砂風呂対決。やたらと物騒な参加者の割に平凡、かと思いきや結構危険な競技。
勝負は厳正な安全管理の上で行われる事になった。
勝負は厳正な安全管理の上で行われる事になった。
問題は幽々子が空腹に耐えられるかどうかであるが。
「食事は許可します。ただし砂をどけてはいけません」
「妖夢ー 早くご飯持ってきてー」
「そんな格好で食べたら窒息しますよ!」
妖夢はしばらく説得していたが、周囲に蝶が出現しはじめたので周囲の安全を優先し、仕方なく食事を持ってきた。
最初は少しずつ食べさせていたが、平気そうなので遠慮なく放り込む。
雛鳥にエサをやっているかのような図が展開されていた。
「どこに入っているんでしょうか…… 胃も圧迫されてるのに」
「あの亡霊に常識を適用しちゃだめよ」
呆れる早苗と壊れたと言うわりにはわりとまともなアリス。だがルールは覆せなかった。
開始から2時間ほど経過した所で、ひとまず満腹になったので寝始める幽々子をよそに、アリスと早苗は危機的状況に陥っていた。
食欲はまだ差し迫ってはいない。寝ようと思えば寝ることもできる。しかし……
排泄はマズい。
「食事は許可します。ただし砂をどけてはいけません」
「妖夢ー 早くご飯持ってきてー」
「そんな格好で食べたら窒息しますよ!」
妖夢はしばらく説得していたが、周囲に蝶が出現しはじめたので周囲の安全を優先し、仕方なく食事を持ってきた。
最初は少しずつ食べさせていたが、平気そうなので遠慮なく放り込む。
雛鳥にエサをやっているかのような図が展開されていた。
「どこに入っているんでしょうか…… 胃も圧迫されてるのに」
「あの亡霊に常識を適用しちゃだめよ」
呆れる早苗と壊れたと言うわりにはわりとまともなアリス。だがルールは覆せなかった。
開始から2時間ほど経過した所で、ひとまず満腹になったので寝始める幽々子をよそに、アリスと早苗は危機的状況に陥っていた。
食欲はまだ差し迫ってはいない。寝ようと思えば寝ることもできる。しかし……
排泄はマズい。
「ど、どうして何も食べてないのにこんな……っ」
「消化には普通半日ぐらいかかるから、昨日から断食してなければ効果はないのよ!」
一旦出したくなってしまうと、砂の重みがそれを後押しする。
安全な重さとはいえ、楽に身動きできる訳ではないので意識をそらすことも出来ない。
「……降参するなら取り返しがつかなくなる前にしてくださいね」
さすがに気の毒に思ったか、映姫も目をそらして気まずそうにしている。
「魔法使いには捨食の法とか何とかがあるんじゃないんですか!」
「あなたは何も食べなくて済むなら食事を取るのを止めるの!?」
幽々子も大騒ぎする二人の声で目を覚ます。
しかし表情は余裕たっぷりで寝起きの幸せそうな顔をしており、ますますアリスと早苗は焦り始める。
「な、なんであれだけ食べたのにその後が続かないんですか!」
「あら、美人はトイレに行ったりしないものよ?」
「だからその死人は食べ物に関する限り常識が通用しないの!」
「貴方達もまだまだね。困ってる顔は可愛いけど」
幽々子も顔以外埋まっているためなんとも様にならないが、二人はもう完全に余裕がなくなっていた。
アリスは涙目を通り越して泣きべそをかいており、早苗は何か大切なものを置き去りにしてきたかのような表情になりつつある。
「幻想郷では常識に捕らわれてはいけないのですね!」
「捕らわれて! お願いだから!」
「あなたこそもう我慢できないんじゃないですか!?」
「だからこんなに騒いでるんでしょう! うぅ、助けてお母さん……」
二人の尊厳が三途の川の向こうへ飛んでいきそうだったので、水を向ける映姫。
「降参しますか?」
『します!』
しかし、埋まっている以上一人で出るのは無理だった。映姫と妖夢も手伝ってやったが……
『(遅すぎた……)』二人の記憶はここで途絶えた。
「消化には普通半日ぐらいかかるから、昨日から断食してなければ効果はないのよ!」
一旦出したくなってしまうと、砂の重みがそれを後押しする。
安全な重さとはいえ、楽に身動きできる訳ではないので意識をそらすことも出来ない。
「……降参するなら取り返しがつかなくなる前にしてくださいね」
さすがに気の毒に思ったか、映姫も目をそらして気まずそうにしている。
「魔法使いには捨食の法とか何とかがあるんじゃないんですか!」
「あなたは何も食べなくて済むなら食事を取るのを止めるの!?」
幽々子も大騒ぎする二人の声で目を覚ます。
しかし表情は余裕たっぷりで寝起きの幸せそうな顔をしており、ますますアリスと早苗は焦り始める。
「な、なんであれだけ食べたのにその後が続かないんですか!」
「あら、美人はトイレに行ったりしないものよ?」
「だからその死人は食べ物に関する限り常識が通用しないの!」
「貴方達もまだまだね。困ってる顔は可愛いけど」
幽々子も顔以外埋まっているためなんとも様にならないが、二人はもう完全に余裕がなくなっていた。
アリスは涙目を通り越して泣きべそをかいており、早苗は何か大切なものを置き去りにしてきたかのような表情になりつつある。
「幻想郷では常識に捕らわれてはいけないのですね!」
「捕らわれて! お願いだから!」
「あなたこそもう我慢できないんじゃないですか!?」
「だからこんなに騒いでるんでしょう! うぅ、助けてお母さん……」
二人の尊厳が三途の川の向こうへ飛んでいきそうだったので、水を向ける映姫。
「降参しますか?」
『します!』
しかし、埋まっている以上一人で出るのは無理だった。映姫と妖夢も手伝ってやったが……
『(遅すぎた……)』二人の記憶はここで途絶えた。
なお、二人が目を覚ましたのはトイレの中であり、幽々子が一旦即死させて体だけ運んだらしい。
土壇場で二人の尊厳は守られたのだった。
一回殺して生き返らせるなど本来は言語道断の所業であるが、今回ばかりは映姫も何も言わなかった。
土壇場で二人の尊厳は守られたのだった。
一回殺して生き返らせるなど本来は言語道断の所業であるが、今回ばかりは映姫も何も言わなかった。
勝者幽々子