東方ファイトスレ @まとめウィキ

17スレ第22戦(1)

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匿名ユーザー

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霧の湖湖畔東方ファイト特設本部は緊張に包まれていた。
なにしろ今回のファイトは「あの」博麗神社の賽銭箱から金を・・・それも1万円札を回収してくるという極めて難易度の高いファイトだ。
これに比べれば紅魔館に侵入してメイド長の部屋から胸部用下着を盗んでくるくらいはピクニックに等しい。
すでに両チームは博麗神社へ侵入している頃合のはずだ。
映姫と文は仮設されたテントの中に小さなランタンで影を浮かべながら腕を組み帰還者を待った。
「順調なら、もう今頃は」
「ええ。それにしても静かですね」
コトが霊夢に露見すれば、おそらく尋常ではないほどの弾幕音が聞こえてくるはずだが、夜の湖畔に聞こえてくるのは湖の小さな波が打ち寄せる音と時より鳴くふくろうの声だけだった。

しばらくして・・・
がさがさ、と足音がした。
映姫と文がバッと顔を上げ、入り口を注視する。
入ってきたのは・・・ファイトに出かけたはずの四人だった。四人とも明らかに不思議そうな顔をしている。
「どうしたのですか?」
いぶかしんだ映姫が尋ねると、まず妖夢が口を開いた。
「いえ、博麗神社へ行って、賽銭箱を調べたのですが・・・」
魅魔が後を受け継ぐ。
「何も入ってなかったんだよ」
「何も?」
文が問い返す。
「ええ」
「すっからかん」
「本当に入ってたの?」
四人の言に文は首をかしげる。
「おかしいですねえ。確かに博麗神社の賽銭箱に入れたときいたのですが・・・」
『私のお賽銭箱に、何を入れたのかしら?』
突然テントの奥から声が聞こえた。今この場では絶対に聞いてはいけないはずの声が。
紅魔館のメイド長が時を止めたかの如く、場が凍りつく。
こちこちと皆がからくり人形のように振り向くと・・・
霊夢が立っていた。
いつも通りの紅白の巫女装束を身にまとい、曇り一つ無い笑顔でにこにことしている。
「あ、ひょっとして、これのこと?」
霊夢が袖口を探り、聖徳太子の描かれた紙切れを取り出しぴらぴらと揺らす。
「ねえ、教えてよ?私のお賽銭箱になにをしようとしてたの?この一万円札を、どうしようとしてたの?」
誰も身動き一つできない。声一つ上げられない。それほどまでに霊夢の体躯からはこの世全ての生物を圧倒するような威圧感を放っていた。
閻魔ですら気圧されるそれに、誰が対抗できるだろうか?
いや、一人いた。射命丸文だ。
彼女はここ最近酷い目にばかり遭ってきた。また災難に遭ってたまるか、と僅かでも、ほんの一瞬でも隙があればなりふりかまわぬ全速力で遁走する尋常でないほど強い決意を固めていた。あとのこの場がどうなろうかなど、知ったことか。
文がうかがった隙は、すぐにやってきた。
「教えてくれないんだあ」
霊夢はわざとらしく残念そうな顔をすると、袖口に手を伸ばす。
今だっ!
文が飛び出そうと足に力を込める。だが幻想郷最速の足をもってしても、絶望的に遅すぎた。
「逃がすか。夢想封印 殺」
霊夢がぽつり呟くと同時に、辺りは閃光に包まれる。

その大爆発は対岸にあった紅魔館の湖側の窓を全て叩き割り、遠く永遠亭でも立ち昇る炎を確認できたという。


結果:両方とも回収できなかったのでドロー。








































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