死神の働きにより魔王マグレスの封印像の内の一つが解放されて間もない頃、
フタバ王国では撤退して来た王国軍の報告により
魔王軍の動向を窺い知った
元老院議員
パルパティーンは早速手を打つべくマグレス像の確保に乗り出した。
王国中の軍の支部に打診し、『マグレス像を見つけ王国に謙譲した者には
500万ジェムの報奨金』という御触れを国中の町や村に建てさせた。
そして金に糸目の付けない一部の冒険者らはブリガンティの酒場を拠点として
マグレス像の捜索に耽っていた…
そんな時、酒場に一人の少女が冒険者に「迷子の犬を探して欲しい」と依頼を
しに来たのだった。久方ぶりの休暇で酒場に来ていた王国の騎士
セイバーは
快く承諾し、イリーナ、リヒター、
エルウィンらと共にトゥルースの町へ出掛けたのだった。
―その頃、アージェスト
神聖帝国帝都ガストラスの中心に聳える
皇帝城・カイザーオクスタンに、武闘祭からネロ皇太子と大公バルカス、
護衛の為に同行していたエヴァンジェリン将軍が帰路から到着したばかりだった。
しかし、突如として
ロードブレイザー(グラーフ)と謎の白い少女(白レン)が城内の
敷地で小競り合いを始める。異界の使者の影響からか狂気に満ちた言動を始めるネロ。
大公らの制止も聞かず己が闘争心のまま二人の小競り合いに憤怒と狂気の刃を
向けたその刹那― 一閃の斬撃と共に一人の剣士がネロを止めた…
―一方のブリガンティの酒場…辺りには黒い雲が立ちこめやがてそれは嵐へと
発展した。まるで天を引き裂くような雷鳴と激しい風雨の中その『男』は酒場へ逃げ込んできた。
店内で介抱されるその男の様子は異常なほど怯えていた。『アイツに殺される』と
ばかり繰り返すその男に店内にいたリナら冒険者や
メアリ、客は顔を顰める。
…その時、一瞬の稲光に照らされて一体の得体の知れない怪物の影が窓に映る。
窓を破って掴みかかるその腕は『男』を確実に捕らえ、そして引き裂いた。
男から吹き出た血が店内に飛び散る―
流血に満たされた酒場に嘗て無い惨状と衝撃が走った…!
最終更新:2006年12月15日 19:39