にとり「フルアーマーかぁ……」
以前フルアーマーかと思ったら古アーマーという指定を受け、
こんな事もあろうかと山のマウンテンサイクルで発掘しておいたホワイトドールで事無きを得たのだが、
今回は正真正銘フルアーマー。さぞや張り切っているだろうと思われたが、そうでもなかった。
にとり「やっぱ素直に装甲板でゴテゴテかねぇ」
フルアーマーというのは全部入り的な意味で極めてロマン溢れる仕様なのだが、
逆に外見上はゴテゴテしてしまうという諸刃の剣でもある。
今一つ煮え切らず、あーでもないこーでもないと悩んでいると来客があった。
早苗「こんにちは!今回ファイトでフルアーマーの指定と聞きましたが!?」
にとり「おお、山の盟友じゃないか。それがさぁ、なんかこういいデザインが無くてねぇ」
早苗「そうでしたか。では早速ですが、私に腹案があります!」
本心の部分もあったが、早苗の腹案に勘付いたにとりが話を振ると、即座に乗ってきた。
そして巫女服の袂から畳んだ図面を取り出す――表には「303」と数字が記してあった。
以前フルアーマーかと思ったら古アーマーという指定を受け、
こんな事もあろうかと山のマウンテンサイクルで発掘しておいたホワイトドールで事無きを得たのだが、
今回は正真正銘フルアーマー。さぞや張り切っているだろうと思われたが、そうでもなかった。
にとり「やっぱ素直に装甲板でゴテゴテかねぇ」
フルアーマーというのは全部入り的な意味で極めてロマン溢れる仕様なのだが、
逆に外見上はゴテゴテしてしまうという諸刃の剣でもある。
今一つ煮え切らず、あーでもないこーでもないと悩んでいると来客があった。
早苗「こんにちは!今回ファイトでフルアーマーの指定と聞きましたが!?」
にとり「おお、山の盟友じゃないか。それがさぁ、なんかこういいデザインが無くてねぇ」
早苗「そうでしたか。では早速ですが、私に腹案があります!」
本心の部分もあったが、早苗の腹案に勘付いたにとりが話を振ると、即座に乗ってきた。
そして巫女服の袂から畳んだ図面を取り出す――表には「303」と数字が記してあった。
美鈴「……(今回のファイト、指定では紅魔館を正面から堂々と強襲するという事ですが、
これは即ち紅魔館への挑戦であると同時に紅魔館門番である私への宣戦布告でもあります。
いくら私が普段気を使う程度の能力で活躍しているとはいえ紅魔館の一大事とあらばやはり
能力や個人的な活躍よりも門番としての勤めが優先されるべきであり勿論私は今回そうする
つもりであって普段なら優雅にシエスタしている今の時間帯に私が起きているという事が
その覚悟を如実に示していて こーりん「お昼寝かな。失礼するよ」 言うなれば今の私は
殺意の波動で昼寝した美鈴とでも言うべき必殺の気構えでこの場に立っているわけで誰が
どんな手を使って突破を図ろうともその悉くを打ち砕く所存でありそれが成功した暁には
きっと咲夜さんが褒めてくれてお嬢様の覚えもめでたく門番から門番長に昇進し三食昼寝に
おやつもついた明るい未来がってよく考えたら昼寝もおやつも既についているような?)」
ファイトの指定を受けて警戒していた紅魔館、その門番である美鈴は目を閉じ考え事に耽っていた。
そしてやや微妙な結論が出かけて思わず目を開けた時、美鈴の背後、即ち館内で悲鳴が上がった。
これは即ち紅魔館への挑戦であると同時に紅魔館門番である私への宣戦布告でもあります。
いくら私が普段気を使う程度の能力で活躍しているとはいえ紅魔館の一大事とあらばやはり
能力や個人的な活躍よりも門番としての勤めが優先されるべきであり勿論私は今回そうする
つもりであって普段なら優雅にシエスタしている今の時間帯に私が起きているという事が
その覚悟を如実に示していて こーりん「お昼寝かな。失礼するよ」 言うなれば今の私は
殺意の波動で昼寝した美鈴とでも言うべき必殺の気構えでこの場に立っているわけで誰が
どんな手を使って突破を図ろうともその悉くを打ち砕く所存でありそれが成功した暁には
きっと咲夜さんが褒めてくれてお嬢様の覚えもめでたく門番から門番長に昇進し三食昼寝に
おやつもついた明るい未来がってよく考えたら昼寝もおやつも既についているような?)」
ファイトの指定を受けて警戒していた紅魔館、その門番である美鈴は目を閉じ考え事に耽っていた。
そしてやや微妙な結論が出かけて思わず目を開けた時、美鈴の背後、即ち館内で悲鳴が上がった。
妖精メイド達「「いやぁぁぁっ!変態よ、変態が居るわぁぁぁっ!」」
こーりん「失礼だな君達は。僕のこの筋肉の鎧に包まれた肉体美が理解できないとは!
