―1946年冬 幻海灘
沈んじゃう。やっぱり哨戒駆逐艦じゃ、大きな駆逐艦には勝てなかったんだ。
敵のウヒョークラスは、きっと魚雷を切らしていた。けどそれはステーシーも一緒。
主砲の数でも相手は四門、ステーシーは三門。ちょっと負けてた。あっちのほうがすばやかった。
逃げればよかったんだけど、意固地になっちゃったステーシーは、接近して同航戦を挑んじゃった。
ほかの、護衛駆逐艦たちの武勲話に感化されちゃったんだと思う。ステーシーだって、やれるんだって。
視界をつめたい海水が覆っていく。暗くなっていく。やだ。こんなところで沈みたくない。
もう抗えないのに、ステーシーってば、手を必死に水の上に伸ばしちゃって……でも、周りに味方艦なんて居ない。
さよなら、みんな………。
…
……
………
誰かが、ステーシーの手を掴んだ。引き上げられる感覚がする。
ぷはっ、顔が、海面に出た。目の前には、さっきまで戦っていた、敵の白黒の駆逐艦。
どういうこと?と考えていると、そいつは浮く力を失ったステーシーの艤装の接続部を撃って壊してしまった。
沈んでいく艤装。ううん、もう使えないから別に惜しいわけじゃないんだけど……。
こいつ、なんのつもりなの?
「ちょっと!ステーシーを助けたりなんかしてどういうつもりなのよっ!」
相手は答えない。ちっちゃいからって舐められてるの?
「ねぇ!ジャップは口も効けないっての!?」
ステーシーの目を見てるから、無視してるわけじゃないと思うけど、やっぱり一言も何も言わない。
引き上げられたステーシーは白黒の駆逐艦に担がれる格好になった。
島のある方向へ進んでいく。わけのわからないまま、このまま連れて帰られるみたい。
ここはまだ戦闘海域。手負いのステーシーなんか放り出してしまえばいいのに。どうして?
白黒の駆逐艦はゴソゴソすると、片手で手帳を取り出し、艦籍証明のページを見せてきた。
「ロウ、セツ?なんだか難しい字を書くのね……」
ローセツは手帳を戻すと、またまっすぐと、きっとこいつらの基地のある島へ向かい始めた。
敵のウヒョークラスは、きっと魚雷を切らしていた。けどそれはステーシーも一緒。
主砲の数でも相手は四門、ステーシーは三門。ちょっと負けてた。あっちのほうがすばやかった。
逃げればよかったんだけど、意固地になっちゃったステーシーは、接近して同航戦を挑んじゃった。
ほかの、護衛駆逐艦たちの武勲話に感化されちゃったんだと思う。ステーシーだって、やれるんだって。
視界をつめたい海水が覆っていく。暗くなっていく。やだ。こんなところで沈みたくない。
もう抗えないのに、ステーシーってば、手を必死に水の上に伸ばしちゃって……でも、周りに味方艦なんて居ない。
さよなら、みんな………。
…
……
………
誰かが、ステーシーの手を掴んだ。引き上げられる感覚がする。
ぷはっ、顔が、海面に出た。目の前には、さっきまで戦っていた、敵の白黒の駆逐艦。
どういうこと?と考えていると、そいつは浮く力を失ったステーシーの艤装の接続部を撃って壊してしまった。
沈んでいく艤装。ううん、もう使えないから別に惜しいわけじゃないんだけど……。
こいつ、なんのつもりなの?
「ちょっと!ステーシーを助けたりなんかしてどういうつもりなのよっ!」
相手は答えない。ちっちゃいからって舐められてるの?
「ねぇ!ジャップは口も効けないっての!?」
ステーシーの目を見てるから、無視してるわけじゃないと思うけど、やっぱり一言も何も言わない。
引き上げられたステーシーは白黒の駆逐艦に担がれる格好になった。
島のある方向へ進んでいく。わけのわからないまま、このまま連れて帰られるみたい。
ここはまだ戦闘海域。手負いのステーシーなんか放り出してしまえばいいのに。どうして?
