「まりさこわいまりさこわいまりさこわいまりさこわいまりさこわいまりさこわいまりさこわいまりさこわいまりさこ」
「何故私なんだもっとほかの私が嫁いだら妹紅とか寺子屋とかけっこう面倒くさい女でそろそろお肌も曲がり角が見えて」
「何故私なんだもっとほかの私が嫁いだら妹紅とか寺子屋とかけっこう面倒くさい女でそろそろお肌も曲がり角が見えて」
「お互いに心ここにあらず、といった感じですねぇ。ファイトできますか?」
「わいまりさこわいま…あっ、も、問題ないわ、大丈夫大丈夫」
「角とか生えるし糠床の…む、私もだ、失礼した」
「角とか生えるし糠床の…む、私もだ、失礼した」
審判である閻魔の言葉に我に返る両者。
今回のファイト内容は、最近幻想郷で頻発する匿名寄付の犯人(?)を特定することである。
幻想郷には宅配便やら市役所やらが無いので、家や施設の玄関に物資の入った木箱が送られてくるようだ。
今回のファイト内容は、最近幻想郷で頻発する匿名寄付の犯人(?)を特定することである。
幻想郷には宅配便やら市役所やらが無いので、家や施設の玄関に物資の入った木箱が送られてくるようだ。
アンケートはさておき、寺子屋をやっている身としては、慧音も興味がある。
心当たりがいくつか無いわけでもないが、わざわざ匿名でやっている以上、直接聞いても否定されるだろう。
ならば一番手っ取り早い方法は、次に寄付があるであろう場所に張り込み、現場を直接押さえることである。
奇しくもまだ自分の寺子屋にはその手の寄付が来ていないため、寄付者が現れるまでそこに泊まり込む作戦に出た。
アンケート結果のことでも考えていれば悩ましくて寝付けない、むしろ今回のファイトにはうってつけである。
ならば一番手っ取り早い方法は、次に寄付があるであろう場所に張り込み、現場を直接押さえることである。
奇しくもまだ自分の寺子屋にはその手の寄付が来ていないため、寄付者が現れるまでそこに泊まり込む作戦に出た。
アンケート結果のことでも考えていれば悩ましくて寝付けない、むしろ今回のファイトにはうってつけである。
それにしても一体誰がこんなことを…?
さすがに外の世界と同一人物がやっているとは考えづらいので、模倣した幻想郷の住人の仕業だろう。
言っちゃあ悪いが幻想郷の住人(特に強者)は自分勝手が多い。
決して安くはない量の施しを酔狂で行うような者などそうはいない。
匿名というのがポイントだろうか。
恵まれない人々に寄付をしたとなれば、人間からの評判は確実に上がる。
寄付者が人間や人間好きな妖怪ならば無論、エサとしか思っていない連中でも、
自分の評判が上がれば油断させて里が襲いやすくなるはず。普通はメリットのはずだ。
それをあえて匿名で行うということは、それなりの理由があるはずである。
さすがに外の世界と同一人物がやっているとは考えづらいので、模倣した幻想郷の住人の仕業だろう。
言っちゃあ悪いが幻想郷の住人(特に強者)は自分勝手が多い。
決して安くはない量の施しを酔狂で行うような者などそうはいない。
匿名というのがポイントだろうか。
恵まれない人々に寄付をしたとなれば、人間からの評判は確実に上がる。
寄付者が人間や人間好きな妖怪ならば無論、エサとしか思っていない連中でも、
自分の評判が上がれば油断させて里が襲いやすくなるはず。普通はメリットのはずだ。
それをあえて匿名で行うということは、それなりの理由があるはずである。
売名と取られないよう匿名での寄付をしているとすれば、命連寺の人々だろうか。
だが彼女らの裏のない親切さは人里でも有名だ。わざわざそんなことせずとも邪推する連中などいるはずもない。
では知られると怖がられるから?
ならば紅魔館のような比較的周囲から恐れられている組織筋という可能性もある。
そこまでの気配りができるとなると門番あたりか。いや彼女は赤貧か。
あるいは、知られることでイメージが下がることを危惧しているとか?
