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西洋歴史

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ノルウェーの歴史

エイヴィン ステーネシェン
内容(「MARC」データベースより)
ヴァイキングによる遠征、デンマークとの確執、ナチス・ドイツによる占領、北海油田の発見など、氷河期から現代まで波瀾に満ちたノルウェーの歴史を描く。

ウ゛ァイキングの本当の姿を知るためのスタートに。

2006.1
私の書棚にある、ウ゛ァイキングシリーズの1冊。なお、ウ゛ァイキングのグリーンランド入植および北米への一時的な進出については、別に紹介している「文明崩壊」下巻で異様に詳細な記述があります。また、その頃のヨーロッパ全体の状況を知りたい場合は、これも別に紹介している「ヨーロッパの歴史」が役立ちます。

北欧=福祉先進国の理由

2007.6
歴史を振り返ってみると、北欧は欧州のはずれであり、その向こうには殆ど誰も住んでゐないと云ふ辺境の地であります。寒いし、日照時間も特殊。基本的にはずっと貧しかったそうなんです。ヴァイキングにしても、王が酷政を強いたが故に集団で移民したという側面があるようなのです。福祉大国は税率が高いというのは短所に見えますが、そんなどころじゃない、生きてるだけでも有り難いという時代が長かった。有史以来そうだったかもしれない。そして王政から民主制に代わり、ようやく人民による人民のための福祉を考えられる状況になった。そういうことらしいのです。北欧のデザインってかっこいいねーなんて言いながらそんな歴史も知っておいて良いのではないかと思うのです。

追記:されどジャガイモ

2007.6
(ここで紹介している本の内容ではありませんが)
ヴァイキングが地中海に達して同化し、航海術がローマの末裔に伝わったことから大航海時代が始まり、南北アメリカが「発見」される。最大の収穫は財宝なんかじゃなくて、イタリア人にとってはトマト、ドイツ人や北欧の人にとってはジャガイモだったんだと思います。ジャガイモのおかげで欧州の寒い地域はようやく飢えから開放されたそうなんです。先祖は旅立ち、巡り巡って帰ってきたのはジャガイモ、福祉国家が華開いた、というわけです。


併せて読むのがお勧め

北欧のアイデンティティ

内容(「BOOK」データベースより)
さまざまな時代の変遷と変化を被りながらも、「北欧的な」ものを際だたせ、また形成してきたアイデンティティとは何か。北欧諸語に散在する言語障壁。ヴァイキング時代に萌芽をみる権力と法の概念。北欧社会の基本構造としての家族像。スカンディナヴィア北欧の周縁部諸民族との文化の衝突等、「北欧性」をめぐる理念と北欧社会のアイデンティティを様々なテーマを通して叙述する。
出版
東海大学出版会 (1996/05)


こちらは考古学系

ヴァイキングの考古学

ヒースマン姿子
内容(「MARC」データベースより)
優れた航海、造船・武器製作技術をもち、8~11世紀に活躍したヴァイキングの略奪、移住、商業等々多彩な活動を考古学資料より捉え直す。豊富な写真・図版によって浮き彫りにされるヴァイキングの個性と情熱の世界。
出版
同成社 (2000/11)



「ヨーロッパの歴史」欧州共通教科書

フレデリック ドルーシュ

欧州の今を知るために

2006.1
満州事変を起こした張本人である石原莞爾が軍事を語る上で「けんかは何と言っても欧州が本場であります」と繰り返し感心している欧州。その欧州の大人たちが自分達の今を見つめ直し、人間の強さを子供たちに伝えるために書き上げた入魂の教科書。熱い想いに溺れること無く、敢えてクールに書き綴る姿勢が胸を打ちます。

改訂版


私が読んだのは上記の版ですが、数年後に改訂版が出ています。

「ヨーロッパの歴史」欧州共通教科書





岩波文庫(1989)

プロテスタンティズムと資本主義の精神

マックス・ウェーバー

内容(「MARC」データベースより)
営利の追求を敵視するピュリータニズムの経済倫理が実は近代資本主義の生誕に大きく貢献したのだという歴史の逆説を究明した画期的な論考。ヴェーバーが生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の出発点を画す。

近代の大切な古典。
グローバリズムがどこからやってきたのか、正体は既にこの中に。

2007.8
資本主義。理念、あるいは論理的可能性としての資本主義ではなく、現実に目の前に展開されている人々の活動から「資本主義」というものを明確に切り取って見せて、その輪郭を確定したのは本書であると言っていいと思います。というのも、資本主義という言葉が彼の創作ではなかったにせよ、本書以降、「資本主義」について議論する場合は本書が指す内容を以てその対象とされてきたからです。その意味では「共産主義」を生みだしたマルクス、エンゲルスでさえも例外ではなく、あくまで西欧知識人の一人であると言えます。

話は変わって、「親がなによりも成すべき大切な仕事は、子供に名前をつけることだ」という言葉を聞いたことがあります。名前をつけてこそ意味をもつものとして存在できると考えれば、確かにそうでしょう。

資本主義とプロテスタンティズムとの関係についての本書の指摘は、実証的にはほぼ反駁されつくしているとも聞きますが、それでも本書のストーリーを以てして始めて資本主義というものが腑に落ちるというあたりが古典の古典たる所以。やはり父は偉大であります。

グレたり泣いたり笑ったり。そうしてみんな大きくなったのです、というぐらいの重みがある本。

そして今や、神は死んでしまった...

買うんだったら

読むのがラクーなワイド版があるのだ。

ワイド版岩波文庫(1991)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

マックス ヴェーバー Max Weber (著), 大塚 久雄 (訳)



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