中村長兵衛――と聞いてすぐに「あの人だ!」と思い浮かぶ人は、正直少ないと思います。
では、こう文章で示されたら?
『本能寺の変の後、三日天下で京を追われた明智光秀。
その敗走する光秀を竹槍で討ち取った、落ち武者狩りの農民』
有名なお話ですよね。
そして「その農民って名前あったの?!」となる人は多いと思います。
はい。
あったんです。記録に残ってるんです。
京都の近くにあった小栗栖という村の竹やぶ。
そこで光秀は落ち武者狩りの竹槍で致命傷を負い、観念した光秀は部下に介錯を命じて自害します。
部下は光秀の首を隠して立ち去ったのですが、その首を農民が発見。
回り回って織田信孝の下に届いた――ということになっています。
その、光秀を竹槍で刺した農民の名こそ、中村長兵衛。
敗走中とはいえ一度は天下を手にしかけた男を討ち取った、大金星を挙げた人物です。
ただし。
どうもこのお話、改めて調べてみると、怪しいお話でして。
そもそも根本的に、警戒していたはずの完全武装の武将を、素人同然の農民の竹槍なんかで倒せるのか。
光秀も伴を連れていたことが分かってますし、少数とはいえ精鋭中の精鋭に守られていたはずなんです。
討たれた後の首の行方にしても、ずいぶんと扱いが中途半端ですよね。
当時の常識で言えば、主君の命は守り切れなくても、部下たちがせめて首だけでも持ち帰ろうとするんだそうで。
その辺にちょっと隠して、すぐに農民に見つかるってのは、かなり不自然なことのようです。
そして何よりも。
後日、この話を知った人が、小栗栖のあたりで農民に聞き込み調査をしたそうなんですが――
誰一人として、『中村長兵衛』という名前すらも、聞いたことがなかったらしいんです。
普通に考えたら村の英雄ですよ?!
大物を討ち取った武芸者ですよ?!
どこかの大名に武士として召し抱えられたというお話もありません。
その後、戦場で活躍したというお話もありません。
こうなってくると、光秀を討ち取ったという話すらも怪しくなってきちゃう訳でして。
実は落ち武者狩りに遭ったのではなく部下に裏切られたのだとか。
実は光秀は身代わりを犠牲にして生き延びたのだとか。
果ては怪僧・天海の正体はここで死を偽装した明智光秀だったのだ。とか、まあ色々と異説が出てくるようで。
そういやけっこうありますよね、光秀=天海説を採用したアニメとか漫画とかって。
アレとか、コレとか、そうそうソレとか……
って、なんでそんな古いのまで知ってるんだ、ですって?
や、やだなぁ、あ、アニメや漫画には、ナナ、けっこう詳しいんですよぉ。きゃはッ☆
……コホン。
ともかく、歴史の一点にその名前だけを残して消えた、実在すらも功績すらも疑われる人物。
それが『中村長兵衛』――竹槍の『ランサー』、なのです。
―――――――――――
冬木市にあっても、彼女は当たり前のようにウェイトレスだった。
売れないアイドルであるというよりも先に、まず、ウェイトレスであった。
時給は安いが、話の分かる寛大なマスターが、不意の欠勤も笑って許してくれるのが一番の利点という職場。
そんな街角の小さな喫茶店、客足も途絶えた昼下がり。
メイド服姿の彼女は頭上の兎耳を揺らしつつ、盛大に溜息をつく。
「そりゃ、今はお客さんも居ないから構わないっちゃあ構わないんですけどねー。
なーんでこの子は勝手に実体化してるんですかねぇ……」
「そりゃあアンタ、霊体じゃあこの美味は味わえないからねェ」
どこか妖艶な響きを持つ女の声が、幼くも見えるウサ耳メイドの嘆きに応える。
胸元の大きく開いた色気過剰な黒のドレス。それにも負けぬ魅力的な肢体。
そのままファッションショーにも上がれそうな完璧な黒髪美人が――
心底嬉しそうに、くたびれた喫茶店の安っぽくもありがちなパフェを、ちびちびとつついていた。
はぁ。
あの服、そういやナナがウン年前に買ったはいいけどそれっきりタンスの肥やしになってたやつじゃないですか。
