【バックストーリー】

昔々、たくさんの世界を創造してきた「主」という存在がありました。

主は、永い眠りにつく寸前、残りわずかな力を使って、
これが最後となるであろう新たな世界を創りました。
また主は、世界を統率・守護する者として、8人の英雄を世界に遣わしました。

8人の英雄は、自分の分身たる人や亜人、獣や草花を世界に産み出し、世界は平和に発展していきました。

しかし8人の英雄は、いつしか「他人よりよくありたい」という思いを強めてしまい、
かれらに従う世界の全てにおいて、羨望が嫉妬へ、友愛が欲情へ、名誉が私欲へと、姿を変えていったのです。

人々の心が乱れ、争いが絶えず、世界が荒んでも、8人の英雄は尚お互いを憎しみ合います。

眠りの中で、主は悩みました。

このまま英雄たちを野放しにするわけにはいかない。
しかし、眠りについた今の自分には、どうする事もできない。

主は、ある事を思い出しました。

英雄たちを世界に遣わす時、かれらの力の源となるよう、
それぞれに1つずつ、合わせて8つの神聖な道具を持たせていたのです。

自分の力が色濃く宿るその道具を介せば、英雄たちを抑える事ができるかもしれない。

主は、英雄たちに煽られるままの世界において、強くきよらかな心を持ち続ける8人の男女を選びました。
そしてかれらに、英雄たちの神聖な道具を奪い、ブルムダール山へ運ぶよう、啓示を与えたのです。
ブルムダール山は、世界で最も高い山であり、主に最も近い場所でした。

8人の男女は、ある者は一人で、ある者は他人と協力し、苦難の末に、主の望みを果たしました。

ブルムダール山に集まった8つの神聖な道具に、主の新たな、そして最後の力が降り注ぎます。

力の源を封じられた英雄たちは、世界に存在し続ける術を失い、どこかへ消え去りました。
そして世界は、英雄たちの支配を免れ、正しき心を持ち続けた者たちによって、新たな統率がなされたのです。

主の啓示を受けた8人の男女は、新たな英雄とたたえられ、過去の英雄を封じた8つの道具は、
「世界の果て」つまり世界の滅びへと至る道を封じた鍵、「八つの小鍵」として、厳しく管理される事になりました。

しかし。

8人の英雄たちの内、最も高位である存在だけは、この世界から消え去る間際に己の一部を切り離し、
人々の間にひっそりと紛れ込ませていました。
未来のいつか、主の為した封を解き、再び世界に英雄たちが君臨するためです。

小鍵を守る者たちは、この事に気付いていました。
いつの世か、この小鍵が略取され、古き英雄たちが目覚めてしまう事があるかもしれない。
そこで、小鍵を守る事に人生の全てを費やす事ができる、強固な意志を持つ者を選別し、
かれらを「小鍵の守り手」としました。

それから、数十年、数百年と時は流れ。

古き英雄の化身は、様々な手段で小鍵を奪い、この封印を解こうとし、
一方で小鍵の守り手がそれを阻止してきました。

古き英雄の事も、小鍵の事も、全てが伝説となり、おとぎ話となり、
やがて人々の記憶から忘れ去られた頃、今回の物語が始まります。


【物語における現代】

物語における現代。

大陸最大の都市、マンダール王国の国王リカード6世は、
占星術ができるという美女ウェンディを寵愛していました。

それまで徳の王と評され、臣民から信頼を寄せられていたマンダール王ですが、
ウェンディと共に酒色に耽る日々が続き、やがて国は凋落の一途をたどります。

この時ウェンディは星を読み、諸国がマンダールの領土を狙っている、とマンダール王にささやきました。
健常な判断力を失い、心がウェンディの虜となっていた王は、
どうすれば国が救えるのかと、ウェンディにすがります。

ウェンディは、八つの子鍵の伝説を語って聞かせました。

「小鍵によりて世界の果てを開けば、人智超越の力、よみがえらん」

その力があれば、国を千年の後まで栄えさせる事も容易いはず。
王はウェンディの忠実な下僕だという白装束の者たちを雇い入れ、かれらを「八将軍」として兵を与え、
非人道的な行いも辞さず、小鍵の収集を極秘の内に始めました。

このウェンディという女性は、これまで小鍵による封印を解こうと画策してきた、古き英雄の化身です。

小鍵の守り手との知られざる戦いにおいて幾度となく敗れ、尚しぶとく生き長らえ、
そして今、マンダール王を利用した新たな計画に手を染めたのです。

これまで英雄の化身は、自身の下僕である魔の者(八将軍と同一)を操り、小鍵の守り手を襲いました。
しかし守り手たちも手練れ。魔の者は敗れ、英雄の化身もまた、敗北を喫してきたのです。

そこで英雄の化身は、人間を利用する事を思い付きました。
守り手たちが、罪のない人々と戦う事ができるだろうか。
今、寵姫ウェンディとなった英雄の化身は、自らの計略の成功を確信します。

またウェンディには、大陸各地に散らばる小鍵の所在が、おぼろげに分かっていました。
元はといえば、小鍵は古き英雄たちの力の源。そして、憎き「主」の力をも内包しているのです。

