【リハック対談】ニセコ町長不在の予算議論!議員の疑問と町役場の反論、そして「変人」論争!?
北海道ニセコ町。豊かな自然に恵まれたこの町で、予算を巡る熱い議論が交わされました。YouTubeチャンネル「リハック」で公開された対談動画では、町議会議員である前原光博氏が、ニセコ町の財政状況について様々な疑問を投げかけ、それに対し、町役場がメールで修正点を送り返すという異例の展開となりました。
さらに、この対談には、ニセコ町の片山健也町長が出演を辞退。リハックの高橋氏のオファーを「遠慮しとく」と断ったことで、議論は思わぬ方向へと進みます。果たして、何が議論を白熱させたのでしょうか?
議論の火種は「ニセコ町の財政状況」
事の発端は、前原氏が提起したニセコ町の財政状況に関する疑問でした。
- 税収10億円に対し、歳出100億円!?
- 人口あたりの公共施設面積は平均の5倍!?
- 隣の倶知安町と比較して財政状況は異常!?
前原氏のこれらの指摘に対し、ニセコ町役場は、「事実誤認がある」として、リハック宛にメールを送信。具体的には、人口あたりの公共施設面積が平均の5倍という点について、「どのデータを基にしているのかわからない情報」と反論しました。
しかし、ここで驚きの事実が発覚。前原氏は、「ニセコ町の公共施設等総合管理計画に書いてあった」と主張。実際に資料を確認したところ、人口1人当たりの公共施設の延床面積は、全国平均の約5.4倍であることが判明しました。
町長不在の議論…何が問題なのか?
ここで浮上したのが、片山町長の「不在」という問題です。リハックの高橋氏は、町長に複数回出演をオファーしたものの、「遠慮しとく」との返答だったことを明かしました。
この事態に対し、ゲスト出演していた元安芸高田市長の石丸伸二氏は、以下のように苦言を呈しました。
- 議員から問題提起されているのだから、町長自ら説明責任を果たすべき
- 全国を巻き込んだ議論の場であるにも関わらず、出演を拒否するのは理解できない
- 町長が不在のまま議論を進めるのは、高橋氏が町長を蚊帳の外に置いていると捉えられかねない
石丸氏は、二元代表制の長として、町長が出演し、自らの言葉で説明することの重要性を強調しました。
財政問題の本質は「随意契約」と「甘い過疎債」?
議論はさらに、ニセコ町の公共事業における「随意契約」と「過疎債」の問題へと発展しました。
前原氏は、公共事業の発注において、民間企業よりも割高な「自治体価格」が存在することを指摘。これは、競争原理が働かない随意契約が多用されていることが原因だと主張しました。
さらに、過疎債についても、「7割交付金が帰ってくる」という甘い言葉に惑わされ、3割の自腹を切っていることに警鐘を鳴らしました。これは、高利貸しと変わらないとまで言い切りました。
石丸氏も、前原氏の意見に賛同し、「事業の必要性を吟味せずに、過疎債に頼るのは危険」と指摘。
議員報酬は高いのか?
前原氏は、自身の議員報酬についても問題提起しました。月20万円弱の報酬に対し、出勤日数が少ないことを指摘し、「コスパが良い」と発言。
これに対し、町役場は「新年会の飲食費は議員会費から出ている」と反論しましたが、前原氏は「議員会費も元は税金である」と主張。
この問題について、石丸氏は、「議員報酬そのものではなく、仕事量とのバランスに問題があるのではないか」と指摘しました。
議論の核心:「変人」論争!?
議論の最後に、高橋氏がニセコ町民に「前原さんはどんな人か?」と尋ねたところ、「変な人」という回答が多かったことを明かしました。
これに対し、高橋氏は以下の2つの解釈を示しました。
- 本当に「変な人」なのか?
- 町民から見ると「変な人」に見えるのか?
高橋氏は、前原氏のような意見を述べることは、閉鎖的な地域社会では「変な人」と見なされる可能性もあると指摘しました。
前原氏自身も、海外生活が長かったため、日本の「甘い」体質に馴染めない部分があると自己分析しました。
石丸氏は、今後の展開について、以下のように期待を込めました。
- 執行部側からの反論を期待
- 二元代表制の意義を改めて認識すべき
- 地方議会のお金の使い道について議論が深まることを期待
- 首長は議員と対立するのではなく建設的な議論を行うべき
まとめ:対話こそが地方政治を良くする鍵
今回のリハック対談は、ニセコ町の財政問題を浮き彫りにするとともに、地方政治における二元代表制のあり方、そして、議論の重要性を改めて認識させられる内容となりました。
町長が出演を辞退したこと、随意契約や過疎債の問題、議員報酬に関する議論、そして「変人」論争…。様々な問題が浮き彫りになった今回の対談。今後のニセコ町政がどう変わっていくのか、注目が集まります。
今回の騒動を受けて、高橋氏は、X(旧Twitter)で、石丸氏の発言を引用し、「公共施設の面積人口は平均の5倍というのはニセコ町の公共施設と総合管理計画にある数字です。どのデータを元にしているのか分からない情報という町の指摘について片山健也町長にご教示をお願いしたいです。」とコメントしました。
石丸氏のポストに対し、ニセコ町長がどのような反応を見せるのか、そして、この議論がニセコ町、そして日本の地方政治にどのような影響を与えるのか、今後の動向から目が離せません。