mizu0211|捜索日和
@bg file="heya_m.jpg" time=700
[cm]
@bgm file="yuki.ogg"
;;背景『自室』
@texton
寝覚めは最悪だった。[lr]
「……うっ」[lr]
荒々しく寝返りを打ち、布団を頭まで被せる。まだ起きたくなかったが、こんなときに限って意識は明瞭に冴え、いつもの二度寝はする気になれない。[lr]
;;背景『携帯のズーム』
億劫ながら開いた携帯に新着メールはなし。予想していたことではあるが、それでも溜め息はつかずにいられない。昨日、別れてすぐに送った謝罪メールに返事はなかった。[lr]
――やっぱり、直接か。[lr]
ディスプレイの時計は既に九時を指している。いくら日曜だとはいえ、向こうも起きているはずだ。[pcm]
;;SE『トゥルルルー音×三』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@ws
寝起きの茫洋とした意識にコール音だけが延々と響いた。[lr]
「ダメ、か」[lr]
;;背景『自室』
八回続いた後、呼び出しを切った。カーテンをもう一度閉めなおし、布団に包まる。[lr]
眠る眠ろう眠りたい眠らなければ……。[lr]
「……くそっ!」[lr]
上体を起こすなり、枕を投げ捨てて頭を掻きむしった。布団を蹴りはがして、手早く身支度を整える。[lr]
このまま悶々としているなんて耐えられない。会って辛いと会わずに辛い、どうせなら俺は前者をとる。[pcm]
[cm]
@bgm file="yuki.ogg"
;;背景『自室』
@texton
寝覚めは最悪だった。[lr]
「……うっ」[lr]
荒々しく寝返りを打ち、布団を頭まで被せる。まだ起きたくなかったが、こんなときに限って意識は明瞭に冴え、いつもの二度寝はする気になれない。[lr]
;;背景『携帯のズーム』
億劫ながら開いた携帯に新着メールはなし。予想していたことではあるが、それでも溜め息はつかずにいられない。昨日、別れてすぐに送った謝罪メールに返事はなかった。[lr]
――やっぱり、直接か。[lr]
ディスプレイの時計は既に九時を指している。いくら日曜だとはいえ、向こうも起きているはずだ。[pcm]
;;SE『トゥルルルー音×三』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@ws
寝起きの茫洋とした意識にコール音だけが延々と響いた。[lr]
「ダメ、か」[lr]
;;背景『自室』
八回続いた後、呼び出しを切った。カーテンをもう一度閉めなおし、布団に包まる。[lr]
眠る眠ろう眠りたい眠らなければ……。[lr]
「……くそっ!」[lr]
上体を起こすなり、枕を投げ捨てて頭を掻きむしった。布団を蹴りはがして、手早く身支度を整える。[lr]
このまま悶々としているなんて耐えられない。会って辛いと会わずに辛い、どうせなら俺は前者をとる。[pcm]
;;背景『ゲームセンター』
@bg2 file="game.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg2 file="game.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
心当たりと言えば、ここが一番に来た。[lr]
ゲームセンターでは、昨日に引き続いて例の新機種が人気を博していた。用意してきたマスクをつけてギャラリーの中を渡り歩く。[lr]
「……いないな」[lr]
だが、いくら探し回ってみてもツインテールは見つからない。[lr]
「おい、あんた」[lr]
横柄な声で呼び止められたのは、三度同じところを巡った頃だっただろうか。[lr]
「!」[lr]
みずきを辱めた昨日の男。とっさに睨みつけてしまうのを辛うじて自制した。今、暴力沙汰にしたところで何の利益もない。[pcm]
「…………」[lr]
「あんた、昨日……」[lr]
それでも隠し切れない敵意に男は気圧されたようだった。[lr]
「……いや、なんでもない。悪かったな、行っていいぞ」[lr]
男の顔には逡巡が覗いていたが、それでも追い払うように手を振った。[lr]
だが向けた背には訝しげな視線が突き刺さったままった。マークされたらしい。[lr]
――まだ、みずきを見つけてないのに。[lr]
ギリ、と噛みしめた犬歯がマスクの下で鳴った。[pcm]
ゲームセンターでは、昨日に引き続いて例の新機種が人気を博していた。用意してきたマスクをつけてギャラリーの中を渡り歩く。[lr]
「……いないな」[lr]
だが、いくら探し回ってみてもツインテールは見つからない。[lr]
「おい、あんた」[lr]
横柄な声で呼び止められたのは、三度同じところを巡った頃だっただろうか。[lr]
「!」[lr]
みずきを辱めた昨日の男。とっさに睨みつけてしまうのを辛うじて自制した。今、暴力沙汰にしたところで何の利益もない。[pcm]
「…………」[lr]
「あんた、昨日……」[lr]
それでも隠し切れない敵意に男は気圧されたようだった。[lr]
「……いや、なんでもない。悪かったな、行っていいぞ」[lr]
男の顔には逡巡が覗いていたが、それでも追い払うように手を振った。[lr]
だが向けた背には訝しげな視線が突き刺さったままった。マークされたらしい。[lr]
――まだ、みずきを見つけてないのに。[lr]
ギリ、と噛みしめた犬歯がマスクの下で鳴った。[pcm]
;;背景『商店街』
@bg2 file="syoutenngai.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
