楓海

属性考察:風

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■属性考察:風


□風

6つある属性の内、最も弱いと目される属性、風。
それは何故なのでしょうか?
2005.12月現在風属性のモンスターカードは約135枚。内、効果なし通常モンスターの数は、約半数の65枚。
どの属性もそうなのですが、カードプールにおけるバニラモンスターの数はかなりを占めます。
大体の場合、効果のないものよりも多少なりとも効果があった方が有利なので、風属性として採用範囲内は約70枚となります。【もちろん《サファイアドラゴン》や《音速ダック》などあるが】
さて、この70枚の内訳を見てみることで、風属性は何故弱いのか、への導入としましょう。

鳥獣族   13枚
ドラゴン族 13枚
戦士族   10枚
昆虫族    9枚
機械族    7枚
魔法使い族 7枚
天使族    6枚
悪魔族    3枚【1枚禁止カード《八汰烏》】
獣族      1枚
恐竜族    1枚

ある程度の傾向はあるものの、バラバラですね。
属性を2つに区別した場合の弱小属性、水、炎、風の内、
水属性効果モンスター70枚中、水族は35。
炎属性効果モンスター55枚中、炎族は22。
風族というものが存在しないこともありますが、この差は歴然。
つまり風属性にはまとまりがないのです。少なくとも、風属性内に種族的なまとまりはない。これは、属性単一でデッキを組んだ場合中心となる種族が存在しないことを指します。
カードプールにまとまりがないことは、明確な弱点となりえます。
ではさらに、比較的枚数の多い上位7種族を詳しく見てみましょう。

□下から順に、まずは天使族

6枚中、現在ほぼ使用不可能な《カーディアン・エルマ》がまず採用圏外です。
ステータスと能力が噛み合っていないライフ回復効果の、《そよ風の精霊》《踊る妖精》も圏外。
残り3枚はこれからに期待できるカードたちです。
トリッキーに動ける《ピクシーガーディアン》、今後の上級次第で伸びる《暴風小僧》。
そして墓地の風属性を1体除外で特殊召喚する《シルフィード》があります。風属性デッキとしての中核をなす可能性があるカードですね。
個人的には、能動的でないハンデスは好みではなく、それなら《首領ザルーグ》や《魂を削る死霊》を擁する闇デッキですべきことであり、この能力値ならば何かの耐性効果か除去能力が欲しかったものです。
除外して特殊召喚するモンスターは事故のもとですので、他の属性にある《ギガンテス》《フェンリル》《インフェルノ》らくらいの強力な効果でないと、採用さえ危ういのでは……。
一応抑止力にはなるので、風属性としては優秀であるでしょう。
全体として天使族は中心とはなれないもののそれなりのモンスターを擁しています。しかし、天使族自体は光・地で構成されているので難しいところです。

□次に魔法使い族

7枚中2枚が《ウィン》です。圏外ですね。
《憑依装着》は他の属性よりも劣っていると言えます。貫通効果は《スピア・ドラゴン》がありますし単純な攻撃力でも《サファイアドラゴン》が存在するからです。
《ヒューガ》も圏外でしょう。☆が6または5ならば上級に乏しい風属性で活きてきたでしょうが。
《THEトリッキー》はどうでしょうか。手札コストの死に絶えた現環境では非常に厳しいでしょう。しかし、手札で腐らない上級は素晴らしいと言えます。【が、2100が暴れている現状では……】
《ウェポンサモナー》は《ピクシーガーディアン》をサーチできるので風内ではそれなりでしょうか。ガーディアンと付く風属性モンスターが登場してくれれば活躍も見込めます。
《マジック・ランプ》は使い場所を選びますがかなり強力です。1枚差しくらいならそこそこの立ち回りを期待できるでしょう。
《ネフティスの導き手》の存在は大きいです。《ネフティスの鳳凰神》が炎属性なのが悔やまれますが、強力なカードでしょう。
後ろ2枚が採用圏内となります。

