1◆


 三度目の定時メールが強制的に展開された後、学園内に重苦しい空気が漂っている。
 キリトとユイ、そしてジローにとって親しみ深い人物の名が何人も書かれていたのだから。三人とも、沈鬱な表情を浮かべている。
 また、岸波白野だって同じ。ラニ=Ⅷやありすの名前を見た途端、どうしようもないやるせなさが胸の奥より湧き上がっていた。
 彼女達とは敵対して、この手で打ち倒した。覚悟は決めたはずなのに、胸の痛みは消えない。



 ラニは消えゆくその時、何を想ったのか。最後の願いすらも断たれて、どんな心境だったのか。
 ありす/アリス達は何を想いながら最期に微笑んだのか。セイバーとキャスターが語ったように、満たされた終わり(さいご)を迎えられたのだろうか。
 もしも生まれ変われるのであれば、彼女達には幸福な人生を歩んで欲しい。それを祈ることだけが、岸波白野にできる唯一の弔いだ。


 この六時間で散ってしまった者達は彼女達だけではなく、大勢いる。
 その中には、岸波白野達の知る名前がいくつもあった。


 ヒースクリフ。
 キリトを始めとした数多のプレイヤーをSAOサーバーに閉じ込め、多くの命を奪った世界的大犯罪者だ。
 デスゲームの打倒を目指していたようだが、彼のことは絶対に認められない。
 ユイ達を苦しめて、そしてサチに『死の恐怖』を突き付けた男だ。ヒースクリフを許しては、SAOの悲劇がまた繰り返される危険がある。


 一方で、彼には慎二を守ってもらった恩もあるので、それに報いるべきだ。
 岸波白野にできることは、デスゲームの打倒という遺志を継ぐことだけ。それ以外の弔いなど存在しない。


 ピンク。
 カオル。
 呪いのゲームの謎を解き明かそうと尽力したジローの仲間。
 この二人がどんな人物だったのか、岸波白野は全く知らない。けれど、ジローに力を貸したからには、信頼に足る人物であることは確かだろう。
 もしも巡り合えたら、このデスゲームを打ち破る為に支え合っていたかもしれない。彼女達の無念を晴らす為にも、戦わなければならなかった。

「アスナ達だけじゃなく、カオルとシノンまで…………くそっ!」

 そしてキリトもまた、彼女達の死に憤りを抱いている。
 シルバー・クロウがオーヴァンによって命を奪われ、恐怖のあまりにサチはキリトから去ってしまった。
 キリトはサチを探し求めていた最中、ピンクやカオルと出会ったらしい。そこで、キリトはピンクがサチを暴走させた張本人だと誤解し、襲ってしまったようだ。
 そんなピンクと共にいたというブルースの名もメールに記されている。あのフォルテに破れてしまったと、キリトは語った。

「…………………………」

 ジローは沈鬱な表情のまま、黙り込んでいる。
 無理もない。呪いのゲームを勝ち残ったとはいえ、彼自身は平穏な日常を生きる人間でしかない。
 一日にも満たない時間で、親しい人間の死を立て続けに突き付けられては、心が折れてもおかしくなかった。
 特に彼は、自分よりも遥かに幼い友人を失ったばかりでもあるのだから。

 スカーレット・レイン。
 レオが心から信頼したバースト・リンカーにして、対主催生徒会副会長であった少女。
 カイトと共にエージェント・スミスの一人を打ち破ったが、その後に現れたオーヴァンとの戦いに敗れて散った。


 そんなレインの遺品を握り締めているジローの姿が、岸波白野の目に飛び込んでくる。
 少し見つめるだけ胸が痛むが、決して目を逸らすことはできない。ジローの罪は、岸波白野の罪でもあるから。
 けれども、決して後悔はしないつもりだ。ここで少しでも足を止めることは、レインの遺志を裏切ることに他ならない。 


 ユウキ。
 キリトとユイが信頼するプレイヤーの一人で、絶剣の異名を持つ凄腕の剣士だ。その実力は本物で、なんとあの慎二すらも認める程だったらしい。
 そんな彼女がこのデスゲームでいかなる想いを抱いたのか、岸波白野は知らない。けれど、キリト達が認めたからには、高潔なる勇気を持つはずだった。


 サチ。
 岸波白野が、そしてキリトが守りたいと願っていた少女。
 彼女は死にたくないと願い、ただ『死の恐怖』に怯えていた。そして、悲痛な感情に寄り添ったヘレンと共に、終わりのない過去へと去ってしまう。
 死を拒み続けたサチにとって唯一の選択が、逃避という救い。だが、何も変わらない静止した世界など、死と何が違うのか。
 未来は変えることができる。良い様にも、悪い様にも。けれど、それを成そうという力は、サチに残っていない。
 だから、彼女達の選択を責めることなど誰にもできなかった。


 シノン。
 彼女もまた、キリト達が信頼する仲間の一人だ。
 ハセヲを追いかけ、そして別れてしまったが…………再会はもう叶わない。
 シノンがいてくれたからこそ、エージェント・スミスやスケィスの脅威に対主催生徒会は辿り着けた。彼女がスミスの一人を討ち取ってくれたからこそ、自分達はこうして生きている。
 シノンの姿を。そして自分達に残してくれた多くのものを、忘れてはいけなかった。


 そして、アスナ。
 キリトとユイにとって、かけがえのない存在だ。彼女の死は、受け入れがたい事実のはずだ。

「シノンさん、ママ…………」

 かけがえのない仲間と、最愛の母を失ったユイの声は震えている。
 彼女は今にも崩れ落ちそうだった。最愛の母と巡り合うことができないまま、その喪失だけを一方的に突き付けられる。
 どれほどの悲しみと苦痛を背負わなければならないのか……岸波白野には推し量ることすらできない。せめて、彼女の心に寄り添っていたかった。

「ユイ」

 けれど、岸波白野の想いを代弁するかのように、キリトはユイを抱き締める。
 ユイは瞳を潤ませながら、父の顔を見上げた。二人は何も言わず、ただ悲しげな表情で見つめ合っているだけ。



 ユイとサチ/ヘレンの時と違って、あまりにも悲しかった。
 彼女達にはまだ微かな救いが残っていたけど、今はそれすらも歪んだシステムによって打ち砕かれている。なのに二人は涙を流さず、気丈にも失う苦しみを耐えていた。
 弱音を吐いてほしかった。岸波白野達を頼ってほしかった。大切な人の死を堪える必要なんて、どこにもないのだから。

 その時だった。例の警報音が鳴り響いたのは。
 同時にウインドウが展開される。校門に現れたのは、見知らぬ一人の男と漆黒のアバター。そして緑衣のアーチャーと褐色肌の少女だった。

「あれは、ハセヲさん?」
「…………ブ>*+ロ-ズ%n」

 レオとカイトは同時に名前を呼ぶ。
 その名前を岸波白野は知っている。シノンが探し求めていたプレイヤーと、オリジナルのカイトの相棒とも呼べる少女の名だ。
 だが、漆黒のアバターには見覚えがない。…………いや、もしかしたらブラックローズと共にいた少女かもしれなかった。
 このデスゲームには、複数のアバターの切り替えを可能とするシステムが存在する。岸波白野が目撃したのは仮の姿で、あれこそが真のスタイルかもしれない。


 そして四人は何の躊躇もなく校庭に足を踏み入れる。
 どうして彼らが行動を共にしているのかはわからないが、少なくとも敵対していないのは確かだった。
 何故ならハセヲはカイトやシノンが信頼したプレイヤーであり、そんなハセヲは他の三人と同行している。ならば、緑衣のアーチャー達とも手を取り合えるのではないか?

