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空海
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日本が生んだ比類なき偉人
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「空海の風景」を旅する
NHK取材班

よみがえる等身大の空海像。NHKって確かにすごい、かも。
2006.6.13
司馬遼太郎「空海の風景」をドキュメントで映像化した番組の製作記録。
「プロの仕事」の現場
疋田智という人がいます。自ら「自転車ツーキニスト」と名乗る現役のTVディレクターで、自転車に乗ることで見えてくる色んな事実や、紀行文、論考、エッセイなどを書いている人ですが、その彼が、「視聴者をナメている」ような番組をつくっている同業者に対して、「NHKの教育テレビでも見て、「プロの仕事」というものをしっかり学んで欲しい」というようなことを書いていました。そのNHKによる「プロの仕事」が出来ていく様子がありありと分かってしまう本。本の主旨とは関係ないところで圧倒されてしまう。
現在に生きる「お大師さん」と、時代の寵児「空海」
「風景」は高野山に限らない。「お遍路さん」の四国の話も多い。地元の人々にとって、(弘法)大師さんは今も生きている。地元の人とのやり取りは「いい話」で一杯です。
その一方で、遣唐使として長安に赴いた空海が、世界最先端の思想である密教二派の第八代正当後継者として秘儀を受け、日本に持ち帰り、更に二派を統合して一つの思想体系にまとめ上げていく過程を、説得力のある積み重ねで心理面まで再現していきます。
DVD発売希望
視聴料で揉めてなんかないでさっさと有料チャンネルにすればいいのに。今でも有料なんだから。それとも自信を持ってシェアウェアにすればいい。それなら僕は見て払うよ。年に1万円くらいならいいかな。それじゃ足りないっていうんなら、ハリウッドみたいにワンソースマルチユースにすればいい。僕はこの「「空海の風景」を旅する」がDVD化されたら買うよきっと。
- 中公文庫(2005/8/26)
オリジナルはA5版
2006.12
この本は文庫ですが、A5のハードカバーがオリジナル(上下2巻)。カラー写真も入っていたりするのですが、文庫本の携帯性が「旅」を感じさせて気分が出ます。
DVD発見
DVDはどうやら発売されている。ただし高価だ。うーん、中国旅行に行くと思えば格安なんだが...
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空海 言葉の輝き
竹内信夫(選,著),永坂嘉光(写真),高岡一弥(アートディレクション)

ナイスなコラボレーション。グッジョブ!美しい言葉たちが詰まった美しい本。
2007.1
内容(「MARC」データベースより)
弘法大師空海ご入唐1200年。時は過ぎ、世は変わっても、今も人の心に生きて輝く空海の言葉と高野の映像を収める。空海の原文、読み下し文、現代語訳、解説文を付す。
「筆を選ばず」と言われた弘法大師空海は詩文もまた美しかった。その詩文に込めた意味を文字の見た目でも表現する為にこそ大師は書の修行もし、自由闊達な書の腕を驅使したとも言われています。だとすると、この本は大師に忠実なやり方でその詩文を編んだものと言えそうです。
竹内氏が詩を選び、読み下し、現代語訳、解説文を付す。永坂氏が高野山の写真を提供し、高岡氏がそれらを最高の組版で一つにする、という按配。普通の活字で読むより、グッとイメージが膨らみます。
「コラボレーション」というのは安直な共同作業が多くて私は大体敬遠するのですが、これなら納得。敬意を表して各氏の紹介を転載しておきます。
(「BOOK著者紹介情報」より)
- 竹内 信夫
- 1945年、アメリカ軍空襲下の大阪に生まれ、ために故郷四国に移り住む。以後、東京、パリ、北京に住み、その間にアルジェ、ミュンヘン、ソウル、ローマ、上海、西安、杭州、ベルリン、ウィーン、プラハ、ニューヨーク、ボストン、ヴァンクーヴァ、長春などを訪れ、それらの都市を愛する。1996年秋から97年春に高野山に滞在、『空海入門―弘仁のモダニスト』(筑摩新書)を書く。現職は東京大学大学院(総合文化研究科)教授。フランス近代詩、東アジア比較文化論、日本悉曇学史の研究を専門とする。モーリス・パンゲ『自死の日本史』(筑摩書房)で第四回渋沢・クローデル賞受賞
- 永坂 嘉光
- 1948年、和歌山県高野山生まれ。1970年頃から三〇年にわたって高野山をライフワークに撮影。宗教と文化をテーマに日本の各地やアジア各国を取材。東京写真文化館で『永遠の宇宙』個展。アメリカ最古のウェストン・ギャラリーで個展開催。2003年中国での弘法大師の足跡を取材中
- 高岡 一弥
- 1945年、京都府生まれ。アートディレクター。数々の広告を手がける。『彼方へ』『東京LIVING WITH AIDS & HIV』等、展覧会イベントを主催。日宣美展特選、日本グラフィックデザイン展金賞、講談社出版文化賞受賞、他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- ピエブックス (2003/05)
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空海
河出書房新社(編)
空海入門はこれがベスト。
2006.12.19
内容(「MARC」データベースより)
中沢新一へのインタヴュー「最後の空海、未来の空海」や前田英樹へのインタヴュー「潜在性のマテリアリスト」、司馬遼太郎と福永光司との対談、空海に関する論考などを収録。世界的な思想家として空海をとらえなおす。
私の知る限り唯一最良の「入門」書。ただし中沢新一はさすがにちょっとアレです。
「入門書」には2種類ある
「入門」書と云ふのは多くの場合「概説」或ひは「要点解説」と混同されてゐて、前者、即ち入門書はこれから何かを学ぼう・考えよう・行動しようとする際の出発点で在るべきなのに対し、後者はそれ一冊で取り敢えず事足りるとするものですから目指す方向は全く逆です。
「知らない事が分かる」本
本書は確実に前者の「入門」書。これ一冊ではどうにも収まらない広がりが察せられる様に出来てゐる。次への手掛りも幾つかは示されてゐる。執筆陣自身が未だ研究途上で在ると云ふスタンスで書ひてゐる。其うして空海に尽いて益々興味が持てると云ふ寸法。空海に付ひての「?」を自分なりに発見出来ます。
執筆は中村元ほか(中沢新一氏が冒頭に入つてゐるのには参る)。司馬遼太郎氏が対談で入っているのに対し、梅原猛氏が入っていないのが面白い。
- 河出書房新社(2006/1/21)
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空海コレクション1
頼富本宏 (翻訳),宮坂宥勝
どう考えてもお値打ち品。こんなんアリなの?