やはり全裸ではマズかろうと下穿きを着けていたのが問題か……キャストオフ!」
パチェ「そこまでに決まってんでしょーが!何やってんのよこの変態!」
一足先に館内に入っていたこーりんは、塗りたくったオイルで光る筋肉を誇示するように
ポージングを決めながら妙な歩き方で廊下を往く。
一応妖精メイド達が迎え撃つ心積もりで出てくるのだが、一目で皆ドン引きである。
実際、極限まで鍛えたマッチョボディに褌一枚の時点でかなり異様なのだが、
その上に乗っている頭は線の細い霖之助のままであり、そのギャップがまたキモい。
怪しさとキモさに逃げ惑う妖精メイド達を追いかけながら、
極限の肉体美を見せれば納得してもらえると褌を脱ごうとしたこーりんだったが、
パチュリーの本拠地である紅魔館でそれが許される筈もなかった。
登場と同時に炸裂したロイヤルフレアにより消し炭と化すこーりん――
こーりん「素晴らしい火力だ……だが無意味だ!」
パチェ「むきゅっ!?」
こーりん「この極限まで鍛え抜かれた筋肉の鎧に、魔力の徹る隙など絶無ッ!」
パチェ「むきゅ……このパチュリー・ノーレッジが魔力だけの魔女だと思ったら大間違いよ!」
取り出した薬を飲み、マチョリー化するパチュリー。
妖精メイド達の姿は既に無く、紅魔館の一角で世にもむさくるしい肉弾戦が始まった……。
こーりん「失礼だな君達は。僕のこの筋肉の鎧に包まれた肉体美が理解できないとは!
やはり全裸ではマズかろうと下穿きを着けていたのが問題か……キャストオフ!」
パチェ「そこまでに決まってんでしょーが!何やってんのよこの変態!」
一足先に館内に入っていたこーりんは、塗りたくったオイルで光る筋肉を誇示するように
ポージングを決めながら妙な歩き方で廊下を往く。
一応妖精メイド達が迎え撃つ心積もりで出てくるのだが、一目で皆ドン引きである。
実際、極限まで鍛えたマッチョボディに褌一枚の時点でかなり異様なのだが、
その上に乗っている頭は線の細い霖之助のままであり、そのギャップがまたキモい。
怪しさとキモさに逃げ惑う妖精メイド達を追いかけながら、
極限の肉体美を見せれば納得してもらえると褌を脱ごうとしたこーりんだったが、
パチュリーの本拠地である紅魔館でそれが許される筈もなかった。
登場と同時に炸裂したロイヤルフレアにより消し炭と化すこーりん――
こーりん「素晴らしい火力だ……だが無意味だ!」
パチェ「むきゅっ!?」
こーりん「この極限まで鍛え抜かれた筋肉の鎧に、魔力の徹る隙など絶無ッ!」
パチェ「むきゅ……このパチュリー・ノーレッジが魔力だけの魔女だと思ったら大間違いよ!」
取り出した薬を飲み、マチョリー化するパチュリー。
妖精メイド達の姿は既に無く、紅魔館の一角で世にもむさくるしい肉弾戦が始まった……。
レミィ「始まったみたいね」
変態の侵入により騒然とする館内の気配にファイトの開始を知ったレミリアは、咲夜を呼んだ。
レミィ「咲夜、今日のおやつを出して頂戴」
咲夜「はっ……しかし、それは本日のファイトの標的では」
レミィ「いいのよ、食べ終わってしまえばファイトは無効になるわ。これも運命操作よ」
事前連絡なしに勝手にファイトの会場にされた挙句、おやつまで狙われているこの状況、
そんな理不尽に義理立てする必要は無いと、真正面から突っぱねる構えだ。
