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白い平原
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vipac
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しろい野原があるとはおどろきだが、ここではそうでもない。ここいらでは当たり前だ。
そこいら一面の白銀に目を奪われる事など無い。ここはノルトハイランド。即ち、北極なり。
あかぬけた太陽がじりつく中、黒いMTたちが哨戒任務についていた。
後ろからは、地面より突き出したピラミッドが身をふるわせアナウンスしていた。
『本日は晴天なり。くりまえします。本日は晴天なり』
これまた少女の声であり、歌っているようによく響いた。 『今日をもって、そろそろアレの日じゃあないですかね?』
黒いMTにのる隊員が隊長に話し掛ける。回線はフリーだった。
『ああ、そろそろだとおもう。――だから総員、気を抜くな!』
『『『イエッサーー!!』』』
総員、準備万端である。
ここノルトハイランドには、飛行距離が足りなかったのだろう、特攻兵器は振ってこなかった。
しかし、安心するな。もっと恐ろしいものがここを襲うのだ。それは巨なり。大地を揺るがす、殺戮兵器なり。
特攻兵器事件以後より、他地域との連絡の相互は無いに等しい。
あるまえ、一回はあったが、それはある地下都市からだった。
こことはすごく距離が離れてはいるが、死んだものたちの怨念だろうかここまで届いた。
それきり、音信普通は日常と化した。ほかにも日常化したものもあったが……。
でもしかし不便という訳ではない。なにしろ他地域をとの勢力争いが無くなったのだ。いいことだ。
これまで共にノルトハイランドの利権をしのぎを削って争っていた他がいなくなったのだ。
ちなみに現在ここの領主はキサラギ社である。これははあまりよろしくは無いかもしれない。
しかしキサラギ社が作り上げた。この――不滅都市ジャックピラミッドー。その名の通り不滅だった。
日常化した、やつらの襲撃にも耐えうるのだから……。
――夜、襲撃のサイレンが鳴る。
それは紅より赤い、血の色と似ていた。
降り続いていた雪がやみ、解けてきた。頭が露出するピラミッドも以前が、
頂点がぴょこんと地上に突き出ていただけだったから
そうとう雪が解けたのだ。もうその身の丈半分は太陽炙りの刑だ。
これまた真っ黒の塗装でステルス性もばっちりだった。日焼けかもしれない。
それは冗談だが、それはそれは特別な特殊機能もある。
それはいまから見せる事になる。
やつらがやってくるのだ。
天よりいなくなった蒼鉛いろのくもを引き連れ、やつらが、――殲滅機甲巨竜ディアパルゾンが、やってくる!
『総員戦闘配置に着け!!!』
ブラックハンマーズ
機甲黒士隊――先ほどの哨戒任務についていた兵隊達がその長の一声に、戦闘モードへ移行する。
黒くぬられ、ステルス性能を極限までに引き出された鋼鐵――装甲機兵ガルゼントラー。
いまここに無きミラージュのおきみやげであるOWLをクレストの技術も交えて徹底的に改良し、キサラギの血肉と化した混血児だ。
その装甲に走る電工血管に蒼き鋭き閃光が稲妻さながら走る。駆る。翔る
胸部が迫り出し、平面がわれ、その胸に眠る野獣の意思――MZ機関砲をあらわにする。
大部分を覆う三次元曲面装甲には、幾重にも防御スクリーンが張られ――深紅に燃えていた。
『『『『いざ、防衛のいくさへ!』』』』
彼らの任務は、二つある。
ひとつは哨戒任務、もうひとつは、敵の進行をある時間まで遅らせる事だ。
その時間とは、なにか。
それは――――。
都市システムの中枢。
みどりいろの液体が注がれたカプセルに、アナウンスの少女はいた。
その前でうなだれているのが彼女のおとうさんだ。
「おとうさん、わたしがやらなくてはいけないのです。ですから、はやくにげてください」
「すまない……わたしが、わたしさえが、おまえのかわりをしてやれることができたら……!」