白黒の駆逐艦はゴソゴソすると、片手で手帳を取り出し、艦籍証明のページを見せてきた。
「ロウ、セツ?なんだか難しい字を書くのね……」
ローセツは手帳を戻すと、またまっすぐと、きっとこいつらの基地のある島へ向かい始めた。
「その子は……貴艦が助けたの?」
港についたら、絵本に出てくる魔女みたいなヘンテコな格好をしたやつが、ローセツに話しかけてきた。
ローセツは頷く。相手がステーシーだから口を利かないってわけじゃないみたいだ。
「そっか。ありがとう、臘雪」
ますますわけがわからない。ステーシーはこの魔女の大釜にでも入れられて煮込まれたりしちゃうの?
「ちょうど、帰りの便が出る前だから……貴艦、名前は?」
「ステーシー……ステーシー・テオドール・ガードナーよ……」
「ステーシーちゃん、ね。わかった、よろしく」
「ジャップがステーシーを気安く呼ばないで!」
「ジャップって……まぁ、仕方ないか……」
「ジャップはジャップでしょ!」
「……出発便で手が空いてるのは海防艦の知夫里よ。あの子に頼んだら良いわ」
そう言われると、ローセツはステーシーの手を引いて連れて行く。
なんだってのよ、もう。
港についたら、絵本に出てくる魔女みたいなヘンテコな格好をしたやつが、ローセツに話しかけてきた。
ローセツは頷く。相手がステーシーだから口を利かないってわけじゃないみたいだ。
「そっか。ありがとう、臘雪」
ますますわけがわからない。ステーシーはこの魔女の大釜にでも入れられて煮込まれたりしちゃうの?
「ちょうど、帰りの便が出る前だから……貴艦、名前は?」
「ステーシー……ステーシー・テオドール・ガードナーよ……」
「ステーシーちゃん、ね。わかった、よろしく」
「ジャップがステーシーを気安く呼ばないで!」
「ジャップって……まぁ、仕方ないか……」
「ジャップはジャップでしょ!」
「……出発便で手が空いてるのは海防艦の知夫里よ。あの子に頼んだら良いわ」
そう言われると、ローセツはステーシーの手を引いて連れて行く。
なんだってのよ、もう。
「やっほ~臘雪お姉ちゃん!無事だったんだね~よかったよかった!」
連れて行かれた先には騒がしい、また白黒の駆逐艦…より小さなフネがいた。
ステーシーと同じくらい?こいつも護衛駆逐艦なのかな?
「話は聞いてるよ!ステーシーちゃんね?私は海防艦の知夫里」
「ジャップが気安く……もういいや。チフリ、ね」
「うん。これから貴艦を日本本土まで運ぶ大役を担う艦です!よろしく!」
「そーよね、捕虜待遇よね、知ってた」
そうやってステーシーが毒づくと、二人ははっとしたような顔をして何やら考え込む。
「……それについては、検討します!」
「はぁ?」
「とにかく、もう出発の時間ですから…私が曳航するので、そこの艀に乗ってください」
他にどうしようもないし、大人しく艀に乗ってあげよっか……。
連れて行かれた先には騒がしい、また白黒の駆逐艦…より小さなフネがいた。
ステーシーと同じくらい?こいつも護衛駆逐艦なのかな?
「話は聞いてるよ!ステーシーちゃんね?私は海防艦の知夫里」
「ジャップが気安く……もういいや。チフリ、ね」
「うん。これから貴艦を日本本土まで運ぶ大役を担う艦です!よろしく!」
「そーよね、捕虜待遇よね、知ってた」
そうやってステーシーが毒づくと、二人ははっとしたような顔をして何やら考え込む。
「……それについては、検討します!」
「はぁ?」
「とにかく、もう出発の時間ですから…私が曳航するので、そこの艀に乗ってください」
他にどうしようもないし、大人しく艀に乗ってあげよっか……。
曳航されている間、とにかく退屈だった。
我らがステイツの艦隊は、航空機部隊は、何をしているのか、と思うくらい襲撃も何もなかった。
別に助けられたいなんて気持ちは微塵もないけど、戦争中とは思えないほど何もない時間が信じられなかった。
仕方ないので、チフリと雑談をすることにした。
「ねぇ、チフリはローセツと仲良いの?」