「なぁ、レオ。ハセヲって確か……」
「はい。シノンさんが追っていたプレイヤーであり、ジローさんの先輩でもあります。
 …………皆さん、無礼を承知でお尋ねしますが、ハセヲさん達を出迎えて頂いてもよろしいでしょうか?
 僕達は互いに支え合わなければいけませんから」

 レオは冷静に語るが、そこにはどこか寂しさも醸し出されている。
 きっと、彼は察しているのだろう。ハセヲもまた、自分達と同じ悲しみを背負っていることを。
 志乃。アトリ。そしてシノン。ハセヲと親しい人物の名が、定時メールで書かれ続けている。彼女達の喪失による痛みを救いたいと、レオは考えているはずだ。
 それは岸波白野も……いや、対主催生徒会にいる全員も同じだった。



     2◆◆



 もう二度と戻らないと決めたはずの土を、ハセヲ/三崎亮は再び踏み締める。
 一度は別離を誓った者達の元に戻ることに躊躇はあるも、抵抗はない。歩くような早さでも前に進むと誓ったからだ。
 この学園にはレオとトモコがいる。恐らく、シノンからレオ達のことを任されたキシナミという男や、かつて敵対したトライエッジも既に合流したはずだ。

(あいつらには……シノンのことを詫びるべきだな)

 シノンの最期の姿がハセヲの脳裏に過ぎる。
 オーヴァンの三爪痕によって身体を無残に貫かれ、地獄の激痛を味わった。けれど、シノンは最期までこの身を案じてくれた。
 志乃だって、微笑みを向けてくれていた。本当は苦しかったはずなのに、それを微塵にも出さないで微笑んでいた。
 アトリもそうだ。身体が消える最後の瞬間まで、ただハセヲのことだけを見ていた。なかないで、と願ってくれていた。


 彼女達の姿を想うだけで、この胸が痛む。
 だが後悔などしてはならない。ああすれば良かったなど考えない。違う"IF"に期待してはいけない。
 どれだけ考えようとも、今が変わる訳ではない。時計の針が戻るなどあり得ないし、ましてや優勝して叶う願いとやらに縋ってはいけなかった。


 だから今はシノンのことをキシナミ達に話さなければならない。
 シノンはオーヴァンに命を奪われた。けれど、それはハセヲの責任でもある。『死の恐怖』の名を背負ったからこそ、シノンに死を齎すことになった。
 しかし、その選択を嘆くことはシノンに対する裏切りであり、何よりもブラック・ロータスとブラックローズは怒るだろう。
 ウラインターネットに駆け付けたことで、ハセヲは二人を救うことができた。少しでも遅かったら、スミスのようなPKによって命を奪われていたかもしれない。結果論に過ぎなくても、この手で彼女達を守ったのも事実だ。
 シノンを想うのならば、ここにいる彼女達と共に歩むべきだろう。


「……スカーレット・レイン…………!」


 そしてブラック・ロータスは悲痛な呟きを漏らす。
 どうしたのか、などと無粋な質問はしない。あの悪辣極まりないメールに、彼女の知る名前が書かれていた。
 文章が淡々としていただけに、怒りが余計に湧き上がる。数字をカウントするような感覚で人の死を告げられて、許せるわけがなかった。
 志乃やアトリ達の時もそうだった。榊やトワイスは人の死に何かを感じることなく、ただ神の座に居座っている。この手で叩き潰さなければ許せなかった。

「あの男が残したと思われる、強化外装と思われる赤い残骸……
 まさか、彼女の命を奪ったのは…………!?」

 オーヴァンが赤い残骸を所持していた理由はただ一つ。
 スカーレット・レインの命を奪い、そのまま強化外装を破壊しただけのこと。三爪痕の力さえあれば、不可能ではない。


「黒雪姫…………」
「…………彼女とは、昔いざこざがあった。
 私の過ちのせいで、彼女や彼女が所属するギルドのメンバーを深い悲しみに叩き落してしまった。それは決して許されない罪だ。
 だけど、クロウの……ハルユキ君のおかげで、私は過ちを償うことができた。そして少しずつだが、レインとも分かり合えるようになった
 互いに何度も助け合ったつもりでもあったよ…………」

 ブラック・ロータスの語りに、誰も何も言えない。ブラックローズもアーチャーも、ただ悲しげに見守っているだけ。
 ハセヲも同じ。今は何を言っても、中途半端な励ましにしかならない。大切な者を失ったばかりの相手に言えるほど、無粋ではなかった。

「…………すまないな、私の感傷に付き合わせて。もうすぐ、ハセヲ君の仲間達に会えるというのに。
 こんな所で止まっている訳にもいかないだろう?」
「ロータス……あんた、もしかして…………」
「それ以上は言うな、ハセヲ君。
 辛いのは私達だけではない。レオや、シノン君が信じたキシナミ君という者も同じなはずだ。
 それにハセヲ君は歩き続けるのだろう? ならば、私達もそれを信じて前を進む……散っていった彼らの為にも。
 その気持ちに嘘はないはずだ」
「……そうだったな。今は、あいつらの所に戻らないと」

 その一言と共に、四人は再び歩む。
 ブラック・ロータスの言葉を否定する者は誰もいない。自分達にできることは、前に進む以外にないのだから。


 昇降口が見えた途端、建物より複数の足音が聞こえてくる。
 そうして赤い制服を纏った少年……レオが現れた。隣には白銀の鎧を纏った騎士・ガウェインと、あのトライエッジが立っている。
 三人に続くように、見覚えのない奴らもぞろぞろと現れた。俺がいない間に随分と仲間が増えたなと、ハセヲは安堵する。

「カイト……!」

 ブラックローズはトライエッジを……蒼炎のカイトの名を呼んだ。
 当のカイトは鋭い眼光をそのままに、ブラックローズの顔を見つめている。屍人形(ゾンビ)のようにおぞましく、感情を読み取ることができない。
 かつてはオーヴァンの言葉に惑わされて、彼を志乃の仇だと勘違いしてしまい激突した。けれども今はシノンの想いを受け継いで、こうしてレオがいる学園を守ってくれている。
 その事実に、言葉に言い表せない複雑な感情が芽生えつつあった。

「おかえりなさい、ハセヲさん」

 そんなハセヲの心境を知ってか知らずか、レオは微笑みと共に一歩前を踏み出す。
 彼の表情からは怒りや失望は感じられない。ただ、自分達が生きていることを心から喜んでいるようだった。

「レオ……無事だったんだな」
「はい、おかげ様で。ハセヲさんこそ、ご無事で何よりです」
「……すまねえ。俺が勝手なことをしたせいで、シノンが…………!」
「待ってください、ハセヲさん。
 あなたの言いたいことはわかりますが、まずは落ち着ける部屋で身体を休めましょう。お互い、積もる話もありますから。
 それに今後のことだって、話さなければいけませんし」
「ああ……わかった」

 レオの言葉に否定しない。
 事実、ここに戻るまでの連戦で酷く疲弊した。ボルドーやスミスと戦い、スケィスとの決着をつけて、そしてオーヴァンによってシノンを奪われた。
 また黒薔薇の騎士団も、聞いた話によるとまともに休む暇が与えられていない。デスゲームが未だに続いている以上、彼女達にも休息の時を与えなければいけなかった。



     3◆◆◆



 対主催生徒会と黒薔薇騎士団が同盟を結ぶまで、それほどの時間は必要としなかった。緑衣のアーチャーとは敵同士であったが、今の状況で対立するメリットなど互いに存在しない。
 無論、始まりの街とも呼べるアメリカエリアで一悶着はあったが、それに拘って騎士団を拒む者は誰もいなかった。

「寛大な余は大抵の過ちは水に流すことにしているが、そなたが奏者に毒を盛ったことだけは絶対に許さん。
 もしも少しでも狼藉を働くというのであれば、たたっ斬ることを忘れるな」
「はいはい、わかっておりますよちんまい姫様。俺だって馬鹿じゃねえからな。
 この面倒な女狐もいる以上、不利になるようなことなんざしたくねーよ」
「貴方、ご主人様の件を反省しておりませんね?」
「してるしてる! もう不意打ちなんて汚い真似はしない!
 これからは仲良くやってやりますよ!」