□機械族

使い所がよくわからないとさえ言える《ソニックジャマー》、《ユニオン・ライダー》が圏外です。
抑止力にはなるものの、採用するかというと……圏外であろう《ジェットロイド》。
《マジック・キャンセラー》は風属性としてどうの、というものではないので風属性としては圏外です。《マジック・キャンセラー》デッキで頑張ってもらいましょう。
《巨大戦艦 テトラン》は風のナイス上級です。
自壊効果と3つしか乗らないカウンター、それにターン内で複数回発動不可という大きなデメリットを持つものの、後述する風の役割を演出する魔法・罠破壊効果は強力です。
《ジャイロイド》は《マシュマロン》《死霊》に明らかに劣りますがそれでも風属性としてはそれなりに優秀でしょう。それほど風はひどいということでもありますが……。
《瞬着ボマー》も明かな《スフィア・ボム》の下位互換ですが、やはりこれも風ならばそれなりの活躍が見込めてしまえます。【が、《スフィア》は何よりダメージ効果があるからこそ強力なのであり、それがなければ正直厳しい。《グレイモヤ》、ひいては《炸裂装甲》《地砕き》を採用すれば済む話だからだ。《瞬着》を使うのなら、《雅》や墓地にある風媒体として最大限利用しなければ採用する意味はない】
3枚が採用圏内です。

□昆虫族

まず圏外なのが《アルティメット・インセクト LV1》です。
《LV3》からがギリギリ採用ラインであり、《アルティメット・インセクト》デッキを構築する際でも《LV1》は不要でしょう。
《LV3》《LV5》《LV7》はそれぞれ《アルティメット・インセクト》を中心にした構成にするのなら有効です。
《LV5》なら通常の上級としても使用できるので採用しても大丈夫でしょう。他2枚が進化または《孵化》がなければ機能しないのが欠点です。
《インセクト・プリンセス》はコントロール変更や《改造手術》を駆使した昆虫デッキでなら活躍も有り得ますが、風としては圏外です。
《爆弾かめ虫》、これは風としてならそこそこ有効ですが、守備限定というのはやはりいただけません。ギリギリで圏外です。
《死の4つ星てんとう虫》は場合によって多くのアドバンテージを稼げるカードです。採用範囲でしょう。
《ブレードフライ》。風属性として勝っていると言える数少ないモンスターです。6属性の500パンプアップモンスター中一番攻撃力が高く、また相反する属性の攻撃力を400下げる効果が最も強力と言え
ます。
地属性は多くのスタンダートといわれるデッキに投入される属性ですので、この属性の攻撃力を下げられるのは大きなメリットです。
同じことを闇・光のパンプアップモンスターに言えるかもしれませんが、この2つの場合アップ効果が相手に及んでしまう可能性が非常に高いため効果的とは言えません。
相手が同属性である確率が低い風、ないし水、炎だからこそこの手の能力が生きてくるのです。
風属性の攻撃力不足を補うためにも、是非採用したいです。
《ドラゴンフライ》。風属性のリクルーターです。
このカードについては後に解説しまう。一応、採用圏内ではありますが。
強力なカードが揃っている、風を代表する種族の1つだと言えるでしょう。
が、昆虫族はほぼ地属性でかためられており、《ドラゴンフライ》という昆虫族であるリクルーターがいるにも関わらず《共鳴虫》という地属性の昆虫族専用リクルーターが登場し、昆虫版クリッター《ゴキポン》というカードさえ存在する昆虫族は風として機能することはありえないとも言えるでしょう。

□戦士族

10枚中、2枚が融合モンスター《E・HERO》です。融合モンスターはデッキ構築には加えないので、圏外です。
おもしろい効果を持ちますが、それ専用を組まねばならず風としては見られないであろう《チェイン・スラッシャー》《言語道断侍》は圏外。
冷静に見ると案外強力なのですが……ギリギリ圏外の《リトル・ウィンガード》。《剣の女王》も1枚600~800くらいならまだしも、ですが圏外でしょうね。
手札の風属性モンスター1枚を、相手限定《ハリケーン》に変えることができる、これぞ風な《女忍者ヤエ》。風デッキとしての色を出すことができますのでぎりぎり採用です。
《一撃必殺侍》は確実性のなさが玉にキズですが強力です。風デッキに仕込むだけでもいい働きをしてくれます。しかし、ギャンブル性のあるカードを敬遠する管理人としては圏外なのですが……一応採用です。
《一刀両断侍》は《ミスティック・ソードマン LV2》の下位互換ではありますが、攻撃力以外それほど劣っているわけでもありません。
《ミスティック》の強さを見れば、風内としては十二分に活躍しれくれることがわかるでしょう。採用です。
《カオスライダー グスタフ》は強力です。強力ですが、攻撃力がインフレ状態の現環境では生き残れないでしょう。2000では普段から1800で効果付き、または2100以上のどちらにも勝てないのが現状です。
ギリギリ採用ですが、現環境では圏外。時代が変われば、なカードです。
戦士族にも専用のリクルーター《荒野の女戦士》があります。しかもこのカードは地属性でなければならないため、この面から風属性の戦士族カードの未来が窺えてしまいます。