「臘雪お姉ちゃんと?うん!私とお姉ちゃんは訓練が同期で一緒だったから」
「姉妹艦なの?いや、違うよね」
「私が勝手にお姉ちゃんって言ってるだけだよ~」
「ふぅん。なんであいつ喋らないの?」
「あー……それはね………ちょっと色々あって。就役前に声、出せなくなっちゃったんだ」
「よっぽどショックなことがあったのね」
「でもでも、困ってないよ」
「ステーシーは困ったの!いきなり引っ張られたと思ったらあいつなんにも喋らないんだから」
「お姉ちゃんに代わって私が謝るよ~ごめんね~?」
「別に……いいけど。それより」
こいつに訊いても仕方ないと思うけど。
「あいつはどうしてステーシーを助けたりなんかしたの?敵の艦よ?ほっとけば勝手に死ぬのに」
「ほっといたら勝手に死んじゃうから、じゃないかな」
「…………は?」
意味が分からなかった。
「あのとき、お姉ちゃんがステーシーちゃんを助けてなかったら、今こうして私とおしゃべりできてないでしょ」
「したくてしてるわけじゃないし」
「うーん……私も、臘雪お姉ちゃんも、夢見お姉ちゃんに言われたこと、守ろうとしてるんだ」
「ユメミ?」
「うん。なんか面白いカッコしたお姉さん、見なかった?」
「魔女みたいな?」
「そうそう。そのフネが夢見お姉ちゃん」
「ふーん」
「私はさ、就役したばっかりだからさ、いろんな先輩たちに色々聞いて回ったの。雨氷型駆逐艦や、水雷戦隊の旗艦のフネたちにね」
「それで?」
「そのときにね、夢見お姉ちゃんが言ってたの。助けられる相手はできるだけ助けなさい、って」
「あいつが原因なのね。どういうつもりなのよ、ホントに」
「私もね、最初よくわかんなかった。夢見お姉ちゃんは不思議なフネだよ。なんだか、未来からやってきたみたいに、先の話ばかりするの」
「先の話って……何なの」
「うん、この戦争が終わったらの話。勝ち負けじゃなくて、終わったらの話」
「どうせジャップが負けるに決まってるわ」
「そうじゃなくて……そうだとしても、その先も日本が消えてなくなるわけじゃない」
「ステイツは消すかもよ」
「私達をひとり残らず消しちゃうってこと?真面目に考えて、無理でしょ~?」
「…………それもそうね」
「うん。終わったら、仲直りしなきゃいけない。私とステーシーちゃんみたいな、敵同士でも、お友達にならないと。戦争が終わったらね」
「ふざけないでよ。ステーシーはパールハーバーで卑怯な真似をして仲間を無惨に殺したジャップを見たんだから」
「そう……なんだ」
「そうよ!戦争だなんて知らずにわけのわからないまま殺されていったのよ!あんたたちに!だから!ステイツは!復讐をやり遂げるわ!」
「……ステーシーちゃん。復讐をやり遂げたら、元の生活を取り戻さないと。死んだヒトやフネたちも、日常を続けたかったはずでしょ」
「ぐっ……」
「ステーシーちゃんもそうだったはずだよ。何のために軍に居たのか……思い出そうよ」
「軍に居る理由……」
「私は知らない時代の話だけど、日本もアメリカも、昔は仲良かったんだよ。だから、元に戻らなきゃ。ね?」
「……割り切れないわ、そんなこと」
「うーん……まだ難しいかもしれないけど、私はステーシーちゃんがそんなふうに話してくれるのは嬉しいよ」
「何言ってるのよ」
「そうやって心の内を話してくれるステーシーちゃんはきっと良い子だと思うし、私はお友達になりたいな」
「温いわ……」
「きっと、臘雪お姉ちゃんも同じ気持ちで助けたんだと思うもの」
「……何が言いたいの」
「私達はきっと、良いお友達になれるよ。時間は、かかるかもしれないけど。信じてる」
我らがステイツの艦隊は、航空機部隊は、何をしているのか、と思うくらい襲撃も何もなかった。
別に助けられたいなんて気持ちは微塵もないけど、戦争中とは思えないほど何もない時間が信じられなかった。
仕方ないので、チフリと雑談をすることにした。
「ねぇ、チフリはローセツと仲良いの?」
