「おのれおのれおのれおのれぇえっ!」
深い森の中、声を震わせ現状に対する怒りを表明する参加者が一人居た。
いや、一人と言う言い方は正しくないのかもしれない。青と白を基調とし、銀鱗のような胸飾りと金の縁取りを持った華美な服に身を包んだ人型をしているが、無機的な銀色の肌をしたそれは、明らかに人間ではなかった。
大海を往くクルーザーとそれに掻き分けられた白波を思わせる形状の頭部。その下には、宝玉をそのまま嵌め込んだような碧眼と、その下から頬へ縦に線が走る彫刻のなされた、仮面のような顔があった。
「この俺を誰だと思っている!? このザンギャックの司令官、
ワルズ・ギル様をっ!」
ワルズ・ギルは湧き上がる憤りのまま、目の前に大木へと握り拳を叩き込む。ずぅうん、と樹が揺れるのと同様に、ワルズ・ギルもまた掌に走った痛みに震えていた。
(ぐっ……何故俺様がこんな目に! これも全て奴らのせいだ……!)
自分から手を出しておきながらそんな勝手を思うワルズ・ギルだったが、そこで背後に立つ何者かに気づいた。
「ご無事ですか、ボス」
殺し合いの場で、感情任せに目立つ行為を働いた代償か――そう認識した事実に背筋を凍らせながら、みっともない悲鳴を喉から迸らせるまさに寸前に聞こえた声に、ワルズ・ギルは目を瞬いた。
「その声、は……」
そんな、バカな。
彼がもう、自分を呼ぶことはないはずだったのに。
だからこそワルズ・ギルは、彼の仇を討つべく悪辣な海賊どもに挑み――敗れ、死んだはずだったのに。
「バリゾーグ……バリゾーグ、なのかっ!?」
「イエス、ボス」
変わらぬ見事な一礼を披露され、ワルズ・ギルは思わず銀色のサイボーグに駆け寄った。
「はっはぁっ! そうかバリゾーグ、おまえ無事だったのか! まったく、心配かけさせおって」
「いいえ、ボス。私は無事ではありませんでした」
喜びの声を上げるワルズ・ギルに対し、バリゾーグは二メートル近い高さにある頭を横に振った。
たった一人の忠臣との再会に胸躍らせていたワルズ・ギルは、その様子を訝しみ、思考が冷めて行くのを感じていた。
「私はゴーカイブルーとの交戦で、一度戦死しました。ワルズ・ギル様の完全なる護衛が任務でありながら完遂できず、申し訳ございません」
そう淡々と告げて来るバリゾーグを、ワルズ・ギルは一瞬呆然とした面持ちで見つめたが、やがて得心の言ったような表情をした後、小さく首を振った。
「……そんなことで謝る必要はない。おまえは死の瞬間まで俺に尽くしてくれたのだからな。だがバリゾーグ、おまえ結局あの時死んでいたのか? それなのに今ここにいると?」
「イエス、ボス。このバトルロワイアルのために、主催者によってゴーカイシルバー同様蘇生され、こうして再びボスと拝謁しています」
失態についてはお許しを、と再び一礼して来たサイボーグに対し、ワルズ・ギルは少しばかり引きつった笑みを浮かべながらその肩を叩いた。
「ふは、ははははは。なるほどな。あのどこの馬の骨とも知れん田舎皇帝如きが、よくもこの俺様をと思いもしたが、そうか。おまえも参加者として蘇らせたか。なら少しばかり許してやらんでもない」
「いいえ、ボス。私は参加者ではありません」
バリゾーグから発せられた二度目の否定の言葉に、笑声を止めたワルズ・ギルは「何?」と彼に尋ね返した。
「どういうことだ。そういえばバリゾーグ、おまえ首輪をしていないじゃないか」
「イエス、ボス。私は参加者ではなく、ワルズ・ギル様の支給品です」
「……支給品、だと――?」
激情の余り、声を掠らせながら……ワルズ・ギルは漸う、部下の言葉を繰り返した。
「はい。ですがご安心を、ボス。ワルズ・ギル様が見聞きしたのと同様の、説明の場での出来事は全て、どういう原理かは不明ですが記憶を与えられています。情報不足でボスにご迷惑をお掛けしてしまうなどということはないかと」
バリゾーグがそう説明したが、ワルズ・ギルの耳にはあまり意味のある音として入って来なかった。それほどの怒りに彼は包まれていた。
宇宙全土に覇を唱えんとする、宇宙帝国ザンギャック。ワルズ・ギルはその正当な王位継承者でありながら、偉大な父に似ぬ馬鹿息子と重臣達より蔑視され続けて来た。誰もが腹の底で見下しながら、皇太子だからと見え透いた態度で表面上は褒めそやし――そして事実父に及ばぬ以上、それをどんなに不満に思おうと放蕩息子であると認め、それを演じ続けねばならなかったワルズ・ギルは……いつも、独りだった。
――バリゾーグと出会うまでは。
特務士官バリゾーグは、元を正せばワルズ・ギルが剣の腕に目を掛けていた脱走兵シド・バミックを改造し、記憶や人格と引き換えに強化したサイボーグである。絶対の忠誠心を植え付けられた彼のことを、ただの機械人形と揶揄する者もいたことだろう。
それでもワルズ・ギルにとっては、父から与えられた世界の中で、唯一父を介さずに己に忠義を尽くしてくれる、たった一人心を許せる相手であった。そして――ワルズ・ギルの心を孤独から救ってくれた、恩人だった。
……それを、支給品だと?
