その日、人里の中央広場には大勢の人だかりが出来ていた。
里人の注目を一身に集めるのは、母性溢れるボディとカリスマ溢れる髪を持つ魔界神。
どうやら、里の人間に向けて何やら演説しているようだ。
里人の注目を一身に集めるのは、母性溢れるボディとカリスマ溢れる髪を持つ魔界神。
どうやら、里の人間に向けて何やら演説しているようだ。
「……次に、この写真を見てください。名前は夢子ちゃん、私のメイドです。
私が創った中では(主にプローポーションが)最高傑作と言っていいでしょう。
他にも、使い魔として出稼ぎ中の小悪魔ちゃんだって、魔界での地位は高くないけど(プロポーション的に)かなり完成されています。
つまり、私が言いたいのは、魔界神である私を信仰すれば体型の悩みが解決するということなんです!」
私が創った中では(主にプローポーションが)最高傑作と言っていいでしょう。
他にも、使い魔として出稼ぎ中の小悪魔ちゃんだって、魔界での地位は高くないけど(プロポーション的に)かなり完成されています。
つまり、私が言いたいのは、魔界神である私を信仰すれば体型の悩みが解決するということなんです!」
その言葉に観衆が浮き足立つ。
「私、乗り換えようかしら……」
「魔界神サイコー! まさに幻想郷の救世主だ!」
「貧乳の時代は終わった! 新時代の幕開けだ!!」
「でも、俺は神綺さまの搾n……」
「魔界神サイコー! まさに幻想郷の救世主だ!」
「貧乳の時代は終わった! 新時代の幕開けだ!!」
「でも、俺は神綺さまの搾n……」
『そこまでだ!!』
突然響いた声。その声がした方向に人々の視線が集まる。
見れば、最近になって幻想郷に姿を現した正体不明のヒーロー『ジャッジメント・シーズン』がいるではないか。
見れば、最近になって幻想郷に姿を現した正体不明のヒーロー『ジャッジメント・シーズン』がいるではないか。
「弱者の欲望を刺激し、甘言で心を惑わして信仰を得ようとする手口……まさに悪魔!
目を覚ませ里人よ! 悪魔の契約は取り返しのつかない何かを代償として要求するのが常!
失ってから気付いても時既に遅し。いいか……貧乳はステータスだ! 巨乳なんて無駄な脂肪だ!!」
目を覚ませ里人よ! 悪魔の契約は取り返しのつかない何かを代償として要求するのが常!
失ってから気付いても時既に遅し。いいか……貧乳はステータスだ! 巨乳なんて無駄な脂肪だ!!」
ビシィッ! と神綺を指差すジャッジメント・シーズン。
「いや……それって負け惜しみにしか聞こえないし……」
神綺が小声で突っ込む。
「よろしい。ここまで言っても解らないのなら、貧乳の機能美というものを体に直接教えてやろう!」
ジャッジメント・シーズンが地を蹴り、一瞬で神綺に肉薄する。
神綺はそれを飛び越えるように回避し、空中で身を捻って通り過ぎた相手に向き直る。
神綺はそれを飛び越えるように回避し、空中で身を捻って通り過ぎた相手に向き直る。
「流石に空気抵抗が少ない……じゃなくて、戦う必要性がないように思えるんだけど……」
「問答無用! 悪は滅びよ!!」
「問答無用! 悪は滅びよ!!」
ジャッジメント・シーズンの猛攻を、神綺は後ろに下がりながら捌く。
「うーん、どーしましょ……あっ、隙あり♪」
一体どんな仕組みなのか、自律行動を取ったアホ毛がジャッジメント・シーズンの目を突く。
「のぉぉぉぉぅ!!」
完全に不意を突かれたジャッジメント・シーズンはアホ毛をもろに食らい、顔を抑えて転げまわる。
「えっと……大丈夫?(汗」
「なかなかやるな魔界神とやら……だが、もう私に油断はない! 次の一撃で貧乳が正義だと証明してやる!!」
「ひょっとして、倒されるまで諦めないってやつ? だったら……」
「なかなかやるな魔界神とやら……だが、もう私に油断はない! 次の一撃で貧乳が正義だと証明してやる!!」
「ひょっとして、倒されるまで諦めないってやつ? だったら……」
心を決めた神綺がアホ毛を揺らしながら無造作に歩み寄る。
今しがた目を突かれたばかりなので、ジャッジメント・シーズンはアホ毛の動きに細心の注意を払う。
軽く手を伸ばせば届く間合いに入った瞬間、神綺がアホ毛を振りかぶる。
振られる前にアホ毛を抑えようと、ジャッジメント・シーズンが神綺の頭に手を伸ばし、アホ毛をしっかりと掴む。
今しがた目を突かれたばかりなので、ジャッジメント・シーズンはアホ毛の動きに細心の注意を払う。
軽く手を伸ばせば届く間合いに入った瞬間、神綺がアホ毛を振りかぶる。
振られる前にアホ毛を抑えようと、ジャッジメント・シーズンが神綺の頭に手を伸ばし、アホ毛をしっかりと掴む。
「!?」
ジャッジメント・シーズンの頭部に強烈な衝撃が走り、平衡感覚が失われる。
「これは……無影脚……?」
「ご名答。視界の外から当てる神速の蹴り……貴方たちの言葉を借りるなら『幻想入りした』神技ってやつね」
「見事です……」
「ご名答。視界の外から当てる神速の蹴り……貴方たちの言葉を借りるなら『幻想入りした』神技ってやつね」
「見事です……」
地に倒れこむジャッジメント・シーズン。
それを助け起こし、抱きかかえる神綺。母性+カリスマここに極まれり!
と、誰もが思ったその時。
それを助け起こし、抱きかかえる神綺。母性+カリスマここに極まれり!
と、誰もが思ったその時。
チョキン
陳腐な音とともに、気絶したはずのジャッジメント・シーズンが神綺の頭に手を伸ばし、その手にはハサミが握られていた。
そこにいた誰もが事態を把握するのに数瞬を要した。
なんと、ジャッジメント・シーズンが神綺のアホ毛をハサミで切り落としてしまったのだ。
そこにいた誰もが事態を把握するのに数瞬を要した。
なんと、ジャッジメント・シーズンが神綺のアホ毛をハサミで切り落としてしまったのだ。
「ああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」
事態を把握した神綺は慌ててアホ毛を拾い上げ、半ベソをかきながらどこか遠くへと逃げ去っていった。
「皆さん、見ましたか? 正義は必ず勝つのです!!」
満面の笑みで勝ち名乗りを上げるジャッジメント・シーズンに注がれる視線は、なぜか一様に冷たかった。
結果:結局のところ、どちらも信仰を得る段階には至らず引き分け