燃えよ紅葉

「また盗難届けか」

 部署を見回っていた、冬木警察署の捜査三課、その課長のポストに就いている、髪の薄い中年の男性が言った。

「此処の所は特に多いですよ……異常な程です」

 三課の庶務を担当する、眼鏡をかけた中年女性の事務員が、ウンザリしたような口調で口にした。
彼女がそう愚痴るのも無理はない。見るがよい、彼女が向かっている机の隅に置かれた、書類の山!!
これが全て盗難の被害届と言うのだから、異常と言う他ない。

 この国で一番多い犯罪は窃盗、その中でも自転車泥棒と万引きが圧倒的である。
一年で起ったこれらの犯罪数から計算すると、これらの事件は三十秒に一回は日本全国で起きていると言う結果になるらしい。
言い換えれば、窃盗事件を扱う三課は、三十秒に一回は自分達が処理せねばならないタスクを背負っている事を意味する。
それ故、三課は常に多忙を極めると言っても良い。何処の警察署でも人不足は常なる事であるが、三課は特にその御多分に漏れない。
冬木の警察署でもまた、三課は非常に忙しい。課長としては、後二十人程はその道のプロが欲しい位だった。
尤も、幾ら忙しいと言っても、首都である東京程ではない。冬木はそれなりに平和な街であるので、窃盗の犯罪数も、あるとは言っても全国平均に比べれば低い筈だった。

 それが、ここ数日で爆発的に増えた。
しかも、万引きや自転車泥棒と言う類ではない。空き巣や、会社に設置されている金庫が盗まれるなど、三課が直々に出動、調査しなければならないレベルのものが殆どだ。
冬木にも事件だってある。窃盗の類は勿論の事、殺人だってゼロじゃない。だが刑事事件と言うものは自然現象ではなく、人為的なものである。
ある時突然爆発的に上昇したり、ある時突然急激に減ったりすると言う類のものではないのだ。増える時は段階的に、減る時もやはり段階的にと言う事が当たり前。
その普通じゃない現象が何故か起っている。無視出来ないレベルの規模の空き巣及び不法侵入が突発的に、そして爆発的に増えているのは、どう言う事なのか。

「大規模な窃盗グループでも潜伏しているんじゃないのか?」

「捜査班もその可能性を当初は考えましたが、どうもその線は薄いようです」

「何故だ?」

「手口が同一犯のものとみて殆ど間違いないみたいなのです。侵入『した』形跡が何処にもない上に、侵入した所から『出て行く形跡すらもない』。代わりに、住居を物色した跡だけが残されている、と言う奇妙な事になっていまして……」

 それは奇妙だと課長も思う。科学捜査と言うものが発展した現代において、犯罪が露見しない可能性と言うのは限りなくゼロに近い。
未解決の事件と言うものは、この世界には確かに多い、日本とてそれは同じだ。だが、『既に起った犯罪が誰の目にも触れられないまま』時効を迎えた、
と言うケースは、ベテランの刑事でもあるこの男が知る限り数件しか存在しない。住居侵入など、後から警察が調査すれば百%の確率で事が露見する事件の代表だ。
どのルートから侵入したのかと言う事は元より、其処で何をしたか、果ては、侵入者自身も気付かないような癖すらも、警察の力なら見抜く事が出来る。
不法侵入に於いて真っ先に露見する筈の、何処から其処に入り、何処からそこを去ったのか。それが解らないと言うのは俄かに信じ難い。幽霊の所業としか思えない。

「大層な怪盗なものだ……」

 ウンザリしたような口ぶりで課長が愚痴った、と同時に、慌てた様子で三課の事務員の一人が課に転がり込んで来た。
「す、凄いヤマが来るかもしれませんよ!!」、その口ぶりはそのタスクの大きさと同時に、これから訪れるであろう地獄その物のような殺人的スケジュールの予感を感じさせる。