強面な妖怪が子供にやさしいとなると確かにイメージが崩れる。
そういう意味では自分の館があり実はド親切という噂の絶えない花の妖怪なんか有力候補だが…
だが彼女らの裏のない親切さは人里でも有名だ。わざわざそんなことせずとも邪推する連中などいるはずもない。
では知られると怖がられるから?
ならば紅魔館のような比較的周囲から恐れられている組織筋という可能性もある。
そこまでの気配りができるとなると門番あたりか。いや彼女は赤貧か。
あるいは、知られることでイメージが下がることを危惧しているとか?
強面な妖怪が子供にやさしいとなると確かにイメージが崩れる。
そういう意味では自分の館があり実はド親切という噂の絶えない花の妖怪なんか有力候補だが…
そんなことを2割、自分の婚期について8割くらい思い悩みながら張り込んで3日目、ついにおもての茂みをかき分けるが聞こえた。
運悪く8割の方を考えていたため反応が遅れてしまったが、ダッシュで入口に飛びついてかんぬきを外し、戸を開く。
そこで真っ先に目に飛び込んできた人物とは。
運悪く8割の方を考えていたため反応が遅れてしまったが、ダッシュで入口に飛びついてかんぬきを外し、戸を開く。
そこで真っ先に目に飛び込んできた人物とは。
「お前は…アリス!?」
「え、あなた…?」
「え、あなた…?」
玄関前には噂通りの木箱が置いてある。おそらくこれが寄付の内容なのだろう。
まさかその持参者が対戦相手とは多少意外ではあったが。
試合内容を覗いているであろう閻魔に聞こえるよう、空に向かって叫んだ。
まさかその持参者が対戦相手とは多少意外ではあったが。
試合内容を覗いているであろう閻魔に聞こえるよう、空に向かって叫んだ。
「アリス・マーガトロイドだ!」
「上白沢慧音よ!」
「上白沢慧音よ!」
だが、同時に何故かアリスも慧音の名を叫んでいた。
そしてどこからともなく響いてきた閻魔の声は…
そしてどこからともなく響いてきた閻魔の声は…
「両名ともハズレ!」
「「え…?」」
「「え…?」」
後で詳しく事情を聞いてみると、アリスもここ数日、寺子屋の外の茂みに張り込んでいたのだという。
不特定多数の恵まれない人の家に寄付されるのを探すよりも、大きめの施設を張っていたほうが確実だと踏んだためである。
初夢にヤンデレな魔理沙の夢を見て、それ以来本当に眠るのが怖くなってしまったので、夜の見張りにはむしろ好都合だった。
ところがついうとうとして初夢がフラッシュバックし慌てて飛び起き茂みに倒れこんで音を出してしまった。
慌てて寺子屋を見ると既に寄付された物資と思われる箱が玄関に置いてある。
決定的瞬間は見逃したがまだ近くにいるかもしれないと駆け寄ったところ、玄関から慧音が出てきたようだ。
不特定多数の恵まれない人の家に寄付されるのを探すよりも、大きめの施設を張っていたほうが確実だと踏んだためである。
初夢にヤンデレな魔理沙の夢を見て、それ以来本当に眠るのが怖くなってしまったので、夜の見張りにはむしろ好都合だった。
ところがついうとうとして初夢がフラッシュバックし慌てて飛び起き茂みに倒れこんで音を出してしまった。
慌てて寺子屋を見ると既に寄付された物資と思われる箱が玄関に置いてある。
決定的瞬間は見逃したがまだ近くにいるかもしれないと駆け寄ったところ、玄関から慧音が出てきたようだ。
「特定したと思われた人物が二人とも見当外れであった以上、この勝負は引き分けですね。」
「しかし本当に一体誰なんだ…?」
「不思議なものよねえ」
「しかし本当に一体誰なんだ…?」
「不思議なものよねえ」
ちなみにファイトが行われたのは西暦で言う2012年。
「幻想入りしたタイガーマスク運動」が妖怪となって施しをしている、とはさすがに考え至らない2人であった。
「幻想入りしたタイガーマスク運動」が妖怪となって施しをしている、とはさすがに考え至らない2人であった。