メイドは何度目になるかも分からぬ溜息と共に、心の中で呟く。
勝手に自分の服を着て、勝手に自分の化粧品も使い、しかも自分などより遥かに上手く着こなし使いこなしてみせる。
これが本当にあの貧農の出身だというサーヴァントなのか。
持っているスキルやその由来については説明されていたが、それでもこの変貌っぷりには首を傾げてしまう。
「ねぇ、ランサー……」
「あらやだ、菜々。あたしを呼ぶ時はクラス名はやめてって言ったでしょ」
何気なく呼びかけたら、てきめんに拒否反応を喰らった。
聖杯戦争についての知識と同時に刷り込まれた『常識』との相違に、菜々はまだ慣れることができない。
ランサー曰く。
このランサーの真名は自慢ではないけれども知名度が低く、知られたところでほぼ不都合がないこと。
むしろランサーでありながらアサシンに近い性質を併せ持つ彼女は、クラス名こそ伏せる価値があるということ。
そういったランサーの持論は、既に聞いてはいたのだけども。
「だからって『長兵衛』ってのはないよー、そんなカッコしといて」
「なら『お長(ちょう)』でも『中村』でも、適当に『長子(ちょうこ)』でも何でもいいわよ」
黒髪のランサーはいたずらっぽく微笑む。菜々は溜息で返す。
確かに誰も想像できないだろう。
仮に知ってれば知ってるほど混乱するだろう。
明智光秀を討った落ち武者狩りの農民、『中村長兵衛』の名で知られる人物が、実は女性だった、なんて。
「褒賞を受け取るために男に扮して、その場の適当で名乗った偽名を『真名』とか言われても笑えるけどね。
まあ、この名前で『登録』されちまってるからには仕方がない」
「なんでまたそんな面倒なことを……」
「あの時代はまだ女ってだけで厄介事が多かったからねぇ。
素直に素顔と本名ひっさげて首を持ってっても、金子(きんす)さえも受け取りそびれてたろうよ」
その正体の偽装という「真実」から派生した技術こそが、目の前のドレスを着こなす絶世の美女の姿だ。
ランサー中村長兵衛の本来の姿は、竹槍を手にした貧乏な農民の娘の姿。
しかし彼女は男に姿を変え、男として名を残し、その功績に見合う報酬も受け取った。
光秀を討った時の真相も、純真な乙女を演じて油断させ、逃亡に協力するフリをした上でブスリ、とヤったのだと言う。
こんな存在が英霊と化したのならば、それはもう変幻自在の変装術も使いこなすというものである。
「それで何だい、菜々――いや、マスター。何か聞きたそうに見えたけど」
「ラ……いえ、長兵衛さん。
そういえば聞きそびれていたんですけど……長さんが『聖杯』に望む願いって、なんですか?」
ぎゅっ、と丸いトレーを抱きしめるようにして、菜々は問う。
聖杯戦争に巻き込まれ、取り急ぎサーヴァントと簡単な自己紹介をし合って、能力を確認し。
やっと一息つけたのが今日である。
ひとつふたつ、重要事項の確認のし忘れも出てくるし、それに気づきもする。
サーヴァントの願い……それは、マスターにとっても今後の運命を左右する、極めて重要な情報だった。
「あたしの願いか――強いて言うとすりゃ『現世利益』、だな」
「え?」
「京でなら売っているという、甘い菓子とやらを食ってみたい。
いい着物を着てみたい。
有名になりたい。
下剋上を果たして成り上がりたい。
出来ればイイ男も傍にはべらせたい。
一言で言えば――」
「…………」
「『幸せになりたい』」
「…………」
「あたしはあの夜、その願いだけを胸に、竹槍を握った。
あたしはあの夜、あたしの持てるもの全てを使って、カネと名誉に替えられるはずの光秀の首を獲った。
一世一代の勝負を賭けて、見事に勝ち取った。
まあ褒賞を手にして村に戻ろうとした帰り道、うっかりヘマ打ってカネも命も失ったんだけどさ……」
「…………」
「なので英霊になった今も、あたしの根っこは変わっちゃいない。
ヒトとして生まれた以上は、『幸せになりたい』。こいつはごく当たり前の願いだろ?