咲夜「それもそうですね。では、こちらが本日のおやつになります」
言いながらレミリアの目の前に置くのは薄紅色のムース。
変態はパチュリーが足止めしているし河童は来ないし、味わって食べる余裕はありそうね――
そう思ってスプーンを構えたレミリアの動きが、轟音よって止まる。
ムースに向けていた視線を上げたレミリアは、目の前に黒く大きな穴を見た。
否、穴ではなく、巨大な筒の内側、つまり巨大な筒を向けられているのだ。
勿論そんな筒がどこからともなく出てきた筈もなく、部屋の壁どころか天井に至るまで崩壊し、
それを崩壊させた巨大な質量の塊が、目の前の筒の遥か先に見えた。
レミィ「……!?」
にとり『あーあー、てすてす。レミリアおじょーちゃん、そのおやつを渡してもらうよ』
レミィ「わ……渡すも何も……あんたの物じゃないでしょ!?」
にとり『そうだったねぇ。それじゃ……ファイトらしく、頂いて行く!』
巨大な塊――河童や山の巫女が好むようなロボットではなく、
ブースター類やタンク等々がゴテゴテと付けられたユニット――が、轟音と共に前進する。
その巨体で紅魔館の壁を押し砕きながら、砲身でレミリアに体当たりし、
そのまま砲身内におやつごと取り込む。まあ、既におやつも原型を留めていないのだが。
ミスティア「ミッションコンプリートね」
レティ「私達が一緒に来た意味ってあったのかしら」
両足に巨大なブーツ状のスラスターを付けたミスティアと、右肩に大きなキャノンを積み
雪のように白い装甲板を全身に取り付けたレティが、にとり機の本体近くで話している。
早苗『ありますとも!やはり随伴機も無いと格好がつきませんから!』
通信で突っ込みを入れる早苗に、にとりはミッション終了を告げ、ユニットを後退させる。
こーりん「待ちたまえ!君達の奪ったそのおやつ、僕が奪わせてもらおう!」
そこにこーりんが追いつく。どうやらパチュリーは発作と薬の副作用でリタイヤしてしまったようだ。
にとり『ふん、筋肉の鎧だかなんだか知らないけど、この主砲の前には!』
早苗『ちょっ、にとりさん、いけません!その砲身の中には――』
珍しく早苗が冷静に入れた突っ込みより速く、にとりは主砲のトリガーを引いていた。
砲身内にエネルギーが満ち、こーりんめがけて光の柱のようなビームが放たれる。
こーりん「甘いな、この筋肉の前にそんな無粋なビーム兵器など無意ぶべらっ!?」
……にとり機の砲身から、極太のビームが放たれた。その砲身の中身ごと。
つまり中に飲み込まれていたレミリアの身体が、ビームに押されてこーりんを直撃したのだった。
そして不測の事態に動転したこーりんは、ぶつけられたレミリアと共にビームに飲み込まれ……
変態の侵入により騒然とする館内の気配にファイトの開始を知ったレミリアは、咲夜を呼んだ。
レミィ「咲夜、今日のおやつを出して頂戴」
咲夜「はっ……しかし、それは本日のファイトの標的では」
レミィ「いいのよ、食べ終わってしまえばファイトは無効になるわ。これも運命操作よ」
事前連絡なしに勝手にファイトの会場にされた挙句、おやつまで狙われているこの状況、
そんな理不尽に義理立てする必要は無いと、真正面から突っぱねる構えだ。
咲夜「それもそうですね。では、こちらが本日のおやつになります」
