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日本仏教の歩み

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日本仏教の歩み


歴史上の名僧とその著作を中心に。


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日本仏教の創造者たち

ひろ さちや

「仏教ライター」の楽しい仏教講義

2008.1
内容(「MARC」データベースより)
空海、法然、親鸞、道元、日蓮…。わが国の仏教史は多くの名僧たちの歴史である。ブディズム・ライターを自認する著者が難解な教義を鮮やかに解り易く解き明かす。

例えば、
  • 仏教は宗教というより『仏道』
  • 本来、仏教に異端はあり得ない
  • 念仏は仏という親元への電話
などなど。専門書では出てこない言葉が一杯。

紹介されている名僧
最澄
  • 空海と共に日本仏教の基礎を築いた功労者
空海
  • 仏教史2500年の中でも飛びぬけた天才の一人。仏教体系を完成。
法然
  • 専修念仏という新説。至って大らか。念仏唱えりゃみな仏。
親鸞
  • 専修念仏という異端。偏屈。念仏唱える時は既に仏。
道元
  • 銘家生まれで根っから指導者。「皆が仏性を持つ」なら修行は要らんはず。と悩み悩んで禅の道へ。「苦行したら成仏できる」は誤解。もとから仏だから何でも修行。
日蓮

詳細
  • 224ページ
  • 出版: 新潮選書 (1994/08)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4106004631
  • ISBN-13: 978-4106004636
  • 発売日: 1994/08
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 1.8 cm
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最澄と空海
―日本人の心のふるさと

梅原猛

空海を知るには最澄を知るべし

2006.9
空海は、同時代の先輩格であり、エリートであった最澄との対比で見ることで、輪郭がより際立ってくる。二人は偶然にも同じ遣唐使団で唐に渡っている。最澄は国費で、空海は自費。まずは本書でこの辺の事実関係を押さえた上で、HNK取材班の「「空海の風景」を旅する」を読むのがオススメです。

この著者の文章は、他の著作もそうなのですが、何とも心が和みます。瀬戸内寂照さんが、「小説を書いたら私くらいにはなれる」と言ったとか何とかいう話もなるほどと思います。

なお、最澄の偉業を知りたい方は、本書の後に「三人の祖師―最澄・空海・親鸞」を読まれる事をお勧めします。

それぞれの彫りは浅いですが、まとめ或いは入門としては好いと思ひます。

  • 出版:小学館文庫 (2005/05)

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梅原猛著作集

三人の祖師―最澄・空海・親鸞

古代アジアに現れた比叡山というユニバーシティ

2006.7.22
出版社/著者からの内容紹介
三人の開祖たちの根本思想の最新研究成果
最澄、空海、親鸞、三人の開祖たちの実践、哲学・思想、人間像を深く掘り下げた梅原仏教研究の最新の成果を収載。親鸞の門弟であり、『歎異抄』の著者である唯円の出自と学識にも迫る。『歎異抄』の現代語訳も掲載。
あふれる情熱と豊かな想像力で真理を探究し、人間とは何か、日本とは何かを深く思索つづけてきた梅原猛。哲学、歴史、文学、宗教、芸術など既存の枠組を越える壮大でユニークな作品群は「梅原日本学」とも称され、多くの読者を獲得してきました。本著作集では、主要著作に、新たに書き下ろし作品「法然の哀しみ」を加え、「教育問題」「地球環境問題」「長江文明論」など、著者が全力で取り組んでいる最新のテーマ作品も網羅。

歎異抄、唯円から見た親鸞

この本の中で親鸞は、弟子が書いた「歎異抄」を通じて描かれています。しかしこの親鸞の紹介はどうにも煮え切らない。梅原氏の仕事としては珍しく詰めが感じられない。

下で紹介している「『歎異抄』入門」も著者は同じですから、詳しくはそちらでということになります。

仏教思想を完結し体現してみせた空海

一方、最澄が如何に日本仏教の発展に貢献したかということが緻密に立証されていきます。同時代の空海が孤高の光の世界に荘厳せられた生き神であったのに対して、やや年長で幼少時代から日本の将来を肩に背負っていたエリート親鸞は、完成された教義ではなく、仏の教えが将来に渡って刷新されて行くシステムを作ったと云うのが著者の評価です。

