「俺のやることは変わらない」 ◆ZbV3TMNKJw
俺はお父さんのことを知らない。
俺を育てるために家事に仕事に懸命なお母さんの背中を見て育ってきた。
聞けばお父さんは凡庸な人間だったという。
その凡庸さゆえに非凡なお母さんに恋をして、そしてその凡庸さゆえに非凡なお母さんから逃げ出したそうだ。
でもそれを聞かされても俺はお父さんを恨む気にはなれなかった。
なんだったら大好きなお母さんと二人きりにしてくれた彼の現在のご多幸をお祈り申し上げるくらいだった。
だけどそんな凡庸なお父さんを思うとき、凡庸な我が身を省みていつも誓うんだ。
―――俺は俺の凡庸を、誰かの非凡のせいにはしない
―――非凡な奴らから、凡庸な俺から、俺は決して逃げないぞ
☆
生徒会庶務・人吉善吉は普通の人間だった。
生徒会会長・黒神めだかのように全てを完成させられる『異常(アブノーマル)』ではなく。
元柔道部の王子こと、生徒会書記・阿久根高貴のようになんでも完璧にこなせたり、元水泳部のエースであり生徒会会計の喜界島もがなのように才能ある『特別(スペシャル)』ではなく。
生徒会副会長球磨川禊のように人を堕落させ共に堕ちるのが好きな『過負荷(マイナス)』でもなく。
元柔道部の王子こと、生徒会書記・阿久根高貴のようになんでも完璧にこなせたり、元水泳部のエースであり生徒会会計の喜界島もがなのように才能ある『特別(スペシャル)』ではなく。
生徒会副会長球磨川禊のように人を堕落させ共に堕ちるのが好きな『過負荷(マイナス)』でもなく。
特に優れた/劣った個性を有しているわけではない彼は、普遍的に言うならば『凡人』の類だ。
だから彼は強くなりたかった。そして強くなった。少なくとも、黒神めだかの側にいることを許される程度には。
いつだって現実に打ちのめされながら。諦めながら。挫折しながら。
それでも奮起し立ち上がり己をたたき上げてきた。
いつだって現実に打ちのめされながら。諦めながら。挫折しながら。
それでも奮起し立ち上がり己をたたき上げてきた。
その過程には普通に過ごしていては経験できないようなこともあった。
動物の捜索に美術のモデルなど、生徒会として引き受けた依頼の数々。
風紀委員長・雲仙冥利による比喩表現なしの文字通りの爆撃。
『異常(アブノーマル)』都城王土率いる『十三組の十三人(サーティーン・パーティ)』との壮絶な戦い。
『過負荷(マイナス)』球磨川禊率いる『マイナス十三組』と生徒会の権利を賭けた生徒会戦挙。
動物の捜索に美術のモデルなど、生徒会として引き受けた依頼の数々。
風紀委員長・雲仙冥利による比喩表現なしの文字通りの爆撃。
『異常(アブノーマル)』都城王土率いる『十三組の十三人(サーティーン・パーティ)』との壮絶な戦い。
『過負荷(マイナス)』球磨川禊率いる『マイナス十三組』と生徒会の権利を賭けた生徒会戦挙。
そんなこんなで幾多もの死線を潜り抜けてきた彼でも、知り合いから見も知らぬ者たちと殺しあうというバトルロワイアルというこの状況には流石に恐怖を覚えずに入られなかった。
めだかちゃんに勝つための、安心院さんによる『主人公』の育成計画の一環かと一瞬は思ったが、しかし、確実に死者が出るようなプログラムを課すとは思えない。
むしろ、彼女が関与していればその時点で彼女との同盟は破棄だ。
他者を殺してまでめだかちゃんに勝とう等とは到底思えない。
むしろ、彼女が関与していればその時点で彼女との同盟は破棄だ。
他者を殺してまでめだかちゃんに勝とう等とは到底思えない。
そう、殺人など、枷があるとはいえ好き好んでしたいものではない。
自分はそうであるし、他の皆もそうであってほしい。
仮に殺し合いに賛同してしまうとしても、それが恐怖などであれば理解できるしどうにか止めて助けてやりたいとも思えるからだ。
自分はそうであるし、他の皆もそうであってほしい。
仮に殺し合いに賛同してしまうとしても、それが恐怖などであれば理解できるしどうにか止めて助けてやりたいとも思えるからだ。
だから、彼は死にたくないと思いながらも殺し合いには反目するつもりだった。
まだ方法こそは思いついていないが、犠牲者無くこの殺し合いを壊すつもりだった。
それは、この殺し合いに黒神めだかが参加させられていなくとも変わらなかっただろう。
まだ方法こそは思いついていないが、犠牲者無くこの殺し合いを壊すつもりだった。
それは、この殺し合いに黒神めだかが参加させられていなくとも変わらなかっただろう。
...もっとも、この名簿上の知り合いである黒神めだかと球磨川禊こそが彼の不安の種であるのだが。
黒神めだかは性格上、殺人を好むような女の子ではない。が、己と対等の者を好むきらいがある。それも、敵対する者であればなおさらだ。
殺し合いを肯定することはないだろうが、やはりそういった背景を考えると不安はよぎる。
球磨川禊は、流石に人は殺さないだろうとは思うが...いや、どうだろう。あの人なら気が変わって人類裸エプロン化計画とか銘打って優勝を目指す可能性もなくはない、かもしれない。わからない。やっぱり不安だ。
殺し合いを肯定することはないだろうが、やはりそういった背景を考えると不安はよぎる。
球磨川禊は、流石に人は殺さないだろうとは思うが...いや、どうだろう。あの人なら気が変わって人類裸エプロン化計画とか銘打って優勝を目指す可能性もなくはない、かもしれない。わからない。やっぱり不安だ。
とにかく、万が一の可能性も考え、彼らとの合流は急ぐべきだ。
そう結論付け決意しほどなくしてだ。
ザッ、ザッ、と遥か彼方より足音が響き渡った。
誰か向かってきている―――!