「おとうさん、それはいわないやくそくよ。わたしには、わたしにしかできないことがある。
おとうさんは、おとうさんにしかできないことがあるよ。……だから、おねがい……」
体は幼かったが、その目は決断の時を示していた。少女は勇敢なる戦士なのだ。
「あみ……」
おとうさんは装置を起動。部屋を出て、地面を拳で殴り、涙した。。ほんとうは変わってやりたい、しかし出来ない。
そのじれんまによって、かれは葛藤していた。かれはまさに父親だった。
シュンと扉が閉まり、部屋は薄暗い明かりに照らされた。
カプセル上部から、触手が伸び、あみの体中の埋め込まれたプラグにさしこまれる。
「うくっ」すこし痛い。が、外の隊員と比べればなんてことは無い。そう思う彼女。
彼女――あみはキサラギ社の生物兵器AMIDAを改良し、改良を改良で重ね、改良し尽して誕生した究極生物だ。
しかし少女は戦うために生まれた、生物兵器である。意味ある思いを持つ必要はない。
だが彼らキサラギが、何故わたしたちには不要な意思を持たせたか、彼女は知っている。
『守るべきものがあれば、強くなれる』まさにそのとおりだった。
少女には守るべき人がいる。都市の人間、動物。戦う兵士達。そして――、大好きなおとうさん。
「わたしには、まもるべきもの……だいすきな人がいるもの!!」
聖女の意思は統御COMアルバーポックスへ伝わる。
ある帰納が始まる。行われた電算の全てがゼロになり、ヒトツに収束される。
即ち勝利に。その確立は無論の完全確定、二言は無い。
八機全てのMAM反応路にL字起動機関杭が打ち込まれる。
燃えさかり、分子は加速し、原子へ、プラズマへ、そして確固たる戦いの意志に成る。
《ミッション目的-エネミーの排除》
《周辺データ取得-衛星よりレーダー波受信-3Dマップに投射》
《兵器統御管制-FCSを起動-砲弾、ENの補給開始-安全システム完全排除》
《 メインシステム 戦闘モード起動します 》
――不滅の四面体が胎動する。
ブラックハンマーズは疾駆する。だれもいなくなってはいなかった。
舞台は揃った。最後の仕上げだ。敵が迫ってくる。
ディアパルゾンの装甲は捲れ上がり、内部機関が露出しているがもう,
ナノマシンによる再生が始まっている。
各機は飛び上がり、空中でひとつにある。
その姿は、槌なり。邪悪に制裁を加える――十二使途トマスだ。
裁判官はピラミッドの頂上にその身を振り上げる。
そして、頂点を――判決した!!
『『『『『死刑』』』』』
――不滅の四面体が動き出す。
発生する熱が身を包む豪雪をいとも簡単に解き伏せる。
黄金色に輝くピラミッドはブーストを発動し、ディアパルゾンの体当たりを避けた。
そして、変形。突き出したパイプからは上記が噴出し、辺りが濃霧に包まれた。
巨大な金属音がした。ディアパルゾンの首はその五倍もある鉄の拳の中に在った。
そのまま拳の主はディアパルゾンを殴る。足もあった。足でも蹴る。
ディアパルゾンはオイルを撒き散らし、雪原に崩れ落ちる。だが終わりではない。
破壊された首が擦れに再生しており、ビームを撃ってきた。
それを確認しないでも、拳の主――不滅都市ジャックピラミッドーは腕を前でクロスさせた。
通常兵器の何倍もの厚さを誇る防御スクリーンが張られ、その強力なビームは四散し、霧散した。
敵はミサイルまで放ってきた。しかし、それはトマスのハリネズミのような機関砲によって迎撃される。
そしてトマスがディアパルゾンを殴り飛ばす。悲鳴を上げるディアパルゾン。噴き飛び吹き飛び、跳ね上がる。
大きな隙が出来た。敵に最後の実刑判決を下す時が来た。――執行猶予など、無い。
トマスがジャックピラミッドーの豪腕にコネクトされ、振り上げられる。
輝く光は燦然と化し、大気を消滅させた。
ディアパルゾンは次元断層に縛られ、動けない。
鳴き声をあげるが、誰も聞かない。悪は、『死』在るのみ。
――トマスが振り下ろされる、と全ては光となり、暗黒虚無空間へと消えた。
日後、ピラミッドとトマスはすべて元に戻り、常務もいつもどおりに行われていた。
しかし違うのが、天候だった。今日は雪であった。青い空は見えなかった。