 セイバーとキャスターは苦言を零すが、アーチャーはことごとく流している。
 同盟を結んで数分も経たないが、既に彼は岸波白野のサーヴァント達に心底うんざりしているように見えた。
 ここに、岸波白野が信頼する赤い外套のアーチャーがいれば、緑衣のアーチャーに助け舟を出すだろう。しかし彼は慎二と同行しているので、こんな事態が起こっているとは夢にも思わないはずだ。
 定時メールに間桐慎二の名は書かれていなかったことは、せめてもの救いだ。彼らと再び巡り会えることを信じよう。



 サーヴァント達のいざこざを他所に、生徒会と騎士団は情報交換をし合っていた。
 岸波白野が複数のサーヴァントを従えて、その内もう一人だけは慎二に付き添っていること。
 漆黒のアバター……ブラック・ロータス/黒雪姫が、ダン・ブラックモア卿からアーチャーの令呪を託されて、ブラックローズと共にフォルテに立ち向かったこと。
 ウラインターネットにて、騎士団が別のチームと力を合わせてスケィスに立ち向かったこと。
 この月海原学園がエージェント・スミスの襲撃に遭い、壊滅的な打撃を受けたこと。
 カイトや志乃、そしてアトリの命を奪ったスケィスをハセヲが討ち取ったこと。
 月海原学園のダンジョンの謎や、ゲーム外のイリーガルエリアに存在するトワイス・H・ピースマンのこと。
 AIDAを駆逐する『再誕』というプログラムを発動させる為、オーヴァンがPKを行っていること。
 このデスゲームの根幹にはモルガナ・モード・ゴンが存在し、女神アウラの復活を阻止しようと企んでいること。


 そして…………


「……あの男が……
 オーヴァンが、クロウの……ハルユキ君の命を奪った、張本人だと!?
 ニコだけではなく、ハルユキ君まで…………!」


 …………オーヴァンによって、シルバー・クロウとスカーレット・レインの命が奪われたこと。
 その事実に、ブラック・ロータスは大きく身を震え上がらせていた。

「オーヴァン……クロウやアスナだけじゃなく、シノンまで…………!」

 ブラック・ロータスのように、キリトもまた怒りと驚愕で声を荒げている。何故なら、シノンの命を奪ったのはオーヴァンが宿らせる三爪痕だと知ったからだ。
 ブラックローズや緑衣のアーチャー、そしてハセヲは苦々しい表情を浮かべている。聞くところによると、ハセヲの目の前で、まるで見せしめのように殺されたらしい。
 ユイやジローも愕然としていて、声も出せない程だった。アスナやレインの死を思い出してしまったのだろう。

「皆さん、祈りを捧げましょう」

 ふと、レオはそう口にした。

「僕も本当に悔しいです。
 力と知恵が及ばなかったばかりに、レインさんやシノンさんを始めとした多くの同志を失ってしまった…………
 けれども、僕達に悲しんでいる時間はありません。皆さんもおわかりでしょうが、既に残された人は20人を切っています。
 一刻も早く、前を進むべきでしょう」

 レオは冷静に語っているが、やはり胸の内に宿る感情が顔に出ている。
 彼とて不条理な死を容認できる人間ではない。結果として大きな犠牲を出しているものの、世界に調和を齎す為に西欧財閥は聖杯を求めたのだから。
 そして、聖杯戦争の敗北をきっかけにレオは変わり続けている。生まれてきた新しい命を無暗に奪ったりせず、停滞した平和に飲み込まれる世界の運命も変えてくれるはずだ。

「だからこそ、失った多くの方々の為に、祈るべきだと思います。
 皆さんのことを忘れないで、その遺志を受け継ぐ……これが今の僕達にできる、最良の選択です」

 その提案に反対する者は誰もいない。
 彼の言うことは尤もだ。ここで悲しみに沈んでも、オーヴァンやフォルテの凶行が止まることなどない。むしろ、アメリカエリアにいるという慎二達が危険に晒されるだけ。
 ユウキと慎二は互いに認め合っていたと、キリトは言っていた。慎二の無事を願うなら立ち上がり、そして共に力を合わせて貰うようにするべきだろう。



 黙祷を捧げる。
 目を瞑り、この18時間で起きた出来事が脳裏で浮かび上がっていく。
 新たな仲間と出会い、何度も別れた。エージェント・スミスという凶悪なPKと戦い、傷付いた。ラニ=Ⅷやありす/アリスの死を再び突き付けられ、かつての傷が蘇った。
 そうして今はこのデスゲームの歪みを認識し、決意が燃え上がる。絶対にデスゲームを止めなければならないという、確固たる決意が。


 他のみんなは何を想っているのか、岸波白野は推測するしかできない。
 キリトとユイは、アスナやシノン達を想っているのか。
 レオとガウェインは、同志になり得たであろう者達を想っているのか。
 ハセヲは、志乃やアトリ達を想っているのか。
 カイトとブラックローズは、オリジナルのカイト達を想っているのか。
 ブラック・ロータスは、シルバー・クロウ達を想っているのか。
 ジローは、スカーレット・レインやデンノーズのメンバー達を想っているのか。
 セイバーとキャスターはサチ/ヘレンを想い、緑衣のアーチャーはダン卿を想っているのか。
 元の世界の繋がりや、このデスゲームで芽生えた繋がり。何があっても、その二つを守り続けるべきだろう。



 祈りは終わる。
 ほんの僅かな時間だが、そこに込められた想いは決して小さくない。
 前を進むための原動力になったはずだった。



     †



「それでは、皆さんには今後の方針を話し合いと思います。
 黒薔薇の対主催騎士団には」
「く、黒薔薇の対主催騎士団? それは一体どういう意味なんだい、生徒会長……」
「名前を統合したのですよ。
 僕達対主催生徒会と、ロータスさん達で結成された黒薔薇騎士団。お互いの結束を強めることを証明するに、ちょうどよく纏まったと思って。
 ああ! でも、役職名などは僕ら対主催生徒会のものを引き継ぎますので、そこはご容赦ください」
「そ、そうか……」

 どう考えても、即興で作ったようなネーミングにロータスは困惑している。
 それに構わずに、レオは続けた。

「よろしくお願いしますね、黒薔薇の対主催騎士団・新副会長のブラック・ロータスさん」
「…………ああ、任された」

 そのやり取りからは、強い意志が感じられた。
 スカーレット・レインは対主催生徒会の副会長を務めていた。故に、彼女と同じ『王』であるブラック・ロータスこそが、レインの後継者に相応しい。
 誰もがその襲名を祝福していた。
 ちなみにキリトの役職は会計で、カイトと共に務める形となっている。ブラックローズはハセヲやジローと共に雑用をこなすことになったが、特に反対していない。
 多少の不満はありそうだったが、反対する気もない様だ。

「決まりですね。では、もう一度おさらいをしておきましょう。
 まず、僕達が優先するべきことは、このデスゲームの謎を解き明かすこと。そして対主催騎士団の戦力を増やすことです。
 そこで後者にとっての問題が、デスゲームに生き残ったPK達の存在です。
 ダスク・テイカー、フォルテ、そしてオーヴァン……【野球バラエティ】に参加した皆さんが、彼らの手にかかることを避けなければなりません。
 【野球バラエティ】には、ハセヲさんの仲間である揺光さんだっているのですから」

 揺光。
 ハセヲやカイトが生きる『The World』のプレイヤーだ。二人の仲間ではあるものの、彼女は普通の人間に過ぎない。
 オーヴァンやフォルテのようなイリーガルな力を持つPKに襲われては、生き残れる保証などなかった。
 黒薔薇の騎士団が言うには、ウラインターネットのネットスラムでスケィスと戦った際に消息を絶った。そうしてキリトがいたファンタジーエリアに現れたことは不可解だが、真相は本人に聞かない限りわからない。