善吉は暗闇に目を凝らし、警戒心を抱きつつ来訪者を待ち構えた。
やがて、ヌッ、と姿を現したのは、男だった。
白髪に一昔前のヴィジュアルバンドを思わせる衣装を身に纏った奇妙な男だった。
白髪に一昔前のヴィジュアルバンドを思わせる衣装を身に纏った奇妙な男だった。
その男の姿を認めた時、善吉は動けなかった。
彼は男の放つ威圧感に圧されたのだ。
彼は男の放つ威圧感に圧されたのだ。
前述した通り、彼は幾多の死線を潜ってきた男だ。
その彼が気圧されるほど、白髪の男は異様だった。
強いかどうか、異常か過負荷だの以前に、そもそもの土台が違う。そんな得体のしれない気配を漂わせていた。
その彼が気圧されるほど、白髪の男は異様だった。
強いかどうか、異常か過負荷だの以前に、そもそもの土台が違う。そんな得体のしれない気配を漂わせていた。
「小僧、貴様なにをそんなに怯えている?」
男の言葉に、善吉の心臓がドキリと跳ね上がる。
(クソッ、落ち着け人吉善吉!お前はいつまで甘えたの坊ちゃんでいるつもりだよ!)
心中で己を鼓舞し、どうにか心を持ち直す。
何のために自分は強くなった。
何のために自分はこれから強くなろうとした。
俺はめだかちゃんを守れる奴になりたかったんじゃないのか。めだかちゃんに勝ちたいんじゃなかったのか!
そう何度も言い聞かせ、己を奮い立たせた。
何のために自分は強くなった。
何のために自分はこれから強くなろうとした。
俺はめだかちゃんを守れる奴になりたかったんじゃないのか。めだかちゃんに勝ちたいんじゃなかったのか!
そう何度も言い聞かせ、己を奮い立たせた。
「...カッ、生憎俺は善良な一般市民なんでね。そういうあんたはどうなんだよ」
笑みを浮かべるが虚勢だ。
一皮剥けば容易く剥がれ落ちる程度の脆い作り物だ。
一皮剥けば容易く剥がれ落ちる程度の脆い作り物だ。
「私か?私は胸が高鳴っているよ」
「あ?」
「こんなに刺激的な催しはそうそう体験できるものではない。それにこの会場には宮本明もいるというじゃないか」
「あ?」
「こんなに刺激的な催しはそうそう体験できるものではない。それにこの会場には宮本明もいるというじゃないか」
嬉々として語る男に、善吉は更に困惑を募らせる。
中々体験できるものじゃないからなんなのだ。宮本明とかいう男がいるからなんなのだ。
まさかというべきかやはりというべきか、眼前の男もめだか同様、いやそれ以上に好戦的な男だというのか。
中々体験できるものじゃないからなんなのだ。宮本明とかいう男がいるからなんなのだ。
まさかというべきかやはりというべきか、眼前の男もめだか同様、いやそれ以上に好戦的な男だというのか。
善吉は与えられた能力『欲視力(パラサイトシーイング)』を行使し、男の視界を覗き視ようとする。
が、見えない。普段ならどんなに相手の視界に気持ち悪い世界が広がっていようが視ることはできた。
だがいまはそれができない。
なぜかはわからないが、とにかくいまは相手の言動を見て判断するしかないだろう。
が、見えない。普段ならどんなに相手の視界に気持ち悪い世界が広がっていようが視ることはできた。
だがいまはそれができない。
なぜかはわからないが、とにかくいまは相手の言動を見て判断するしかないだろう。
「...結局、あんたはなにが言いてえんだ?まさかあのBBちゃんの言うことを真に受けるんじゃねえだろうな」
「ふむ、それも一興だが、奴が約束を守る保障がない以上、素直に従うのは得策ではないだろうな」
「ふむ、それも一興だが、奴が約束を守る保障がない以上、素直に従うのは得策ではないだろうな」
予想外の言葉に善吉は拍子抜けする。
主催のB.Bが約束を守らない可能性があるから乗らない。
多少物騒な単語はあれど、彼の考えは実に理にかなっている。
ひょっとして先ほどまで感じていた妙な気配は気のせいだったのだろうか。
主催のB.Bが約束を守らない可能性があるから乗らない。
多少物騒な単語はあれど、彼の考えは実に理にかなっている。
ひょっとして先ほどまで感じていた妙な気配は気のせいだったのだろうか。
「故に私は戦力を集めるつもりでいる。私の大嫌いな人間を殺しつつな」
善吉の背筋は凍りついた。
前言撤回。やはりこの男はかけねなくヤバイ奴だ。
正直に言って関わりたくないが、自分が止めなければ他の参加者が危ないかもしれない。
前言撤回。やはりこの男はかけねなくヤバイ奴だ。
正直に言って関わりたくないが、自分が止めなければ他の参加者が危ないかもしれない。
「...カッ、俺の前でそう宣言するってことはそういうことでいいんだな!?」
受けて立つ、と拳を握り締め右足を微かに後ろに下げる。
『サバット』。蹴り技を主体とし外靴での戦闘を前提とした格闘技。
人吉善吉の基本的な戦闘スタイルである。
『サバット』。蹴り技を主体とし外靴での戦闘を前提とした格闘技。
人吉善吉の基本的な戦闘スタイルである。
彼の構えを見た男は、鼻で笑い笑みを深める。
「ほう。臆せず構えをとるか。ではその無謀さを評して先手はくれてやろう」
男はまるで警戒心を抱かず、ゆったりと善吉へと歩み寄る。
善吉はその様をかえって不審に思う。彼は知っているからだ。
カウンター型の過負荷(マイナス)、蝶ヶ崎我ヶ丸の『不慮の事故(エンカウンター)』を。
カウンター型の過負荷(マイナス)、蝶ヶ崎我ヶ丸の『不慮の事故(エンカウンター)』を。
(こいつが蝶ヶ崎みたいな力を持ってたらここで手を出すわけにはいかねえ。とにかく観察して...)