「ふふ、ふっはっはっはっはっは……っ!」
「……ボス?」
急に、妙に外れた調子で笑い出したワルズ・ギルを心配したのか、バリゾーグがそう声を掛けて来た。
この気遣いも、確かにプログラムから来る行動かもしれないが――そうか。
こいつを道具と断じるか。
「バリゾーグ、前言撤回だ。俺はやはりバグラモンどもが許せん。俺の部下であるおまえのことを、よりにもよって支給品扱いする不届きな奴らはな」
あるいはそれは、ワルズ・ギルにとって初めてのことだったのかもしれない。
皇帝である父に命じられたからでも、敬愛する父から期待されたからでも、偉大な父と並びたいからでもなく……父と一切関わらず、ただ自分の意思のみで、ここまで強い決意をしたことは。
「バリゾーグ……俺はバグラモン達と戦う。奴らの思惑を潰し、この俺を怒らせたことを後悔させてやりたい。……そのために、もう一度ついて来てくれるな?」
そしてもう二度と、こいつをみすみす死なせるような真似はしない――今度は自分も隣で戦うと、密かに誓いながら。ワルズ・ギルはバリゾーグの隻眼を、真正面から見据えた。
「私はワルズ・ギル様の忠実な部下……」
最期の戦いに臨んだ時に交わしたそれと、よく似ていると既視感を感じながら。ワルズ・ギルはかつて聞いたのと同じ言葉が、同じ相手の口からもう一度発せられるのを、黙って聞いていた。
「どんな命令でもお聞き致します」
「うむ……!」
いつもの見慣れた所作で一礼するバリゾーグの返事に満足げに頷いて、ワルズ・ギルはもう一度バリゾーグに歩み寄った。
「よろしく頼むぞ、バリゾーグ……とは言っても、まずはどうすれば良いのだろうな」
「バトルロワイアルの参加者であるボスには、説明にあったBRデバイスが支給されているはずです。まずはそこにある名簿と、現在位置を確認する必要があるかと」
「おお、そういえばそんな物もあったな! すっかり忘れるところだった。早速助かったぞバリゾーグ!」
「勿体ないお言葉です、ボス」
忠臣に心強さを感じながら、ワルズ・ギルは肝心のデバイスを探す。
「確かあの忌々しい海賊の一人がいたな……奴らは何人連れて来られているのか……」
腕時計型のデバイスだったという話を思い出して、ようやくそれを発見して起動するという、まさにその瞬間。絶妙なタイミングで、ワルズ・ギルは自身を呼ぶ声を聞いた。
◆
「王子ーっ!」
探し人を求めて響くのは、若い女性の澄み通った声。
朝日を遮り、幾重にも重なる葉と梢が緑の天蓋を作る深い森。足元でうねる大樹の太い根や、苔や下生えに気を付けながら、
パリエル・カーライゼルはその中を足早に移動していた。
「王子ー! いたら返事してくださーいっ!」
伸ばした金髪が飛び出た枝などに絡まらないように気を配りながら、それでも逸る心地でパリエルは声を張り上げる。
同じ赤の装束でも近衛騎士の制服ではなく、上から鎧を着こんだ冒険者仕立てになった今の自分は、もう彼の護衛でも何でもない。むしろ傭兵として何度か、グランマーセナル帝国の官僚となった彼と敵対したこともある。
……だがそれは、あくまで見た目の立場上での話だ。そしてそんな物、この殺し合いの場においては何の意味もない。
彼を一刻も早く見つけ出し、護りたいと思う理由はいくらでもある。単純に、知り合いには死んで欲しくないし、初っ端から殺し合いその物に喧嘩を吹っ掛けたあのバカ王子を放っておけないという気持ちもある。いくらいつも通り振る舞っていたとはいえ、目の前でルナスを殺され、預言者から死の遊戯に誘われた彼の精神を心配せずにはいられない。
そして何より、つい先日の手紙で――やはり覚えていてくれていると確信できた、『約束』を守るために。守らせるために。パリエルはバグラモンに会場へ飛ばされてすぐに、まず周辺を駆け回り、呼びかけていた。
「はあ、はあ……こうなったら」
立ち止まったパリエルは今一度、大きく息を吸い込んだ。
「王子~、抱いて~っ!」
抱いて~……抱いて~…………抱いて~……………………
静寂に包まれた森の中を木霊するいかがわしい叫びに対して、「イエス、マイハニー!!」などと誘き出される者がいないことにがっくりと肩を落として、パリエルは溜息を吐いた。
「はあ……やっぱり、そんな近くにいるとは限らないよね」
それは当然想定してはいた事態だが、それでも互いに近場に飛ばされていた場合にすれ違いになるほど恐ろしいことはない。だからこそ帯剣していると確認の取れた瞬間から、彼女はデバイスを起動する間も惜しんだ。周囲に参加者に己の存在を宣伝して回る非常に危険度の高い行為だと認識しながらも、パリエルは敢えて森の中を駆け回り呼びかけ続けていた……のだが。結局は徒労に終わり、しかも危険が及ぶ可能性を自ら蒔いてしまったことに脱力しながらパリエルは立ち上がり、デバイスを起動する前に身を潜める場所を探そうとした、その矢先だった。
「――誰だ! さっきから俺様を呼ぶ奴は……しかも破廉恥だぞ!!」
雑草や小木を乱雑に踏み潰す足音を響かせながら、妙に高慢な男の声がパリエルの左手から聞こえて来た。
「王子……!」
……の、声じゃない。
自身の呼びかけに対する答えだったことからつい条件反射で反応してしまったが、即座にあのバカ王子ではなく、聞き覚えのない声だと気付いたパリエルは一瞬硬直した。
ヤバい、今のを見知らぬ人に聞かれていた……!
