ORDER CHANGE ◆CByzAdkqrc
――いざいざルチフェロなりしサタンの名のもとに、
――出でよ、血華咲き誇る我らが極地、
――敗北に堕ちし者、その魂喰らうは、
――屍山血河の死合舞台(バトル・ロワイアル)。
――英霊悪鬼一本勝負。
いざ、
いざ、
いざ尋常に――――オーダーチェンジ。
いざ、
いざ尋常に――――オーダーチェンジ。
◆◆◆
「オラァ!」
威勢のいい掛け声と共に人吉善吉が突進する。
彼が乗っているのは支給品に与えられた、何の変哲もない家庭用自転車である。
いわゆるママチャリ。
何の変哲もない、平凡極まりない自転車で、善吉は人ならざる吸血鬼に突進をかける。
対する吸血鬼、雅は巨大ブーメランで自転車諸共両断しようとするが――、
彼が乗っているのは支給品に与えられた、何の変哲もない家庭用自転車である。
いわゆるママチャリ。
何の変哲もない、平凡極まりない自転車で、善吉は人ならざる吸血鬼に突進をかける。
対する吸血鬼、雅は巨大ブーメランで自転車諸共両断しようとするが――、
「愚かな……ぐわ!」
善吉は一瞬、前輪を浮かせたかと思うと、地を滑るように車体をドリフトさせる。
ブーメラン斬撃をくぐるようにして雅の側面に回り込んだ。
自転車を地面とほぼ並行に寝かせたまま、天を突くような蹴りを顎に叩き込む。
トリッキーな小手先戦法は凡人の得意とするところだ。
もちろん、それだけで有効打にはならない。
すかさず煉獄の追撃だ。
ブーメラン斬撃をくぐるようにして雅の側面に回り込んだ。
自転車を地面とほぼ並行に寝かせたまま、天を突くような蹴りを顎に叩き込む。
トリッキーな小手先戦法は凡人の得意とするところだ。
もちろん、それだけで有効打にはならない。
すかさず煉獄の追撃だ。
「炎の呼吸、壱ノ型! 不知火!!」
鬼殺隊の隊士は、特殊な呼吸法によって、人間の限界を越えた膂力を肉体から絞り出す。
常人ならば斬撃はおろか、突進する煉獄の身体すら見ることはかなわない。
それほどの速度で繰り出された炎の様な紅い斬撃は、雅の肩口から脇腹にかけてを深く深く切り裂いた。
おびただしい血が吹き出す。
人間ならば、これで間違いなく致命傷だ。
だが。
常人ならば斬撃はおろか、突進する煉獄の身体すら見ることはかなわない。
それほどの速度で繰り出された炎の様な紅い斬撃は、雅の肩口から脇腹にかけてを深く深く切り裂いた。
おびただしい血が吹き出す。
人間ならば、これで間違いなく致命傷だ。
だが。
「グアアア!」
「弐ノ型、昇り炎天――!」
「弐ノ型、昇り炎天――!」
斬られながら、なお反撃しようとする死なずの吸血鬼。
煉獄はそれも折り込み済みであった。
カウンターで合わせた跳ね上げるような一撃が、ブーメランごと雅の腕を見事に断つ。
煉獄はそれも折り込み済みであった。
カウンターで合わせた跳ね上げるような一撃が、ブーメランごと雅の腕を見事に断つ。
「おのれ!」
雅は片腕を失っても少しも怯む様子がない。
バクンと耳まで裂けた口を大きく拡げ、身体ごと煉獄に組み付こうとする。
その咥内から覗くサメの様なノコギリ歯は、人間の骨肉に食い込めば、たちまちミンチにしてしまうだろう。
だが煉獄は、煉獄杏寿郎という男はそんなものに怯まない。
バクンと耳まで裂けた口を大きく拡げ、身体ごと煉獄に組み付こうとする。
その咥内から覗くサメの様なノコギリ歯は、人間の骨肉に食い込めば、たちまちミンチにしてしまうだろう。
だが煉獄は、煉獄杏寿郎という男はそんなものに怯まない。
「炎の呼吸――伍ノ型、炎虎!!」
血に飢えた鮫の様に喰らいつこうとする雅の顔面に、炎の虎が真っ向から噛み付いた。
正面衝突で、雅は身体ごと吹き飛ばされ、背後の大木に背中を打ち付ける。
あとはとどめを刺すのみだ。
強い。
圧倒的に強い。
煉獄が最後の一撃を叩き込むために、一歩踏み出す。
だが雅もいまだ――、