分析している間にも、男との距離は着々と詰められていく。
「どうした?なにを遠慮している」
気がつけば、善吉との距離はもう目と鼻の先にまで迫っていた。
(こ、こいつは本当に俺に蹴らせるつもりだったのか!?それともカウンター型なのか!?)
「先手はいらないか。ならば―――」
「う、うわああああああっ!!」
「先手はいらないか。ならば―――」
「う、うわああああああっ!!」
男の手が善吉の首元へと伸ばされた瞬間、善吉はほぼ反射的に蹴りを繰出していた。
経験と生存本能が警鐘を鳴らしたのだ。この男に触れられるのはマズイと。
経験と生存本能が警鐘を鳴らしたのだ。この男に触れられるのはマズイと。
打撃音と共に男の身体が後方へと吹き飛び、2メートルほど後退する。
男は、ニイと笑みを深めた。
男は、ニイと笑みを深めた。
「悪くない蹴りだ。だが遠慮することはないのだぞ?」
笑み、再び男はゆったりと歩き出す。
善吉は再び蹴りを繰出し、男を吹き飛ばす。
男は笑みを絶やさず歩み寄る。善吉が再び後方へ蹴り出す。
善吉は再び蹴りを繰出し、男を吹き飛ばす。
男は笑みを絶やさず歩み寄る。善吉が再び後方へ蹴り出す。
善吉には幾度も繰り返されるこの光景が酷く気味悪く思えて仕方が無かった。
何度蹴られても笑みを絶やさず、よろめきもしない。
全てを『無かった』ことにする球磨川禊とはまた別の気持ち悪さだ。
全てを『無かった』ことにする球磨川禊とはまた別の気持ち悪さだ。
(俺の蹴りは確かに効いている。なのに、終わらせられる気がしない!こいつを倒せる気がしない!)
「ふん、もう飽きた」
終わりは唐突に訪れた。
先ほどまでされるがままだった男は、善吉の突き出された脚を掴み、乱暴に振るった。
技術も糞もない、力任せの投げ。
だが、善吉の身体はそれだけで宙を舞い、凄まじい速さで木にぶつけられた。
先ほどまでされるがままだった男は、善吉の突き出された脚を掴み、乱暴に振るった。
技術も糞もない、力任せの投げ。
だが、善吉の身体はそれだけで宙を舞い、凄まじい速さで木にぶつけられた。
「がはっ!」
背中から走る痛みに思わず呻き声をあげる。
だが、この程度ならいままでの戦いで何度も経験したものだ。
すぐに立ち上がり、再び雅と向き合う。
だが、この程度ならいままでの戦いで何度も経験したものだ。
すぐに立ち上がり、再び雅と向き合う。
「ハッ、しぶとさだけは中々だ。だが、いまのでわかっただろう。貴様では私には敵わぬことが」
男の言うとおり、善吉は既に彼との戦力差を理解していた。
ほぼ確実に、自分では男には勝てない。
今までにも宗像先輩やめだかちゃん(改)のような一見勝ち目の無い戦いはあった。
だが、彼らには心があり和解の道もあった。
この男にはそんなものはない。純粋な悪意をもって遊び、蹂躙する。
如何ともし難い実力差がある以上、形勢が崩れることは無い。
ほぼ確実に、自分では男には勝てない。
今までにも宗像先輩やめだかちゃん(改)のような一見勝ち目の無い戦いはあった。
だが、彼らには心があり和解の道もあった。
この男にはそんなものはない。純粋な悪意をもって遊び、蹂躙する。
如何ともし難い実力差がある以上、形勢が崩れることは無い。
(だからって、ここで諦めてどうすんだよ!)
