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11スレ第24戦(3)

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匿名ユーザー

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輝夜対メディスン、お題はピアノ。
輝夜のほうは和楽器の嗜みがあるのでやや有利。
一方のメディスンは、楽器の経験ゼロ。この時点で勝負はあったかに思われた。
だが、曲目は『U.N.オーエンは彼女なのか?』。
東方BGMの中でも一、二を争うほど激しい曲なので、ピアノ経験無しではまともな演奏は難しい。
そこで、勝負の一週間前に、両者に勝負方法と曲目を教えておき、
最低限の準備を整えさせてからの勝負ということになった。

そして勝負当日。いきなり輝夜がやってくれた。
勝負のために用意された普通のピアノではなく、自分の家から最高級ピアノをイナバたちに運ばせてきたのだ。
良い楽器は音色が違う。その音質の違いで、勝負をさらに有利にするつもりらしかった。
さて一方のメディスンだが、こちらもピアノを持参してきた。
ところがこれが輝夜のものとは対照的に、ずいぶん薄汚れたピアノだった。塗装も半分剥げ落ちている。
大丈夫なのか聞いてみると、河童にお願いして修繕と調律はしてもらったとのこと。本人が納得しているなら、と、そのまま勝負してもらうことに。

輝夜の演奏は、驚くほど激しいものだった。音の強弱を極端にはっきりさせ、テンポも原曲から若干早めとなっている。
ところどころで弾き違いはあったものの、聴く者を圧倒するほどの強い演奏でしっかり一通り弾き切って見せた。
メディスンの演奏は、少し緩やかで儚げなものだった。
あえて高い音で弾き、細く頼りない印象を与えつつ、曲が特に激しくなる部分では訴えかけるような鋭い音を響かせる。
音が若干かすれてはいたが、それがさらに、曲の儚さと鋭さを演出してみせた。

「――負けた。輝夜、凄いね」
演奏が終わった後、メディが輝夜に語りかける。
「私はこの子に精一杯がんばってもらった。この子なら、勝てると思ったのに」
実はメディスンの使ったピアノは、誰かによって捨てられたピアノだった。
それを鈴蘭畑に持ち帰ったメディスンは、毒を染み込ませることで、自分と同じ魂を持ったピアノにしたのだ。
「でも、輝夜には勝てなかったわ。輝夜も、そのピアノを大切にしていたのね」
「ずっと家の中で隠れ住んでると、道具のお手入れくらいしかやることが無くってね」
それに、と輝夜は付け加える。
「この曲は、495年の幽閉の末に生み出された狂気の曲。あなたの幼い狂気に、私の長年はぐくんだ狂気が負けるわけにはいかなかったのよ」
それでもちょっと弾き間違えちゃったけどね、と、輝夜は口元を隠し、さも楽しげに微笑んだ。


審判・プリズムリバー三姉妹のジャッジの結果は、力強く大胆に弾いた輝夜の勝利。
だが、三姉妹の中では鍵盤楽器担当のリリカだけは、メディスンの音楽を支持していた。
幻想音楽として、あれは最上級の音だったと。










































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