「何があった?」

「冬木市内の銀行の金庫から、数千万もの大金が盗まれました!!」

 嘘だろうと思いながら、課長は頭を思いっきり痛めた。当然これは窃盗を担当する三課の領分であるが、此処までとんでもない仕事を任される事になるとは思わなかった。
寝ずの捜査を行わねばならないか、と課長は覚悟を決める。ベテラン刑事の頭の中には既に、相手を追い詰める為の計画がプランニングされ始めているのであった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 男は知っていた。いつの時代だって音楽と言うものは聴く側ではなく、創作者の側になると、途轍もないレベルの金と教養がいるのであると。
クラシック、ロック、メタル、雅楽。何だっていい、こいつらは何時だって金食い虫だと言うのが、男の持論だ。
何に金が掛かるのか? 音楽の意味や歴史を理解する教養を付ける為の教育にか? それもある。類稀な演奏技術を身に付ける為にか? これもある。
楽器を何時でも完全完璧なコンディションで演奏する為の体作りとその維持か? 成程確かに、それにだって金が入用になるだろう。
だがやはり一番金が掛かるのは楽器だ。一流のミュージシャンは一流であるからこそ、己の手足にも等しい道具の選択には余念がない。常に本気である。
貧乏なミュージシャンならばカードローンに手を出してでも欲しがるような楽器を、一流どころはあれでもないこれでもないと使い捨て、そして納得が出来ないので、
数千万、時によっては億にも届く程の金を出して、自分だけの楽器を作るか、音楽史では伝説にもなる程の古典的名器を捜して求める者もいる。ヴァイオリンの世界では伝説とすら言われる名器、ストラディバリなど有名であろう。

 『音石明』はギタリストだった。
勉強が嫌だとか、社会に出るのが嫌だからと言う、半ば現実逃避染みた理由でギターの世界に逃げた半端者ではない。
心の底からギターを愛し、激しく、そして熱く、死ぬまで光り輝いて生きたいと願う男だった。
尊敬するギタリストは何と言ってもジミ・ヘントリックス、そして、ジェフ・ベック。エディ・ヴァン・ヘイレンやスティービー・レイ・ボーンも素晴らしいと思っていた。
彼らのような、万人が認めるような凄まじいギターテクニックを身に付ける。これもまた、音石の身果ての夢の一つだった。
だがそれには練習が付き物だ。音楽のジャンルは種々様々、人によってはそのジャンルに高尚・低俗と言う心底下らぬラベルを付けたがる者もいるが、
練習が大事であると言う事については誰も異論をはさむまい。音石だって、時間があれば練習に耽る。そしてその結果、超絶のギター・テクを手に入れられた。

 今日も音石は、冬木市内の完全防音仕様のスタジオを一人貸し切って、エレクトリック・ギターをこれでもかと掻き鳴らしていた。
無論、ただのエレキギターじゃない。俺の望む音楽を奏でるのは、お茶の水や水道橋近くの楽器屋で売ってるような安物じゃない、そう彼は常々思っていた。
故に、自分の音楽性を発揮するのにこれ以上となく相応しいギターを、彼は自作していたのだ。
ギターのボディは中南米はホンジュラスから産出された1973年のマホガニー。音響的には最高の素材であり、汗を吸い取りやすく、
しかも吸い取れば吸い取る程音が良くなる曰くつきの逸品だ。ギターのネックは100年間も暖炉の素材に使われたクルミの木から作られている。
これによって、弦に狂いがなくなり、かつ音もビビらなくなるばかりか、音石が理想とする渋く、そして味わい深い音楽を奏でる事を可能としている。
そして、エレキギターの心臓部とも言われる程のピックアップ部分は、音のパワーを底上げする二列のハムパッキング。
トレモロユニットも搭載しており、アームを動かすと音がウィンウィン鳴り響くゴキゲンな代物である。

 楽器には金が掛かり、しかもオーダーメイドでこれだけの逸品を作るとなると、それはそれは多量の金が入用となるだろう。
しかも、スタジオを一日借り切って練習をするとなると、これも馬鹿に出来ない金がいる。まだ二十歳にも満たない、世間的には大学生である音石が、
何処からこの金を捻出したのか? その答えは単純明快、音石が掻き鳴らすこのギターも、スタジオを貸し切れるだけの金も、全て『盗んだ』ものだからだ。
音石明と言う男が働いて得た糧で獲得したものなど、此処には一つとして存在しない。此処にあるのは全て、元は他人のものであったもので構成されていた。