けれども、確実に他者へと害を為す男を目前にして、放っておけば確実に人を殺すような男を目の前にして、放っておくことなどできない。
自暴自棄なわけではない。命が惜しくないわけでもない。
それでも、彼は男を止める為に、その膝を折ることはしない。
自暴自棄なわけではない。命が惜しくないわけでもない。
それでも、彼は男を止める為に、その膝を折ることはしない。
「ほう。この期に及んで悪くない眼光だ。ならばその闘志を評して素晴らしいプレゼントをしてやろう」
タンッ、と、先ほどとはうって変わって男は軽やかに跳躍した。
オリンピック顔負けの跳躍力で、男は善吉の後ろに回り込もうとする。
だがその程度で善吉はうろたえない。
背後にまわってくるというなら簡単だ。身体の軸を回し、後ろ回し蹴りを放ち迎え撃つ。
オリンピック顔負けの跳躍力で、男は善吉の後ろに回り込もうとする。
だがその程度で善吉はうろたえない。
背後にまわってくるというなら簡単だ。身体の軸を回し、後ろ回し蹴りを放ち迎え撃つ。
が、しかし、それが男の胴体を捉えることはなく。
男は善吉の脚を掴みながら、ズイ、と顔を首元に寄せた。
男は善吉の脚を掴みながら、ズイ、と顔を首元に寄せた。
マズイ、と直感するも、脚を掴まれているため距離をとることすらできない。
「味わえ。至極の快楽と恐怖を」
男の口が大きく開き、その鋭い牙が善吉へと襲い掛かる。
「炎の呼吸、壱の型―――不知火」
刹那―――善吉の視界に、一筋の炎が奔った、気がした。
☆
俺は死んだ。
やるべきことも果たすべきことも全うして悔いなく死んだ。
しかしどういうわけか俺はこうして生き返っている。
これが本当に現実ならば、あの列車で食べた美味い弁当もまた食べられるのだろう。
家に帰れば父上や千寿郎ともまた会えるのだろう。
もしも再会できれば、竈門少年や猪頭少年、黄色い少年らの成長した姿に感動することもできるだろう。
家に帰れば父上や千寿郎ともまた会えるのだろう。
もしも再会できれば、竈門少年や猪頭少年、黄色い少年らの成長した姿に感動することもできるだろう。
老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだと言ったが、やはり己の生が此処にあるというのはとても嬉しいことだと思い知らされた。
本来ならばあのBBという少女に感謝し頼みごとを聞くのが筋なのだろう。
だが、彼女は人を殺した。必要に迫られてではなく、どうしようもなく動揺してではなく、鬼よりも無邪気に玩具で遊ぶかのような軽薄さで少女を殺した。
悪いが、そんな彼女の願いを聞き入れられるほど俺は寛容ではない。
だから俺のやるべきことは変わらない。
たとえ恩知らずだのなんだのと罵られようとも、いまこの場で即刻首を飛ばされようとも構わない。
弱き人を、罪なき人を助ける。
それが俺の責務だ。信念だ。生き方だ。
だから、俺が刀を振るう理由に嘘偽りなど必要ない。
☆
一瞬だった。
白髪の男がなにかを感じ取り一歩退いたかと思えば、一筋の炎が降り注ぎ、白髪の男の腕を切断していた。
その炎が、金髪の先が朱色に染まった髪の男であり、本当に炎が出ていた訳ではないと善吉が気づいたのは、尻餅をついてしまった数秒後だった。
その炎が、金髪の先が朱色に染まった髪の男であり、本当に炎が出ていた訳ではないと善吉が気づいたのは、尻餅をついてしまった数秒後だった。
「立てるか少年!」
男は、チラ、と微かに視線を向けて問いかけた。大声で。
「あ、あんたは?」
「俺は煉獄杏寿郎という者だ!きみを助けに来た!」
「助けに来てくれたのか。誰だか知らないが、礼を言うぜ。ありがとう」
「気にするな!それが俺の責務だからな!」
「俺は煉獄杏寿郎という者だ!きみを助けに来た!」
「助けに来てくれたのか。誰だか知らないが、礼を言うぜ。ありがとう」
「気にするな!それが俺の責務だからな!」
―――いや、イチイチ声がデケエよ!男塾塾長かあんたは!?
そうツッこみたくなる善吉だが、しかし相手は初対面な上に助けてくれた恩人だ。
だから、箱庭学園では平然と口にしただろうツッコミも、今回は心中で留めておいた。
だから、箱庭学園では平然と口にしただろうツッコミも、今回は心中で留めておいた。
「...さて、もう一度聞こう。立てるか少年」
先ほどとはうって変わって、煉獄の声は静かなものとなり、空気も引き締まったものとなる。
「あ、ああ」
「それはよかった。ならば、ここから離れるんだ。できるだけ急いでな」
「それってどういう...」
「それはよかった。ならば、ここから離れるんだ。できるだけ急いでな」
「それってどういう...」
「煉獄杏寿郎と言ったか」
右腕を斬られた筈の男は、以前変わらぬ笑みを携えたまま、煉獄を見据える。
「素晴らしい剣技だった。もう少し気付くのが遅ければ片腕だけでは済まなかっただろう」
「褒められるのは嬉しいが、きみのやろうとしていたことは看過できない。なぜこの少年を殺そうとした。きみの名前も合わせて聞かせてもらおう」
「私の名は雅。そこのガキを殺そうとしたのは、私が人間が嫌いだからだよ」
「それはつまり、この少年だけでなく巻き込まれた人々を殺戮していくということだな」
「正確にいえば、私が気に入らない者だけだがな」
「ならばきみを放置するわけにはいかない」
「褒められるのは嬉しいが、きみのやろうとしていたことは看過できない。なぜこの少年を殺そうとした。きみの名前も合わせて聞かせてもらおう」
「私の名は雅。そこのガキを殺そうとしたのは、私が人間が嫌いだからだよ」
「それはつまり、この少年だけでなく巻き込まれた人々を殺戮していくということだな」
「正確にいえば、私が気に入らない者だけだがな」
「ならばきみを放置するわけにはいかない」
スッ、と煉獄の顔に影が差した瞬間、弾けるように駆け出した。
炎の呼吸、壱の型『不知火』。
善吉を助けた時にも披露した、高速で突進し敵を切り裂く技である。
炎の呼吸、壱の型『不知火』。
善吉を助けた時にも披露した、高速で突進し敵を切り裂く技である。
煉獄の刀が雅に届くその寸前、彼もまたデイバックから鋼鉄のブーメランを取り出した。
キンッ、という金属音と共に刀とブーメランが交差し、弾き合い、両者の剣の打ち合いが始まる。
(す...スゲェ!)
