9といった赤外線誘導の空対空ミサイルの命中率はそれぞれ9%と14%ととても低いものだった。
この問題に直面した米空軍と米海軍は新たな訓練要綱を取り入れ、発射後もミサイルが対象を確認し続けられるような、発射前の操縦を重視するようになっていった。
これに対しホーカーシドレー・ダイナミクスの技術者は、「パイロットがミサイルの思い通りに動くより、ミサイルがパイロットの思い通りに動くほうが良い」と考え、いかなる状況下でも正常にロックオンし続けられるミサイルの開発に着手した。
実現に向けて必要なものは、非常に広いシーカー角「オフボアサイト能力」と追尾し続けるための高い機動性である。
1968年、同社はSRAAMの前身となるTaildogというミサイルの開発を始めた。推力偏向機構を搭載しており、機銃と当時イギリスが採用していたファイアストリークやレッドトップの間を埋める短距離、低コストのミサイルという目標で開発されたもので、1970年代始めにモックアップが公開された。
1970年、英国国防省は短距離空対空ミサイルの必要性を感じ、仕様書AST.1218を作成した。これは、ファントムやライトニングのようなレーダーによる目標捕捉ができない機体でも運用できるミサイルの開発を目的とした計画である。
ホーカーシドレー・ダイナミクスが提案したTaildogは好意的に受け止められ、1972年には開発契約ASR.1222が発注された。当初、SRAAM-75とSRAAM-100の2種類が開発されていたが、最終的にSRAAM-100が原型として採用された模様。
1974年までは順調で、1976年には実用化される予定だったものの、同年に出された防衛白書により大幅な予算削減がなされてしまったため計画が縮小され、技術実証機という扱いになってしまった。
最終的にSRAAMの代わりにAIM-9Lが導入され、計画は終了となったが、SRAAMで培われた技術はASRAAMに生かされている。
最終的にSRAAMの代わりにAIM-9Lが導入され、計画は終了となったが、SRAAMで培われた技術はASRAAMに生かされている。
【ミサイル】
このミサイルは推力偏向による飛行制御を採用しており、安定翼以外の空力面が存在せず、胴体で揚力を得るため、通常の空対空ミサイルに起こる翼の失速を起こさずに高G機動が可能と言われている。
このミサイルは、発射後直ぐに発射母機であるハンターF.6に方向を変え衝突直前で爆発するという事故を起こしており、このことからも機動力の高さが伺える。
しかし、推力偏向に全ての飛行制御を頼っているため、燃料が尽きると直進しか出来なくなるという明確な弱点も存在する。
このミサイルは推力偏向による飛行制御を採用しており、安定翼以外の空力面が存在せず、胴体で揚力を得るため、通常の空対空ミサイルに起こる翼の失速を起こさずに高G機動が可能と言われている。
このミサイルは、発射後直ぐに発射母機であるハンターF.6に方向を変え衝突直前で爆発するという事故を起こしており、このことからも機動力の高さが伺える。
しかし、推力偏向に全ての飛行制御を頼っているため、燃料が尽きると直進しか出来なくなるという明確な弱点も存在する。
このミサイルのもう一つの特徴が、ミサイルランチャーである。ランチャーにはSRAAM2本分の発射管と目標の捕捉に必要な全てのセンサーが搭載されており、ほとんどの航空機にわずかな改造を施すだけで搭載が可能という容易性があった。


(引用元)
性能緒元
三面図(画像はTaildogのもの)

(引用元)
ミサイル全長 | 2.75m |
---|---|
ミサイル直径 | 165mm |
翼幅 | 320mm |
重量 | 70kg |
弾頭 | |
信管 | 接触信管,近接信管 |
速度 | マッハ3 |
射程 | 250m~2km |
推進方式 | 固体燃料ロケット |
誘導方式 | 赤外線ホーミング (90度のオフボアサイト能力) |
制御方式 | 推力偏向 |