「――どうよ? オレのギターテクはよぉ? 『キャスター』」

 二分程に渡る演奏を終え、音石明は開口一番そう言った。
ギタリストである事から、音石はスピーカーやアンプにも拘るが、あの超能力を手に入れてからは、アンプを通さずともエレキギターの音響を発させる事が出来るようになった。今回の演奏はアンプではなく、己が超能力を駆使しての演奏であった。

「素晴らしい音ですわ……最高に『ロック』です……」

 と、音石の演奏を褒めるのは、彼から見て真正面の所で佇む女性だった。
緋色の髪で左目を隠し、長く伸ばし背中の中頃まで伸ばした後ろ髪をポニーテールに纏めた女性だった。
二重の瞼、摘みたての苺を思わせる艶やかさの唇。美と言う物を構成する主要な顔のパーツ、そのどれもに、不揃いの部位がない。つまり、掛け値なしの美女である。
燃えるような紅色をした紅葉の紋様が際立った、仕立ての良さそうな茜色の和服を身に纏っているが、ドレスコードに煩い者が見ればきっとカンカンになるだろう。
着崩している上に、改造が過ぎるのだ。後数cmズラしてしまえば、1mは超えているであろうその豊かな乳房は完全に露出してしまいかねない程で、
裾の丈に至ってはミニスカートかと錯覚する程に短い。膝頭よりも二十cm程も短く、殆ど生の脚を披露しているも同然だった。
間違った和服の着方であるのは、流石の音石だって解る。解るが、これがヤケにサマになっていると言うのだから、美人と言う人種は得であった。

「聴く者の心に響く様なその音響……!! 良いですわ、とても気に入りました、そのギターを私に寄越しやがりません?」

「オイオイやる訳ないだろ。て言うか、このギターが確かに良い奴だってのはその通りだが、それ以上に、それを弾く俺の腕があってこそのあの演奏だぜ?」

「いえ、私は別にマスターのゲロゴミカスみたいな演奏技術はどうでも良いと思ってますので、その楽器だけ寄越して下さればそれで結構ですよ」

「ふざけんな馬鹿野郎!! 其処まで言われたら絶対にやらねぇぞ俺は!! 第一、お前に渡したギターは全部どうなった!? 練習の時点でギタークラッシュさせんな馬鹿ッ!!」

「あれはその……私の腕力に耐えられない雑魚ギターが悪いんです!! 私は潔癖ですわ!!」

 確かに、それはある。見た目からは想像もつかないが、キャスター……真名を『紅葉(くれは)』と言う名のこのキャスターは、
キャスターランクにあるまじき筋力スキルを誇る。と言うのもそれは、彼女が鬼の系譜に連なる存在であるからだ。鬼の腕力は凄まじい。
彼女の細腕は、一見すれば生涯で箸より重い物など持った事もなさそうな程華奢そうなそれなのだが、その実、
本気で殴れば身長の倍以上もある大岩を容易く粉砕する程の力を秘めているのだ。
当然、そんな腕力と指の力でギターを弾くのだから、演奏される楽器がひとたまりも無くなるのは無理なき事。
紅葉の我儘の為に冬木の楽器店からかっぱらって来たエレキギターを、演奏開始と同時に彼女が破壊する現場を、音石は何度も見て来たのである。
――そう、今冬木の街で騒ぎになっている、大量の空き巣被害。その根本は彼、音石明のスタンドである、レッド・ホット・チリ・ペッパーの手による物だった。

 音石明が超能力者――つまり、スタンド使いと呼ばれる人種になったのは、何時だったのかは彼自身も忘れてしまった。能力を手に入れた事実の方が重要だからだ。
音石は己のスタンドであるチリペッパーは、強い上に便利と言う素晴らしいスタンドだと確信していた。
電気をエネルギーにして何処までも強くなり、電気を伝ってどんな場所にも潜入出来る凄まじいスタンド。今日、電気の通っていない都市などあるだろうか?
この日本、今やどんなド田舎にだって、電化製品を稼働させる為の電線がある。先進国である以上、この国のどんな場所も、電気に依存せざるを得ないのだ。
故に、チリペッパーは強く、そして便利だ。電気の力があればどんなスタンドにも負けぬパワーとスピードを発揮出来、電気が通っていればどんな所にも侵入出来る。
チリペッパーに侵入出来ない所など、大気圏外の世界ぐらいのものだった。