今まで、黒髪めだかと始めとする超人集団の戦いを幾度も見てきた。
だが、眼前の彼らの戦いは、凄まじい剣捌きを披露する煉獄も、それを片腕で捌ききる雅も、どちらも人外染みていた。
速さ、剣戟の鋭さ、力強さ、激しさ。
どれをとっても、箱庭学園の超人(もさ)共に勝るとも劣らず、善吉にとっては辛うじて目で追えるほどのものだった。
だが、眼前の彼らの戦いは、凄まじい剣捌きを披露する煉獄も、それを片腕で捌ききる雅も、どちらも人外染みていた。
速さ、剣戟の鋭さ、力強さ、激しさ。
どれをとっても、箱庭学園の超人(もさ)共に勝るとも劣らず、善吉にとっては辛うじて目で追えるほどのものだった。
幾多も交わされる剣戟。
打ち合った数が数え切れなくなったところで、その均衡は崩れた。
打ち合った数が数え切れなくなったところで、その均衡は崩れた。
ザッ。
煉獄の刀が雅の防御を掻い潜り、額を切りつけたのだ。
(―――浅い)
刃が届いたのは確かだが、薄皮を一枚切った程度だ。
煉獄は追撃の刃を振るおうとするが、しかし、雅は宙返りをしながら後方へと大きく跳躍し距離をとった。
煉獄は追撃の刃を振るおうとするが、しかし、雅は宙返りをしながら後方へと大きく跳躍し距離をとった。
「見事だ煉獄杏寿郎。私とここまでやりあえた者など数えるほどしかいないぞ。一層お前に興味が湧いてきた」
曲がりなりにも斬られたというのに、笑みが崩れぬ雅を観察する煉獄。
そして、彼は気がついた。雅の額の出血が、既に収まっていることに。
そして、彼は気がついた。雅の額の出血が、既に収まっていることに。
「そうか。きみもまた異形の者か。道理で血の匂いが染み付いているはずだ」
「如何にも。私は吸血鬼だ」
「吸血鬼?」
「如何にも。私は吸血鬼だ」
「吸血鬼?」
聞きなれない単語に煉獄は微かに眉を潜める―――が、それはどうでもいいことだ。
重要なのは、この男が人を脅かし、食らう悪鬼であることだ。
重要なのは、この男が人を脅かし、食らう悪鬼であることだ。
「...吸血鬼がなにかはわからないが、きみが人々を脅かす以上、俺のやることは変わらない」
「強がるな煉獄。お前もわかっているだろう、このまま戦い続ければ死ぬのはお前だとな」
「カッ、なに言ってやがる!さっき斬られたのはお前のほうじゃねーか!それに比べて煉獄さんはまだ傷一つ負ってねえ!」
「少年」
「強がるな煉獄。お前もわかっているだろう、このまま戦い続ければ死ぬのはお前だとな」
「カッ、なに言ってやがる!さっき斬られたのはお前のほうじゃねーか!それに比べて煉獄さんはまだ傷一つ負ってねえ!」
「少年」
吼える善吉を諌めるように煉獄が呟いたのと同時、雅の腕の切断面が突如蠢き始めた。
「な、なんだ...ッ!」
善吉は思わず目を見張った。
先ほど切り落とされた腕の切断面同士を合わせた途端、肉片同士が蠢きあい、繋がったではないか。
先ほど切り落とされた腕の切断面同士を合わせた途端、肉片同士が蠢きあい、繋がったではないか。
「やはりきみも鬼のように再生するようだな」
「これでわかっただろう?お前がいくらその刀で私を斬りつけようが、こんなに簡単に戻ってしまう。お前ではこうはいくまい」
「これでわかっただろう?お前がいくらその刀で私を斬りつけようが、こんなに簡単に戻ってしまう。お前ではこうはいくまい」
そう。いくら煉獄が強くとも、彼はあくまでも人間だ。
怪我を負えば動きは鈍るし、年をとれば剣術のキレもなくなっていく。手足が無くなればそれっきりだ。
実力がほとんど拮抗していれば、不利なのはやはり人間である煉獄である。
怪我を負えば動きは鈍るし、年をとれば剣術のキレもなくなっていく。手足が無くなればそれっきりだ。
実力がほとんど拮抗していれば、不利なのはやはり人間である煉獄である。
「煉獄よ。お前をここで死なせるのは惜しい。どうだ。私の僕にならないか?」
だからこそ雅は手を差し伸べる。
人の身でありながらここまで練り上げた強く有望な者を欲するが故に。
かつて、自分に土をつけた宮本篤にそうしたように。
人の身でありながらここまで練り上げた強く有望な者を欲するが故に。
かつて、自分に土をつけた宮本篤にそうしたように。
「吸血鬼になれば、身体能力があがり、私ほどではないが、少々の怪我ならものともしなくなる。人間など及ばぬ更なる高みへ登りつめることができるのだぞ?」
雅の勧誘に、煉獄は目を細める。
疑っているわけではない。ただ、少し可笑しく思えたのだ。
こんな偶然があるものなのだなと。
疑っているわけではない。ただ、少し可笑しく思えたのだ。
こんな偶然があるものなのだなと。
「きみの前に戦った鬼にも似たようなことを言われたよ。鬼になれば更に強くなれる。自分のように強さを高め続けようと」