ディアパルゾンはいつも雪雲をつれてくるのでその後、雪がふるのだ。真っ白い、粉雪が――。
アナウンスが響く、
『本日もゆきなり。本日もゆきなり――』
少女の唱声が純白を振るわせる。
「終」
そこいら一面の白銀に目を奪われる事など無い。ここはノルトハイランド。即ち、北極なり。
あかぬけた太陽がじりつく中、黒いMTたちが哨戒任務についていた。
後ろからは、地面より突き出したピラミッドが身をふるわせアナウンスしていた。
『本日は晴天なり。くりまえします。本日は晴天なり』
これまた少女の声であり、歌っているようによく響いた。 『今日をもって、そろそろアレの日じゃあないですかね?』
黒いMTにのる隊員が隊長に話し掛ける。回線はフリーだった。
『ああ、そろそろだとおもう。――だから総員、気を抜くな!』
『『『イエッサーー!!』』』
総員、準備万端である。
ここノルトハイランドには、飛行距離が足りなかったのだろう、特攻兵器は振ってこなかった。
しかし、安心するな。もっと恐ろしいものがここを襲うのだ。それは巨なり。大地を揺るがす、殺戮兵器なり。
特攻兵器事件以後より、他地域との連絡の相互は無いに等しい。
あるまえ、一回はあったが、それはある地下都市からだった。
こことはすごく距離が離れてはいるが、死んだものたちの怨念だろうかここまで届いた。
それきり、音信普通は日常と化した。ほかにも日常化したものもあったが……。
でもしかし不便という訳ではない。なにしろ他地域をとの勢力争いが無くなったのだ。いいことだ。
これまで共にノルトハイランドの利権をしのぎを削って争っていた他がいなくなったのだ。
ちなみに現在ここの領主はキサラギ社である。これははあまりよろしくは無いかもしれない。
しかしキサラギ社が作り上げた。この――不滅都市ジャックピラミッドー。その名の通り不滅だった。
日常化した、やつらの襲撃にも耐えうるのだから……。
――夜、襲撃のサイレンが鳴る。
それは紅より赤い、血の色と似ていた。
降り続いていた雪がやみ、解けてきた。頭が露出するピラミッドも以前が、
頂点がぴょこんと地上に突き出ていただけだったから
そうとう雪が解けたのだ。もうその身の丈半分は太陽炙りの刑だ。
これまた真っ黒の塗装でステルス性もばっちりだった。日焼けかもしれない。
それは冗談だが、それはそれは特別な特殊機能もある。
それはいまから見せる事になる。
やつらがやってくるのだ。
天よりいなくなった蒼鉛いろのくもを引き連れ、やつらが、――殲滅機甲巨竜ディアパルゾンが、やってくる!
『総員戦闘配置に着け!!!』
ブラックハンマーズ
機甲黒士隊――先ほどの哨戒任務についていた兵隊達がその長の一声に、戦闘モードへ移行する。
黒くぬられ、ステルス性能を極限までに引き出された鋼鐵――装甲機兵ガルゼントラー。
いまここに無きミラージュのおきみやげであるOWLをクレストの技術も交えて徹底的に改良し、キサラギの血肉と化した混血児だ。
その装甲に走る電工血管に蒼き鋭き閃光が稲妻さながら走る。駆る。翔る
胸部が迫り出し、平面がわれ、その胸に眠る野獣の意思――MZ機関砲をあらわにする。
大部分を覆う三次元曲面装甲には、幾重にも防御スクリーンが張られ――深紅に燃えていた。
『『『『いざ、防衛のいくさへ!』』』』
彼らの任務は、二つある。
ひとつは哨戒任務、もうひとつは、敵の進行をある時間まで遅らせる事だ。
その時間とは、なにか。
それは――――。
都市システムの中枢。
みどりいろの液体が注がれたカプセルに、アナウンスの少女はいた。
その前でうなだれているのが彼女のおとうさんだ。
「おとうさん、わたしがやらなくてはいけないのです。ですから、はやくにげてください」
「すまない……わたしが、わたしさえが、おまえのかわりをしてやれることができたら……!」
「おとうさん、それはいわないやくそくよ。わたしには、わたしにしかできないことがある。
おとうさんは、おとうさんにしかできないことがあるよ。……だから、おねがい……」
体は幼かったが、その目は決断の時を示していた。少女は勇敢なる戦士なのだ。
