――――幸せな国があった。
「姉上ェ! すげェぜッ! 漁師がこーんなにデッケェ魚を釣り上げてよォ!」
「ほう、それは……すごいな。しかし危ないんじゃないか? そんなに大きいと……」
「応ッ! そいつが跳びはねて漁師に襲い掛かるもんだから、俺がぐいと引き倒してハラに剣をブッ刺してやったぜッ!」
「ハハ……流石私の弟だ、エヴニシエン。これからも民を守ってくれ」
「応ッ!」
粗暴だが、優しく力持ちな弟がいた。
彼は乱暴者で人に迷惑をかけることも多かったが、決して悪人ではなかった。
ただ力が強い子供のような男で……大事な弟だった。
「あら……姉上ではありませんか。お散歩ですか?」
「ああ、少し休憩にな。……しかし、驚いたぞ。いったい何匹いるのだ?」
「34匹です。フフ、みんな可愛らしくて心が癒されます。姉上もいかがですか?」
「……ブランウェンは本当に優しいな。その優しさが獣にも伝わるのだろう」
「まぁ、そんな……でも、それでしたら姉上の方がずっと優しいということを、みんな知っていますよ」
優しく、たおやかな妹がいた。
彼女は美しく、誰にでも優しく、皆に愛されるような女性だった。
国一番の器量良しと名高い、自慢の妹だった。
私はそんな大事な家族に囲まれ、良き民に囲まれ、国を治めた。
誰もが笑う、美しい国だった。
……運命の歯車が狂い始めたのは、いつだったのだろう。
「ッざけんなッ! 海の向こうにブランウェンを嫁がせるのかよ!」
「落ち着けエヴニシエン。アイルランドは立派な国だ。悪くない縁談だろう」
「ブランウェンは! ブランウェンはなんつってんだ!」
「……王族の女に生まれた以上、覚悟はできていた、と。両国の交友のかけ橋となれることが誇らしいと、そう言ってくれた」
「ッ……! なんだよそれ……! 認めねぇッ! 俺は認めねぇぞッ!」
我がブリテンに訪れたアイルランド王マソルッフに、両国の交友の証としてブランウェンを嫁がせた時?
それとも、エヴニシエンを納得させられなかったことが原因か?
あるいは……怒りのあまりマソルッフを侮辱したエヴニシエンに代わり、償いの品々をマソルッフに贈ったことか?
「……ブランウェンから手紙が来た」
「おおッ! ったくアイツと来たら三年も手紙よこさねぇで……で、なんて書いてあるんだ!?」
「…………虐待を受けている、と」
「――――――――――――――――――――は?」
「助けてほしいと、書いてある」
「おい、なんだよ、それ……どういうことだよ、姉上ェッ!」
「これより我々は軍を編成し、アイルランド王マソルッフからブランウェンを取り返す。戦の支度をするぞ!」
マソルッフはエヴニシエンから受けた侮辱を忘れなかった。
その憎しみの捌け口として、妻への虐待を行った。
我々は軍勢を率いてアイルランドに攻め入ったが……かつて償いに贈った大釜が我々を苦しめた。
それは死者を蘇らせ、不死身の軍勢を作り上げる魔力を持つ大釜なのだ。
「そもそも、ブランウェンが酷い目に遭ったのは俺のせいだ」
「……待てエヴニシエン。何をする気だ」
「――――俺ァ頭悪ィからよぉ。いっつもみんなに迷惑かけてばっかで……でも、償いはちゃんとするから」
「おい、聞いているのかエヴニシエン!」
「出来の悪い弟で悪かったな、姉上! 今度こそ、ブランウェンを幸せにしてやってくれよなァッ!」
「エヴニシエンッ! やめろッ! エヴニシエン! エヴニシエン!」
その魔法の大釜を、エヴニシエンが命と引き換えに破壊した。
戦いは佳境を迎え、熾烈を極めた。
数多の兵が死に、将が死に……最後に残ったのは、僅かに七人。
私とブランウェンを含む、七人のウェールズ人だけが死産血河の上に立っていた。
だが、それもやがて六人になるだろう。
私は毒の槍を受けていたのだ。海神の子たるこの身であっても、そう長くはもつまい。
「聞け」
私は部下にある命令を下した。
「私の首を落とし、国へと持ち帰ってくれ。