2007.1
空海最高の美文といわれる「秘蔵宝鑰」が収録されているので購入。文庫本は傷み易いので出来るだけ買わないのですが、今回は文庫本故のあまりの安さに寝返り。
「秘蔵宝鑰」は「秘密曼荼羅十住心論」の精髄を略述したとされていますが、文豪空海ですから「十住心論」に余分な言葉など無かったはず。別に著す意味があったはずなのです。まそんな事より、美文を味わうのが目的なんですが。ジュルル。
「弁顕密二教論」も収録。ちなみに「空海コレクション2」は「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」「般若心経秘鍵」「請来目録」を収録。今まで色々探し回ったのは一体何だったんだろうって程のお値打ち品です
- 目次
- 秘蔵宝鑰
- 弁顕密二教論
- ちくま学芸文庫(2004/10/7)
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般若心経秘鍵
空海(著),金岡秀友(編・現代語訳)
空海による般若心経の密教的解釈。
即身成仏義
空海(著),金岡秀友(編・現代語訳)
この身このままで仏に成る、とは。
類書は様々ありますが
- 現代語訳の意味が分かりやすい。
- 見開き1セクションで漢文、書き下し文、註も一度に見れる。
- 携帯できるサイズ
ということでこのシリーズを選びました。
「般若心行秘鍵」からのリンク
- 謝 世輝「日本近代二百年の構造」(講談社現代新書)
詳細
般若心経秘鍵
- 出版社: 太陽出版
- ISBN-10: 4884690699
- ISBN-13: 978-4884690694
- 発売日: 1986/06
即身成仏義
- 出版社: 太陽出版
- ISBN-10: 4884690621
- ISBN-13: 978-4884690625
- 発売日: 1985/07
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「三教指帰」「精霊集」
日本古典文学大系(岩波書店)71
空海が好きになると精霊集が読みたくなる。
2007.1
欠品だったのを、amazonでキーボさんが出品したものをゲット。漢文と読み下し文。現代文は無し。活字はこの年代のものにしては結構読みやすい。
山を自由に走り回って瞑想や空想を大自然に問いかけていた青年の姿を見てみたい。
- 岩波書店 (1965)
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空海の夢
松岡正剛
刺激はある。しかし結論はあるのか...
2007.1
内容(「BOOK」データベースより)
“日本”をプログラムした神秘の密教者、空海。その謎と現在性に圧倒的なイメージで迫る。
「好い本じゃん」と思って買ったら良く見たら松岡正剛"じゃん。千夜千冊"(しかも今は放蕩編なんだって。トップページでタバコ吸ってるよ。)っていうチョー値打ちこいだ嫌味なスノビッシュ書評サイト書いてる奴じゃん。やられたー。
気づいてみたら確かに同サイトと同じ匂いがするなー。「僕はこの文脈からこんなことまで連想しちゃうんだよねー、これって○○の△△論では××って呼んでたもんだし、□□にとっての問題意識でもあった...」てな具合。そうですか。ちょっと飛躍しすぎじゃないですか。根拠も書いてないし。2chだったら即「ソースキボンヌ」の嵐ですよ
松岡先生いわく人間すべからく日常これ編集なんだそうです。うーん、元になるソースコード書いてくれなきゃ困るんだけどな。動くやつ。
- 目次
- つらつらと連想ゲームをしてそうな目次立てではある。
- 空海の夢
- 生命の海
- 言語の一族
- 密教の独立
- 仮名乞児の反逆
- 東洋は動いている
- 意識の進化
- 遊山慕仙
- 陰と陽
- 方法叙説 ほか
- 春秋社:新版版 (2005/12)
空海