お天道様にだって恥じるものはねェ。
あたしが生きてた頃には、そのための手段は人殺しだった。あっちでもこっちでも誰かが殺されてた。それだけの話さ」
清々しいまでに生々しい欲望を肯定してみせるランサーに、菜々は唇を噛む。
幸せになりたい。
有名になりたい。
栄光を手にしたい。
なるほど、このサーヴァントが菜々に割り当てられる訳である、だって、菜々も、菜々だって、
「だからマスター。
あたしは菜々、アンタのことを笑いはしないんだ」
「えっ……」
瞳を揺らす菜々に、いつの間にかパフェを食べ終えていたランサーは、真顔で語りかける。
いつも浮かべている笑みすら消して、淡々と語りだす。
「『アイドル』、だったか。この時代の芸人の一種。
上手くウケればその名は天下に知れ渡って、栄光もカネも取り放題の貰い放題。
誰もが憧れ、誰もがかくありたいと願い、誰もがそのトップアイドルを愛する。
しかしウケるまでは苦労の連続、いつ報われるか分かったものじゃない……報われない者の方が遥かに多い……」
「……ッ」
安部菜々。
年齢は永遠の17歳、そしてウサミン星から来たウサミン星人……という奇抜な『設定』で活動している、売れないアイドル。
副業がてらメイド喫茶で働き始め、いつしかウェイトレスとしての稼ぎがアイドルの稼ぎを超え、生活の命綱となり。
鳴かず飛ばずのまま、いったい何度『17歳の誕生日』を繰り返したことか。
岩にかじりつくようにして業界にしがみつき、いくつもの事務所を渡り歩き、芽が出ず、しかし諦めきれず。
「なりふり構わないアンタのことを、馬鹿にする奴も多いだろう。笑いものにする奴も多いだろう。
だけどあたしはアンタのことを尊敬する。
アンタはあたしだから。
耐えて耐えて渇望し続けている、あの夜までのあたしだから。
何も持ってなくって、先なんて見えなくって、でも、いつか来るはずのチャンスを信じて備えてる、あたしだから」
「…………」
「全ての結果を予め知ってる『今』から見たら、明智光秀は敗れるべくして敗れたように見えるかもしれない。
けれど、あの時あの夜のあたしから見れば、絶望的なまでに厳しい相手だった」
主従を繋ぐ霊的なリンクを通して、ランサー中村長兵衛の心象風景が安部菜々にも共有される。
叩きつけるような雨。
ざわめく竹やぶ。
月さえも見えぬ闇夜。
向こうから駆けてくる、豪華な装備の騎馬武者の一団。
そして――それを待ち受ける、つぎはぎの当たった着物をまとい、竹槍一本を手にしただけの、田舎娘ひとり。
「確かに、惟任日向守――明智光秀が天下に号令するのは早すぎたのかもしれない。
けれど光秀は逃亡しようとしていた。逃げた後の再起は十分にありえた。あの当時は誰もがそう思っていた。
明智光秀は名のある武将だった。
『あの』魔王・織田信長を倒してしまうほどの男だった。
武功も多く、戦の経験も多く、武具も最高級のものを身にまとい、少数とはいえ最強クラスの護衛を引き連れていた。
とても『ただの農民』が闇雲に襲い掛かって首を獲れるような相手じゃなかった。
村の男衆たちも、村の近くを通るらしいという情報を得ていながら、諦めてしまっていた。
だけど。
だけど、あたしだけは諦めなかった。
あたしだけは準備していた。あたしだけは考えていた。
いつか誰か落ち武者の大物が村の近くを通った時に、どうやって騙してどうやってハメてどうやって討ち取るのか。
どうやって、大金と栄達の可能性を掴むのか。
ずっとずっと考え続けていた。ずっとずっと備え続けていた。ずっとずっと待ち続けていた。
そして来た。
やった。
獲った。
その後のツメを間違えて、あたしはぜんぶを失ったけれど、あの夜の一刺しを後悔したことはない」
「…………」
「あたしのチンケな願いは、でも、こうして英霊として呼んでもらった時点でかなり叶っちまってんだ。
チョコレートパフェ、ごっそうさん。あの頃には想像すらできなかった美味だよ。
綺麗な南蛮の服も、勝手に着させて貰ったけどありがとな。ほんといい生地使ってやがんのな。
あとは欲を言うなら、イイ男かァ……こいつばっかりは出会いがないことにはねェ……」
「…………」
「だから」
ランサーは菜々の瞳を見つめる。
変装の達人ながらも、唯一変わらぬ深い闇のようなランサーの瞳。それが菜々の瞳をしっかりと射貫く。
「だから、マスター。
アンタが心の底から『なりふり構わず』その夢を現実にしたいと願うなら――あたしは協力を惜しまない。
『どんな手段を取ってでも』聖杯を手にしたいと願うなら――あたしも『手段を選ばず』聖杯を獲り、アンタに捧げる」
菜々は答えられない。
菜々にはまだ、答えられない。
他に客1人居ない小さな喫茶店に、静かに柱時計が時を刻む音だけが響いている。
「あたしはランサー『中村長兵衛』。
『竹槍』のランサー。
『落ち武者狩り』のランサー。
『天下人さえも討つ』ランサー。
大物食いの大番狂わせは得意だが、お上品な闘争にはとんと縁がない」
このランサーがあらゆる手段を尽くすということは、それはほとんど不意打ち騙し討ち奇襲急襲に暗殺謀殺。
三騎士の一角たるランサーには似合わぬ、ありとあらゆる卑怯な手段を厭わないということであり。
これはそこまでして本当に聖杯が欲しいのか、という問いでもある。
そこまでして本当に、菜々は、聖杯なんてモノの力を使ってまで、抱き続けた夢を叶えたいのか?