□ドラゴン族

融合モンスターである《デス・デーモン・ドラゴン》《ドラゴンに乗るワイバーン》が圏外です。どちらもとても強力ですが……。
《グレイ・ウィング》は風なら……といいたいところですが、2回攻撃できたとしてもコストに見合わないので圏外です。
《スピリット・ドラゴン》もコストがドラゴン族ではドラゴン族デッキではないと厳しいです。圏外ですが、《アームド・ドラゴン》デッキに組み込みますか?
《アームド・ドラゴン LV10》と《グランド・ドラゴン》も圏外。【《LV10》は手札一枚を表限定《サンダー・ボルト》に変える効果なので強力なのだが、召喚手順があまりにもきつい。《LV》系なのだからデッキから出てきて欲しいものだ】
《アームド LV3》《LV5》《LV7》はやはり専用にするのなら採用でしょう。
特に《LV5》は現在風属性で最も強力な上級モンスター。上級の採用はまずこのカードを吟味してからになるでしょう。
《軍隊竜》も採用したところなのですが、同名カードで1枚ずつでは効率が悪いでしょう。生け贄確保と圧縮に秀でてはいますが、ギリギリ圏外です。
《スピア・ドラゴン》は採用圏内です。ここでは語っていませんが、同じく1900ラインである《ニュート》とどちらを採っても構わないでしょう。
現環境で1900の価値はあまりないですが、1800を殴れる点はいつでも強力ですし、1900+αのモンスターはなかなかいないので、風が他属性に勝っている点の1つと言えます。
《ドル・ドラ》は風で数少ない制限級カードです。と言いたいところですが、これはルール的に1枚制限にしなければ複雑ということでの制限裁定。カードが強力なわけではありません。
しかし、壁や生け贄確保としては優秀ですので採用圏内です。
《ハーピィズペット竜》は管理人お気に入りなのですが、やはり圏外ですね。これから《ハーピィ》のサポートが充実するのならば、出番があるかもしれませんが。
ドラゴン族のサポートカード、《スタンピング・クラッシュ》が風属性とマッチしますので、中心となりえます。
が、昆虫・戦士族と同じく、ドラゴン族のリクルーター《仮面竜》が炎属性であるのが問題です。
また、種族のリクルーターが登場したということは、その種族としてデッキを組むべきであり、属性として組んでもあまり機能しないという開発側の意思表示ともとれます。
ですので、ドラゴン族を風属性として扱うのは無理があるでしょう。

