「百ます計算っていうのは、えーっと、えーっと……」
「……ますの左と上にそれぞれ0から9の数字を適当に並べて、
交差するところに指定された計算方法の答えを書く」
「う、うん、そう、それ! ルーミアの言う通り!」
「……バカジャネーノ」
「……ますの左と上にそれぞれ0から9の数字を適当に並べて、
交差するところに指定された計算方法の答えを書く」
「う、うん、そう、それ! ルーミアの言う通り!」
「……バカジャネーノ」
チルノが審判兼答え合わせとなった今回のファイト。
開始前のルール説明の時点で既にチルノはいっぱいいっぱいになっていた。
ルーミアのリボンがなかったり翼が生えてたりすることには一言も触れない。
開始前のルール説明の時点で既にチルノはいっぱいいっぱいになっていた。
ルーミアのリボンがなかったり翼が生えてたりすることには一言も触れない。
「あらかじめ正しい回答を渡してやったから大丈夫なはず……」
現教職である慧音はチルノが間違った考えをばら撒かないかと気が気でない。
そんな風に一部観客だけが胃を痛めながら競技はスタートした。
合図と共にオルレアン人形は的確に計算し、てきぱきと答えを書いていく。
まあ、自称都会派のアリスが遠くから操っているのだから当たり前だが。
……が、EXルーミアのとった行動はそれを遥かに超えていた。
あらかじめ答えが分かっているかのごとく機械的に筆を動かし、
オルレアンがようやく半分書き終わったところで速攻で提出。
唖然とするアリスを尻目に、チルノも答え合わせとは思えないほど速攻で目を滑らせ。
そんな風に一部観客だけが胃を痛めながら競技はスタートした。
合図と共にオルレアン人形は的確に計算し、てきぱきと答えを書いていく。
まあ、自称都会派のアリスが遠くから操っているのだから当たり前だが。
……が、EXルーミアのとった行動はそれを遥かに超えていた。
あらかじめ答えが分かっているかのごとく機械的に筆を動かし、
オルレアンがようやく半分書き終わったところで速攻で提出。
唖然とするアリスを尻目に、チルノも答え合わせとは思えないほど速攻で目を滑らせ。
「うん、全問正解。だからルーミアの勝ち!」
などとのたまった。
慌てたのはアリスと慧音である。嫌な予感と共にチルノから奪った解答用紙の解答欄には、
須らく一つの数字が書いてあった。「9」と。
慌てたのはアリスと慧音である。嫌な予感と共にチルノから奪った解答用紙の解答欄には、
須らく一つの数字が書いてあった。「9」と。
「昨日ルーミアが算数教えてくれたのよ。
その時もうなんか普段と違くなってたけど、自分はルーミアだって言ってたし。
一桁の足し算と掛け算の答えは全部9になる、って教えてくれた」
その時もうなんか普段と違くなってたけど、自分はルーミアだって言ってたし。
一桁の足し算と掛け算の答えは全部9になる、って教えてくれた」
ああ成程、だからルーミアの姿が普段と違っても気にしなかったのか、とアリスは脱力しながら思った。
そして、慧音はキレた。
そして、慧音はキレた。
「ルーミア。何教えてるんだお前は……!?」
「別に審判を買収したとかそんなのじゃないし、ルール違反じゃないわ。
私はチルノがちゃんと審判できるように、友達を思いやって算数を教えてあげただけ」
「それで? 明らかにその内容が意図的に間違ってたのはどう説明するんだ?」
「私、バカだから間違ってるかどうかわかんなーい」
「……17×14は?」
「238」
「…………」
「別に審判を買収したとかそんなのじゃないし、ルール違反じゃないわ。
私はチルノがちゃんと審判できるように、友達を思いやって算数を教えてあげただけ」
「それで? 明らかにその内容が意図的に間違ってたのはどう説明するんだ?」
「私、バカだから間違ってるかどうかわかんなーい」
「……17×14は?」
「238」
「…………」
常識的に考えればEXルーミアが嘘を教えていたのは明らかだが、
悲しいかな、このファイトの審判はチルノである。
慧音がいくら正論を言ったところでチルノが白だと思っていれば白である。
よって、EXルーミアの勝ち。
悲しいかな、このファイトの審判はチルノである。
慧音がいくら正論を言ったところでチルノが白だと思っていれば白である。
よって、EXルーミアの勝ち。
……数日後、寺子屋には角で叩かれながら算数を叩き込まれているチルノの姿があった。