若干の羞恥心から頬に熱を感じつつ、パリエルは次に取るべき手を考えようとした。
とりあえず身を隠し、こちらに向かって来ている参加者の様子を伺うのが最善手だろうということはすぐ判断できたが、鈍った思考から実行に移すより、返事のした方にあった茂みが烈風と共に薙ぎ払われる方が早かった。
「――っ!?」
「……何だおまえは。人間ではないか」
そこから現れた二つの異形に思わず息を呑むパリエルに対し、その内白と青の怪人の方がそんなことを呟いた。
人間ではないか、などと――厳密には純粋な人類でないとはいえ、初見でパリエル相手に言うということは……彼は見た目の通り、人間やその系譜ではないということか。
もう片方――つい先日交戦したコアユニットとはまるで異なる、機械をそのまま人型にしたようなロボットが、三又に別れた奇妙な長剣を片手に彼の真横に控えている。そいつは外見以外に警戒しようと思える要素のない怪人の方とは異なり、冷たいながらもビリビリと来る圧力を発していた。だが、それを威嚇に過ぎないと受け取ったパリエルは敢えて腰に佩いた長剣の柄には手を伸ばさず、彼らの観察を続けることにした。
(魔物……なら喋らないよね? いったい何?)
ジョーカーではない二人組なら殺し合いに乗っている可能性は低いと思えるが、早計は禁物。最悪の場合、次の一手で抗戦か逃走を強いられる可能性もある――それに備え両足を少しずつ撓めていたパリエルへと一歩、もう一歩と近づいて、白い怪人は大仰な身振りで口を開いた。
「俺を呼んだかと思えば、しかも思い上がりも甚だしく破廉恥な要求をする人間か……」
いや、それ違いますと訂正しようとしたパリエルは、疑問に思った様子で怪人が続けた言葉に息を詰まらせた。
「そんな奴らが出るほど侵略は成功していたか? バリゾーグ」
侵略――っ!?
その単語を聞いた瞬間、パリエルは発作的に剣の柄へと手を伸ばそうとしてしまった。
今は気ままな傭兵稼業が気に入っていて、何も感じないわけではないと言っても、もう帝国を憎んではいないと思っていたはずなのに……件の手紙で夢を思い出した時、知らぬ間にそんなことを願わねばならなくなった元凶の一つに対して抱いていた、かつての敵意も等しく蘇っていたのか。
もしくはもっと単純に、明らかな人外が、人間が媚を売ることを指して侵略の成果などとのたまったためか。
それでも手を伸ばす過程で正気に返り、身じろぎ程度で終わらせるはずだったパリエルの挙動はしかし、意図せず完遂する結果となってしまう。
――理由はバリゾーグと呼ばれた、機械の剣士だ。
パリエルが怪人へと、僅かに漏らしてしまった敵意が引き金となったか。バリゾーグもまたその鬼気を増大させ、彼を庇うようにパリエルと怪人の間へと立ち位置を変えていた。
そんな機械剣士の所作は、脅威を感じさせるという形で連鎖的にパリエルのトリガーをも押すこととなり、気づけば彼女も剣を握ってしまっていた。自ら互いの臨戦態勢を呼び込んでしまったパリエルは、悪化した状況に臍を噛んでいた。
(……落ち着け)
まだ挽回できる、とパリエルは自身に言い聞かせる。
仮にも殺し合いの舞台だ。初対面の相手に対し、警戒を抱くことはむしろ当然。互いに剣に手を掛けても、まだ引き返すことができる範囲のはずだ。互いに危険人物でないのなら、徒に争う必要はないのだから。
……無論、言動からその可能性が出て来たからこそのパリエルの反応であり、その結果としてのこの事態なのだが。
「やー、ちょっとごめんなさい。状況が状況だからつい手が伸びちゃって」
あはは、と緊張を解すようにそう伝えたが、バリゾーグは微塵も警戒を解かない。故に額を流れる嫌な汗は止まらず、パリエルも最悪を想定して手を離せなかった。
だが同時に、バリゾーグからは即座に襲い掛かって来るといった様子もない。そのことを見取ったパリエルは、何とか場を収めようと、慣れない交渉を続けようとしたが。
「何だそれは。スーパー戦隊でもない地球人に、まだ俺様達に歯向かおうなどという気になる奴がいたというのか」
呆れと苛立ちの混じった声が、それを台無しにしてくれた。
「それもこれも海賊どものせいだろうが、このままでは司令官であるこのワルズ・ギル様の名に傷がつく! バリゾーグ!」
憤りのまま怪人――ワルズ・ギルは、パリエルと対峙する機械剣士に呼びかけた。
「その女にわからせてやれ! ザンギャックに歯向かうというのが、どれほど愚かな行為なのかを!」