正面衝突で、雅は身体ごと吹き飛ばされ、背後の大木に背中を打ち付ける。
あとはとどめを刺すのみだ。
強い。
圧倒的に強い。
煉獄が最後の一撃を叩き込むために、一歩踏み出す。
だが雅もいまだ――、
「させねえよ!」
「があっ!?」
「があっ!?」
善吉のもう一つの支給品、コルトガバメントの弾丸が、雅の動きを封じる。
人間に撃ち込めば致命傷間違いなしの一撃だが、善吉もここまで何度も雅の不死身ぶりを目の当たりにしていた。
それゆえに弾き金を握る指に迷いはない。
雅を大木に磔にするように追撃の弾丸を放つ。
人間に撃ち込めば致命傷間違いなしの一撃だが、善吉もここまで何度も雅の不死身ぶりを目の当たりにしていた。
それゆえに弾き金を握る指に迷いはない。
雅を大木に磔にするように追撃の弾丸を放つ。
「今だ、煉獄さん!」
「応!!」
「応!!」
煉獄が力強く応える。
迷い無く踏み込み、必殺の斬撃を叩き込まんとする。
最早、雅に抵抗の手段は無いと思われたが――、
迷い無く踏み込み、必殺の斬撃を叩き込まんとする。
最早、雅に抵抗の手段は無いと思われたが――、
「ぐぉぉぉぉおお!!」
おぞましい血飛沫が、雅の胸から噴水の様に吹き出した。
煉獄の視界が血色の闇に染まる。
煉獄の視界が血色の闇に染まる。
「煉獄さん!」
善吉が叫ぶ。
煉獄は咄嗟に後退を選択した。
それは鬼殺隊としての経験故だった。
煉獄達が追う鬼は、血鬼術という特殊な能力を持つ。
その能力には個体差があり、受けてみるまで分からない。
受けた瞬間に死ぬ可能性もあるのだから、鬼の血というものは最大限警戒して然るべきであった。
雅は特殊な実験を受けた吸血鬼であり、厳密には鬼ではないが、結果的に煉獄の行動は正解だった。
煉獄は咄嗟に後退を選択した。
それは鬼殺隊としての経験故だった。
煉獄達が追う鬼は、血鬼術という特殊な能力を持つ。
その能力には個体差があり、受けてみるまで分からない。
受けた瞬間に死ぬ可能性もあるのだから、鬼の血というものは最大限警戒して然るべきであった。
雅は特殊な実験を受けた吸血鬼であり、厳密には鬼ではないが、結果的に煉獄の行動は正解だった。
「フ、フフフ、強いな貴様等。面白いぞ」
「煉獄さん、こいつ……」
「人吉少年、油断するな。俺も君も生き残らねば負けだ。忘れるな」
「煉獄さん、こいつ……」
「人吉少年、油断するな。俺も君も生き残らねば負けだ。忘れるな」
明らかに圧倒的不利だが、雅は余裕を崩していない。
まだ何かがあるのだと煉獄は言っている。
善吉もそれを理解し、その上で完封してみせると気を引き締め直した。
まだ何かがあるのだと煉獄は言っている。
善吉もそれを理解し、その上で完封してみせると気を引き締め直した。
「ヨユーだな。悪あがきしたいならさっさとやれよ。その上で――」
「そこの小僧。貴様はもう戦えん」
「……なに?」
「私の血は傷口から感染する。お前の頬から美味そうな血が垂れているぞ」
「そこの小僧。貴様はもう戦えん」
「……なに?」
「私の血は傷口から感染する。お前の頬から美味そうな血が垂れているぞ」
雅の言葉を受けて、善吉が自分の頬を触ると、ぬるりとした手触りと、かすかな痛みが走った。
――最初にブーメランの斬撃をかわした時か、と善吉は悟る。
完全にはかわせず、僅かに傷を受けてしまったのだ。
――最初にブーメランの斬撃をかわした時か、と善吉は悟る。
完全にはかわせず、僅かに傷を受けてしまったのだ。
「これから私は徹底的にお前を狙う。そうすれば煉獄はお前を庇いながら戦わねばならん。フハハ、私の予想通りだな煉獄よ。人間は弱い。強い人間も弱い人間を庇って死ぬ」
「ぐっ……!」
「ぐっ……!」
そう言っている間にも雅の傷は回復している。
すぐさま攻撃続行したいところだが、判断の難しい局面であることも確かだ。
どちらかが吸血鬼に感染すれば負け。
雅もそれを承知で、長々とお喋りで時間を稼いでいる。
――どうする?
