白銀の雷光

亡霊の棲む街-sequel-

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thrones

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 その後、ラショナル・アソシエイトで行われていた、神をも冒涜した
実験の数々が、所長の発言により明るみになった。

 人により制御でき、また、必要のない時は人間と全く遜色のない生活を、
送る事が可能でありながら、ひとたび命令が下れば、ギアと化して目的を遂行する。
いわゆる、究極の『生体兵器』を創造し、膨大な利益を得ようとした。
 このプロジェクト自体には、莫大な開発費が掛かっている。
いくら大企業と言えど、すべてを負担できるものではない。
裏で、某国の影がちらりと見え隠れする。
資金提供の代わりに、その技術のいくつかは渡ったと見て間違いない。
しかし、根拠がない以上、言及はできない。
 今回の件で、すべてにおいて、後手後手に回った事は否めない。
そのため、某国の立件もできずに、あの男の裁判だけでこの事件が
終わるだろうと思うと、無性に悔しい。

 そして、あの街ー
廃墟と化したあの街は、実験途中で生み出された、あの男の言葉を
借りるなら『失敗品』の廃棄場所だった。
噂話は、意図的に情報をリークしたものだったようだ。
死人に口無しとはよく言ったものだー
噂話に釣られて、集まってきた人々を『エサ』として与えていたという。
男の口から語られる言葉に、吐き気がする。
もし仮に、今の仕事をしていなければー
私が彼を殺していたかも知れない。

 男はその後、裁判にかけられ刑が確定した。
大方の予測通り、男は生きている間に日の目を見る事はない。
私の心の中に、わだかまりを残したまま、この事件は幕を閉じた。


  ー記録者:Ky-kiske



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