私は海神の子だから、首を斬られてもしばらくは死なない。
国に帰れば、魔力を持つ食物がある。それを食べれば生き延びることが可能だろう。
私の体は毒に侵されている。さぁ、首を落とせ」
部下は忠実に命令を果たした。
私の首を落とし、六人と首一つがブリテンへと帰還する。
その旅路の中で、ふとブランウェンがさめざめと泣きだした。
「どうしたのだ、ブランウェン。あとはブリテンに帰るだけじゃないか」
「姉上……私は悲しいのです。例えブリテンに帰ったとして、王城には兄上も、兵士もいないのですから。
もはや兄上と語らうことなければ、あの立派な城を兵が見回ることも無いのだと思うと、あまりにも悲しいのです」
「……エヴニシエンは勇敢に戦った。兵士はまた集めればいい。あまり泣くな、ブランウェン。さぁ、もう休みなさい」
数日後……ブランウェンは悲しみで胸が張り裂け、死んだ。
エヴニシエンは死んだ。
兵士も皆死んだ。
そしてブランウェンも、また死んだ。
私もじきに死ぬだろう。
一体何のために私は戦っていたのだろうか?
私はこの戦いで何を得たのだろうか?
何も得ていない。私は失っただけだ。何もかも。
もはや生きようと言う気力も湧かないほどに、私は憔悴していた。
最後に残されたのは……あとはもう、あの美しいブリテンだけだ。
私は再度、部下に命令を下した。
「聞け。
私はここまでのようだ。ブランウェンも死に、もはや生きる力も失った。
だが、私はブリテンの王だ。なんとしてもブリテンだけは守らなくてはならない義務がある。
兵をいたずらに死なせた償いは自らでしようと思う。
私の首をロンドンに運び、フランスに向けて埋めて欲しい。
そうすれば、私の体に残る魔力でブリテンを守ることができるだろうから」
部下は涙を流しながらも、私の最期の命令を果たした。
私の首はロンドンに埋められ、ブリテンを守護し続けた。
その加護すらも、やがて騎士王の手で私の首が掘り返された時に失われてしまったが……
……結局、私は何も守れなかった。
何も救うことができず、いたずらに家族と兵を殺し国を衰退させた。
ああ、なんという暗君ぶりか。
私は本当に、酷い罪を犯した。
――――――だから、償わなくてはならない。
今度こそ私は、誰かを――――――
◇ ◆ ◇
「さっそく始めるか」
時は明朝夜明け。
場所はネアポリス王国の城壁から北西。
「もたもたすることもない……一瞬でカタをつけよう」
二人の男が、数メートルの間を空けて向かい合っていた。
互いに剣を持ち……腰には、ブツブツとできもののように『コブ』ができた鉄球をホルスターで保持している。
「ああ……武器は『剣』なのか?」
二人は決闘に臨んでいる。
目の前の相手に勝利し、誇りと正義を獲得するために。
髪をタイルのように刈り上げ、同じくタイル状の顎ひげを生やした男の名は
ウェカピポ。
対峙するのは……そのウェカピポの、妹の夫だった。
妹の夫が剣を投げ捨てる。
「当然! 『鉄球』だッ!」
ウェカピポも剣を捨てた。
二人がホルスターから鉄球を抜き放たんと腰に手を伸ばす。
「祖先から受け継ぐ『鉄球』ッ! それが流儀ィィッ!!」
妹の夫が吼えた。
鉄球――――ネアポリス王国王族護衛官に代々伝わる、鉄球の回転と投擲による戦闘技術。
当たれば一撃で勝負が決まるそれに、二人は同時に手をかけ――――
――――――――周囲の景色が、変わった。
「「――――ッ!?」」
それにより、双方手元が一瞬だけ狂う。
本当に、僅かなブレ。
互いに既に投擲モーションに入っていたがために、投擲は必然。
それが既に完了しかけていたがために、誤差は僅か。
だが実力が拮抗する者同士の戦いの中で、その極めて僅かな誤差は勝敗を決する要因となる。
鉄球が空中でぶつかり合い、『コブ』――――否、『衛星』がひとつ分裂して飛来。
着弾。
「ぐおッ……!」
苦悶の声を上げたのは、ウェカピポだった。