「ほう。それで貴様はなんと答えたのだ」
「ほう。それで貴様はなんと答えたのだ」
雅の問いに、煉獄は微笑む。
変わらぬ己の信念を突きつける為、微塵の揺らぎもなく、堂々と宣言する。
雅にも、そして自分が守る対象である善吉にも。
変わらぬ己の信念を突きつける為、微塵の揺らぎもなく、堂々と宣言する。
雅にも、そして自分が守る対象である善吉にも。
「俺は如何なる理由があろうとも鬼にはならない。今もこれからも、俺は俺の責務を全うするだけだ」
その凛とした煉獄の背中に、善吉は重ねずにはいられなかった。
今まで見てきたあの少女の背中を。ずっと傍で見続けてきた黒神めだかの背中を。
今まで見てきたあの少女の背中を。ずっと傍で見続けてきた黒神めだかの背中を。
「それはつまり私の誘いを断ると言うのだな」
勧誘を蹴られた雅だが、しかしそこに怒りはない。むしろ、愉悦の笑みを浮かべている。
「いいぞ、そうでなければ面白くない。篤の時もそうだったが、望んでいない者を吸血鬼にする方が楽しめるというものだ」
「...やはり君と俺とは価値観が違うようだな。どうあっても仲間にはなれそうにない」
「お前が望もうが望むまいが変わらんさ。私の血は死体にも感染しその者を吸血鬼にする。つまり、死ねば私のものになるも同然というわけだ」
「なるほど、おいそれと死ぬ訳にもいかないな」
「...やはり君と俺とは価値観が違うようだな。どうあっても仲間にはなれそうにない」
「お前が望もうが望むまいが変わらんさ。私の血は死体にも感染しその者を吸血鬼にする。つまり、死ねば私のものになるも同然というわけだ」
「なるほど、おいそれと死ぬ訳にもいかないな」
煉獄は静かに息を吸い、小さく吐きながら言葉を乗せた。
「竈門炭治郎」
乗せるのは、名前。
「竈門禰豆子、吾妻善逸、冨岡義勇、胡蝶しのぶ」
己が信を置く、鬼殺隊の同胞たちのもの。
「彼らは必ず力になってくれる筈だ。彼らを探せ。俺がこの男を食い止めているその間に」
煉獄が善吉に離れろというのはこれで二度目だ。
彼とて善吉を雅から守りきる自信が無いわけじゃない。
ただ、多くの鬼を葬ってきた猛者であるからこそわかるのだ。
先の殺り取りなど参考にならぬ雅の力の程を。
自分を殺した猗窩座ほどの派手さはないが、彼と同等かそれ以上の実力を雅が有していることに。
彼とて善吉を雅から守りきる自信が無いわけじゃない。
ただ、多くの鬼を葬ってきた猛者であるからこそわかるのだ。
先の殺り取りなど参考にならぬ雅の力の程を。
自分を殺した猗窩座ほどの派手さはないが、彼と同等かそれ以上の実力を雅が有していることに。
「...そうだな。あんたの言うとおり、あんたの仲間を探しに行くのが最良の選択って奴なんでしょうよ」
そして善吉もわかっている。
煉獄も雅も自分よりも格が上であり、且つ煉獄が必ず勝てるという保証もないことを。
煉獄も雅も自分よりも格が上であり、且つ煉獄が必ず勝てるという保証もないことを。
だから、ここで善吉がこの場を離れるのは決して恥ずべきことではない。
善吉が煉獄の仲間を見つけここに戻ってくるまで煉獄が生きていれば、あるいは雅を倒していればそれでよし。
煉獄が倒されたとしても、善吉が深手も負わず味方と合流できればそれは煉獄の勝ちであるのだから。
善吉が煉獄の仲間を見つけここに戻ってくるまで煉獄が生きていれば、あるいは雅を倒していればそれでよし。
煉獄が倒されたとしても、善吉が深手も負わず味方と合流できればそれは煉獄の勝ちであるのだから。
「―――でも、断る」
だからこそ、善吉は一歩を踏み出し、煉獄の隣に並び立った。
「少年?」
「...俺の大好きな女の子のモットーがさ、『見知らぬ他人の役に立つために生まれてきた』なんですよ。
俺は最初はそんなあいつが好きで、なんやかんや文句言いつつもカッコイイと思ってて、正しいと思ってた。
けど、情けないとこ見せてあいつに三行半つけられて、色んな奴らに助けてもらって、自分の気持ちに向き合ってようやくわかった。
俺はあいつに正しすぎる人間であって欲しくなかった。あいつという人間自身を蔑ろにしてほしくなかったんだ。...事の発端は俺にあるってのに」
「...俺の大好きな女の子のモットーがさ、『見知らぬ他人の役に立つために生まれてきた』なんですよ。
俺は最初はそんなあいつが好きで、なんやかんや文句言いつつもカッコイイと思ってて、正しいと思ってた。
けど、情けないとこ見せてあいつに三行半つけられて、色んな奴らに助けてもらって、自分の気持ちに向き合ってようやくわかった。
俺はあいつに正しすぎる人間であって欲しくなかった。あいつという人間自身を蔑ろにしてほしくなかったんだ。...事の発端は俺にあるってのに」
