このページはライブ配信者の悩みである画質をなんとか上げようという願いを助けるため、
同じ考えを持った筆者が取った方法を書き示したものである。

注意書き
※配信に使用しているソフトは主にKoToEncoder(通称KTE)です。
WMEやEEでもさほど違いはないでしょうが、食い違いが起きることが考えられます。
※後ほど出てくるWindows Media Video 9 Advanced Profile(以下WMV9AP)のレジストリの操作によってPCに何らかの問題が生じても筆者は何の責任も持てません。
あくまで自己責任でお願いします。

KTEの設定の変更


圧縮タブ設定

ビデオエンコーダー

映像を処理するためのプログラムとしてWMV7からWMV9APまで存在している。
これらは数字が上であるほど画質が綺麗にエンコードされるが、その分処理が複雑になるためCPUに負荷がかかってしまうものである。
WMV9APはこの中でマルチプロセッサに対応しており、2コアまたはクアッドコアのPCならばWMV9APの選択でいいだろう。

ビデオビットレート

配信をする上で最も重要な課題がこのビデオビットレートである。
ビットレートの数を増やすとその分データを詰め込むことが出来、端的に言えば画質が向上するのである。
その分CPUに負荷となってしまうが、近年のPCならビットレートを上げるだけでは然程問題はないと考えられる。
だがスペックが低いPCでは問題であり、ビットレートが多ければその分回線を使って他者へと配信できる人数が少なくなってしまう。
また視聴者側のPCがビットレートが多いと処理しきれない場合もあり、総じて自身と周りの環境との相談が必要であると言えるだろう。

ビデオフレームレート

大まかに言えば1秒間に何枚の絵でアニメを作るかということである。
フレームレートが多いほど動きが滑らかにすることが可能であるが、ビデオビットレートに上限が存在しているのでCPUは画質を下げてフレームレート通りの動きを再現しようとする。
CPUの処理も激しく通常は多くて30枚、少なくて24枚でいいだろう。
しかし48枚や60枚で動いている動画とそれ以下の動画を比べてみると違いに気づくこともあり、どちらを取るかは読者にお任せする。

ビデオの滑らかさ

0に近ければ近いほどコマ落ちしにくくなり、100に近ければ画質が上がるということである。
理想なのは画質がよくコマ落ちしない動画であるので中心の50からどこまで数字を足していくかが勝負となる。
マイクロソフト社では動きが多いものでは70以下、少ないものは80以上を推奨している。
100に近づくほどコマ落ちしやすくなってしまうのでどこまで上げるとコマ落ちをするのか何度も調整をする必要がある。

バッファサイズの時間

送信した動画を視聴者側が何秒後に見るかということである。
秒数を増やすと視聴者側が処理が間に合わずに動画がカクカクになったり見れないということが少なくなるが、その分動画を確認できる時間が遅くなってしまう。
生中継をしている状況で確認できる時間が遅いというのは配信者と視聴者との連絡に支障をきたす可能性があるので、周りの環境を考えて数字を設定することが求められる。

オーディオエンコーダー

音声の集音、圧縮の為のプログラムを選択する。
最も音質をよくエンコード出来るのはWindows Media Audio 10 Professional(以下WMA10Pro)である。
WMA10Proは高音質を保ちながら圧縮率に優れ、低いビットレートながら視聴者が聞く上で不快感を出させない集録が可能である。
しかしその分CPUには負担となるが、2コアを搭載しているのであれば問題はないと考えられる。

オーディオビットレート

ビデオビットレートが数値を上げると画質が上がっていくようにオーディオビットレートも音質が上がっていくものである。
しかし画質は見た目で判断出来るものであり、音質はある程度の高音質であると人間の耳ではどれほどビットレートを上げても違いがわからないものがある。
オーディオビットレートに使っているビットレート分を少量に抑えることで、その分をビデオビットレートに回して画質の向上に努めたいところである。
上記で取り上げているようにWMA10Proを使っている場合は低いビットレートでも高音質を保つことが可能であるので是非ともWMA10Proを使うことを推奨したい。
WMA10proを使用しているのであれば、オーディオビットレートは節約して64Kbpsあれば十分であると筆者の耳では判断をした。

オーディオエンコーダーの設定

周波数を48000を超えた数値を選択した場合は分解能が16bitに選択できなくなる。
分解能が24bitの場合はオーディオビットレートは128Kbps以上でしか選択が出来ないので、
オーディオビットレートをそれ未満に抑えたい場合は周波数は48000以下でいいだろう。
チャンネルは2 A/V同期は有効を選択すること。
※入力タブの話になるが、ステレオミキサーの音量バランスゲージは70~最大にすることをお勧めする