□鳥獣族

最後に、鳥獣族です。とはいうものの、13枚中実に6枚が《ハーピィ》系モンスターであるため、鳥獣=ハーピィという認識さえありますが。
それ以外のカードでは、《霞の谷の大怪鳥》《トルネード・バード》《幸運を告げるフクロウ》の3枚がまず圏外です。
効果を発動してもアドバンテージにならず、また受動的な発動条件が使用をためらいさせます。《霞》ならその攻撃力から採用圏内にできますが。
《イーグル・アイ》も圏外でしょう。《激流葬》を気にすることなく場を構築できるのはありがたいですが、それならステータスを1800ほど欲しいところ。また、カウンター罠では防がれてしまうのも欠点です。
《ソニックバード》それ自体は強力ですが、いかんせん風属性の儀式モンスターは存在しないので組み込もうにも組み込めません。
しかし、風属性でありかつ扱いやすい☆4以下の儀式モンスターが登場したのならばその価値は一気に上がることでしょう。
今はまだ、なカードの1枚です。
《風の精霊ガルーダ》も風として見たなら圏外です。《シルフィード》の方が強力ですし、水属性の《アクエリア》と比べると泣けてきます。エンドフェイズに《リビング》で特殊召喚すれば《アクエリア》以上の奇襲性を秘めますが、やはり確実に効果を発動したいところ。次の相手ターン終了時まで表示変更不可ならばまだ使えたでしょうが……。
《有賢者ファルコス》はやっと採用圏内です。
相手のドローを拘束する効果は喰らってみればわかる一級品の痛みを与えることができます。この効果を1度でも発動できればかなりの差を開けます。
攻撃表示限定ですが、守備表示で場に出るようなモンスターはむしろデッキに戻したくないものが多いので気にならないでしょう。攻撃表示でも《魔導戦士 ブレイカー》などは戻してはいけません。逆に、相手の手札枚数次第では《同族感染ウィルス》を戻す選択は大アリです。
ネックは攻撃力です。1700では1800ラインを叩けません。が、後述の《ハーピィの狩場》と併せれば攻撃力は1900。丁度1800ラインを叩けます。
《収縮》《突進》などとも相性がよいですが、そこまでするかはデッキ次第となるでしょう。
《バード・フェイス》は《ハーピィ》専用のサーチカードですが、採用は厳しいでしょう。せめて戦闘以外でも発動するのならば考えたのですが。
守備力1600、《狩場》発動で1800という数字のみ見れば優秀です。
《ハーピィ・レディ三姉妹》は基本的に圏外です。条件召喚モンスターならばあと少し攻撃力が欲しかったもの。手札であまりに腐る光景は見ていられません。《ゴブリンのやりくり上手》などと共に採用すべきカードです。このカードは後に■カード考察:ハーピィ・レディの項で詳しく語ります。
《ハーピィ・レディ・SB》はどうでしょうか。攻撃力1800の効果なしと見れば採用とは程遠いのですが、やはりこれも《狩場》でしょう。また、各種《ハーピィ・レディ》として扱うというルール効果を持つカードは、同名カードとして扱うためデッキに合わせて3枚までしか入れられません。他のハーピィとの兼ね合いの結果採用・不採用を決定すべきカードです。
《ハーピィ・レディ3》は兼ね合い以前に不採用です。《ハーピィ》自身が戦闘で破壊されないのならまだわかりますが、自身が破壊されてまで発動したい効果ではありません。もちろん、そういった装備魔法などでサポートしてまで発動すべき効果でもありません。
《ハーピィ・レディ2》はギリギリ採用です。裏側守備モンスターをある程度は安心して叩けるモンスターです。一刀両断侍との枚数の兼ね合いが必要です。
《ハーピィ・レディ1》は採用でしょう。風属性全体の攻撃力を高めてくれます。自身もそれなりの攻撃力を持つため、戦闘でもある程度破壊されにくいです。《SB》とどちらを採るか、最も比較される《ハーピィ》でしょう。

□サポートカード

上記各種族の結論を説く前に、風属性唯一のサポートカードの紹介です。

《風霊術-「雅」》通常罠
自分フィールド上に存在する風属性モンスター1体を生け贄に捧げる。
相手フィールド上に存在するカード1枚を選択し、選んだカードをデッキの一番下に戻す。

コストとして場の風属性モンスターを要求されるため、非常に扱いづらく失われるアドバンテージを考えると採用を控えたくなります。
が、破壊ではなくデッキのボトムへと封印してしまうその効果は強力無比。《ヴァンパイア・ロード》《ネフティスの鳳凰神》にも対抗できるのが魅力です。【同時にこの2種はデッキサーチが容易なため完璧な対応とは言い難いが】
墓地を肥やさないというのは後々響く重要な利点です。
また、モンスターではなく魔法・罠にも対応している点が大きいですね。扱いづらくはあるものの、その分汎用性は意外と高い、風属性にとっては十分嬉しい効果です。
世で4霊術中一番使えない、とされるのは効果そのものよりもコストでしょう。そもそもの生け贄、風属性が弱く特に生け贄に適したトークンや再生能力を持ったモンスターの存在がないことが大きいのです。
現在最も生け贄に適しているのは、効果により墓地から特殊召喚された《ドル・ドラ》、そして《ダンディライオン》の効果によって特殊召喚される《綿毛トークン》でしょう。

□中心となるものは?