「イエス、ボス」
ワルズ・ギルの命を受け、遂にバリゾーグは前進を開始した。
「……結局こうなっちゃったか」
焦燥と諦念のまま小さく呟いたパリエルもまた、愛剣を鞘から引き抜きそれに応じた。
バリゾーグはただ右手に握った剣を無造作に構えただけでありながら、パリエルは剣士の本能とでも言うべき部分で、敵手に一部も隙がないことを感知していた。立ち向かうには余りにも強烈――それこそ大陸最強の銀髪鬼、レイナー・ラングバルトに匹敵か、彼を上回るほどの威圧感を放っている。だが、だからこそ背を向けることはできない。背中を向けるという隙を晒せば即座に斬られることが明白な以上、死中に活を見出すしかない。
見るからに破壊力重視の長剣。マッシブな体型からしても、およそ一撃の重さでは勝負になるまい。さらに金属質な光沢を放つその身の防御力は、これまでパリエルが切り結んで来た如何なる剣士にも勝るだろう。人間でない以上、急所を突けば終わるとも限らない。
それでも小回りや剣速は、見るからにパリエルに分がある。そして肝心の剣技については、元より中原屈指の腕前に加えこの一年レイナー達に鍛えられた今の自分が、そう易々と後れを取りはすまい。
一瞬でそこまで見取ったパリエルだったが、その時にはもうバリゾーグは間合いを詰め、得物を振り下ろして来ていた。
撓めていた膝を伸ばし回避に移ったパリエルだが、敵の太刀筋の凄絶さ、その鋭さからは逃れ切れないことを刹那に見切る。まともに受けてはいけないと、純銀の長剣のその腹を打つように捌きに掛かる。
(重い……っ!)
剣は折れなかった。微かに軌道の逸れたバリゾーグの切っ先はパリエルに触れることが叶わず、その下の苔の生えた大樹の根を寸断する。さらにその下、一抱えほどもある小岩をゼリーの如く両断せしめた威力を見て、脇に逃れたパリエルの心臓が早鐘を打った。
だがその見事な一太刀、石礫に撃たれる無用な心配のない冴えだったのはむしろ幸運か。バリゾーグの左脇に逃れていたパリエルは着地した足そのままで、最速の刺突を放つ。
狙うは可動域の確保のために、銀の装甲にではなく黒いラバーで覆われた無防備な脇口。他より刃の刺さるだろうと予想したパリエルの鼻先を、銀の一閃が走り抜ける。
見るからに重々しい長剣が、パリエルの操る細身の剣と遜色ない速さで翻っていた。敵の間合いを寸然で見切ったパリエルは、未だ宙にあった左足で思い切り地を蹴っていた。滑り易い足場を何とか靴の裏が噛み、ギリギリで慣性を殺し切る。後ろへ倒れ込む勢いで何とか後退し、刃を躱したままさらに数歩分の距離を稼ぐ。
だが剣戟を交わす周りはパリエルの腰回りと同じか、それ以上の太さを持つ大樹の群れ。逃れるための空間を存分には確保できず、パリエルは先程以上に冷や汗をかきながら、敵へと向けて剣を構えるしかなかった。
当然のように、バリゾーグはパリエルに休む暇も与えまいと追走して来ていた。
「――ふっ!」
「やぁっ!」
そのまま横薙ぎに放たれた一撃を、パリエルは身を沈めながら振り上げた一太刀で弾く。パリエルの逃げ遅れた髪の末端を数本切り取り、さらに背にしていた巨木すら易々と両断する長剣の鋭さに、最早一々驚くこともない。金糸の舞う中、その場に留まっていて畳み掛けられては堪らないと、パリエルは敵手の右脇から飛び出して逃れる。さらにすれ違い様、痺れる手のままバリゾーグの胴へと刃を走らせたが、響いたのは金属の削れる嫌な音と感触だった。
「ほう……」
欲張ってさらに切りつけるために立ち止まるという選択をせず、パリエルはバリゾーグの背後へと抜けていた。そんな彼女に対して感心したかのような溜息を、二人から等距離にあるワルズ・ギルが漏らす。
……そう、等距離にあるのだ。必死にバリゾーグの刃を捌き、躱し、何とか無傷のまま一太刀浴びせることに成功しているが、それはパリエルがバリゾーグを手玉に取れているという意味ではない。
確かに圧倒的な膂力を誇りながら、バリゾーグはパリエルを捉え切れていないようにも見えるが、違う。確かにパリエルの動きを完全に見切っているわけではないと信じたいが、バリゾーグはパリエルが自分よりもワルズ・ギルに接近することがないよう、動きを誘導していたのだ。そうした余計な意図が敵になければ、パリエルはまだ、バリゾーグに先んじて一撃を浴びせることなどできていなかっただろう。
加えて言えば、その被弾すらバリゾーグの計算通りだったのではと、パリエルは己の剣を見て思う。
