Chapter XIV 「古のダークレイス」
(執筆:パラD)
襲撃をうけてから数日の時が流れたこの施設
人の気配もなく、野ざらしにされた魔導所と古文書が風にたなびく
もちろんそこに人の気配などない、そのうちのとくに最近よまれたであろう一冊を手に取るセッテ
人の気配もなく、野ざらしにされた魔導所と古文書が風にたなびく
もちろんそこに人の気配などない、そのうちのとくに最近よまれたであろう一冊を手に取るセッテ
「こりゃこっちの地方で発展した術式が多いっす・・・」
そもそも魔法とは一般的なものこそ知られているが、その人物や周囲の状況次第で独自に進化を遂げたものがある
使用者の技量はもちろん、その性格がそのまま魔法となって具現化するというのが本来の姿だ。故に自然の魔法は
その自然を理解した聡明な人か多く、古の闇魔法というものは使用者自体も言い知れぬ「闇」を醸し出す雰囲気を
どことなく醸し出しているのだ。
もちろんセッテ自身も国にいたころにいくつかの魔術様式を学んできたが故の結論だが・・・。
使用者の技量はもちろん、その性格がそのまま魔法となって具現化するというのが本来の姿だ。故に自然の魔法は
その自然を理解した聡明な人か多く、古の闇魔法というものは使用者自体も言い知れぬ「闇」を醸し出す雰囲気を
どことなく醸し出しているのだ。
もちろんセッテ自身も国にいたころにいくつかの魔術様式を学んできたが故の結論だが・・・。
「こんな術式文様もあるんすか、この魔力増幅様式は俺でも初めて見るっす」
術式において陣となる文様も大事なものである。セッテが取ったその魔導所にある文様はいわゆる電気回路の増幅器を
より効率よくしたもので、その並びはセッテが授業中によだれを垂らしたり、早弁を隠すために愛唱してた馴染みある
国の教科書や一般的にあるものではなかった。
より効率よくしたもので、その並びはセッテが授業中によだれを垂らしたり、早弁を隠すために愛唱してた馴染みある
国の教科書や一般的にあるものではなかった。
「しかしこの術式文様だと使用者に著しい負荷を与えることとなっす。これに耐えうる肉体の持ち主は相当っすね」
当然闇魔法とて理にかなう部分はある、強大なものであるほど使用者にそれだけの技量を要し、使用者にその技量
がなければそれ相応の代償を捧げなければならない。それが他の生命体であっても。
がなければそれ相応の代償を捧げなければならない。それが他の生命体であっても。
「闇魔法ダークレイス、闇の眷属って意味っすか」
どうやらこの魔法はここで倒されたであろう生命体が執拗に調べていたものらしい、ここのページ以外はすべて本の
淵の汚れより内側が新しいからだ。
淵の汚れより内側が新しいからだ。
「しかしこの魔法は対象となる存在をもうひとつ作り出す術式にちかいっすね、高位のものになるとそのもうひとつ
の存在を作り出すのに命がひつようになるっす」
の存在を作り出すのに命がひつようになるっす」
この場合はもうひとつを作り出すにあたって、捧げる生命体が強大なものほどそのもうひとつの存在が強大になる。
そう、たとえば竜のような・・・
そう、たとえば竜のような・・・
その魔導書の最後のページから一枚の白黒写真がおちる
「ウホッ♂」
あまりにいい男の写真が見えたので思わず声を出してしまった。
「これあの勇者さんの・・・人気者なんすねぇ」
その瞬間に背後から何か召喚される音が聞こえた、系列からして闇魔法だ。そしてこちらに向かう人の足音が聞こえる
軽装の傭兵が歩くような感じの音だ。そして静かにセッテのいる部屋の正面扉が開く
軽装の傭兵が歩くような感じの音だ。そして静かにセッテのいる部屋の正面扉が開く
「おかしいっすね、ひとの気配はしなかったんすけど」
咄嗟にセッテはユミル式の防護術をかけた、樹を礎にしたこの魔法は炎以外の攻撃ならたいてい防げる簡易的なものである
そのはずであった
そのはずであった
「えっ防護術がとれたっすか・・・?」
咄嗟に物理的な衝撃をうけたと思ったら防護術術式が壊されていた。本来なら物理干渉しないはずの術式だが。それに
気が付いた途端にセッテは自分の攻撃魔術を扉に向かって乱射する。その際に一瞬赤黒い人影が此方に飛び出してきた。
気が付いた途端にセッテは自分の攻撃魔術を扉に向かって乱射する。その際に一瞬赤黒い人影が此方に飛び出してきた。
「フゥォオオオィァァアンザバラッットビブリデフ、インデlルィァエァゥトォオオオオオアアアアアアァァァァアアアィィイイィイイ!」
もちろんこれは口言術式ではなく、セッテと著者が咄嗟に出した奇声のようなものである、しかしそのうちの一つの魔法が
運よく赤黒い人影に命中して対象をひるませることに成功し、その影は溶けてなくなっていった
運よく赤黒い人影に命中して対象をひるませることに成功し、その影は溶けてなくなっていった
「・・・いまの人影・・・まさかあの勇者さん?」
その影の溶けた部分に紅い魂のようなものが浮かびあがった。どうやらこの人影の創造主の記憶のようだ。それをみた
セッテは気が付いた、この人影の正体はここでフリードに殺されたところで記憶が途切れていた、最後に闇魔法ダークレイス
の術式を書き、自らの命を代償として完成させていたことを・・・。そしてそれは何度でもこの世界に蘇るファントムの
ような存在であることも・・・。
セッテは気が付いた、この人影の正体はここでフリードに殺されたところで記憶が途切れていた、最後に闇魔法ダークレイス
の術式を書き、自らの命を代償として完成させていたことを・・・。そしてそれは何度でもこの世界に蘇るファントムの
ような存在であることも・・・。