 己をスタンド使いにした虹村形兆をこの手で殺害し、弓と矢を奪い取ってから数日程経過した時だった。
音石は気付いたら、杜王町から、全く彼とは縁も縁もない冬木の街に飛ばされ、剰え、冬木市民のロールすら与えられていた。
困惑しない筈がない。筈がない、が。ある一つの情報が、困惑と言う感情をぶっちぎった。
それこそが、聖杯に纏わる情報。これがあれば、どんな願いでも叶うのだ!! 俗物の塊である音石がこれを求めない筈がない。
呼び出されたキャスターも、聖杯の獲得にはとても意欲的であるのだが、見ての通り手前勝手な性格である。其処が音石の悩みの種だった。この上まともにやり合っても勝ち目がゼロと来ているのも、頭を痛ませる原因である。

「兎に角、俺のこのギターは特別なんだ。お前には絶対貸さないぞキャスター」

「まぁ!! 顔も不細工ならば心もクソみたいに淀んでますわね!! 何て心の狭いマスターでしょう、夜道には気を付ける事ですわね!!」

 ゾクッとするのは音石の方である。
見た目は音石の力でも屈服させられそうなか弱そうな外見だが、その実紅葉は日本の伝承の中でその恐ろしさが雄弁と語られる鬼の一人なのだ。
そんな人物に夜道に気を付けろなどと言われたら、恐ろしさを感じない訳がない。しかも目の前のサーヴァントは、かなりトンチキな口調で本質がボヤけているが、
その性情は音石なぞよりもずっと危険な存在だった。何せ音石自身、初めてこのサーヴァント見た時、殺されるとすら思っていた。
自分以上に、人を殺す事に躊躇のない怪物。それこそが、鬼女紅葉だと、一目で解らせる力を、このサーヴァントは持っているのだった。

 拗ねた紅葉は、手元に何かを引き寄せ(アポート)させた。
三味線や琵琶に似ていると音石は思ったが、実際は違う。それは琴だった。中国から伝わり、日本で独自の成長を遂げた、和琴である。
それを、何故だか知らないが彼女は無理やり、ギターの形に改造させたのである。遠くから見れば間違いなくそれはギターとしか見えないのだが、
近くに寄ってみれば一目瞭然。明らかにそれは、和琴だった。それを彼女は無理やり掻き鳴らした。鳴らされる音は、全然ギターのそれじゃない。
普通に演奏すれば、耳に心地よい澄んだ音が響く見事な楽器になるのだろうが、力加減から何まで滅茶苦茶に弦を掻き鳴らしまくっているので、その音には雅さの欠片もなかった。

 いつまでも拗ねさせたままではアレだと思ったので、音石も自分の楽器を掻き鳴らさせ、紅葉の琴とセッションをさせる。
ギターの音と琴の音では、全くと言っていい程反りが合わなかったが、少なくとも、紅葉の機嫌が良くなったのか、顔が少しだけ楽しそうになり、演奏もヤケにノり始めて来たので、音石はよしとするのであった。






【元ネタ】紅葉伝説(10世紀上旬)
【CLASS】キャスター
【真名】紅葉(くれは)
【性別】女
【属性】混沌・中庸
【身長・体重】174cm、61kg
【ステータス】筋力:B 耐久:C 敏捷:C 魔力:A 幸運:C 宝具:A+

【クラス別スキル】

陣地作成:D
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。“結界”の形成が可能。

道具作成:E
魔術的な道具を作成する技能。ちょっとした護符程度。

【固有スキル】

鬼種の魔:B++
鬼の異能および魔性を表すスキル。天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出、等との混合スキル。
魔力放出の形態は、キャスターの場合は『音』であり、相手を洗脳する心地の良い音や、地面を割り樹木を粉砕する程の大音響で範囲攻撃を行ったりする。
キャスターは人間の両親から生まれた突然変異の鬼であり、その点で純粋な鬼ではなく本物の鬼種である鬼達に比べてスキルランクは低いが、
第六天魔王としての因子を多分に有している為、これを利用する事で純然たる鬼に肉薄する程の能力を行使する事が出来る。