確かに今バリゾーグの腹部には、パリエルの付けた横一文字の傷跡がある。だが本来、パリエルが狙ったのは柔らかそうな黒い部分であり、強固な装甲の端などではなかった。
結局バリゾーグが負ったのは、装甲の塗装を剥いだ程度の引っ掻き傷だ。それに対し、切りつけたパリエルの剣は酷く刃毀れしているという有様となっている。
バリゾーグはパリエルの動きを誘導し、切りつけて来る箇所を見極めた上で、刃の届く場所を微かに狂わせたのだ。それによってパリエルの武器を潰すために。
無論、完全に上回っているのならそのような手間を掛けず、さっさと切り伏せてしまえば良い。単純な身体能力や、得物の強度や、防御面について大きな差がある余裕から来ている敵の優位とは思うが……およそ条件を同じとした剣技でも、バリゾーグのそれは自身と同等以上の物であるとパリエルは認識した。
「……っ」
思わず息を呑むほどの、紛れもない強敵だ。
逃げられない、という結論に変わりはない。たったあれだけの攻防だが、バリゾーグの剣撃を弾くためにパリエルは一振り一振りへ全力を込める必要があり、多少なりとも消耗していた。対するバリゾーグは、その機械的な外見の通り、およそ疲弊からは程遠い様子である。足捌きもあれだけの重装でパリエルと同等以上。疲労が溜まらないのなら、この冷徹な刃から逃げ切れる道理はない。
では、このまま立ち向かうか。だが手にした愛剣は刃毀れしただけでなく、その剣身を歪ませていた。真正面から受けたわけでもないと言うのに、たった二合打ち合っただけでその剛力に屈しつつあるのだ。敵の強大さに思わず身が竦み、膝が微かに震える。
――だが、まだだ。
まだ剣も闘志も折れてはいない。諦め背を向けることが生存の目を零にするなら、どれほど恐ろしく、また分の悪い賭けでも。最後の瞬間を迎えるまで、足掻き抜いて見せる。
あの約束を果たして貰うその時まで、彼に生きて生きて生き抜いて貰うために。自分は彼を――マヒロを護り抜かなければならないのだから。
こんなどこの馬の骨とも知らない野蛮人に敗れて死ぬなど、そんなバカバカしい最期を迎えるわけにはいかない――!
身体の震えは、自然と止んでいた。
じりじりと。こちらを牽制しながら、再びワルズ・ギルとパリエルの間に自身を挟もうと動くバリゾーグに対し。決意を固めたパリエルは、今度は自分から打って出ていた。
踏み込むわけではない。その場で構える。
低く、最速を求め。
刃は、真後ろよりも後ろに引き絞る。
ただならぬ気配を察知したバリゾーグが平行移動から一転し踏み込む寸前、パリエルは間合いの外から長剣を振り抜いた。
――それは、帝国三剣の一人をも打倒した、最速にして不可視の斬撃。
聖剣の国と呼ばれし王家に伝わる、“億千万の刃”と謳われたアウターが遺した業。
周囲の木々が突如として、パリエルの太刀筋の延長上で両断された。よく見れば斬撃の痕は八本。それは切断面と同じ高さのバリゾーグの胸部にも、魔物の爪痕が如く刻まれる。
「――何!?」
そして初めて驚愕の声を漏らし、バリゾーグの巨躯が吹っ飛んだ。
「なっ、バリゾーグ……ッ!?」
同じく吃驚したワルズ・ギルの足元に、打ち倒されたバリゾーグが転がる。そんな彼の頭上に向けて、パリエルの不可視の斬撃により切り落とされた大木達が、まるで先を争うかのように降り注ぐ。
「――わあああああああああああああっ!?」
バリゾーグへと駆け寄ったワルズ・ギルの悲鳴に、疲弊したパリエルは何とも言えない居心地の悪さを感じていた。
あんなのでも、傷つけばきっとマヒロは悲しむのだろう。あれだけの数と質量に打ち付けられれば、下手をすれば死ぬかもしれない。だが今から駆け出しても間に合わない。
それでもこうしなければ、死ぬのはこちらだったのかもしれないのだから。死ぬわけにいかなかった以上、パリエルには元より、他の選択肢は残されていなかった。
「――ごめん」
ただ一言謝罪した、その直後。ワルズ・ギルへと注いでいた落木の群れは、迸った銀光によって引き裂かれ、落下地点を彼の外へと逸らされた。
舞い散る木の葉の中で、立ち上がる重厚なシルエットが一つ。
「――やるな女。しかしワルズ・ギル様の命を果たすため、私は負けるわけにはいかない」
ワルズ・ギルを救ったのは――やはりバリゾーグだった。
先の斬撃は彼の胸板に八筋の斬撃痕を残しながらも、厚い装甲を貫通し切るには至っていなかった。なお健在の強敵を前に、パリエルは僅かに引きつった笑みを浮かべる。