衛星が脇腹を貫き、血を噴き出す。思わずウェカピポは膝をついた。
「フゥゥ~~……中々……焦ったぞ、『ウェカピポ』……」
……対する妹の夫は、健在だった。
ウェカピポの衛星は外れたらしい。その体には傷ひとつついていない。
妹の夫は噴き出してきた汗を拭うと、蹲るウェカピポにツカツカと歩み寄る。
「『負け』を認めるか? 俺の衛星はおまえの脇腹を貫いている……おまえにもう勝ち目はない」
「まぁ認めても殺すがな……」
そのまま、ウェカピポの頭を蹴り飛ばす。
衝撃。
転倒。
星が飛ぶ。
ウェカピポは仰向けに倒れた。
立ち上がろうとしても、揺さぶられた脳と脇腹の痛みがそれを許さない。
妹の夫は顔色ひとつ変えず、ウェカピポの腹に足を乗せる。
「ぐ、ぅぅ……ッ!」
「思い上がったか? 『おまえ程度』がこのオレに勝てると……ナメるんじゃあない。
決闘はオレの勝ちだウェカピポ。おまえの妹と離婚はしない」
ギリギリと音を立てて体重をかけられる。
焼けた鉄を押し当てられたかのような激しい苦痛が傷口から奔り、口からは血が漏れ出す。
ひとしきりウェカピポが苦しむ姿を見てひとまず満足したのか、妹の夫がパッと足を離して屈みこんだ。
血を吐くウェカピポに顔を寄せる。
「いいかウェカピポ、もう一度言ってやる……
おまえの妹は殴りながらヤりまくるのがいい女なんだよ。
じゃなきゃあちっとも気持ちよくねーし、つまんねぇ女だった……」
「やめろ……わたしの妹を『侮辱』するんじゃない……ッ!」
「黙れ」
次は拳だ。
妹の夫の拳がウェカピポの顔を強打する。
「そんなに妹が好きなら、いいだろう……おまえにも妹と同じことをしてやる。
いいか、おまえの妹を殴ったぐらいにおまえを殴るし、帰ったら今おまえを殴るのと同じぐらいおまえの妹を殴ってやる……
……クソッ、そういえばここはどこだ? 急に場所が変わったが……まぁいい、今はおまえの話だ」
その後はもう、一方的だった。
繰り返し、繰り返し、何度も、何度も、ウェカピポの顔を殴打する。
抵抗できない人間をひたすらに殴りつける、サディスティックな快感が妹の夫の中を駆け巡る。
ウェカピポの脳裏で走馬燈のように今までの思い出が駆け巡る。
妹。王族護衛官としての職務。鉄球の修練。妹。結婚式。妹。海。妹の夫。妹。妹……
「おらッ! おらッ! このままテメーの妹でもわからねー顔にしてやるぜェェーーーーッ!」
もはやこれまでか。
すまない、妹よ。自分はいい兄にはなれなかった。
ウェカピポが定まらない思考の中で全てを諦めようとしたその瞬間……
「そこまでにしてもらおう」
凛、と空気が変わる。
恐らくそれは、文字通りに。
漂うのは潮風の香り。気づけば周囲は、白い霧が立ち込めていた。
「なに……? 何者だ? オレになにか用か? おまえになんの関係がある?」
妹の夫が振り返る。
そこにいたのは……長身の女だった。
妹の夫も決して背が低い部類ではないが、それでもこの女の方が大きいだろう。
黒い、ドレスを思わせる鎧に身を包んだ女だ。
時代錯誤……ということはできまい。護衛官も鎧ぐらいは着る。
だが、その豪奢ながらも実践的な鎧は、どこか異界の物であるかのような現実味の無さがあった。
例えば神話の戦士が現実に現れたらこのような姿なのだろう、という現実味の無さだ。
「帰れ、女……これは公正な『果たし合い』であり、家庭の問題だ……首を突っ込むのはやめてもらおう」
絶頂の如き快楽を邪魔されて気を悪くした妹の夫が、立ち上がって凄んだ。
ホルスターには鉄球がある。
この女がなにかするとしても、鉄球の一撃で仕留めてしまえばそれでいい。
自分の父親は財務官僚だ。女一人殺した程度ならいくらでも揉み消せる。
「動けない相手を一方的に殴り続けるのが『公正な果し合い』か?」
それでも、少しも怯まずに女はよく通る声で返した。
……妹の夫の中で怒りが込み上がってくる。
なんだこの女は?