「ハセヲさん達はフォルテやオーヴァンの打倒を目指そうとしているはずです。
 勿論、彼らは充分に危険なPKですし、野球チームの皆さんに脅威を伝えるべきでしょう。けれども、最優先して頂きたいのは、一人でも多くの戦力を確保すること…………
 僕達の真の敵はGMであり、またGMの全貌すら明らかになっていません。そんな相手と戦うならば、これ以上の犠牲を出すべきではないでしょう。
 スケィスがハセヲさんによって撃破された今となっては、GMは切り札を用意するはずです。恐らくは、カイトやブラックローズさんもその存在を知っているはずです」
「切り札? それって、まさか……!」
「こちらをご覧ください」

 ブラックローズの言葉を待たずに、レオはウインドウを展開させる。
 そこには番匠屋淳ファイルの映像と、それを補足する情報だ。


《クビア/Cubia》
 登場ゲーム:The World(R:1)
 腕輪の力の反存在として生み出された『The World』の歪み。
 『黄昏の碑文』という叙事詩に登場する「超古代生物クビア」に由来する存在でもある。

 この映像によると、モルガナ事件におけるモルガナの刺客はスケィス達八相だけではない。
 『腕輪』と表裏一体の存在であるクビアというモンスターも存在するようだ。
 『The World』にて勇者カイトは女神アウラから授けられた『腕輪』を成長させていた。だがそれに伴うように、クビアもまた巨大に成長していく。
 退けることはできても、完全に倒すことはできない。『腕輪』がある限り、クビアは無限に力を増すのだから。
 そこで勇者カイトはブラックローズと共に『腕輪』を破壊することでクビアの対消滅に成功した。

「アイツも、このゲームに関わっているというの……!?」
「女神アウラのセグメントやスケィスの存在が確認された以上、可能性は否定できません。
 そしてこのデスゲームの進行に伴って、今もクビアは強化されているはずです……『碑文』や心意を始めとしたイリーガルな力が集積されて、一つの世界でぶつかり合っているのです。
 僕達がデスゲームを食い止めようと動いていましたが、実際はこれもGMの筋書き通りだったのでしょう。
 定時メールで書かれていたエネミーやドッペルゲンガーの存在も、本来の目的はクビアの強化を果たす為の餌かもしれません」
「だったら、早くアウラを復活させないと! セグメントはもう3つとも揃っているのでしょ!?」
「いいえ、現時点ではそれも決定打になり得ません。女神アウラの復活……それすらもクビアの力を増大させる鍵の一つですから。
 女神アウラは『The World』のコアとなる力を持っております。それが復活した瞬間こそ、クビアは現れるはずです。
 蓄積されたイリーガルな力と、女神アウラの力……それらが一つになったクビアの力は、女神アウラすらも凌駕するでしょう。
 そうしてクビアは女神アウラと対消滅する為の生贄となる……これがモルガナから与えられた役割であるかもしれません」

 レオの推測が正しければ、女神アウラは決して勝利条件になり得ない。むしろGM側にとっては、女神アウラの復活すらも予定調和だ。
 確かに女神アウラの復活によりデスゲームは終わりを迎えるだろう。プレイヤーの勝利ではなく、GMの勝利という形で。

「だからこそ、対クビアの為には野球チームの力も不可欠となります。
 それに伴って、少しでも手がかりを集める為にダンジョン及びプロテクトエリアの攻略も忘れてはいけないでしょう。
 この二つに関しては、戦力及びステータス面の不調はある程度だけ解消されます。僕達のポイントを惜しみなく使えばの話ですが」

 ポイントの単語が出た途端、レオの顔色がどこか重苦しいものに変わる。
 その理由を問い詰める必要はない。デスゲーム攻略の為に使われるポイントは、他の誰かの命を奪ったことで獲得したものだから。
 岸波白野も同じ。ラニやありす/アリスの未来を踏み躙った結果、こんな無機質な数値を手に入れてしまった。


 けれど、ポイントの仕様を躊躇ってはならない。
 GMの定めたHPという数値によって、自分達の命運は決まる。腸が煮えくり返るが、その事実を受け止めなければ生き残れない。

「お前ら。わかっていると思うが、こんな時に「もったいない」とか言うんじゃねえぞ。
 『力』がどれだけあっても、間に合わなかったらねぇのと同じだからな…………」

 身を引き裂かれるような苦悶を味わっているかのように、ハセヲは表情を顰めている。
 彼はマク・アヌでスミスやスケィスと戦った際に、HPが0になっても消滅するまでに5秒の猶予があることを知った。そのリミットを過ぎてしまえば、もう助からないことも。
 …………だから志乃やシノン、そしてアトリを救えなかったらしい。
 その悲劇を繰り返してはならないと、ハセヲは意気込んでいた。



 現在のポイントを合計すると、2130ポイント。
 加えて、割引き券という値引きの効果を持つアイテムを合わされば、買い物には困らないはずだ。
 そして幸いにも、ハセヲとカイトは回復スキルを所持している。故に、ショップで購入するのはMPの回復アイテムだけで済んだ。



 一同は購買部に赴く。
 そこではあの言峰神父が相変わらず悠々と佇んでいる。あのスミスに一撃を与えたのを見た後だと、神父の姿勢からは風格が感じられた。
 けれども、この大人数でいるせいか、流石の神父も目を見開いている。

「いらっしゃいませ。
 …………ほう、いつの間にやら顧客が増えているな。私としても、実にありがたいことだ」

 神父は自分達を見渡している。
 その視線に何かを感じたのか、緑衣のアーチャーは軽い溜息を吐いた。

「おいおい神父さん。
 俺はここで騒ぎを起こそうなんざ考えてねーよ。あんたのおっかなさは知ってるつもりだからな」
「それは良い心がけだ。
 尤も、プレイヤーが万引きをするのはシステム上は不可能で、仮にハッキングなどの手段で違法に入手しようと企んだ者には相応の処置が下る。
 もしかしたら、最強の店員との戦いが待ち構えているかもしれないぞ?」
「勘弁してくれ……」

 そんなやり取りを他所に、岸波白野は商品一覧を眺める。
 見た所、先程にはなかった商品も追加されていた。神父の言っていた新商品なのだろう。
 しかし麻婆ラーメンとやらは見られない。個人的に興味はあるものの……無い物ねだりをしても仕方がない。


 気になるのは、気魂香と匠の気魂という名のアイテムだ。
 前者は味方全員のMPを50回復させて、後者は味方一人のMPを100も回復させてくれる。現在のポイントで買えるのは、気魂香は一つだけで匠の気魂は二つだ。
 どちらを選択するにしても、これらの数値が全体の何%に反映されるのかが不明だ。10%の数値が確定していた激辛麻婆豆腐と違う。
 『The World』に生きるハセヲやカイト、そしてブラックローズに尋ねても返答に困らせるだけ。彼らだって、元と今とでは勝手が違うはずだから。
 ここは…………


 >気魂香
 匠の気魂


 今は一人でも多くのメンバーを回復させる必要があった。
 集まった全員が強豪と戦って、その結果としてMPを膨大に消費している。特にレオとハセヲは半分を切っていた。
 匠の気魂を二つ買うこともできたが、それではカイトやキリトの回復は不可能。彼らの力だって必要不可欠だから、少しでも万全に近づけるべき。


「ふっ、気魂香を選ぶとは見る目があるな。
 説明蘭に書かれているように、チーム全員の魔力を回復させる代物だ。更に言えば、このバトルロワイアル内では契約したサーヴァント達にも効果が適応される。
 流石に完治とまではいかないが、少なくとも君達を満足させられるだろう」