「……心配して損しちゃった」
そう強がって見るものの、今のでバリゾーグがどれほど弱ってくれたことか。両断するには及ばずとも、せめて吹き飛ばした衝撃波の直撃に影響を受けていて貰わねば困ると、パリエルは気力を振り絞って剣を構える。
対するバリゾーグは前進するでもなく、ワルズ・ギルを庇うように立ったその場で、円をなぞるように剣を動かしていた。
まるで月を描くかのような華麗な剣舞に対し、しかしパリエルは肌の粟立つような感覚に襲われる。
バリゾーグの剣が通った空間に、彼の剣気が蓄えられて行く。彼が最後に長剣で独特の構えを取ると、その青白い光が収束されて行く。
「――っ!」
反射的にパリエルも再度、己に流れる魔人の血へと呼びかける。魔導力の励起は一瞬、即座に構える。
直後、十字に長剣を揮ったバリゾーグの放った飛翔する斬撃と、パリエルの振り抜いた不可視の刃が、両者の中間地点で激突した。
超常の力で構成された、剣撃同士の交わりは一瞬。互いを相克しようとしたエネルギーが限界を迎えて炸裂し、その突風にパリエルの痩躯が吹き飛ばされる。
「――きゃあっ!」
背後の樹に背を打ち付け、思わず悲鳴が漏れると同時に息が詰まる。激突したのがまだ柔らかい植物で良かったと思うより速く、ぱきぃんっ! という硬質な破砕音が聞こえた。
直後、冴え冴えとする冷たい感触が、パリエルの頸動脈に押し付けられる。
「これで終局だ」
聞こえたのは勝ち誇るでもなく淡々とした、バリゾーグの宣告。パリエルは俯いたまま、折れた愛剣を目にして青い双眸を見開いていた。
首輪の上、脈打つ血管に押し付けられる刃の圧迫は強い。後は引けば切れる、そういう状態。パリエルが何をするより速く首を刎ねられる、完全な詰みの状況であった。
何故押し負けたのか。結局初見だった一撃目も、バリゾーグにまともなダメージを残すには威力が足りず。またそうして一度業を使った分だけ消耗したパリエルが、互いの奥義の激突でも不利だった……おそらくはそういうことなのだと、頭では理解できる。
だが――彼との約束を果たしたいという自分の想いが、バリゾーグのワルズ・ギルへの忠誠心に及ばなかったとも取れるこの結果に、思わず目尻に込み上げて来るものがあった。
「王子……ごめんなさい」
押し付けられた刃に、血が滲み始めるのを感じながら……諦念と共に、パリエルはここにはいない彼への謝罪の言葉を、そう囁くように吐き出した。
「――よし、許す」
そう尊大に恩赦を許可したのは、バリゾーグの背から現れたワルズ・ギルだった。
「バリゾーグ、解放してやれ」
あんたじゃないよ、とパリエルが内心突っ込むより早く、彼はそうバリゾーグに命じる。
「しかしボス。この女は……」
「首に剣を当てたまま連れ歩くわけにもいかんだろう。そして、俺はバグラモン達の思惑を潰すと言ったはずだ。奴らがここで殺し合いをしろと言うなら、俺はここから一人でも多く生還させる。愚かな地球人だろうが、ここで殺すことは許さん」
「……えっ?」
「……イエス、ボス」
パリエルが疑問の声を上げると同時、首肯したバリゾーグの剣が首筋から退けられた。
「さぁて……名前を教えて貰おうか、人間の女」
そしてたっぷり見下した風で、ワルズ・ギルはパリエルに尋ねて来た。
「さっきも言ったように、俺はバグラモンと戦う。そのために他の参加者にも従って貰う。おまえ達地球人も例外ではないぞ」
ふふんと鼻を鳴らすワルズ・ギルに対し、パリエルは恐る恐ると言う調子で尋ねた。
「あんなことしておいて、乗ってないの……?」
「何度も言わせるな。いずれ俺の物となる貴様ら地球人が生意気な真似をするから、俺様を怒らせるとどうなるのかわからせてやっただけだ」
だが、とワルズ・ギルは続ける。
「俺の物をどう扱おうと俺の勝手だが、バグラモンとかいう田舎皇帝には許されん。ここで死人を出すことがバグラモンの好きにさせることに等しいなら、俺は誰も殺す気はないと言うことだ」
それに、とさらにワルズ・ギルは続ける。
「バリゾーグとの戦いを見せて貰ったが、妙な手品抜きでもなかなかの腕前だった。貴様はバグラモンとの戦いで使える面白い駒になりそうだからな、死なせるのは勿体ない」
「そっか……私達のことを殺す気はないんだね」
それを聞けて安心したよ、とパリエルは片手で尻に付いた泥を払いながら立ち上がり、朗らかな笑顔をワルズ・ギルに向けた。
ぼがぁっ!!