鬼道:A+
周囲に存在する霊的存在に対し、依頼という形で働きかけることにより、様々な奇跡を行使できる。
行使される奇跡の規模に関わらず、消費する魔力は霊的存在への干渉に要するもののみである。
あくまで依頼であるため、霊的存在が働きかけに応じない場合もあるが、キャスターは他化自在天の力を持った女の為、成功率はとても高い。

芸術審美:C
芸術作品、美術品への執着心。芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、高い確率で真名を看破することができる。
人間だった両親に育てられた時と、京の有力貴族の家に嫁いだ際に、教養として学んだ。

【宝具】

『鬼々怪々紅葉琴(ファッキン維茂ですわッ!!)』
ランク:D 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1~50
キャスターが有し、生前奏でていた琴や、その演奏技術が宝具となったもの。
本来の宝具の形は名前通り琴であるのだが、現代の芸術文化や文明に憧れるキャスターが、無理やり琴の形からギターの形に改造させてしまった。
しかしそれでも宝具としては機能する。精神操作を行わせる音色を奏でたり、音響を攻撃に転じさせる事で、相手を吹っ飛ばすほどの大音響を発生させる事が出来る。
因みに宝具の真名にしても正しい物ではなく、憎んでも憎み切れない男に対する怨嗟をキャスターは宝具名に採用している。

『天魔憑依・他化自在天』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
キャスターの中に存在する、第六天魔王の因子を強めさせ、自身を彼の魔王の存在に限りなく近づけさせる秘術。
第六天魔王とは即ち、仏教においては彼の帝釈天よりも上位の天部に位置する守護天である他化自在天であり、
仏門にとっての恐るべき魔王であるマーラ・パーピーヤスであり、ヒンドゥー教における愛欲と性欲を司る神・カーマである。
この姿に変貌する事で幸運以外の全ステータスはA+にまで引き上げられ、鬼種の魔と鬼道のスキルランクが上昇する。
また、元々が愛欲を司る神であり、仏教の中においても仏僧を悟りから遠ざけさせ、肉欲を以って物質世界に楽を齎そうとする存在である為、
精神に関わる魔術も解禁になる。非常に恐るべき強さを誇るようになる形態だが、己を第六天魔王と言う高次の存在に近づけさせる宝具の為、これを発動させている間の魔力の燃費も、爆発的に悪くなる。

【Weapon】

【解説】

紅葉伝説とは、信州、今の長野の辺りに伝わる、紅葉と言う鬼女に纏わる伝説の事である。紅葉は『もみじ』ではなく『くれは』と読む。
紅葉とはこの伝説に出てくる女主人公の名前であり、物語は、紅葉の討伐に勅命を承けた平維茂が紅葉と戦い討ち捕る話として伝えられている。
紅葉伝説は語られた場所や語り手によって話の筋が変わる為、現在でも幾つものパターンが伝わっている。
パターンは様々だが、会津で生活していた伴笹丸と菊世と言う夫婦が第六天魔王に祈った事で生まれた子供であり、非常に美しくて頭も良く芸術面にも明るかった事と、
両親と共に京に上り源経基と言う貴族と愛し合い子供を成した事。京で起こした悪事が原因で都を追放されてその先で生活、盗賊団を結成した事。
そして妖術を駆使して京へ上るも其処で維茂と戦い討ち取られる、と言った箇所は、どの伝説でも変わっていない。それでは、型月真実は如何なのか?