 神父の言葉に胸を撫で下ろす。
 掴み所がない男だが、少なくとも嘘はつかない。彼は聖杯戦争で監督という己の役割をやり遂げたのだから、その言葉は信用していいはずだ。


 まず、オブジェクト化させた割引券を神父に差し出して、次に全員で入れ替わりながらポイントを払う。
 聖杯戦争や『The World』のシステムでは一対一での支払いが基本だが、デスゲームだとその限りという訳でもないようだ。
 そうして使用した結果、ここにいる全員のMPが大きく回復した。流石にレオは50%を超えることはできなかったが、ダンジョンのエネミーを撃破してポイントを稼ぐしかない。
 残されたのは、レオが持つ200ポイントだけになった。

「これで、一先ずはMPの問題は解決ってことでいいのか」

 キリトが言うように、戦闘でスキルの使用に困るという事態にはならなそうだ。

「そうだ、ここにはサクラって子もいるんだ。
 その子に会えば、ハセヲ達だってアイテムを貰えるはずだぞ」
「ごめんなさい、キリトさん。それは不可能です」
「うおっ!?」

 いつの間にか現れた桜を見て、キリトは驚愕する。
 ……うん、これには岸波白野も驚いた。

「驚かせてすみません。
 私が特製弁当を差し上げられるのは、モラトリアムの期間中だけなのです。
 キリトさんは定時メールの直前に伺ってくれたので差し上げられましたが、ハセヲさん達には……」
「それなら仕方ねえよ。こっちも色々とあったしな」

 なんてことの無いように、ハセヲは軽く返答する。
 一方で、緑衣のアーチャーはばつの悪そうな表情のままだ。やはり、聖杯戦争での出来事が尾を引いているのだろう。

「まさかお嬢ちゃんもいるとはな。
 ……でも、あの神父がいるからにはありえなくもねえかもな」
「ご無沙汰しております、アーチャーさん」
「先に言っておくが、今の俺は毒を盛ろうなんて考えてねえよ。
 このマスター達と同盟を組むって決めたからな」
「それは何よりです。
 けれども、今の私にはアーチャーさんにペナルティを与える権限は持ち合わせていないので、安心してくださいね」
「どうだかねぇ……」

 桜は微笑んでいるが、アーチャーは微塵も信じていなさそうだ。
 とにかく居心地が悪いのだろう。まさか岸波白野との因縁がここで響くとは思わなかったはずだ。
 セイバーとキャスターの視線は未だに厳しいし、言峰神父と桜の言葉もアーチャーが完全に信用するとは言い難い。
 ハセヲ達は味方だけど、聖杯戦争に関しては蚊帳の外なので余計な口出しができないのだろう。
 ……かつて命を奪われかけたとはいえ、流石にアーチャーには同情する。尤も、この状況で岸波白野にできることは何もないが。

「それでは、改めて皆さんにお伝えします」

 そんな空気を変えるかのように、レオはこの場にいる全員に宣言する。

「まずはこのデスゲームの謎を解き明かす為に、皆さんにはダンジョン攻略をお願いしますね。
 その際に三人ずつで2チームを作ります。Aチームが攻略を進めている間に、もう片方のBチームはドッペルゲンガーやエネミーに備えて学園の警備を。
 また、Aチームには何か不都合を感じたら、ダンジョン攻略をBチームに変わって頂くこともできます。
 そして肝心の割り振りですが、Aチームには白野さん、カイト、ブラックローズさんの三人を。Bチームにはキリトさん、ハセヲさん、ロータスさんの三人を。
 ダンジョンの謎を解き明かしてから、プロテクトエリアや野球チームの捜索……そしてオーヴァンやフォルテに対して本格的な準備をしましょう。
 【プチグソレース:ミッドナイト】のイベントも、デスゲームの謎を見つけられるかもしれませんので、いずれ攻略を視野に入れます。
 よろしいですね?」

 レオの采配を否定する者はいない。
 月海原学園のダンジョン攻略は、聖杯戦争を勝ち抜いた岸波白野こそ適任と考えたのだろう。
 そのサポートにカイトとブラックローズを選んだのも、オリジナルのカイトのことが関係しているかもしれない。

「それでは皆さん、よろしくお願いしますね。
 ユイ、あなたはどうしますか? ここに残るか、それともダンジョン攻略に同行するか……」
「私もダンジョンに向かいます。
 カイトさんの通訳が必要ですし、何かのシステムを解析する時が来るかもしれませんから」
「わかりました。では、白野さん達……彼女のことを頼みますよ」


 ユイは自らの肉体をナビゲーション・ピクシーへと変えて、岸波白野の胸ポケットに飛び込む。
 これから突入するダンジョンには敵性エネミーが大量に潜んでいる。だから、ユイには岸波白野の元に身を潜めてもらう必要があった。
 ダンジョン攻略には彼女の力も必要となるはずだ。岸波白野の知らない仕掛けとぶつかる可能性があるし、解析の必要な隔壁だってあるかもしれない。
 かつて、ラニが作った開かずの扉には酷い目に遭わされたものだ。

 ………………。
 と、またしても疑問が過ぎる。
 ラニのせいで岸波白野の尊厳が壊されそうになった経験はある。けれど、具体的に何があったのかを思い出せない。
 円卓の借金取りの時といい、どうしてこのような記憶が存在するのか。


 だけど、今はそんなことを気にしている場合ではない。
 力を貸してくれるカイトとブラックローズ、そしてユイの為にも、ダンジョンに潜る必要がある。
 ダンジョン攻略は岸波白野に一日の長があるのだから。

「ユイ」

 そして岸波白野の胸元にいるユイの姿を、キリトは真摯に見つめている。

「行ってきます、パパ。
 このデスゲームの謎を解き明かす為にも、絶対にハクノさん達をサポートしてみせます!」
「ああ……絶対に死ぬんじゃないぞ、ユイ。
 その間、俺達はこの学園を守り抜いてみせるから! ハセヲや黒雪姫、それにレオやジローさんだって死なせたりはしない!
 キシナミ達、ユイのことを頼んだぞ」

 キリトの言葉に頷いた。
 彼は岸波白野を信頼してくれている。自分達と共にいてくれたからこそ、ユイのことを任せているのだろう。
 それを決して裏切ってはいけなかった。

「ユイ君、君の父上……キリト君のことは任せて欲しい。GMがどんな相手を用意していようとも、私達は負けるつもりなどない。
 キリト君には世話になったから、その恩義に答えるつもりだ」

 ロータスが言っているのは、クロウの件だろう。
 フォルテとの戦いでキリトが生き残れたのは、クロウの力があったからだ。
 そしてロータスもアーチャーやブラックローズとの絆の力で、ダン卿の命を奪ったフォルテを打ち倒した。
 そこに奇妙な巡り合わせを感じてしまう。

「……黒雪姫」

 と、そこにジローがロータスの前に出る。

「ニコのこと……本当にごめん。
 俺がもっとしっかりしていたら、ニコは……オーヴァンって奴に殺されなかったはずなのに」
「確か……あなたにはニコが大変お世話になったようですね。
 ジローさん、それを貴方が悔やむ必要などありません。貴方は、自分の責務を果たしたのですから」
「でも、俺だってみんなみたいに戦えてたら、ニコはきっと……黒雪姫とまた会えたはずなんだ!
 だから、ニコがいなくなったのは……!」
「それは違います! 彼女は、彼女自身の責務を果たそうと力を尽くした!
 このような結果になって、私も悔しい…………けど、それを貴方が悔やむ道理などないはずです!
 それに彼女は言っていたのでしょう? あなたとのキャッチボールが楽しかったのだと」
「…………ッ!」
「彼女が最期、何を想ったのかを私は知りません。けれど、貴方のことを感謝していたはずです。
 だから、彼女の為にも……貴方には生きていて欲しいのです!」