「……ま、考えといてくれ。
まだ多少は悩む時間もありそうだし、急かせるのもあたしの本意じゃない。
アンタには期待してるんだ。分かるだろう?」
「…………」
「ま、アンタの場合、悩んでる時間も惜しいはずなんだがね――」
ランサーはそれだけを言い残して、霞のように姿を消した。霊体化したのだろう。
ひとり残された格好の菜々は、しばらくの間、食べ散らかされたパフェの容器を片付ける気力もなく、立ち尽くしていた。
昼下がりのうらびれた街角の喫茶店に、来客はまだ、こない。
【クラス】ランサー
【真名】中村長兵衛
【出典】史実、16世紀日本
【性別】女
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷C 魔力E 幸運B 宝具C
【クラススキル】
対魔力:D
魔術に対する抵抗力。
クラススキルであるため一応保持してはいるが、特にそれといった逸話もなく、ランサーとしては低い水準に留まる。
【保有スキル】
諜報:B
本来であればアサシンで召喚された際に「気配遮断」に代わってクラス特性として保持することになるスキル。
気配を遮断するのではなく、気配そのものを敵対者だと感じさせない。
親しい隣人、無害な石ころ、最愛の人間などと勘違いさせる。
(マタ・ハリのスキルと本質的に同等なため、スキル名を拝借しました。ゆえに乱世にはそぐわぬ名称となっています)
アサシンとして召喚された際よりはランクが落ちているが、それでも十分高いランクを保っている。
ただし直接的な攻撃に出た瞬間、このスキルは効果を失う。
情報抹消:B-
対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から能力・真名・外見的特徴といった情報の一部が消失する。
本来はアサシンのクラスで召喚された際に保持するスキルであり、ランサーの場合には「-」がつき不安定化する。
そのため全ての情報が消失する訳ではないが、一方で確実に何らかの形で記憶の重要な部分が欠落する。
欠落する情報によっては、なまじ全てを忘れるよりも厄介なことになる可能性もある。
歴史上で重要な役割を果たしたにも関わらず重要な情報の多くが欠落した中村長兵衛を象徴するスキル。
プランニング:C
対象を討ち取るまでの戦術的思考。
軍略と異なり、少数で大将首を狙う場合にのみ絞られる。
変装:C
世を欺く変装術。
神秘の力による「変身」ではなく、ゆえにそれなりに手間と準備を要し、体格も大きく偽ることはできない。
またこのランクでは、特定の誰かに成りすますことは困難。モデルの居ない「どこかの誰か」にのみ変装可能。
しかし逆に、その範囲であれば高い欺瞞効果を持つ。
敗軍の将すら気を許す可憐な乙女にも、褒賞を受け取るに足る青年の農民兵にも完璧に成りすませる。
現代であれば、掃除のおばさんや通りすがりのサラリーマンなどに、状況を見て扮することになるだろう。
またこの変装を看破しようと思うなら、まずは「諜報:B」を突破しなければ変装の看破の判定すら行うことができない。
竹やぶよりの一突き:B-
不意打ちのスキル。
ランサーとして召喚された時にのみ保持する。
一般に信じられている「中村長兵衛は馬上の明智光秀を竹槍で不意打ちして致命傷を負わせた」という逸話の再現。
相手が戦闘態勢を取っていない場合の一方的な攻撃(多くは不意打ちだろう)に限り、全てのステータスが上昇する。
【宝具】
【天下人を討つ雑兵の槍】
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大補足:1
明智光秀の「三日天下」に最後のトドメを刺した落ち武者狩りの竹槍。それに由来する「武器化技術」の宝具化。
史実においては竹槍であるが、その本質は「どこにでもあるモノを武器とする技」にある。
(当時の農村において竹というのはどこにでもある素材であり、竹槍というのは最も簡素な武器であった)
今回のクラスがランサーであるため、対象となるのは「長い棒状の物」に限られるが、
モップだろうと物干し竿であろうと、彼女が手にすればそれは外見はそのままに魔槍と化す。
多くの場合は耐久性に難があり連続使用には耐えないが、攻撃力だけであれば他の武器系の宝具に見劣りはしない。