なぜ自分の邪魔をする?
「話の分からない奴だ……いいかッ! 俺はこの男と…………」
妹の夫はウェカピポを指さし、叫んだ。
「……………?」
そして気づく。
『ウェカピポがどこにもいない』。
「なッどういうことだッ! ウェカピポは今確かにここにいたはず……!」
「……決闘、と言うのだったな。私の時代には無かったものだが……」
霧が深い。
だから見失ったのか?
女が一歩踏み出した。
手には、奇妙なほど大きな巨剣。
女の背丈もゆうに超える、巨人がこさえたかのような巨剣。
波打つような、鉤型になっているような、奇妙な形の巨剣。
「我がマスターに代わり、貴様に決闘を申し込む。
妻に不当な暴力を振るい、敗者を一方的にいたぶる貴様にもはや勇士の資格無し。
しかし私と正々堂々戦うのであれば、一人の戦士として貴様を遇しよう」
「なんだと……?」
妹の夫は、もはや爆発寸前だった。
なんだこの女は!
なぜこうも自分の思う通りにいかないことが連続する?
それもこれもウェカピポのせいだ。
あいつが妙なことを言いだしたせいでこうなっている。
婚姻無効? 法王の許可だと?
ナメやがって。あいつは殺す。そしてあいつの妹も一生嬲り者にしてやろう。
当然、目の前のこの女もッ!
「いいだろうッ! ブチ殺してやるぞ女ッ!」
鉄球を抜き放つ。
先祖より受け継いだ鉄球……誇りある流儀に乗っ取り、この一撃で殺してやろう!
妹の夫は鉄球を振りかぶり、投擲した。
女は巨剣を軽々と振るい、鉄球を叩き落とした。
「…………あれ?」
「死ね」
気づけば妹の夫の視界には、いっぱいに巨剣の刃が広がっていて……
「あの世で妻への償いを考えておくがいい」
ウェカピポの妹の夫の約束された栄光は、霧の中で血の海に潰えた。
◇ ◆ ◇
「……無事か、マスター?」
「ああ……どうにかな……」
女の手を借り、ウェカピポがよろよろと立ち上がる。
重傷だが、鉄球の技術を利用するなりすれば治療は可能だろう。
あるいは……足元で血の海に沈んでいる妹の夫のように真っ二つになってしまえば、それもかなわないが。
まさか護衛官が文字通り『左半身を失う』とは、悪い冗談だ。
妹の夫が死んだという喜びと、それを成したのが自分でないという寂寥感がウェカピポの中にあった。
「それで、キミは……」
「私は貴方のサーヴァント、シールダー ――――
ベンディゲイドブランだ。貴方と戦うために参上した」
聞きなれない名だ。
が、女……シールダーの言葉と同時に、数多の情報がウェカピポに流れ込んできた。
聖杯戦争、サーヴァント、令呪、聖杯……
「……なるほど、理解した。わたしはどうやら、随分と遠くまで来てしまったようだな……」
左手の甲に刻まれた令呪を見る。
極東の国、日本。
……それだけなら、まだ帰ることもできただろう。
問題はこれが、『未来の日本』だということ。
ここにはウェカピポの妹はいない。『19世紀のネアポリス王国』に帰らない限りは、妹に会うこともできない。
もう一度、血だまりに視線をやる。
死んでいる。妹の夫が。これで妹に暴力を振るう者は誰もいない。
だが、妹は目が見えなくなってしまった。
ほかに家族はいない。妹はこれからどうやって生きて行けばいい? 自分は未来の日本にいる。
「シールダー」
ウェカピポの中には静かな決意があった。
勝ち残らなくてはならない。
聖杯に至らなくてはならない。
漆黒とも黄金ともつかぬ炎が、瞳の中で燃えている。
「わたしは聖杯を獲得し、妹のもとへ帰る。
できれば妹の目も治してやりたい……協力してくれるな?」
それを受けてシールダーは、寂しさと嬉しさをない交ぜにしたような表情で答えた。
「当然だ。
私はそのためにここにいる。
我が父なる海に誓い、貴方を必ずや聖杯まで守護し続けると誓おう」
ウェカピポは誓った。
今度こそ、妹を幸せにしてみせると。
同時に、シールダーも誓った。