 ロータスの叫びはあまりにも切実だった。
 彼女もジローのように悔いているのだろう。クロウやレインの仇であるオーヴァンと対峙しながら、打倒できなかったことが。

「…………聞いてくれ」

 そしてハセヲが口を開く。
 ジローやロータス以上に……いや、この場にいる誰よりも辛そうな顔で言葉を紡いだ。

「オーヴァンはみんなにとって大切な人の命を奪い続けた。クロウ、アスナ、トモコ、そしてシノン…………
 けど、それはあいつだけじゃなくて、俺の責任でもある」

 彼の唇は震えている。散っていった者達の名前を呼ぶ度に、死につながる程の苦痛を味わっていそうだった。
 『再誕』の話を聞いてから、彼はずっとこうだった。その身に宿らせる『碑文』の力が、多くの命を奪うきっかけになっていると聞いて、傷付かないわけがない。
 しかし彼は決して悲嘆などせず、むしろ壮大な決意が瞳から感じられた。

「オーヴァンがなにを為そうとしても、関係ない。そんなのは、みんなが死んでいい理由になんてならねえ。
 だからこそ、俺が終わらせる。オーヴァンをぶん殴ってでも止めて、これ以上は誰も悲しませたりしねえ!
 あいつが俺を待っているなら、俺は何としてでも行く! そして決着だってつけてみせる!
 これが、俺にできるけじめだ!」

 拳を握り締めるハセヲの決意を疑う者など、ここにはいない。彼を非難しようなどと微塵も考えていない。
 誰もがその尊い意志を信じていた。

「ハセヲ……それは俺だって同じだ。
 クロウの、レインの、サチの、シノンの、そしてアスナの分も……俺は戦う。例えお前が止めようとしても、俺はオーヴァンに会うつもりだ」
「二人とも、その時になったら私にも付き合わせてほしい。あの男とは、私とも深い因縁があるからな。
 ハルユキ君やニコ達の仇を取る為にも、絶対にオーヴァンを打倒してみせる」
「乗り掛かった舟だ。姫さんがそのつもりなら、俺だって付き合ってやるさ。
 なんせ俺はお姫様に仕えるサーヴァントだからな」
「キリト、ロータス、アーチャー……あんたらは、仮に俺が止めたって付いてくるんじゃないのか?
 だったら何も言わねえよ。シノンだってそうだったからな」

 キリトとロータス、そしてアーチャーは頷く。
 ハセヲの言うこともわかる。彼らが黙って待っているとは到底思えない。もしもハセヲがまた飛び出すようなことになったら、無理矢理にでも同行するだろう。



 それから、一同はアイテムの確認をする。
 まず、ユイはレオより譲り受けたダークリパルサーをキリトに返し、そして岸波白野が持つユウキの剣もキリトに渡した。
 そして万一の場合に備えて、黄泉返りの薬もキリトに渡す。大量のエネミーが現れる以上、復活アイテムは多く持っているべきだ。
 レオはロータスより女神アウラのセグメントを受け取っている。最前線で戦うロータスよりも、この場にいる全員を指揮するレオに持たせた方が安全であると判断したが故だ。
 そしてレオから、ダンジョン攻略の際に必要となるであろうアイテムを渡される。コードキャスト[_search]と、アルファとベータのトリガーコードだ。
 最後に、ハセヲが持つ『薄明の書』が岸波白野に手渡される。シノンの件に関するせめてもの詫びだと、ハセヲは言った。


 データドレインがインストールされると言われる『薄明の書』……いずれ、岸波白野が使う時が来るのだろうか。
 そうなったら、この肉体(アバター)はどうなるのか。対象のデータを改竄し、そして使い手すらも破壊する可能性がある力に耐えられるのか。
 ……いや、関係ない。みんなは命を懸けて戦っているからには、岸波白野も覚悟を決めるべきだ。
 例えその果てにどんな未来が待ち構えていようとも。

「アーチャー、黒雪姫のことを頼んだわよ。
 それと黒雪姫。本当ならあたしも行きたかったけど……あたしはこっちで頑張るからね」
「また巡り会えることを信じているぞ、ブラックローズ。
 カイト君達と共に、謎を解き明かしてくれ。私達の手で、デスゲームの謎を解き明かそう」
「んじゃ、そろそろ行きますとしますか」

 黒薔薇の騎士団は別れを告げる。再び巡り会えることを信じながら。
 そうして、ハセヲ達四人は学園の警備の為に、この場から去った。

「えっと、その……カイト、よね?」
「ウ#」
「あたしのことをどれだけ知っているのかわからないけど、よろしくね?」
「ヨ%*ク」

 ブラックローズは目の前にいるカイトに戸惑いながらも、握手を交わした。
 やはり、ここにいるカイトの存在を彼女は知らなかったのだろう。このカイトが生み出されたのはモルガナ事件の後だから、ブラックローズにとっては未来人に等しい。
 そもそも、大切な仲間と同じ姿をしている存在にどう向き合えばいいのか……そんな疑問だって抱いているはずだ。
 けれども岸波白野達がブラックローズの助け舟となり、そして少しでも絆を深められるようにするべきだ。

「奏者よ、共に行こう。
 例えこの迷宮がどれだけ変わっていようとも、騎士団ならば突破できぬ訳がない。
 王として先陣を切ってみせようぞ!」
「ご主人様と共にいられるのなら、例え黄泉路や虚数の海だろうと乗り越えてみせますとも。
 いかな魑魅魍魎が相手になろうと、この私めにとっては赤子も同然ですから」

 セイバーとキャスターの心強い言葉が胸に響く。
 行こう、と。カイトとブラックローズに声をかける。
 かつて幾度となく攻略した迷宮に、再び突入する時がやってきた…………



  Mission Start
――Go to Dungeon――


     4◆◆◆◆



 俺は今、どうすればいいのか悩んでいた。
 みんながデスゲーム打倒の為に動いているのに、俺はただ待っているだけ…………それで本当にいいのか、疑問だった。


 ドッペルゲンガーって奴が現れるタイミングの変動するシステムは、殺人ウイルスと同じだとレオは推測した。
 つまり、キルスコアを稼いでいる奴ほど出現が遅れて、逆に俺みたいに誰も殺していない奴から優先して狙われる仕組みだ。
 それへの対抗策は、学園の警報システムとキリトや黒雪姫みたいに戦えるプレイヤーだ。
 でも、もしも何の前触れもなく姿を現したら、対抗ができるのか?
 …………考えるまでもない。戦えない俺だったら、何もできずに殺されるだろう。


 こうしていると、つくづく自分の力の無さが嫌になる。
 俺よりもずっと年下のニコですらも、あのスミスを相手に一歩も引かずに立ち向かったのに。


「ジローさん、心配ですか?」
「…………そりゃそうだろ。
 みんなが頑張っているのに、俺だけが何もしないなんて……」
「それは違いますよ」
「えっ?」
「帰りを待っている人がいる……それだけでも、励みになるものですよ?」

 無力感に打ちひしがれそうになるが、そんな俺にレオは言葉を投げかけてくれる。

「皆さんも、僕も……ジローさんのように何度も失いました。
 けれど、その度に互いに励まし合っているのです。ジローさんだって、キリトさんを励ましてくれたでしょう?
 だからこそ、キリトさんは立ち上がれました」
「でも、それはユイちゃんが……」
「確かにユイが主な支えでしょう。けれど、キリトさんはレンさんのことをあなたに伝えようと必死になってた。
 そして、あなたに伝えられられた時、肩の荷が少し降りたはずです」
「……………………」
「ですからジローさん。
 今は皆さんの無事を祈りましょう。そして、皆さんの帰りを迎えてあげて下さい」

 俺には何もない。それは事実だ。
 けれど、そんな俺をレオは認めてくれた。大切な人を失ったキリトの支えであると、言ってくれた。
 もしかしたら、ニコにとっての支えにもなっていたのか?