それに折れたり欠けたりしても、次の「槍」を手に取ればいいだけのことである。
(そして可能な限り彼女は「槍」の予備を確保しやすい場所(掃除用ロッカーなど)を意識しながら立ち回る)
なお相手が「歴史上に名を遺す将」あるいはカリスマ系のスキルを持っている場合、その程度に応じて威力とランクが上昇する。
まさしく大物食いのための宝具である。
【Weapon】
『竹槍』
いちおう本来の武器である竹槍も装備として持つことができ、『天下人を討つ雑兵の槍』の効果も乗せられる。
魔力を消費しての再生や量産も可能で、燃費は比較的軽い。
しかしこれ自体は強度・威力ともに普通の竹槍であり、特筆すべき武具ではない。
むしろ折られたりすることを見越した上で、相手の油断などを誘う使い方が主となるだろう。
もちろんそのまま相手を刺し殺しても良い。
【人物背景】
十六世紀、日本。
織田信長を本能寺にて破った明智光秀は、しかし三日天下の名の通り天下を手中に収めることあたわず、京より敗走。
その敗走中の光秀を討ち取った落ち武者狩りこそ、『中村長兵衛』の名で知られる一介の百姓であった。
しかしこの中村長兵衛、名前こそ後世に残っているものの、不明な点が多い。
後日近隣の村々で調査をしたところ、その名すら知っている者が居なかった(村の英雄のはずなのに!)という記録もある。
光秀の死の状況にも不可解な点が多数あり、実在や功績すら疑われている人物と言ってよいだろう。
このランサーは「光秀を討ち取った落ち武者狩りは実は女性だった」という(捏造)設定に基づくサーヴァントである。
辻褄が合わなかったり実在が疑われたりするのも、肝心な情報がいくつも伏せられ偽られた結果なのである。
光秀を討った際もただ襲ったのではなく、女の姿で油断させ、同情しかくまうと見せての騙し討ちであった(という設定)。
そのため、このサーヴァントはランサーのみならずアサシンの適性も持っている。
そしてランサーとして召喚された際にも、アサシンのスキルを(適性は下がるが)一部発揮することができる。
またその史実上の逸話(千載一遇のチャンスに居合わせた)から、ランサーでありながら幸運のステータスが比較的高い。
ランサーではあるが、豊富なスキルを活かし騙し討ちなどの搦め手を得意とするサーヴァントである。
【特徴】
20代前半の黒髪の和装美女。
農民らしく着古された着物に、乱世の落ち武者狩りらしく鉢金を締め、長い黒髪は邪魔にならないよう一つに束ねている。
武器すらも竹槍が精一杯なだけに、鉢金以外には鎧らしい鎧は着ていない。
が、彼女は外見が与える印象の効果を良く知っている。
可能な限り服を着替え、その場に溶け込む姿を選択しようとするだろう。そして油断したマヌケな者たちの首を取るのだ。
素の性格はサバサバした姉御肌。
死生観は乾いており、また己の欲望に忠実に振舞う。
しかし決して短期的な欲求に目を曇らされることはなく、策を練り我慢し機を覗う知性もある。
【サーヴァントとしての願い】
現世利益の獲得。分かりやすくも生臭い人生の快楽と栄光をこの手に。幸せを求めて何が悪い。
ただ、マスターが本当に心の底から己の願望を願うのなら、全力でそれを支援する。
【マスター】
安部菜々@アイドルマスターシンデレラガールズ
【能力・技能】
売れないアイドル兼声優。
むしろウェイトレスとしての技量の方が(現時点では)収入源として安定してしまっている。
【人物背景】
プロフィールの年齢欄に「永遠の17歳」と書き続ける、不屈の、しかし売れないアイドル。
ウサミミとメイド服を愛用し「ウサミン星から来たウサミン星人」という(やや痛い)キャラクターで通している。
が、いまいちパッとしない日々が続いている。
素顔で街を歩いても芸能人と気づかれることもなく、声優業にも手を広げてみたもののこちらもやはりヒットしない。
成果が出ないまま積み重なる芸歴の長さに、焦りと諦観が忍び寄りつつある……。
大ヒットして知名度が上がる前の、終わりの見えぬ不遇の時代からの参戦。もちろん年齢は17歳だよキャハッ☆
【マスターとしての願い】
悩み中。
素直に願いを言うならば「アイドルとしての大成」だが、それを聖杯に、ランサーに頼ってもいいのだろうか?
時系列順
投下順
最終更新:2019年02月05日 23:41