ジャッジメントシーズン、ただ今参上!
この世にファイトがある限り、等しく裁いて見せましょう!
この世にファイトがある限り、等しく裁いて見せましょう!
「と、いうわけで今回は私と勝負だそうだな! お前たちまとめて相手してやるからかかって、……ひぃっ!?」
現れた途端にのけぞるJS。視線の先にはアンデッド化した二人の姿。
「失礼な人ね、人の顔を見るなり悲鳴だなんて」
「まあ、もう人じゃなくって、吸血鬼と騒霊だけどね」
「まあ、もう人じゃなくって、吸血鬼と騒霊だけどね」
咲夜とアリス……ぱっと見には、今までとそうは変わらない二人。
だが、JSには見えていた。罪を見通す力は、彼女たちの心根から業まで等しく映し出す。
だが、JSには見えていた。罪を見通す力は、彼女たちの心根から業まで等しく映し出す。
「そろそろ始めません? お嬢様を待たせているのよ」(お嬢様のためにも、今宵も人間を狩ってこなくちゃ)
「研究の予定も押してるし、さっさと終わらせたいわ」(壊れた人形たちの音を集めれば、もうどの人形にも寂しい思いをさせなくて済むわ)
「勝たせてもらうわ、お嬢様にご褒美をいただきたいの」(趣向を変えて、私がお嬢様をいただくのも悪くないわ)
「まあ、実戦もいい実験になるからいいんだけどね」(音を今いる人形に入れれば、あの子たちはいつまでも一緒よ)
「研究の予定も押してるし、さっさと終わらせたいわ」(壊れた人形たちの音を集めれば、もうどの人形にも寂しい思いをさせなくて済むわ)
「勝たせてもらうわ、お嬢様にご褒美をいただきたいの」(趣向を変えて、私がお嬢様をいただくのも悪くないわ)
「まあ、実戦もいい実験になるからいいんだけどね」(音を今いる人形に入れれば、あの子たちはいつまでも一緒よ)
「…………よろしい。いいでしょう。あなたたちをこのまま帰すわけにはいかない。何としてでも止めてみせる」
――そして、JSの孤独な戦いが始まった。
吸血姫咲夜は、接近戦を選ぶ。
吸血鬼の身体能力と時の加速力を複合したスピードは、悪魔としても常軌を逸している。
騒霊アリスは、操る人形を触媒として、自らが犠牲にしてきた人形や、
人間のオモチャとして犠牲となった人形の怨念の声を力に変える。
JSは耐えた。
ありったけの弾幕を張り、浄玻璃鏡で分身を作り、卒塔婆二刀流でアンデッドに効果的なダメージを与え、
正体バレとか考えもせず、持てる力の全てを出して応戦する。
それでも防戦ぎみになるのはどうしようも無い。2対1という状況を覆すことができない。
そうして、JSが体勢を崩し膝をついた。その瞬間、咲夜とアリスは勝負に出る。
咲夜は、全身を狼へと変身させ、さらに速度を増してJSの喉笛に牙を向ける。
アリスは、人形の想いの音を七色に繋げて「混声合唱」の弾幕に変換し、JSを包む。
咲夜の牙のほうが、アリスの弾幕よりも速くJSを捉えるか――
そう見えた次の瞬間。JSはわずかに動いた。頭を前に突き出した。
咲夜の牙が、突き出されたJSの頭に突き刺さる。
そう、JSの頭を覆っていた、仮面に。
仮面の下は空だ。JSは既に仮面を外している――
咲夜にわかったのはそこまでだった。JSは、狼化した咲夜の体を抱え、一直線に前に飛び込んだのだ。
そう、アリスの弾幕の中へ。
咲夜の体を盾に、アリスの弾幕を突っ切るJS。その勢いのまま、咲夜ごとアリスに体当たり。
もんどり打って倒れるアリス。狼化した咲夜の体が邪魔で動けない。咲夜は咲夜で、アリスの弾幕のダメージで起き上がれない。
そしてJSから放たれる、卒塔婆弾幕のゼロ距離射撃。
死者の冥福を祈る卒塔婆の数々が、咲夜の体を串刺しにし、その下にいるアリスまでもを貫き――
そして、そのまま二人は動かなくなった。
吸血姫咲夜は、接近戦を選ぶ。
吸血鬼の身体能力と時の加速力を複合したスピードは、悪魔としても常軌を逸している。
騒霊アリスは、操る人形を触媒として、自らが犠牲にしてきた人形や、
人間のオモチャとして犠牲となった人形の怨念の声を力に変える。
JSは耐えた。
ありったけの弾幕を張り、浄玻璃鏡で分身を作り、卒塔婆二刀流でアンデッドに効果的なダメージを与え、
正体バレとか考えもせず、持てる力の全てを出して応戦する。
それでも防戦ぎみになるのはどうしようも無い。2対1という状況を覆すことができない。
そうして、JSが体勢を崩し膝をついた。その瞬間、咲夜とアリスは勝負に出る。
咲夜は、全身を狼へと変身させ、さらに速度を増してJSの喉笛に牙を向ける。
アリスは、人形の想いの音を七色に繋げて「混声合唱」の弾幕に変換し、JSを包む。
咲夜の牙のほうが、アリスの弾幕よりも速くJSを捉えるか――
そう見えた次の瞬間。JSはわずかに動いた。頭を前に突き出した。
咲夜の牙が、突き出されたJSの頭に突き刺さる。
そう、JSの頭を覆っていた、仮面に。
仮面の下は空だ。JSは既に仮面を外している――
咲夜にわかったのはそこまでだった。JSは、狼化した咲夜の体を抱え、一直線に前に飛び込んだのだ。
そう、アリスの弾幕の中へ。
咲夜の体を盾に、アリスの弾幕を突っ切るJS。その勢いのまま、咲夜ごとアリスに体当たり。
もんどり打って倒れるアリス。狼化した咲夜の体が邪魔で動けない。咲夜は咲夜で、アリスの弾幕のダメージで起き上がれない。
そしてJSから放たれる、卒塔婆弾幕のゼロ距離射撃。
死者の冥福を祈る卒塔婆の数々が、咲夜の体を串刺しにし、その下にいるアリスまでもを貫き――
そして、そのまま二人は動かなくなった。
「これにてジャッジメント、勝負は……『JSの象徴たる仮面』を壊したので、咲夜の勝ち、ということでいいでしょう」
とは言え、咲夜は口いっぱいに噛み付いた仮面の陰に隠れたJSの顔を見ていない。
アリスもまた、咲夜の陰になっていたJSの顔を確認はできていない。
勝負こそ「ジャッジメントシーズンの敗北」という形になったが、その正体たる彼女は、自らの正体を隠したままで二人を止めてみせたのだ。
アリスもまた、咲夜の陰になっていたJSの顔を確認はできていない。
勝負こそ「ジャッジメントシーズンの敗北」という形になったが、その正体たる彼女は、自らの正体を隠したままで二人を止めてみせたのだ。
「まあ、アンデッド化した二人ならこのくらいの傷は一日あれば治るでしょう……
治ったくらいの頃には、白黒つけて元に戻しておきましょうか」
治ったくらいの頃には、白黒つけて元に戻しておきましょうか」