――どうする?
すぐさま攻撃続行したいところだが、判断の難しい局面であることも確かだ。
どちらかが吸血鬼に感染すれば負け。
雅もそれを承知で、長々とお喋りで時間を稼いでいる。
――どうする?
――どうする?
――運命の分かれ目となり得る局面、ここでさらなる混沌が投下された。
『『うるせぇバァーーーーーーカ!!!!』』
◆◆◆
突然響いた謎の罵声。
それは最後に、逃げろという言葉と共に途絶えた。
黒神めだかのような、煉獄杏寿郎のような人間なら、迷わず助けに行くべき声だ。
だからそれを支えるサポート役である人吉善吉は一瞬で判断し、即座に動いた。
それは最後に、逃げろという言葉と共に途絶えた。
黒神めだかのような、煉獄杏寿郎のような人間なら、迷わず助けに行くべき声だ。
だからそれを支えるサポート役である人吉善吉は一瞬で判断し、即座に動いた。
「ここはあんたに任せて俺が行く!」
「ここは俺に任せて行け、少年!」
「ここは俺に任せて行け、少年!」
善吉と煉獄が叫んだのは同時だった。
二人の視線が合う。
二人とも、一瞬の驚きと納得の笑み。
既に二人の判断は一致していた。
二人の視線が合う。
二人とも、一瞬の驚きと納得の笑み。
既に二人の判断は一致していた。
「煉獄さん!あんたがやられる事が最悪の敗北だ!だから絶対やられるなよ!倒せなくても、逃げてでも絶対に!」
そう言って、善吉は自分の最後の支給品の短刀を煉獄に投げ付けた。
それを受けて煉獄も力強く返答する。
それを受けて煉獄も力強く返答する。
「応とも!」
善吉は黎明の山道をママチャリで器用に踏破していき、僅かな時間で見えなくなった。
それを見届け、残った煉獄は雅に向き直る。
それを見届け、残った煉獄は雅に向き直る。
「傷は癒えたか、雅」
「フフフ、大きく出たな煉獄。やられるなとは、この私を相手に無傷で勝つということだぞ」
「そうか……そうだな。だが丁度良い。それができなければ、俺を殺した鬼も、その上に立つ鬼も、どのみち倒すことは叶わんだろうよ」
「フフフ、大きく出たな煉獄。やられるなとは、この私を相手に無傷で勝つということだぞ」
「そうか……そうだな。だが丁度良い。それができなければ、俺を殺した鬼も、その上に立つ鬼も、どのみち倒すことは叶わんだろうよ」
煉獄は己の血が燃え上がるのを感じていた。
今、たった今、この瞬間に強くなる。
煉獄杏寿郎にはそうしなければならない理由がある。
それを明確に理解した。
炎の闘気が悪鬼を前にして燃え上がる。
まるで紅蓮の華のように。
今、たった今、この瞬間に強くなる。
煉獄杏寿郎にはそうしなければならない理由がある。
それを明確に理解した。
炎の闘気が悪鬼を前にして燃え上がる。
まるで紅蓮の華のように。
◆◆◆
――いざいざルチフェロなりしサタンの名のもとに、
――出でよ、血華咲き誇る我らが極地、
――敗北に堕ちし者、その魂喰らうは、
――屍山血河の死合舞台(バトル・ロワイアル)。
――剣士(セイバー)
――煉獄(プルガトリオ)
――煉獄杏寿郎。
――悪殺鬼(アサシン)
――彼岸(ニルヴァーナ)
――雅。
――英霊悪鬼一本勝負。
いざ、
いざ、
いざ尋常に――――勝負!