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店という店を隈なく覗きこんでみたが、みずきの姿はなかった。[pcm]
;;背景『学校』
@bg2 file="soto.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg2 file="soto.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
駐輪場にみずき自慢のMTBは……なかった。[pcm]
;;背景『デパート』
@bg2 file="mati.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg2 file="mati.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
みずきの好みそうなゲーム店などを巡ってみたものの、やはり見つからなかった。[pcm]
;;背景『自然公園』
@bg2 file="kouenn.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg2 file="kouenn.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
最後の可能性として自然公園を訪れたものの、無駄足に終わった。[lr]
自動販売機で缶コーヒーを買い、手近なベンチへと腰を下ろした。温かなコーヒーを[ruby text="あお"]呷ると、ようやく頭も回りだした。[lr]
考え直してみるまでもなく、自室にこもっているというのが一番有り得そうな可能性だ。[r]
自動販売機で缶コーヒーを買い、手近なベンチへと腰を下ろした。温かなコーヒーを[ruby text="あお"]呷ると、ようやく頭も回りだした。[lr]
考え直してみるまでもなく、自室にこもっているというのが一番有り得そうな可能性だ。[r]
行動がすべて徒労に終わるはずだ。だが自宅へ乗り込んでいくほどの意気は持ち合わせていないのだから。[lr]
こうなることは薄々ながら分かっていた。今までの苦労はただの現実逃避だ。[lr]
空になっていた缶をリサイクルボックス目掛けて投げる。[lr]
;;『鈍い感じの金属音』
@playse storage="life_14_akikan.ogg"
@ws
投入口で弾かれて地面を転がった。[pcm]
;;みずき(不満)
[mizu f="不満" pose=2 pos=c]
『こらー、空き缶ポイ捨てしないっ! みのるってばあたしがいないとホント、ダメなんだから』[lr]
@cl
そう言いながら空き缶を拾って代わりに捨ててくれるような後輩は……いない。拾おうと身を屈めながら、思う。[lr]
そもそも俺はどうしてあんなことを言い放ってしまったのだろうか、と。[lr]
;;SE『金属の悲鳴』
@playse storage="life_15_akikan.ogg"
@ws
アルミ缶が耳障りな悲鳴をあげてひしゃげた。[lr]
あれは八つ当たりだった。俺はみずきに……俺の知らないところで笑顔を振りまいているみずきに、独占欲から来る嫉妬のようなものを抱いていただけだ。[lr]
――浅ましい。[pcm]
;;SE『缶がゴミ箱に入る音』
@playse storage="life_13_akikan.ogg"
@ws
軽い音をさせて、もう一度投げた缶は投入口に吸いこまれた。[lr]
ふともう一度だけ電話を掛けてみようという衝動に駆られた。[lr]
;;背景『携帯のズーム』。SE『トゥルルルー音』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@wait time=1000
一回、[l]二回、[l]三回、[l]四回……。[lr]
もちろん繋がることはなかった。 [pcm]
空になっていた缶をリサイクルボックス目掛けて投げる。[lr]
;;『鈍い感じの金属音』
@playse storage="life_14_akikan.ogg"
@ws
投入口で弾かれて地面を転がった。[pcm]
;;みずき(不満)
[mizu f="不満" pose=2 pos=c]
『こらー、空き缶ポイ捨てしないっ! みのるってばあたしがいないとホント、ダメなんだから』[lr]
@cl
そう言いながら空き缶を拾って代わりに捨ててくれるような後輩は……いない。拾おうと身を屈めながら、思う。[lr]
そもそも俺はどうしてあんなことを言い放ってしまったのだろうか、と。[lr]
;;SE『金属の悲鳴』
@playse storage="life_15_akikan.ogg"
@ws
アルミ缶が耳障りな悲鳴をあげてひしゃげた。[lr]
あれは八つ当たりだった。俺はみずきに……俺の知らないところで笑顔を振りまいているみずきに、独占欲から来る嫉妬のようなものを抱いていただけだ。[lr]
――浅ましい。[pcm]
;;SE『缶がゴミ箱に入る音』
@playse storage="life_13_akikan.ogg"
@ws
軽い音をさせて、もう一度投げた缶は投入口に吸いこまれた。[lr]
ふともう一度だけ電話を掛けてみようという衝動に駆られた。[lr]
;;背景『携帯のズーム』。SE『トゥルルルー音』
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@wait time=1000
一回、[l]二回、[l]三回、[l]四回……。[lr]
もちろん繋がることはなかった。 [pcm]
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[s]