今度こそ、誰かを救ってみせると。
深い霧の中で、祝福するようにカラスが鳴き声を上げた。
【クラス】シールダー
【真名】ベンディゲイドブラン
【出典】マビノギオン
【マスター】ウェカピポ
【性別】女性
【身長・体重】187cm・65kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力A+ 耐久A 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具A+
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではシールダーに傷をつけられない。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
神性:B
神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
海神リル、あるいは海神マナナーン・マクリールの子と伝わっている。
カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。
戦闘続行:A+++
シールダーは例え首だけになった状態でもしばらくは生き延びることができる。
生命力や執念深さではなく、魔力の領域にある神代の生存能力。
魔力放出(水):A
武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。
宝具である特異な体質の恩恵により、激流のジェットが戦闘を補佐する。
【宝具】
『海王結界(インビンジブル・スウィンダン)』
ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1000人
海神リル、あるいはマナナーン・マクリールの子であるシールダーの肉体そのもの。
彼女の肉体は水の属性を持ち、水の三態変化を自在に可能とする。
巨人である彼女は本来非常に巨大な肉体を持つのだが、普段は肉体を霧状にして拡散させることで人間大のサイズに収まっている。
そしてシールダーの死後、その首を埋めた土地が外敵から侵略されなかった逸話から、この霧には味方を外敵から隠す性質がある
霧の内部に存在する自軍は「気配遮断:A」を獲得。
シールダーは霧の内部の存在に対し「気配察知:A+」に相当する効果を得る。
『祝福された勝利の剣(エクスカリバー・マクリール)』
ランク:A+ 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
濁流の一撃。
シールダーの肉体を構成する水を海神の加護と魔力によって増幅させ、巨剣あるいは腕部を起点に水流を放つ。
発動に際し周辺の水分を取り込むことで消費が軽減されるため、水辺での使用が望まれる。
【weapon】
『国剣イニス・プリダイン』
ブリテン島にも似た形状の巨剣。
宝具というわけではないが、シールダーの『国を守る』という誓いの象徴であり、極めて頑健。
シールダーはこの武器を剣兼盾として縦横無尽に振り回す。
【特徴】
理知的な瞳を持つ、長身の女性。
カラスを思わせる黒い鎧を着た戦士にして王。
金髪を三つ編みにして流し、頭頂部にピョコンとアホ毛の生えた……いわゆるアルトリア顔。
本来は山のように大きな巨人なのだが、宝具によって人間大のサイズになっている。
が、それでも背は相当高く、胸や尻も豊か。
これは彼女に備わる海の神性が、雄大さと母性を内包する概念であるため。全てを包み込む母なる海、というわけである。
極めて善性で法や徳目に厳格な仁君。
何事にも真面目で真摯に当たる人格者だが、真面目すぎる節もある。一人思い悩むことも多い。
誰にでも平等に厳しく、誰にでも平等に優しい。
【解説】
ブリテンを守護する偉大な王――――アーサー王の原型のひとつとも言える巨人王。