 キシナミやキリト達がいなくなって、急に学園内が広くなったように感じる。
 不安はある。まだPKが残っているのもあるし、何よりも『オレ』のこともあった。

「なぁ、桜。
 君は確か俺達のことなら何でも知っているんだよな。だったら……『オレ』のことも知っているのか?」

 だからこそ、俺は桜に尋ねる。

「はい。私は健康管理のAIですから、ジローさんのことだって全て知っていますよ。
 けれども、ジローさん自身に影響を与えることはできません。私に与えられているのはステータス面及び、学園外への強制転移だけです」
「そっか……やっぱり、そうだよな」
「ごめんなさい、お力になれなくて」
「いいや、むしろ大丈夫だよ。
 俺のことを心配してくれるだけでも、凄く嬉しいし」
「ありがとうございます。
 それと、もう一つ……自分のことを気にかけてくれる人がいることって、実はとっても素晴らしいことなんですよ。
 辛い時に助けを求めても、誰も気付いてもらえずに忘れ去られてしまう……そうなると、誰でも心細くなっちゃいます。
 けれどそんな時、声をかけてくれたり、見つけてくれたりする人が一人でもいる。それだけでも、精神的に元気いっぱいになれちゃいますから」

 桜は微笑んでくれた。まさしく、春に咲く桜の花のように、全ての人を穏やかにしてしまいそうだ。


 ……そっか。待ってくれている人がいるって、こういうことか。
 パカには振り回されたけど、共に過ごした日々は実に充実していた。
 金持ち独特の価値観に困惑した時もあったけど、パカ自身の根は子供のように無邪気だった。
 いつからか、彼女のことで頭がいっぱいになって、そして彼女の為ならば何でもするという使命感すら芽生えてしまう。
 そうしてお互いに支え合うようになり、彼女のいる場所こそが俺の帰る場所にもなっていた。


 ならば、今は俺がみんなの居場所を守らなければいけない。
 戦えない俺が……いや、力を持っていない俺だからこそ、日常の尊さはよく知っているつもりだから。
 ニコの日常には、ニコにとって大切な人達がたくさんいる。黒雪姫やシルバー・クロウのように。
 その人達にニコのことを伝える為にも、俺は死ぬ訳にはいかなかった。



 やる気が 3上がった
 こころが 4上がった
 信用度が 5上がった




【B-3/日本エリア・月海原学園/一日目・夜】



【チーム:黒薔薇の対主催騎士団】
[役員]
会長 :レオ・B・ハーウェイ
副会長:ブラック・ロータス
書記 :ユイ
会計 :蒼炎のカイト、キリト
庶務 :岸波白野
雑用係:ハセヲ、ジロー、ブラックローズ
[チームの目的・行動予定]
基本:バトルロワイアルの打破。
1:(レオの)理想の生徒会の結成。
2:ウイルスに対抗するためのプログラムの構築。
3:デスゲーム及びクビアの対策を練る。
4:危険人物に警戒する。
[現状の課題]
0:ダンジョンを攻略しながら学園を警備する。
1:ウイルスの対策
2:危険人物及びクビアへの対策
3:アリーナ及びプロテクトエリアの調査(ただし、これはどちらかに集中させる)
4:【プチグソレース:ミッドナイト】のイベントクリア
[生徒会全体の備考]
※番匠屋淳ファイルの内容を確認して『The World(R:1)』で起こった出来事を把握しました。
※レオ特製生徒会室には主催者の監視を阻害するプログラムが張られていますが、効果のほどは不明です。
※セグメントの詳細を知りましたが、現状では女神アウラが復活する可能性は低いと考えています。
※PCボディにウイルスは仕掛けられておらず、メールによって送られてくる可能性が高いと考えています。
※エージェント・スミスはオーヴァンによって排除されたと考えています。
※次の人物を、生徒会メンバー全員が危険人物であると判断しました。
オーヴァン、フォルテ、ダスク・テイカー。
※セグメントを一つにして女神アウラを復活させても、それはクビアの力になるだけかもしれないと仮説を立てました。
※ドッペルゲンガーの出現のタイミングはウイルス発動と同じで、キルスコアを稼いでいないプレイヤーから優先的に狙われると推測しています。

【Aチーム:ダンジョン【月想海】攻略隊】


【岸波白野@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP70%(+150)、データ欠損(小)、令呪二画、『腕輪の力』に対する本能的な恐怖/男性アバター
[装備]:五四式・黒星(8/8発)@ソードアート・オンライン、{男子学生服、赤の紋章}@Fate/EXTRA
[アイテム]:{女子学生服、桜の特製弁当、コフタカバーブ、トリガーコード(アルファ、ベータ)}、コードキャスト[_search]}@Fate/EXTRA、{薄明の書、クソみたいな世界}@.hack//、{誘惑スル薔薇ノ滴、途切レヌ螺旋ノ縁、DG-0(一丁のみ)、万能ソーダ、吊り男のタロット×3、剣士の封印×3、導きの羽×1、機関170式}@.hack//G.U.、図書室で借りた本 、noitnetni.cyl_1-2、エリアワード『虚無』、不明支給品0~5、基本支給品一式×4
[ポイント]:0ポイント/2kill
[思考]
基本:バトルロワイアルを止める。
1:カイトとブラックローズ、そしてユイと共にダンジョンを攻略する。
2:主催者たちのアウラへの対策及び、ウイルスの発動を遅延させる“何か”を解明する。
3:榊の元へ辿り着く経路を捜索する。
4:エルディ・ルーの地下にあるプロテクトエリアを調査したい。ただし、実行は万全の準備をしてから。
5:危険人物を警戒する。
6:カイトは信用するが、〈データドレイン〉は最大限警戒する。
[サーヴァント]:セイバー(ネロ・クラディウス)、キャスター(玉藻の前)
[ステータス(Sa)]:HP100%、MP100%、健康
[ステータス(Ca)]:HP100%、MP100%、健康
[備考]
※参戦時期はゲームエンディング直後。
※岸波白野の性別は、装備している学生服によって決定されます。
学生服はどちらか一方しか装備できず、また両方外すこともできません(装備制限は免除)。
※岸波白野の最大魔力時(増加分なし)でのサーヴァントの戦闘可能時間は、一騎だと10分、三騎だと3分程度です。
※アーチャーとの契約が一時解除されたことで、岸波白野の構成データが一部欠損しました。
※エージェント・スミスに上書きされかかった影響により、データの欠損が進行しました。
またその欠損個所にデータの一部が入り込み、修復不可能となっています(そのデータから浸食されることはありません)。


【ユイ@ソードアート・オンライン】
[ステータス]:HP100%、MP60/70、『痛み』に対する恐怖、『死』の処理に対する葛藤/通常アバター、サチ/ヘレンに対する複雑な想い、オーヴァンやフォルテへの憎しみ
[装備]:空気撃ち/三の太刀@Fate/EXTRA
[アイテム]:セグメント3@.hack//、第二相の碑文@.hack//G.U.、桜の特製弁当@Fate/EXTRA、基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/0kill
[思考]
基本:パパとママ(キリトとアスナ)の元へ帰る。
0:ハクノさん達と共にダンジョンを攻略する。
1:対主催生徒会の会計として、ハクノさん達に協力する。
2:『痛み』は怖いけど、逃げたくない。
3:また“握手”をしてみたい。
4:『死』の処理は……
5:ヒースクリフや、危険人物を警戒する。
6:シノンさんとはまた会いたい。
7:私にも、碑文は使えるだろうか……。
8:サチ/ヘレンさんの行いは許せないけど、憎まない。
9:オーヴァンやフォルテのことは絶対に許さない。
[備考]
※参戦時期は原作十巻以降。
※《ナビゲーション・ピクシー》のアバターになる場合、半径五メートル以内に他の参加者がいる必要があります。
※リーファを殺害したのはラニ=Ⅷであるかもしれないことを知りました。
※サチ/ヘレンとキリトの間に起こったことを知りましたが、それを憎むつもりはありません。