 落魄した京の役人である伴笹丸と菊世は、せめて子供が欲しいからと、第六天魔王こと他化自在天に祈願、気まぐれにこの祈りを聞き届けた魔王が、菊世に子供を授ける。
これが所謂呉葉であり、この子供に両夫婦は読み書きや和歌、琴を教え、呉葉もそれに対して天才的な才能を発揮し、更に非常に美しい容姿を得る。
夫婦は、余りにも呉葉が素晴らしい才能の持ち主の上、非常に美しい容姿をしていた為、京の雲上人、もっと言えば時の帝の寵愛すら受け、
昔以上の生活を送る事も夢ではないのではと考えて上京するも、その道中でこの夫婦の意図を読んだ事と、この夫婦に縛られて生活するのはやだと考え二人を殺害。
だが流石に両親を殺して会津に戻る訳には行かず、そのまま京へと赴き、紅葉の偽名で街の子供や町人たちに文字を教えたり、琴を弾いたりして生活していた所を、
源経基の御台所の目に止まり、彼女の侍女となる。しかし高い教養と雛に稀なる美女の為、経基自身の目に留まり、彼に惚れられる。
どうせなら京の都で面白おかしく過ごしてやるかと思い、経基とヤって身籠るも、これに嫉妬した御台所により謀殺されかけるが、逆に紅葉は鬼道で殺し返す。
それが露見したのと、紅葉の正体が第六天魔王の因子を継いだものだと発覚。京を追放される。追放された先で、「しゃーない切り換えて行け」感覚で心機一転。
追放先で寺子屋的なものを営み始める。頭も良く美人だった紅葉は村人達からは非常に好かれただけでなく、鬼道で豊作を約束させたりもしたので、非常に崇められた。
これに気を良くした紅葉は、もののついでに追放先から結構離れた所で暴れてた妖怪やら鬼をボコボコにして家来にしたりとやりたい放題だった。
そんな事をしている内に、経基の子供である経若丸を出産し、経若丸達と一緒になんだかんだ十年以上楽しく過ごすが、ふと紅葉は、何だか養育費が欲しくなり、
これをせびりに経若丸の実の父である経基のいる京へ向おうと画策。こうして、紅葉と配下の鬼や妖怪からなる山賊団と息子の経若丸と一緒に京へGO。
当然こんな化物共が来るので京の都は大慌て。全力で紅葉の一軍を迎え撃つ。激しい死闘の末、平維茂が神剣で紅葉とその息子にとどめをさして事態は終結。
最期の言葉は、『子供を育てるお金位送ってくださいませこのケチ!! 馬鹿!! 死ね!!』だったと言う。
享年33歳、維茂に討ち取られた時の彼女は、京を追放された19歳の時から外見も精神性も全く変わっていなかった。

 第六天魔王の力を受け継いだ、両親ともに人間から生まれた突然変異的な怪物である為、真正の鬼ではないし、そもそもの問題として鬼とは別種の怪物である。
便宜的に鬼と言われているだけであるが、その戦闘能力はかの他化自在天の力を多分に引き継いだ、魔王に近しい存在の為恐ろしく高い。
有る伝説によれば維茂の率いる大軍を炎の雨を降らせて焼き殺したり大洪水を引き起こして溺れ時にさせたりして軽くいなしていたなど、その鬼道の腕は凄まじく高い。
伊達酔狂を好むのが鬼の特徴であるが、彼女もその特徴から外れていない。但し彼女もまた鬼らしく非常に享楽的な性格で、命を命と思っておらず、簡単に人を殺す。
但し、元々が人間出身の人間よりの性格の為か、人に対してはそれなりに優しい。おだてられやすく、元々追放先の村で妖怪や鬼、山賊退治をやっていたのは、
もっと褒められたくて崇められたかったから。新しいものが大好きで、最近はロックがお気に入り。元々は琴だった宝具を無理やり改造してギターにしてしまった程。
ノリこそ全てと思う所が多々あり、養育費が欲しかったのも本当に気まぐれだった。未だに養育費を払ってくれなかった源経基と、自分を殺した平維茂については怒り心頭。特に後者については、宝具名を変える程の怒気を示している。

 ちなみに、ローズヒップをビー・バップ・ハイスクールに押し込んだような、お嬢様口調とガラの悪い不良口調が混じっているのは、
元京の役人である両親の教育と京で源経基の教育により培った口調と、追放された先で盗賊達の野蛮な口調が混ざり合ってスパークを起こしているから。
当時の時点で部下の鬼や妖怪達からおかしいと思われていたが、突っ込むと殺されかねないので誰も突っ込めなかった。因みに現代基準でもおかしい事に紅葉は気付いてない。