期待を背負い礎となった最澄

当時の日本ではあらゆる学問は僧が受け持っていた事を考えると、比叡山は一種のユニバーシティであったと云うのは著者の慧眼であると思ひます。最澄にそのつもりが有ったのか無かったのかに関わらず、その後の比叡山が、時代を画する名僧を次々と輩出することになったのは事実であります。

梅原氏に依る歎異抄全文現代語訳なども追録

単行本
もありますが、全集の方が出版が後で、幾分かの追録があるようです。ソフトカバーの携帯性を採るか、全集の保存性の良さ(ものによっては字組や装丁などの仕事の細かさ)を採るかは悩むところです。
詳細
  • 箱入りハードカバー710ページ
  • 小学館 (2002/05)

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梅原猛の『歎異抄』入門

梅原猛
内容(「BOOK」データベースより)
「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」。強烈なパラドックスを含むこの成句で有名な『歎異抄』。その一言一句から発せられる「毒」と「薬」は、時代や階層をを超え、人々の魂を揺り動かしてきた。親鸞の純粋なる信仰を、直弟子唯円が大胆率直に記述した『歎異抄』の魅力はと何か。わが国で最も優れた宗教書であると絶賛する著者が、その真髄をあまさず語る。法然と親鸞、親鸞と唯円という師弟関係を通して浮かび上がる独自の世界。道徳の延長ではない宗教の本質を抉る。原文と現代語訳、年表付きの決定版。

親鸞。狂気故に閑寂の中に身を置いた思想。

2006.4.13
歎異抄の入門書はあまた出ていますが、梅原氏は説教臭くは語らないし、学問一点張りでもなく、つまりご自分が生きる糧としても読まれている。その点で梅原氏は信用して良いのではないかと思ひます。


弥勒浄土論、極楽浄土論

松本文三郎

シルクロードから日本、広遠な視野がこの中に

2007.6
内容(「MARC」データベースより)
明治から昭和にかけて仏教学、インド哲学をリードした先駆者、松本文三郎の傑出した浄土論2篇を収める。古代アジアの歴史的文脈に即した経典、文献の鋭い読みによって、浄土思想を根底から解き明かす不朽の論考。

浄土思想はどのようにして今日に至るか

浄土とは何か、という本は数多有ります。色んな経典や歴史上の僧侶が極楽浄土をどう捉えているか、という本もあるでしょう。本書は、それらとは違い、浄土の思想が歴史上どのような変遷を経て今日に至っているかという本であり、しかも飽くまで著者自ら言っている様に、現代の問題を解決する為に書かれたものであります。

阿弥陀浄土の前に弥勒浄土あり

インド、中国、日本のいずれの地域でも、浄土の思想としてまず広まったのは弥勒浄土、即ち弥勒によってこの世が救われるという思想であって、時代を遡ると極楽浄土という記述は見つからないそうです。日本では丁度聖徳太子前後の時代のようでありますから、日本においてすら有史以降の事であります。

一方時代を下ると、「浄土」と言えば極楽浄土であるのは現代に至っても同じであります。すると当然に極楽浄土を理解しようとする者は、何故に極楽浄土が弥勒浄土を押しやったのか理解する必要が生じる訳ですし、その前提として弥勒浄土の思想とは何か、或いは「浄土」とはそもそも何を指してゐたのか等をまず知らねばならんという事になります。

この小冊子に雄大で連綿とした人々の営みが詰まっていると思うと心が躍る気が致します。

編集方針もなかなか

文語文で書かれた原稿を、旧字は新字に、カナは濁點つきの平仮名に改めての出版です。好い処を突いてくれるものです。お陰で格調を保ちつつ学の浅い私でもその内容に触れることができるのです。有り難い。

また、収録順は敢えて発表順とは逆になっています。

詳細
  • 出版:平凡社東洋文庫 (2006/2/14)
参考リンク
wikipedia「浄土」の参考文献に挙げられています。
松本文三郎
京都大学宗教学講座初代教授

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谿声山色—奥会津に見る正法眼蔵の世界

竹島 善一(写真)・遠藤 太禅(註釈)
2006.4
日本再発見のための写真集として買いました。まだ手をつけてません。
  • 出版社: 奥会津書房 (2005/12/20)

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