【蒼炎のカイト@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP80%、SP80%、PP100%
[装備]:{虚空ノ双牙、虚空ノ修羅鎧、虚空ノ凶眼}@.hack//G.U.
[アイテム]:基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/1kill
[思考]
基本:女神AURAの騎士として、セグメントを護り、女神AURAの元へ帰還する。
1:岸波白野に協力し、その指示に従う。
2:ユイ(アウラのセグメント)を護る。
3:エクステンド・スキルの事が気にかかる。
[備考]
※蒼炎のカイトは装備変更が出来ません。
※エージェント・スミスをデータドレインしたことにより、『救世主の力の欠片』を獲得しました。
それにより、何かしらの影響(機能拡張)が生じています。


【ブラックローズ@.hack//】
[ステータス]:HP60%
[装備]:紅蓮剣・赤鉄@.hack//G.U.
[アイテム]:基本支給品一式、{逃煙連球}@.hack//G.U.、エリアワード『絶望の』、ナビチップ「セレナード」@ロックマンエグゼ3、ハイポーション×3@ソードアート・オンライン、恋愛映画のデータ@パワプロクンポケット12、ワイドソード@ロックマンエグゼ3、noitnetni.cyl_3
[思考]
基本:バトルロワイアルを止める。
1:カイト達と共にダンジョンを攻略する。
※時期は原作終了後、ミア復活イベントを終了しているかは不明。


【Bチーム:学園警備】


【キリト@ソードアート・オンライン】
[ステータス]:HP85%、MP90%(+50)、疲労(大)、深い絶望、ALOアバター
[装備]:{虚空ノ幻、虚空ノ影、蒸気式征闘衣}@.hack//G.U.、小悪魔のベルト@Fate/EXTRA、{ダークリパルサー、ユウキの剣、死銃の刺剣}@ソードアート・オンライン
[アイテム]:折れた青薔薇の剣@ソードアート・オンライン、黄泉返りの薬×1@.hack//G.U.、桜の特製弁当@Fate/EXTRA、不明支給品0~1個(水系武器なし) 、基本支給品一式
[ポイント]:0ポイント/0kill
[思考・状況]
基本:みんなの為にも戦い、そしてデスゲームを止める。
0:今はハセヲやロータスと共に学園を守る。
1:ユイのことを……絶対に守る。
2:ハセヲやロータスと共にオーヴァンと戦う。
[備考]
※参戦時期は、《アンダーワールド》で目覚める直前です。
※使用アバターに応じてスキル・アビリティ等の使用が制限されています。使用するためには該当アバターへ変更してください。
SAOアバター>ソードスキル(無属性)及びユニークスキル《二刀流》が使用可能。
ALOアバター>ソードスキル(有属性)及び魔法スキル、妖精の翅による飛行能力が使用可能。
GGOアバター>《着弾予測円(バレット・サークル)》及び《弾道予測線(バレット・ライン)》が視認可能。
※MPはALOアバターの時のみ表示されます(装備による上昇分を除く)。またMPの消費及び回復効果も、表示されている状態でのみ有効です。


【ハセヲ@.hack//G.U.】
[ステータス]:HP70%、SP75%、(PP100%)、3rdフォーム
[装備]:{光式・忍冬、死ヲ刻ム影、蒸気バイク・狗王}@.hack//G.U.
[蒸気バイク]
パーツ:機関 110式、装甲 100型、気筒 100型、動輪 110式
性能:最高速度+2、加速度+1、安定性+0(-1)、燃費+1、グリップ+3、特殊能力:なし
[アイテム]:基本支給品一式、{雷鼠の紋飾り、イーヒーヒー}@.hack//、大鎌・首削@.hack//G.U.、フレイム・コーラー@アクセル・ワールド、{FN・ファイブセブン(弾数10/20)、光剣・カゲミツG4}@ソードアート・オンライン、式のナイフ@Fate/EXTRA、ダガー(ALO)@ソードアート・オンライン、{プリズム、アンダーシャツ}@ロックマンエグゼ3、???@???、{H&K MP5K、ルガー P08}@マトリックスシリーズ、ジョブ・エクステンド(GGO)@VRロワ
[ポイント]:0ポイント/2kill
[思考]
基本:
0:今はキリトや黒雪姫と共に学園を守る。
1:ダンジョンの謎を解き明かした後、オーヴァンを絶対に止めてみせる。
[備考]
※時期はvol.3、オーヴァン戦(二回目)より前です。
※設定画面【使用アバターの変更】の【楚良】のプロテクトは解除されました。


【ブラック・ロータス@アクセル・ワールド】
[ステータス]:HP80%/デュエルアバター 、令呪一画
[装備]:なし
[アイテム]:基本支給品一式、不明支給品1~3、{エリアワード『絶望の』}@.hack//、{インビンシブル(大破)、サフラン・ハート、サフラン・ヘルム、サフラン・ガントレット、サフラン・アーマー、サフラン・ブーツ}@アクセル・ワールド、破邪刀@Fate/EXTRA、死のタロット@.hack//G.U.、ヴォーパルの剣@Fate/EXTRA
[思考]
基本:バトルロワイアルには乗らない。
0:今はキリトやハセヲと共に学園を守る。
1:ハルユキ君やニコの仇を取る為にも、キリト君やハセヲ君と共にオーヴァンを打倒する。
[サーヴァント]:アーチャー(ロビンフッド)
[ステータス]:ダメージ(中)、魔力消費(中)
[備考]
時期は少なくとも9巻より後。


【レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ@Fate/EXTRA】
[ステータス]:HP100%、MP45%、令呪:三画
[装備]:なし
[アイテム]:{桜の特製弁当、番匠屋淳ファイル(vol.1~Vol.4)@.hackG.U.、{セグメント1-2}@.hack//、基本支給品一式
[ポイント]:200ポイント/2kill [思考・状況]
基本行動方針:会長としてバトルロワイアルを潰す。
1:魔力の回復に努めると同時に、ウイルスへの対策プログラムを構築する。
2:他の生徒会役員となり得る人材を探す。
3:当面は学園から離れるつもりはない。
[サーヴァント]:セイバー(ガウェイン)
[ステータス]:HP110%(+50%)、MP100%、健康、じいや
[装備] 神龍帝の覇紋鎧@.hack//G.U.
[備考]
※参戦時期は決勝戦で敗北し、消滅した後からです。
※レオのサーヴァント持続可能時間は不明です。
※レオの改竄により、【神龍帝の覇紋鎧】をガウェインが装備しています。
※岸波白野に関する記憶があやふやになっています。また、これはガウェインも同様です。
※ガウェインはサチ(ヘレン)の身に起きたことを知りました。


【ジロー@パワプロクンポケット12】
[ステータス]:HP100%、深い悲しみと後悔/リアルアバター
[装備]:DG-0@.hack//G.U.(4/4、一丁のみ)
[アイテム]:基本支給品一式、ピースメーカー@アクセル・ワールド、非ニ染マル翼@.hack//G.U.、不明支給品0~2(本人確認済み)
[ポイント]:0ポイント/0kill
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。
0:ニコ……………。
1:今はみんなと一緒に行動する。
2:ユイちゃんの事も、可能な限り守る。
3:『オレ』の言葉が気になる…………。
4:レンのことを忘れない。
5:みんなの為にも絶対に生きる。
[備考]
※主人公@パワプロクンポケット12です。
※「逃げるげるげる!」直前からの参加です。
※パカーディ恋人ルートです。
※使用アバターを、ゲーム内のものと現実世界のものとの二つに切り替えることができます。


【気魂香@.hack//G.U.】
 購買部にて購入。新しく追加された商品の一つ。
 使用すれば味方全員のSPを50回復する。
 当ロワでは契約したサーヴァントにも適応される。


123:convert vol.3 to vol.4 投下順に読む 125:そして船は行く
123:convert vol.3 to vol.4 時系列順に読む 125:そして船は行く
122:ナミダの想い~obsession~ ハセヲ 128:迷宮GO! GO! GO!
ブラックローズ
ブラック・ロータス
レオ・B・ハーウェイ
キリト
119:対主催生徒会活動日誌・18ページ目(帰還編) 岸波白野
ユイ
蒼炎のカイト
ジロー

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最終更新:2017年02月12日 08:28