「ぐぁああっ!?」
「ボス!」
「動くな! それ以上近寄ったらこのボンクラの首を掻っ切るぞ!」
笑みを浮かべたままパリエルはワルズ・ギルを殴りつけると、そのままもう片方の手で拾って置いた折れた愛剣の刃を彼の首筋に当て、人質とすることでバリゾーグを制した。さらにそろそろと、本当にバリゾーグが剣を振るより速くワルズ・ギルの首を切れるような間合いへと、パリエルは移動を開始する。
「な、ななな何をする女! 貴様自分が何をやっているのかわかっているのか!?」
「うっせボケ! てめー侵略者が調子に乗りやがって! イミフな理由で他人様襲わせた挙句、大事な商売道具壊しといて協力してくださいだー? 良い育ちしてんなーオイ!」
「皇太子だからな! じゃなくて、そもそも協力してくださいじゃなくて従えだ馬鹿者!」
「おー上等だコラ、なら私も王女様だ。どっちが上かはっきりさせてやろーか、あーっ!?」
そのままパリエルは無抵抗なワルズ・ギルを、ぼこがすぼこがす、どかばきどかばき。
「誰が王女ってちょっ、やめ……! 痛っ、痛いぞこのバカ! バリゾーグ! 助けろー!」
「イエス、ボ……」
「イエスイエスそれしか言えねーのかこのポンコツが! さっき言ったこともー忘れたのか!? それから一歩でも前に来てみろよ、マジでこいつの命(タマ)保障しねーからな!? こいつの首掻っ切るのも盾にしててめーの剣躱すのもわけねーぞオラッ!」
その脅しに説得力を持たせるだけの実力を先に見せられたこともあり、何もしないことも何かすることも等しくワルズ・ギルを危険に晒すと言う矛盾に、バリゾーグは先程までの冷徹な様子とは打って変わり、右往左往するばかりだった。
その間にもパリエルは、自身に降りかかった理不尽に対する怒りを原動力に、ワルズ・ギルへと暴行を働き続ける。
「うぉおおおおおっ!? 痛い痛い痛いっ!? ちょ待っ、もうやめ……っ!」
「だったら誠意見せろよ誠意。ご迷惑おかけしてすいませんでしたーって誠意」
「ど、どうやって見せたら……痛っ! もう殴るのはやめろぉっ!」
「何がやめろだですます調で土下座して頼むのが筋ってもんだろーが、あーっ!?」
とはいえ、顔面痣だらけのワルズ・ギルの姿に一通りの憂さ晴らしも済んで落ち着いたパリエル、そろそろ本題へと入る。
「まーでも、こっちは一方的に大事な剣折られたりしてるからねー。皇太子様らしいし、ここは土下座とかよりも、きちんと相応の物的な誠意が欲しいところかなー」
「今まさに一方的に殴られているぞ、俺はっ!? 父上にもぶたれたことないのに!」
「甘やかされたのを自慢げに語るな!」
「はぶぅっ!?」
パリエルの右ストレートが再びワルズ・ギルの頬を捉える。
「皇太子様なんでしょー代わりの剣と慰謝料ぐらい、直ぐ用意できるよねぇ? ねぇ?」
「いやその……状況が状況ですのでそんなこと言われましても……はい……」
「言い訳してんじゃねーぞっ!?」
思わず左手でワルズ・ギルの襟元を掴み上げ、右手の握り拳を振り被るのを見せつけるパリエル。
だが当然、その瞬間両手を開けるために零れた剣の柄が、そのままぽすっと地に着いた。
「……あ」
パリエルとワルズ・ギル、両者が呟いた直後。パリエルはワルズ・ギルを突き飛ばして後方へと跳躍。ワルズ・ギルは二人の間へ長剣を割り込ませたバリゾーグの背に素早く身を隠す。
「ふはははは、残念だったな女! そもそもザンギャック次期皇帝の俺様が、そんな脅しなどに屈すると思ったか!?」
「今まさに屈しよーとしてた奴が粋がんじゃねーよ、おーっ!?」
怒りのまま沸騰しようとしたパリエルだったが、長剣を翳しながらずんと一歩前に出たバリゾーグに威圧され、思わず押し黙る。
「うっ……ねーワルズ・ギル様、まさかご自分で言ったことを反故にするつもりじゃないですよねー? バグラモン達と戦うから誰も殺さないーって」
「ここまでしておいてよくそんな口が利けるな貴様!?」
痣だらけとなった己の顔を指差しながら、パリエルの言葉に思わず叫び返したワルズ・ギルが、続けてバリゾーグに不届き者の成敗を命じる、その瞬間。
ドスンッ!! と地を揺るがせて、二本の巨大な脚が、三人のすぐ傍に降って来た。
「…………」
一時休戦した三人の内、二人が恐る恐ると言った様子で新たに現れた威容を見上げる。
現れたのは身の丈十メートル以上の、巨大な人型だった。
これもまたワルズ・ギルやバリゾーグのように、全体として人型でありながら、大きさ以前に人間ではなかった。四肢の筋肉は巨木を捩り合せたように隆起し太く。橙色の肉体を銀の装甲と金の籠手で覆った竜人が、そこには立っていた。パリエル達のそれより遥かに大きいが、首輪やBRデバイスを付けていると言うことは参加者と見て間違いないだろう。
あれだけ森林伐採し、パリエルとバリゾーグの技の激突で爆発まで起こしたのだ。最初のパリエルの危険行為以上に、他の参加者を呼び寄せても不思議ではなかったが……問題は目の前の参加者が放つ、体躯以上に大きく強烈な圧力だ。仮にパリエルの武器が残っていて、バリゾーグと力を合わせたところでまるで敵いはしまい――そう理解するのに一瞬も必要としないほどの強者の登場に、パリエルとワルズ・ギルは凍り付いていた。
唯一バリゾーグが、パリエルではなくその竜人からワルズ・ギルを庇うような位置へと足を運んだが、心なしか彼の動きが先程までより固いようにも思えた。