「あみ……」
おとうさんは装置を起動。部屋を出て、地面を拳で殴り、涙した。。ほんとうは変わってやりたい、しかし出来ない。
そのじれんまによって、かれは葛藤していた。かれはまさに父親だった。
シュンと扉が閉まり、部屋は薄暗い明かりに照らされた。
カプセル上部から、触手が伸び、あみの体中の埋め込まれたプラグにさしこまれる。
「うくっ」すこし痛い。が、外の隊員と比べればなんてことは無い。そう思う彼女。
彼女――あみはキサラギ社の生物兵器AMIDAを改良し、改良を改良で重ね、改良し尽して誕生した究極生物だ。
しかし少女は戦うために生まれた、生物兵器である。意味ある思いを持つ必要はない。
だが彼らキサラギが、何故わたしたちには不要な意思を持たせたか、彼女は知っている。
『守るべきものがあれば、強くなれる』まさにそのとおりだった。
少女には守るべき人がいる。都市の人間、動物。戦う兵士達。そして――、大好きなおとうさん。
「わたしには、まもるべきもの……だいすきな人がいるもの!!」
聖女の意思は統御COMアルバーポックスへ伝わる。
ある帰納が始まる。行われた電算の全てがゼロになり、ヒトツに収束される。
即ち勝利に。その確立は無論の完全確定、二言は無い。
八機全てのMAM反応路にL字起動機関杭が打ち込まれる。
燃えさかり、分子は加速し、原子へ、プラズマへ、そして確固たる戦いの意志に成る。
《ミッション目的-エネミーの排除》
《周辺データ取得-衛星よりレーダー波受信-3Dマップに投射》
《兵器統御管制-FCSを起動-砲弾、ENの補給開始-安全システム完全排除》
《 メインシステム 戦闘モード起動します 》
――不滅の四面体が胎動する。
ブラックハンマーズは疾駆する。だれもいなくなってはいなかった。
舞台は揃った。最後の仕上げだ。敵が迫ってくる。
ディアパルゾンの装甲は捲れ上がり、内部機関が露出しているがもう,
ナノマシンによる再生が始まっている。
各機は飛び上がり、空中でひとつにある。
その姿は、槌なり。邪悪に制裁を加える――十二使途トマスだ。
裁判官はピラミッドの頂上にその身を振り上げる。
そして、頂点を――判決した!!
『『『『『死刑』』』』』
――不滅の四面体が動き出す。
発生する熱が身を包む豪雪をいとも簡単に解き伏せる。
黄金色に輝くピラミッドはブーストを発動し、ディアパルゾンの体当たりを避けた。
そして、変形。突き出したパイプからは上記が噴出し、辺りが濃霧に包まれた。
巨大な金属音がした。ディアパルゾンの首はその五倍もある鉄の拳の中に在った。
そのまま拳の主はディアパルゾンを殴る。足もあった。足でも蹴る。
ディアパルゾンはオイルを撒き散らし、雪原に崩れ落ちる。だが終わりではない。
破壊された首が擦れに再生しており、ビームを撃ってきた。
それを確認しないでも、拳の主――不滅都市ジャックピラミッドーは腕を前でクロスさせた。
通常兵器の何倍もの厚さを誇る防御スクリーンが張られ、その強力なビームは四散し、霧散した。
敵はミサイルまで放ってきた。しかし、それはトマスのハリネズミのような機関砲によって迎撃される。
そしてトマスがディアパルゾンを殴り飛ばす。悲鳴を上げるディアパルゾン。噴き飛び吹き飛び、跳ね上がる。
大きな隙が出来た。敵に最後の実刑判決を下す時が来た。――執行猶予など、無い。
トマスがジャックピラミッドーの豪腕にコネクトされ、振り上げられる。
輝く光は燦然と化し、大気を消滅させた。
ディアパルゾンは次元断層に縛られ、動けない。
鳴き声をあげるが、誰も聞かない。悪は、『死』在るのみ。
――トマスが振り下ろされる、と全ては光となり、暗黒虚無空間へと消えた。
日後、ピラミッドとトマスはすべて元に戻り、常務もいつもどおりに行われていた。
しかし違うのが、天候だった。今日は雪であった。青い空は見えなかった。
ディアパルゾンはいつも雪雲をつれてくるのでその後、雪がふるのだ。真っ白い、粉雪が――。
アナウンスが響く、
『本日もゆきなり。本日もゆきなり――』
少女の唱声が純白を振るわせる。
「終」