さて、上で見た各種族の内訳から、上位4種の内鳥獣族だけがリクルーターを擁していないことがわかります。これからの発展が見込める種族と言えます。
さらに、効果・バニラ含む鳥獣族モンスターの数は44枚。内風属性は36枚。非常に多いです。このことから、風属性を代表する種族は鳥獣族であると言えます。
また、上位4種でフィールド魔法を持つ種族も鳥獣族だけです【他種族にフィールド魔法が登場したとしても、それは風とは関わりのなりものになるだろうし】。《ハーピィ》を中心とした風属性デッキが構築できます。
ですがやはり、今のところ存在しないリクルーターがネックです。
リクルーターは《ドラゴンフライ》を採用しなければならないのですが、上記の通り、風属性は各種族にリクルーターが存在する状況であり浅く広く多くをサーチできるとは言ってもあまりカバーできないのが現状であると言えます。
風属性とは言っても、鳥獣で多くを組まれるのであればそれは鳥獣デッキです【このテキストの主旨とは違うかもしれないが、実を言えばこれこそが主旨、風=鳥獣種族デッキ】。そこに昆虫族である《ドラゴンフライ》を組み込んでも浮いてしまうでしょう。《狩場》の恩恵が受けられないことがなどが弱点として挙げられます。
残念ですが、昆虫族としても《共鳴虫》の存在があるので採用は厳しく、丁度天使族における《シャインエンジェル》のようになってしまっています。【昆虫デッキにも、4枚目の共鳴虫としての採用は有り得るけど】
《ドラゴンフライ》は失敗したリクルーターとなってしまっているのが現状です。

風、つまり鳥獣に必要なものはリクルーター、そして扱いやすいレベルのサポートカード。他には軽い儀式モンスターでしょうか。
リクルーターについて欲を言えば、「鳥獣族の攻撃力2000以下または風属性攻撃力600以下のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚」、くらいの能力は欲しいものです。
《導き手》が喚べなければ話になりませんし、《一刀両断侍》もありますので。その分ステータスはぼろぼろで構いませんから……。【さらに欲を言えば風の攻撃力1000以下や風☆3以下でもいいかなぁなんて】

□弱点

上の通り、未だ属性としてまとまりを見せない点は大きな弱点ではありますが、他にも弱点は存在します。
上級モンスターの質です。生け贄1つで通常召喚でき、攻撃力は2400で、それなりの効果を持ち……といったモンスターは風属性に1枚のみ、《アームド LV5》しか存在しないのです。しかも手札使いが荒くなるこのモンスター、他属性ではありますが《雷帝 ザボルグ》の方が使いやすいと言えます。【風帝が登場すれば上級問題は解決するのだが】
まともな効果が付いた上級の数も非常に少ないです。《テトラン》をナイス上級と称えたのはこのことが大きいのです。
このままでは攻撃力2500の《サイバネティック・ワイバーン》が風の主力となってしまいます。

□風の役割

属性としての特色というものはあるものです。
風はどのような立ち位置なのでしょうか? 現段階の風に立ち位置を訊ねるのは酷かもしれませんが、一応は魔法・罠の除去ということになるでしょう。
魔法カード、《サイクロン》《大嵐》《ハリケーン》、罠カード《砂塵の大竜巻》らのイメージからもわかる通り、遊戯王カードは風というものの立ち位置を魔法・罠除去に定めているようです。
これらの魔法・罠カードの存在そのものが風属性としての魔法・罠除去に今一歩踏み出せない要員であることも確かですが、
風属性にも《女忍者ヤエ》《巨大戦艦 テトラン》《ハーピィの狩場》などのカードからその意志を汲み取ることができます。
現環境、そしてこれからも魔法・罠カードの除去はデュエルの大きな課題であるので、ここに風のベクトルが向けば一躍強力な属性として躍り出ることも夢ではありません。

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