ツール設定
環境設定では[プレビューを完全に停止する]にチェックを付けよう。CPUの負担を軽減することができる。
キーフレームの間隔及びビデオパフォーマンスはどちらも(自動)を推奨する。この2つは変更をした場合は処理が正常に行われない。

プラグイン設定で行うことは特にない。

プロセッサ設定ではエンコード中のプロセスの優先度を優先度高にすると画質の向上を見込むことが出来る。
ただしそれによりPCに問題が発生した場合はもとに戻すこと。

Windows Media Video 9 Advanced Profileの設定


WMV9APはレジストリに書き加えることによってエンコードの処理を向上させることができる。
レジストリの変更のやり方は
[ファイル名を指定して実行を開く]→[名前にregeditと打ち込んでOK]→[レジストリエディターが開く]→[HKEY_CURRENT_USER→Software→Microsoft→Scrunchを捜す]→[Scrunchに右クリック、新規→キーを選択し、出てきた(新しいキー)の名前を(WMVideo)に変更]ことで書き加えることが出来る。

列にするとこうなる
\\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Scrunch\WMVideo

開いたWMVideoのウィンドウの何も無いところに右クリックを押すと新規→と出ると思うので、カーソルを合わせてDWORD(32ビット)値(D)を選択して欲しい。
[新しい値]と名前の付いたファイルが出来ると思うので、[新しい値]に右クリックで名前を変更することで様々な設定の変更が可能になる。
名前を変更したレジストリにダブルクリックし、値のデータに数字を打ち込むことで有効となる。

ここからは筆者が試して効果が見られたレジストリの変更を取り上げていく
なお引用している部分もあるので、詳しく見たい場合はこちらのサイトを見て欲しい。
DTVかくし味 http://dtv.sakura.ne.jp/contents3/008.html

■Dquant Option
知覚最適化を行う。この機能の効能は顕著に見られ、画質の向上が確認できた。

■Dquant Strength
知覚最適化の強さを変更する。強くするほどCPUの負荷が高まる。
筆者が試した限りだと強くし過ぎると画質が劣化してしまったので、0(自動)か1(弱)を推奨する。

■Force LoopFilter
ループフィルタを使用する。 ブロックノイズが低減されるが、映像がソフトになる。
ブロックノイズを減らす目的では大いに役に立つが、やはり映像がぼやけてしまうのは痛いものである。
違いを確かめるには使用後と使用前で対戦画面の背景を比べてみれば一目瞭然である。

■Force Median
メディアンフィルタを使用する。 ある種のノイズを除去し、データサイズを小さくすることができる。
見た目ではわからないが処理に支障をきたさないので有効(1)に推奨。

■Force NumThreads
エンコード時のスレッド分割数を指定する。2コア4コアのCPUを搭載している場合は是非とも有効にしておきたい。
1,2,4:スレッドの数 である。

■Force Overlap
エンコード時のオーバーラップの使用を指定する。 画がスムーズになる。
見た目ではわからないが処理に支障をきたさないので有効(1)に推奨。

■Force Video Scaling
ビデオスケーリング最適化の使用を指定する。 低ビットレート時の視覚的な品質を改善する。
聞こえはいいが、筆者が試した限りだとビットレートが高い場合はむしろ画質を下げてしまうようである
0で無効 1で有効 2で強く有効

■Lookahead
現在のフレームより後のフレームをエンコード前に評価する。 より効果的にエンコードできる。
見た目ではわからないが処理に支障をきたさないので有効に推奨。0~16:フレーム数

■Motion Vector Cost Method
動きベクトルの符号化のコスト(計算量)の割り当て方を指定する。 動的にすると画面内で最適になるようにブロック間で融通を利かせる。
0(静的)1(動的)よく動く非想天則では1のほうがいいようである。

■NumBFrames
双方向予想フレーム(Bフレーム)の数を指定する。0~16:Bフレーム数 
効果だけを記すが、Bフレームを増やせばブロックノイズが減るが動画がぼやけてしまうと思ってくれて問題ない。
また処理に時間をかけるようになってしまいコマ落ちも多くなり、動画を再生するCPUにも負担になる。
1枚から2枚に抑えることをお勧めする。

以上が筆者が集めた画質向上のための情報である。
このことを利用して見やすく美しい動画を作ることを願っています。

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最終更新:2011年11月07日 00:07