キョトンとした表情で耳を傾ける煉獄に、善吉は照れ隠しのように頬を掻きながら話を続ける。
「あー...まあ、なにが言いたいかっていうと、『まだ赤の他人の俺を生かす為に死ぬ』ようなことをして欲しくないんですよ。
あんたにだってあんたのやりたいことが見つかるかもしれないんだから」
あんたにだってあんたのやりたいことが見つかるかもしれないんだから」
言っていて、善吉は恥ずかしさで頭を抱えそうになった。
偉そうなことばかり言って、自分は何様だ。善意で助太刀してくれた向こうからしてみれば、なんとも恩知らずな奴に見えてるんじゃないかと。
偉そうなことばかり言って、自分は何様だ。善意で助太刀してくれた向こうからしてみれば、なんとも恩知らずな奴に見えてるんじゃないかと。
けれど逃げるわけにはいかなかった。
また自分が原因で、黒神めだかのような人間を増やしたくなかったからだ。
また自分が原因で、黒神めだかのような人間を増やしたくなかったからだ。
そんな善吉の言葉を聞いて、煉獄は微笑む。
ああ、彼は優しい少年なんだなと。
彼の方こそ、赤の他人を気遣って死地に残るというのだから。
だからこそ。優しい彼にこそ、言っておかねばならないことがある。
ああ、彼は優しい少年なんだなと。
彼の方こそ、赤の他人を気遣って死地に残るというのだから。
だからこそ。優しい彼にこそ、言っておかねばならないことがある。
「...少年、名前は?」
「人吉善吉っス」
「人吉少年、俺を気遣ってくれたことは嬉しい。感謝する。だがそれは杞憂というものだ」
「え?」
「確かに俺の道は示されたものだ。俺が敬愛し誇りに想う人が授けてくれた使命だ。だが、もしもその使命が納得いかないものであれば俺は断っていたよ。
今の俺があるのは、俺が納得しこうありたいと願ったからだ。俺の信念は、生き方は、俺の心の炎が選んだものだよ。だから俺のことは気にするな。ここから早く離れるんだ」
「人吉善吉っス」
「人吉少年、俺を気遣ってくれたことは嬉しい。感謝する。だがそれは杞憂というものだ」
「え?」
「確かに俺の道は示されたものだ。俺が敬愛し誇りに想う人が授けてくれた使命だ。だが、もしもその使命が納得いかないものであれば俺は断っていたよ。
今の俺があるのは、俺が納得しこうありたいと願ったからだ。俺の信念は、生き方は、俺の心の炎が選んだものだよ。だから俺のことは気にするな。ここから早く離れるんだ」
善吉には、先ほどまではめだかと重なっていた煉獄の背中が、彼女よりも大きく映っていた。
煉獄はめだかとは違う。彼は、めだかのように人の為に生きるのが目的ではなく、そう在りたいと願っているから命を懸けて人の為に力を振るえるのだ。
なんという恥ずかしい勘違いをしてしまったものだ。
これまで散々イロモノ共に振り回されてきた善吉だが、自分はまだ青い学生だと思い知らされずにはいられなかった。
煉獄はめだかとは違う。彼は、めだかのように人の為に生きるのが目的ではなく、そう在りたいと願っているから命を懸けて人の為に力を振るえるのだ。
なんという恥ずかしい勘違いをしてしまったものだ。
これまで散々イロモノ共に振り回されてきた善吉だが、自分はまだ青い学生だと思い知らされずにはいられなかった。
だからといって大人の意見を全て聞き入れられるわけでもないが。
「...俺の思い違いで侮辱してしまったのは謝ります。けど、そんなあんただからこそますます逃げ出すわけにはいかなくなった!」
「いや離れてくれ。怪物退治は鬼殺隊の生業だ」
「いいや離れませんね。怪物なら箱庭学園で大勢見てきましたし、なにより根性と頑固さが売りな俺を納得させる理屈には程遠いぜ」
「いや離れてくれ。怪物退治は鬼殺隊の生業だ」
「いいや離れませんね。怪物なら箱庭学園で大勢見てきましたし、なにより根性と頑固さが売りな俺を納得させる理屈には程遠いぜ」
煉獄を死なせたくない善吉と善吉を死なせたくない煉獄。
二人の願望は対立しており、煉獄が善吉を気絶させることもできない以上、共闘する他ない。
二人の願望は対立しており、煉獄が善吉を気絶させることもできない以上、共闘する他ない。
「きみが離れないなら、俺ときみ、どちらかが死んでも二人の負けを意味するのを覚悟しているのか」
「カッ、上等!自慢じゃねーが、俺は安心院さんから筋金入りのパートナー体質と太鼓判を押された男。俺が主役ならさっきの有様だが、あんたの引き立てにまわれば百人力だぜ。いやホント自慢できねーが」
「カッ、上等!自慢じゃねーが、俺は安心院さんから筋金入りのパートナー体質と太鼓判を押された男。俺が主役ならさっきの有様だが、あんたの引き立てにまわれば百人力だぜ。いやホント自慢できねーが」
共に並び戦闘体勢をとる二人を見て、雅は顔を曇らせる。