「臘雪お姉ちゃんと?うん!私とお姉ちゃんは訓練が同期で一緒だったから」
「姉妹艦なの?いや、違うよね」
「私が勝手にお姉ちゃんって言ってるだけだよ~」
「ふぅん。なんであいつ喋らないの?」
「あー……それはね………ちょっと色々あって。就役前に声、出せなくなっちゃったんだ」
「よっぽどショックなことがあったのね」
「でもでも、困ってないよ」
「ステーシーは困ったの!いきなり引っ張られたと思ったらあいつなんにも喋らないんだから」
「お姉ちゃんに代わって私が謝るよ~ごめんね~?」
「別に……いいけど。それより」
こいつに訊いても仕方ないと思うけど。
「あいつはどうしてステーシーを助けたりなんかしたの?敵の艦よ?ほっとけば勝手に死ぬのに」
「ほっといたら勝手に死んじゃうから、じゃないかな」
「…………は?」
意味が分からなかった。
「あのとき、お姉ちゃんがステーシーちゃんを助けてなかったら、今こうして私とおしゃべりできてないでしょ」
「したくてしてるわけじゃないし」
「うーん……私も、臘雪お姉ちゃんも、夢見お姉ちゃんに言われたこと、守ろうとしてるんだ」
「ユメミ?」
「うん。なんか面白いカッコしたお姉さん、見なかった?」
「魔女みたいな?」
「そうそう。そのフネが夢見お姉ちゃん」
「ふーん」
「私はさ、就役したばっかりだからさ、いろんな先輩たちに色々聞いて回ったの。雨氷型駆逐艦や、水雷戦隊の旗艦のフネたちにね」
「それで?」
「そのときにね、夢見お姉ちゃんが言ってたの。助けられる相手はできるだけ助けなさい、って」
「あいつが原因なのね。どういうつもりなのよ、ホントに」
「私もね、最初よくわかんなかった。夢見お姉ちゃんは不思議なフネだよ。なんだか、未来からやってきたみたいに、先の話ばかりするの」
「先の話って……何なの」
「うん、この戦争が終わったらの話。勝ち負けじゃなくて、終わったらの話」
「どうせジャップが負けるに決まってるわ」
「そうじゃなくて……そうだとしても、その先も日本が消えてなくなるわけじゃない」
「ステイツは消すかもよ」
「私達をひとり残らず消しちゃうってこと?真面目に考えて、無理でしょ~?」
「…………それもそうね」
「うん。終わったら、仲直りしなきゃいけない。私とステーシーちゃんみたいな、敵同士でも、お友達にならないと。戦争が終わったらね」
「ふざけないでよ。ステーシーはパールハーバーで卑怯な真似をして仲間を無惨に殺したジャップを見たんだから」
「そう……なんだ」
「そうよ!戦争だなんて知らずにわけのわからないまま殺されていったのよ!あんたたちに!だから!ステイツは!復讐をやり遂げるわ!」
「……ステーシーちゃん。復讐をやり遂げたら、元の生活を取り戻さないと。死んだヒトやフネたちも、日常を続けたかったはずでしょ」
「ぐっ……」
「ステーシーちゃんもそうだったはずだよ。何のために軍に居たのか……思い出そうよ」
「軍に居る理由……」
「私は知らない時代の話だけど、日本もアメリカも、昔は仲良かったんだよ。だから、元に戻らなきゃ。ね?」
「……割り切れないわ、そんなこと」
「うーん……まだ難しいかもしれないけど、私はステーシーちゃんがそんなふうに話してくれるのは嬉しいよ」
「何言ってるのよ」
「そうやって心の内を話してくれるステーシーちゃんはきっと良い子だと思うし、私はお友達になりたいな」
「温いわ……」
「きっと、臘雪お姉ちゃんも同じ気持ちで助けたんだと思うもの」
「……何が言いたいの」
「私達はきっと、良いお友達になれるよ。時間は、かかるかもしれないけど。信じてる」
日本本土に、やってきてしまった。
もうステーシーはフネじゃない。これからどこへ連れて行かれるのか。
チフリに先導されて、港にある立派な建物の中に入る。
「海防艦知夫里、入りまーす」
「護送ご苦労さま、知夫里ちゃん」
「いえいえ!これが私のお仕事ですから」
チフリは立派な身なりの女性と話している。彼女がチフリの上官?