いざ、
いざ尋常に――――勝負!
◆◆◆
【D-4/1日目・黎明】
【雅@彼岸島 48日後……】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2、宗像形の鉄製ブーメラン@めだかボックス
[思考・状況]
基本方針:好きにやる。
0:面白そうな駒を勧誘し、最終的にBBと遊ぶ(殺しあう)
1:煉獄に強い興味。部下にしたい。
2:明と出会えれば遊ぶ。
[備考]
※参戦時期は精二を食べた後です。
※死体に血を捲いて復活させるのは制限により不可能ですが、雅はそのことに気がついていない可能性が高いです。
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2、宗像形の鉄製ブーメラン@めだかボックス
[思考・状況]
基本方針:好きにやる。
0:面白そうな駒を勧誘し、最終的にBBと遊ぶ(殺しあう)
1:煉獄に強い興味。部下にしたい。
2:明と出会えれば遊ぶ。
[備考]
※参戦時期は精二を食べた後です。
※死体に血を捲いて復活させるのは制限により不可能ですが、雅はそのことに気がついていない可能性が高いです。
【煉獄杏寿郎@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 日本刀@彼岸島、涼司の懐刀
[思考・状況]
基本方針:力なき多くの人を守る。
1:雅を倒す。
2:炭治郎、禰豆子、善逸、義勇、しのぶとの合流
3:無惨、猗窩座には要警戒。必ず討ち倒す
4:日輪刀が欲しい。
[備考]
※参戦時期は死亡寸前からです。
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 日本刀@彼岸島、涼司の懐刀
[思考・状況]
基本方針:力なき多くの人を守る。
1:雅を倒す。
2:炭治郎、禰豆子、善逸、義勇、しのぶとの合流
3:無惨、猗窩座には要警戒。必ず討ち倒す
4:日輪刀が欲しい。
[備考]
※参戦時期は死亡寸前からです。
【人吉善吉@めだかボックス】
[状態]:精神的疲労(中)、全身にダメージ(中) 、頬に傷
[道具]:基本支給品一式、御行のママチャリ、佐藤のコルトガバメント(レッグホルスター付き)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。めだかちゃんに勝つ。
1:声の方(石上)に向かう。
2:めだかと球磨川との早期の合流。もしも殺し合いに賛同するような行動をとっていれば、自分が必ず止める。
[状態]:精神的疲労(中)、全身にダメージ(中) 、頬に傷
[道具]:基本支給品一式、御行のママチャリ、佐藤のコルトガバメント(レッグホルスター付き)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。めだかちゃんに勝つ。
1:声の方(石上)に向かう。
2:めだかと球磨川との早期の合流。もしも殺し合いに賛同するような行動をとっていれば、自分が必ず止める。
[備考]
※参戦時期はめだかとの敵対後から後継者編完結までの間。
※欲視力(パラサイトシーイング)は制限されています
※参戦時期はめだかとの敵対後から後継者編完結までの間。
※欲視力(パラサイトシーイング)は制限されています
【御行のママチャリ@かぐや様は告らせたい】
生徒会長白銀御行愛用のママチャリ。
毎日片道15kmの通学にも耐える頑丈かつスタンダードな一品。
生徒会長白銀御行愛用のママチャリ。
毎日片道15kmの通学にも耐える頑丈かつスタンダードな一品。
【佐藤のコルトガバメント(レッグホルスター付き)@亜人】
M1911A1。装弾数は7+1発(2発仕様済)。
研究所襲撃の際に使われた佐藤の武装のひとつ。
M1911A1。装弾数は7+1発(2発仕様済)。
研究所襲撃の際に使われた佐藤の武装のひとつ。
【涼介の懐刀@彼岸島】
明の仲間だった涼介の持っていた懐刀。
すまない、ただちょっと母乳が欲しくて……
明の仲間だった涼介の持っていた懐刀。
すまない、ただちょっと母乳が欲しくて……
| 前話 | お名前 | 次話 |
| 「俺のやることは変わらない」 | 雅 | 紅蓮の華よ咲き誇れ |
| 煉獄杏寿郎 | ||
| 人吉善吉 | あけないたたかい |