気に入らない。あの善吉という男がひどく気に入らない。
雅は人間が嫌いだ。
女や、煉獄や宮本明・篤のような猛者は別だが、大半の人間の存在自体が大嫌いだ。
弱く、醜く、愚かで、成長せず、その割には愛だの絆だのとくだらないものに現を抜かす。
本来なら奇人変人に好かれやすい善吉も、雅にとってはただの『普通』の『人間』にすぎない。
そんな『人間』がいるからこそ、強者たちは脚を引っ張られるハメになるのだ。
(煉獄よ。私にはお前がそいつを庇い敗北する未来しか見えんよ)
宮本篤が明が枷となり雅の血を浴びる嵌めになったように。婚約者の存在で雅への忠誠を誓わざるを得ない状況に陥ったように。
(煉獄、やはり貴様は吸血鬼になれ。そうすれば弱者に捉われることなく真に有能な部下になる)
雅が口元を隠すようにブーメランをかざす共に、善吉と煉獄の二人は口元を噤み眼光も鋭くなる。
直感したのだ。雅もまた先ほどまでのように遊び半分では戦わないと。
直感したのだ。雅もまた先ほどまでのように遊び半分では戦わないと。
吸血鬼の長にして正真正銘の不死身の『怪物』。
誇りにいき、誇りを剣に乗せて振るう鬼殺隊の『柱』。
非凡に食らいつき続け、非凡な少女に恋する平凡な『人間』。
誇りにいき、誇りを剣に乗せて振るう鬼殺隊の『柱』。
非凡に食らいつき続け、非凡な少女に恋する平凡な『人間』。
張り詰める空気の中―――地を蹴り、本当の戦いが始まった。
【D-4/1日目・深夜】
【雅@彼岸島 48日後……】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2、宗像形の鉄製ブーメラン@めだかボックス
[思考・状況]
基本方針:好きにやる。
0:面白そうな駒を勧誘し、最終的にBBと遊ぶ(殺しあう)
1:煉獄に強い興味。部下にしたい。
2:明と出会えれば遊ぶ。
[備考]
※参戦時期は精二を食べた後です。
※死体に血を捲いて復活させるのは制限により不可能ですが、雅はそのことに気がついていない可能性が高いです。
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2、宗像形の鉄製ブーメラン@めだかボックス
[思考・状況]
基本方針:好きにやる。
0:面白そうな駒を勧誘し、最終的にBBと遊ぶ(殺しあう)
1:煉獄に強い興味。部下にしたい。
2:明と出会えれば遊ぶ。
[備考]
※参戦時期は精二を食べた後です。
※死体に血を捲いて復活させるのは制限により不可能ですが、雅はそのことに気がついていない可能性が高いです。
【煉獄杏寿郎@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 日本刀@彼岸島
[思考・状況]
基本方針:力なき多くの人を守る。
1:いまは人吉少年を守り、雅を倒す。
2:炭治郎、禰豆子、善逸、義勇、しのぶとの合流
3:無惨、猗窩座には要警戒。必ず討ち倒す
4:日輪刀が欲しい。
[備考]
※参戦時期は死亡寸前からです。
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 日本刀@彼岸島
[思考・状況]
基本方針:力なき多くの人を守る。
1:いまは人吉少年を守り、雅を倒す。
2:炭治郎、禰豆子、善逸、義勇、しのぶとの合流
3:無惨、猗窩座には要警戒。必ず討ち倒す
4:日輪刀が欲しい。
[備考]
※参戦時期は死亡寸前からです。
【人吉善吉@めだかボックス】
[状態]:精神的疲労(中)、全身にダメージ(中)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。めだかちゃんに勝つ。
1:煉獄に協力し、雅をどうにかする。
2:めだかと球磨川との早期の合流。もしも殺し合いに賛同するような行動をとっていれば、自分が必ず止める。
[状態]:精神的疲労(中)、全身にダメージ(中)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。めだかちゃんに勝つ。
1:煉獄に協力し、雅をどうにかする。
2:めだかと球磨川との早期の合流。もしも殺し合いに賛同するような行動をとっていれば、自分が必ず止める。
[備考]
※参戦時期はめだかとの敵対後から後継者編完結までの間。
※欲視力(パラサイトシーイング)は制限されています
※参戦時期はめだかとの敵対後から後継者編完結までの間。
※欲視力(パラサイトシーイング)は制限されています
| 前話 | お名前 | 次話 |
| Debut | 雅 | ORDER CHANGE |
| Debut | 煉獄杏寿郎 | |
| Debut | 人吉善吉 |