【特徴】

緋色の髪で左目を隠し、長く伸ばし背中の中頃まで伸ばした後ろ髪をポニーテールに纏めた女性。
掛け値なしの美女であり、その顔のパーツの何処にも、他に比べて出来が劣っているなと言う風な所はなく、全て完成度が恐ろしく高い。
燃えるような紅色をした紅葉の紋様が際立った、仕立ての良さそうな茜色の和服を身に纏っているが、これを完全に着崩している。
後数cmズラしてしまえば、1mは越えは容易い豊かな乳房は完全に露出してしまいかねない程胸元は露出させており、
裾の丈に至ってはミニスカートかと錯覚する程に短く、生脚をの八割以上を晒している状態に等しい。要するに、改造和服である。

【聖杯にかける願い】

十四歳と言う若さで非業の死を遂げた息子と共に生活をする……ではなく、受肉して自分だけいい生活をしたい。
息子の事は愛してはいるが、生前は十四歳まで育てたんだから別に今回だけは自分が楽しんでも良いっしょwと考えている。彼女もまた、自分本位極まりない鬼の世界の住民なのであった。



【マスター】

音石明@ジョジョの奇妙な冒険Part4 ダイヤモンドは砕けない

【聖杯にかける願い】

聖杯を手に入れる。願い自体は考え中

【weapon】

【能力・技能】

スタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパー:
破壊力:A スピード:A 射程距離:A 持続力:A 精密動作性:C 成長性:Aの遠隔操作型のスタンド。
これらのステータスはサーヴァントのそれと全く同一のそれではなく、サーヴァントに比べれば若干強さは劣る。
……但し、電力の供給が最大状態ならば、一時的にサーヴァントを遥かに超える程の強さを発揮可能。
人型のパキケファロサウルスを思わせる姿をしており、『電気を操り、電気と同化する』事が能力の本質。
電気があるのならどこにでも移動可能であり、コンセントや電線の中を移動する。バッテリーなどの電源に潜むことも可能。
触れた他の物体を電気と同化させて電線の中に引っ張り込む事で移動させたり感電死させる事も出来る。
遠隔操作型のスタンドであるが、電気を吸収すればするほど強くなり、電力量によっては近距離パワー型のスピードとパワーさえも超えられる。
特にスピードは能力の特質上光速に近い速度で動けるため、スタープラチナのような時間を止めるスタンドでもない限り追いつけない。
弱点は、電力がない所では全く力を発揮できない事と、スタンドを解除できないまま電力が失われるとスタンド自体が消滅してしまう危険があること。
また電気の性質を受け継いでいる事がそのまま長所でもあるが短所でもあり、絶縁体には非常に弱く、さらに海水に放り込まれれば電力が散ってしまい死んでしまう。

音石はこのスタンドを操る力を持っている為か魔力を多少有している上に、チリペッパーの性質上電力を魔力に変換させる為非常に大きいアドバンテージを持つ。
但し、如何に音石と言えど、第六天魔王としての宝具を発動させた紅葉を運用するには凄まじい程の魔力(=電力)が必要になる。魔王としての姿を維持させるなら、冬木全土の電力が必要になるであろう。

【人物背景】

ギターをこよなく愛するロッカー、19歳。夢はウルトラ・スーパー・ギタリストになって激しく熱く生きること。
虹村形兆によりスタンド能力を引き出されたスタンド使いの一人で、スタンド能力が成長した後、彼を殺害して「弓と矢」を強奪する。
スタンドを悪用して盗みを働きやりたい放題していた。盗んだ額はなんと5億円相当。人殺し自体は、形兆以外にはしていなかった模様。

形兆を殺し、弓と矢を手に入れてから数日後の時間軸から参戦。弓と矢は杜王町に置いて来た。

時系列順


投下順


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音石明 :WINter soldiers
キャスター(紅葉)

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最終更新:2016年11月27日 22:00