「その子がステーシーちゃん?」
「そうですよ!ほら、私達海上護衛隊の指揮官だよ、ご挨拶して」
「合衆国海軍、哨戒駆逐艦、ステーシー・テオドール・ガードナー……」
「なるほどね、ありがとう。貴艦の処遇ですが……」
ごくり、と唾を飲む。普通なら、捕虜収容所送り。どんなやつが居るか、わかったものじゃない。
「……連絡は受け取っています。ここの駆逐艦女子寮の、臘雪の部屋を共用してください。いいですね?」
「はい…………って、はい?」
「まだすぐこっちには帰ってこれないから、連絡をくれてたのよ。はい、これ部屋の鍵」
「えっちょっ……」
「よかったねステーシーちゃん!臘雪お姉ちゃんと一緒なんて羨ましいなぁ~」
「知夫里ちゃん、案内をお願いしていいかしら?寮長の雨香ちゃんも今出払ってるらしくて……」
「ほいさ!」
もうステーシーはフネじゃない。これからどこへ連れて行かれるのか。
チフリに先導されて、港にある立派な建物の中に入る。
「海防艦知夫里、入りまーす」
「護送ご苦労さま、知夫里ちゃん」
「いえいえ!これが私のお仕事ですから」
チフリは立派な身なりの女性と話している。彼女がチフリの上官?
「その子がステーシーちゃん?」
「そうですよ!ほら、私達海上護衛隊の指揮官だよ、ご挨拶して」
「合衆国海軍、哨戒駆逐艦、ステーシー・テオドール・ガードナー……」
「なるほどね、ありがとう。貴艦の処遇ですが……」
ごくり、と唾を飲む。普通なら、捕虜収容所送り。どんなやつが居るか、わかったものじゃない。
「……連絡は受け取っています。ここの駆逐艦女子寮の、臘雪の部屋を共用してください。いいですね?」
「はい…………って、はい?」
「まだすぐこっちには帰ってこれないから、連絡をくれてたのよ。はい、これ部屋の鍵」
「えっちょっ……」
「よかったねステーシーちゃん!臘雪お姉ちゃんと一緒なんて羨ましいなぁ~」
「知夫里ちゃん、案内をお願いしていいかしら?寮長の雨香ちゃんも今出払ってるらしくて……」
「ほいさ!」
「……ってことで、ここが臘雪お姉ちゃんのお部屋~。今みんな居ないみたいだし、困ったらさっきの指揮官のお部屋に行ったらいいよ!」
「気楽に言ってくれるじゃない」
「うちの指揮官すっごい優しいから平気だよ!あ、部屋の家具は自由に使っていいからね。じゃ、私一旦帰るから、またね!」
そう言うとチフリは行ってしまった。なんて喧しいフネなの……。
廊下で立っていても仕方ないから、鍵を開けてローセツの部屋に入る。
中はモノトーン調でまとめられた、最低限のものは揃ったシンプルなお部屋。
ここでしばらく過ごすことになるのね……。
ふと、ベッドサイドのテーブルに立てかけてある写真が目に入る。
ローセツと、チフリと、ユメミが、笑顔で写っている写真だ。
わざわざこんなの撮って、飾るくらいには仲が良いんだ。
……ステーシーも、この輪の中に入る日が、来るのかしら。
一瞬だけ、そんな考えが過ぎってしまう。
ずっと寝てないからか、疲れて変な事考えちゃった。やだやだ。
さっさと寝るためにベッドに横になって、テーブルの上の写真をちらっと見て、目を閉じることにした。
(おわり)
「気楽に言ってくれるじゃない」
「うちの指揮官すっごい優しいから平気だよ!あ、部屋の家具は自由に使っていいからね。じゃ、私一旦帰るから、またね!」
そう言うとチフリは行ってしまった。なんて喧しいフネなの……。
廊下で立っていても仕方ないから、鍵を開けてローセツの部屋に入る。
中はモノトーン調でまとめられた、最低限のものは揃ったシンプルなお部屋。
ここでしばらく過ごすことになるのね……。
ふと、ベッドサイドのテーブルに立てかけてある写真が目に入る。
ローセツと、チフリと、ユメミが、笑顔で写っている写真だ。
わざわざこんなの撮って、飾るくらいには仲が良いんだ。
……ステーシーも、この輪の中に入る日が、来るのかしら。
一瞬だけ、そんな考えが過ぎってしまう。
ずっと寝てないからか、疲れて変な事考えちゃった。やだやだ。
さっさと寝るためにベッドに横になって、テーブルの上の写真をちらっと見て、目を閉じることにした。
(おわり)