名は「祝福されたカラス」を意味し、海神であるリル、あるいはマナナーン・マクリールの子とされる。
ある日アイルランド王マソルッフがブリテンを訪れ、友好を示し国交と和睦を提案してきた。
ベンディゲイドブランはこれを快諾し、妹のブランウェンとマソルッフの婚姻を執り行う。
が、弟のエヴニシエンが結婚の報告をしなかったことに怒り、マソルッフの馬を殺して侮辱。
怒るマソルッフに対し、ベンディゲイドブランは謝罪と共に死者を蘇らせる魔法の大釜などを贈り、場を収める。
しかしマソルッフは帰国した後にエヴニシエンの行いに改めて腹を立て、ブランウェンに虐待をし始めた。
耐えかねたブランウェンは兄に助けを求め、これを聞いたベンディゲイドブランは激怒して軍を率い、妹を取り戻すためにアイルランドに戦争を仕掛ける。
戦争は、最終的にベンディゲイドブランを含む七人のブリテン人を除き全員が死ぬという激しい争いになった。
だがベンディゲイドブランは毒槍を受けて瀕死であったため、家臣に自らの首を切り落とし、国に持ち帰るよう命じた。
ブリテンに帰れば、魔法の食べ物によっていくらか生き延びることができるからである。
しかしブランウェンは悲しみに胸が張り裂けて死に、ベンディゲイドブランも国まで命が持たず死んでしまう。
死の間際、ベンディゲイドブランは自らの首をロンドンに運び、フランスの方へ向けて埋めろと言い残す。
これによりロンドンは長らく誰にも侵略されることがなかったが、後にこの首が掘り起こされてしまったため、国の衰退を招いたという。
【サーヴァントとしての願い】
今度こそ、誰かを救う。
【マスター】
ウェカピポ@STEEL BALL RUN
【能力・技能】
『レッキング・ボール(壊れゆく鉄球)』
ネアポリス王国王族護衛官に伝わる鉄球の技。
鉄球を回転と共に投擲し、攻撃を行う技術。
護衛官が使用する鉄球は『衛星』と呼ばれる小さなパーツが鉄球表面に14個ついており、投擲後にこの『衛星』も飛んでいく。
『衛星』によるダメージはもちろん、これがかすっただけでも衝撃が人体に伝わり――――『左半身失調』を起こす。
これは十数秒間の間自分から見て左側が認識できなくなる状態であり、左半分に限り一切の五感を失う。
まるで体の左半分が消滅し、世界も半分に消滅したかのような錯覚に陥るが、あくまで錯覚である(脳が認識できていない状態)。
通常の鉄球の技術(回転が伝わったものを『硬質化』させる等)も行えるようである。
その他、決闘の際に剣を用いるのか尋ねたことから、剣技の心得がある可能性も高い。
王族護衛官として槍を持つ姿も見受けられることから、同様に槍術の心得がある可能性もある。乗馬もできる。
【人物背景】
ネアポリス王国の最重要警備王族護衛官……だった男。
七つ下の妹を持ち、仕事を通じての友人との結婚を勧め、二人を結婚させた。
この友人というのは財務官僚の息子であり、将来の地位と財産を約束されている青年。
結婚は幸せなものになる……はずだった。
妹の夫は妻に暴力を振るっていたのだ。それも、失明するほどの過激な暴力を。
それを知ったウェカピポは怒り狂い、裏から手を回して『婚姻無効』の許可を法王より取り付ける。
しかしそれが逆に妹の夫の逆鱗に触れた。
妹の夫はウェカピポに決闘を申し込み、ウェカピポは紙一重でこれに勝利……妹の夫を殺害する。
だが腐っても財務官僚の息子。彼は国家にとって重要な人物過ぎた。
結果、ウェカピポは決闘に勝利しながらも国を追われてしまう。
視力を失った妹はひとりでは生きていけないだろう。失意の中、彼はアメリカ合衆国で聖人の遺体を巡る争いに身を投じることになる。
今回は妹の夫との決闘中というタイミングからの参戦。
【マスターとしての願い】
国へ帰り、妹を幸せにする。
時系列順
投下順
最終更新:2016年11月27日 22:18