言いながらレミリアの目の前に置くのは薄紅色のムース。
変態はパチュリーが足止めしているし河童は来ないし、味わって食べる余裕はありそうね――
そう思ってスプーンを構えたレミリアの動きが、轟音よって止まる。
ムースに向けていた視線を上げたレミリアは、目の前に黒く大きな穴を見た。
否、穴ではなく、巨大な筒の内側、つまり巨大な筒を向けられているのだ。
勿論そんな筒がどこからともなく出てきた筈もなく、部屋の壁どころか天井に至るまで崩壊し、
それを崩壊させた巨大な質量の塊が、目の前の筒の遥か先に見えた。
レミィ「……!?」
にとり『あーあー、てすてす。レミリアおじょーちゃん、そのおやつを渡してもらうよ』
レミィ「わ……渡すも何も……あんたの物じゃないでしょ!?」
にとり『そうだったねぇ。それじゃ……ファイトらしく、頂いて行く!』
巨大な塊――河童や山の巫女が好むようなロボットではなく、
ブースター類やタンク等々がゴテゴテと付けられたユニット――が、轟音と共に前進する。
その巨体で紅魔館の壁を押し砕きながら、砲身でレミリアに体当たりし、
そのまま砲身内におやつごと取り込む。まあ、既におやつも原型を留めていないのだが。
ミスティア「ミッションコンプリートね」
レティ「私達が一緒に来た意味ってあったのかしら」
両足に巨大なブーツ状のスラスターを付けたミスティアと、右肩に大きなキャノンを積み
雪のように白い装甲板を全身に取り付けたレティが、にとり機の本体近くで話している。
早苗『ありますとも!やはり随伴機も無いと格好がつきませんから!』
通信で突っ込みを入れる早苗に、にとりはミッション終了を告げ、ユニットを後退させる。
こーりん「待ちたまえ!君達の奪ったそのおやつ、僕が奪わせてもらおう!」
そこにこーりんが追いつく。どうやらパチュリーは発作と薬の副作用でリタイヤしてしまったようだ。
にとり『ふん、筋肉の鎧だかなんだか知らないけど、この主砲の前には!』
早苗『ちょっ、にとりさん、いけません!その砲身の中には――』
珍しく早苗が冷静に入れた突っ込みより速く、にとりは主砲のトリガーを引いていた。
砲身内にエネルギーが満ち、こーりんめがけて光の柱のようなビームが放たれる。
こーりん「甘いな、この筋肉の前にそんな無粋なビーム兵器など無意ぶべらっ!?」
……にとり機の砲身から、極太のビームが放たれた。その砲身の中身ごと。
つまり中に飲み込まれていたレミリアの身体が、ビームに押されてこーりんを直撃したのだった。
そして不測の事態に動転したこーりんは、ぶつけられたレミリアと共にビームに飲み込まれ……
結果:にとり機がビーム砲でおやつを吹き飛ばしてしまい、ドロー
こーりん「バカな……実弾混じりのビームなんて……ハッ、まさか『波と粒の境界』なのか!?」
にとり「素晴らしいね!フルアーマーでゴテゴテはイマイチ気乗りがしなかったけど、
逆にゴテゴテを極めちゃえばよかったんだ!このplan303は引き続き検討しなくちゃ!」
逆にゴテゴテを極めちゃえばよかったんだ!このplan303は引き続き検討しなくちゃ!」
永琳「紅魔館は大破ね。『全治:次のファイトまで』っと。ウドンゲ、このカルテお願い」
鈴仙「はい……あれ、紅魔館って生き物でしたっけ?」
鈴仙「はい……あれ、紅魔館って生き物でしたっけ?」