ウェンディはそれを占星術と偽り、王に進言し、八将軍を派遣する事に成功しました。

そして、今回の物語の主人公となる、8人の男女と交錯します。

主人公たちは、小鍵の事は全く知りません。
ジナイーダの弟子キーラでさえ、そのようなおとぎ話がある、といった程度の認識です。
ではそれぞれがどのようにして小鍵と関わり合い、ウェンディの企みと対立するのか。



ex)騎士サイラス編の場合

 ハンメルトの騎士サイラスは、国王の70歳の誕生日を祝う催しにおいて、
 城に賊が侵入した事を知る。

 賊は、サイラスの親友であり宝物庫の警護役だった騎士アランを殺害し、
 数点の宝物を奪って逃げ去った。

 その夜の内、サイラスは親友の仇を討つため、そして宝物を取り戻すため、城を後にする。

 宝物が売却されたであろう密売ルートを摘発したサイラスだったが、
 「銀の杯」という宝物だけが、所在不明のまま。

 銀の杯は、ドワーフの名工によって作られた精巧かつ頑丈な箱に納められており、
 おそらく賊はその錠を開けるため、ドワーフ自治区へ向かったと思われる。

 ドワーフ自治区では、現代の名工アマデオが失踪していた。
 アマデオが賊に連れ去られた事を知るサイラス。

 アマデオが捕らえられている、廃墟となった館で、
 サイラスは賊の首領(人外の魔物)と戦い、これを撃ち破った。

 救い出したアマデオの話によると、この箱に納められている銀の杯は「八つの子鍵」の一つで、
 この箱を作ったのはアマデオの祖先らしい。

 また、賊の首領が手下から「将軍」と呼ばれていた事、
 マンダールに戻らなければ、という話がされていた事を知る。

 将軍とは何者なのか。マンダール王国が関わっているのか。
 そして、八つ小鍵とは何なのか。

 サイラスはアランの本当の仇を討つため、王に志願して旅を続ける。



旅の途上、主人公たちは各地で様々な事件と遭遇し、これを解決していきます。
その中で、「八つの子鍵」にまつわる過去の逸話を正確に把握し始め、
小鍵を狙う「八将軍」とも対立・激突する事となります。

八将軍がマンダール王国の手先である事が決定的となると、王の寵姫ウェンディとも接点ができます。
この時ウェンディは、「自分の星占いによって王が間違った方向に進んでいる。どうか正してほしい」と
涙ながらに訴える可憐な女性であり、未取得の子鍵についての情報を提供してくれるのですが、
それは全て、主人公たちに小鍵を集めさせるための罠。

八将軍を退け、小鍵を取り戻し、あるいは守り抜き、ついに小鍵の全てを手にする主人公たちですが、
そこにマンダール王国の宰相、マシュー=アクロイドがあらわれます。

アクロイドは寵姫ウェンディと結んでマンダール王をそそのかし、
これまで小鍵収集の矢面に立っていた人物です。
時に八将軍と行動を共にする事もあり、主人公側から見れば、
アクロイドこそ悪の張本人といえるでしょう。

アクロイドは、小鍵を集める手間が省けた、それを全て寄越せと主人公に詰め寄ります。
小鍵を渡さなければ、マンダールは挙兵し、他国を蹂躙するだろうと脅しをかけます。
アクロイドと共にあらわれるウェンディ。
ここで、ウェンディもまた悪の元凶であった事が明かされます。

人々の命にはかえられない、と、主人公たちは小鍵の全てをアクロイドに渡します。
ほくそ笑むウェンディ。
しかし直後、アクロイドはウェンディを剣で斬り付け、
「鍵は私が命に換えて封じる。主の御許でな」
と言い残し、失われた魔法「転移」を用いてどこかへ消え去ります。
これに激怒し、傷つきながらもアクロイドの後を追うウェンディ。
主人公たちには、新手の魔物を残していきます。

ウェンディの魔物を撃破し、アクロイドの言う「主の御許」がブルムダール山である事を知った主人公たちは、
険しい道を乗り越え、山の頂上近くに遺された、太古の祭壇にたどりつきます。

そこではアクロイドが、小鍵を封じる儀式を執り行っているところでした。

アクロイドは小鍵の守り手でした。
マンダールの宰相として仕えている最中、彼を守り手と知らないウェンディが暗躍を始め、
その正体にいち早く気付いていました。
しかし、自分が直接的な行動(ウェンディの抹殺・他の守り手への警告)をし、それが万一失敗となれば、
ウェンディに心を奪われた王は、アクロイドを処断するでしょう。
そうなれば、真実を知る者はいなくなる。

そこでアクロイドは、欲に目がくらんだ悪者の仮面をかぶり、ウェンディに荷担し、
ウェンディが小鍵を集めたところで、今回の行動に出る計画を練っていたのです。

封じの儀式があと一歩で完成するというところで、ウェンディが魔物を従えてあらわれます。
魔物の熾烈な攻撃に立ち向かう主人公たちですが、
アクロイドは傷付けられ、儀式は中断させられてしまいます。

ウェンディの手に渡った八つの子鍵。
ウェンディの存在を生贄として、小鍵の封印が解かれ始めます。

各地で起こる地震・竜巻・津波など。
しかし、主人公たちもアクロイドも、まだ諦めてはいませんでした。

ここにある小鍵をもう一度封じる。手立てはそれしかありません。
半ば目覚めた古き英雄たちが、そうはさせじと、力の一部を解き放ち、主人公たちの前に立ちはだかります。
主人公たちが最後の戦いに挑みます。歴史に残る事のない戦いです。

主人公たちは戦いに勝利し、アクロイドは命を落とすかわりに、封じの儀式を完成させました。

再び世界が穏やかさを取り戻します。

ブルムダール山を後にした主人公たちは、異変を感じ取って山に集まった守り手たちに小鍵を託し、
それぞれの生活へ戻っていきました。

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最終更新:2007年07月12日 22:23