そんな三人に呆然と見上げられたまま、彼らを見下ろす竜人は、思いの他穏やかな声音で名乗りを上げた。同時にこんな怪物が殺し合いに乗ってはいないということがわかって、パリエルとワルズ・ギルは胸を撫で下ろし、安堵の吐息を漏らした。
「ここで戦いの気配があったからやって来たんだが……えーっと……」
片や、首筋に血を滲ませた無手の少女。
片や、顔面痣だらけの怪人と、それを守護する機械兵。
それらを見比べたウォーグレイモンは、困ったように尋ねて来た。
「……どういう状況なんだ?」
尋ねられたパリエルとワルズ・ギルは、同時に互いを指差して、言った。
「「こいつが悪いんです」」
◆
こうして――別々の世界に存在する、死んだはずの侵略国の皇子と。
とある王子を護ろうとする亡国の姫の出会いは、およそ最悪の形で行われた。
【一日目/朝/獣源郷ゾーンF-5・森林】
【ワルズ・ギル@海賊戦隊ゴーカイジャー】
[参戦時期]死亡後
[状態]顔中痣だらけ、ダメージ(小)、疲労(小)、バグラモンに対する怒り、パリエルに対する怒り
[装備]BRデバイス@オリジナル、特務士官バリゾーグ@海賊戦隊ゴーカイジャー
[道具]基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]基本行動方針:バグラモンの思惑を潰すために、殺し合いを止める。
0:何なんだこの女(パリエル)は……
1:ウォーグレイモンを懐柔したい。
2:デバイスを起動して色々と確認。
3:今度はバリゾーグを死なせはしない。
4:海賊ども(ゴーカイジャー)、ジョーカーどもは排除する。
5:その他の参加者は従える。
[備考]
※まだBRデバイスを起動していません。
【パリエル・カーライゼル@ミスマルカ興国物語】
[参戦時期]原作Ⅹ巻終了後
[状態]疲労(小)、ダメージ(極小)、首筋から若干血が滲んでいる、マヒロへの心配、ワルズ・ギルへのやや理不尽な怒り
[装備]BRデバイス@オリジナル
[道具]基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]基本行動方針:マヒロと合流して殺し合いを止める
1:ウォーグレイモンに事情を説明する
2:デバイスを起動して色々と確認。
3:ワルズ・ギルに落とし前を付けさせる
[備考]
※支給品だった愛用の剣は破壊されました。
※まだBRデバイスを起動していません。
【ウォーグレイモン@DIGITAL MONSTER X-evolution】
[参戦時期]オメガモンとの最初の戦闘から逃げ切った後
[状態]健康
[装備]BRデバイス@オリジナル、ドラモンキラー@DIGITAL MONSTER X-evolution(支給品ではなく体の一部です)
[道具]基本支給品一式、不明支給品×3(確認済み)
[思考]基本行動方針:殺し合いを止める
1:この場で何があったのかパリエルとワルズ・ギルから事情を聞く
2:早めにドルモンや
トコモンを保護したい。
3:ロイヤルナイツ(オメガモン、マグナモン、デュークモン、アルフォースブイドラモン)とジョーカーを警戒。
[備考]
※X抗体を獲得しています。
※首輪を外しても問題ないだろうと考えていますが、まだ実行には移していません。
【支給品解説】
ワルズ・ギルに本人支給。『海賊戦隊ゴーカイジャー』の敵組織、宇宙帝国ザンギャックの初期幹部の一人。ワルズ・ギルに忠実な僕で、彼の護衛を最優先任務とする全身を機械化されたサイボーグ戦士。
その正体は、ザンギャック時代のジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)の先輩で、剣の師匠でもあったシド・バミック。 ジョーがザンギャックを裏切る際、共に離反するが捕縛され、剣の腕はそのままに生体部分を機械化されこの姿に改造されてしまっていた。
以前の記憶は全て消されているらしいが、あくまで排除されたのは記憶だけで、作戦を立案したり戦闘を主観的に分析するなどの、他の幹部と同等の知識や判断力を持っている。
ジョーの師匠だけあって高い実力を誇り、ゴーカイジャー及びハリケンジャー複数人を相手にしても全く問題にしない技術に加え、独特の構えから繰り出される十字型の衝撃波(一刀流ソウルブレイド)は凄まじい威力を誇る。
ワルズ・ギルとゴーカイジャーの決戦の際、巨大戦力撃破後の残党狩りを命じられるも、その最中に遭遇したジョーと一騎打ちを繰り広げ、死闘の末に戦死を遂げてしまった。彼の死を嘆いたワルズ・ギルは敵討ちのためにゴーカイジャーに挑むも、バリゾーグの後を追う結果となってしまう。主人ともども参戦時期はその後からである。
正直な話、普通のロワだと意志持ち支給品とするにはやや無理があるレベルの支給品だが、非リレーロワということでゴーカイにやってみた。
パリエル・カーライゼルに本人支給。原作のⅨ巻以降で使用している剣。特に業物だという描写もないため普通の剣だと思われる。
003:レッツ!! スイィ――ツッ!!! |
投下順 |
005:じゃんけん |
GAME START |
ウォーグレイモン |
???: |
GAME START |
パリエル・カーライゼル |
???: |
GAME START |
ワルズ・ギル |
???: |
最終更新:2013年02月27日 16:15