#9 お着替え
唯「
あずにゃんまーだー?」
梓「も、もう少しです」
今になって後悔、実に後悔です。何で私はこんなの選んだんだっけ?
唯先輩と二人きり!ってのにちょっとテンションあがってた自分を恨みたい。
なんでこんな……露出の多い水着選んでしまったんだ……。
唯「早くいこーよー」
梓「ま、待ってください、もう少しですっ」
いつまでも待たせるわけにはいかない……せっかくいい雰囲気になってきてるんだしね。
また私のせいで嫌な想いさせるわけにもいかないし……。
梓!覚悟を決めるのよ!いざ、唯先輩のもとに!
梓「お、お待たせしました……」
唯「あ、あずにゃ……」
梓「……」
唯「……」
梓「……」
唯「えっと……」
梓「何でしょうか……」
唯「えっちぃ水着だね」
梓「言わないでください……」
唯「まさかあずにゃんがこんなのきてくるなんて思わなかったよ~」
梓「えっと、その、手違いというかなんというか」
唯「うんうん、いきなしだからびっくりしたけどすっごく可愛いよ!」
梓「ほ、ほんとですか?変じゃないです?」
唯「全然変なんかじゃないよ!ちょっとえっちぃだけ!」
梓「それはどうなんでしょうか……」
唯「可愛くて似合ってるってことだよ~、自信もって!」
梓「唯先輩がそういうのなら……まぁ、人前じゃきれませんけど」
唯「あれ、私の前だといいの?」
梓「唯先輩だけなら……」
唯「わ、私のためにそんな水着を用意したんだね!」
梓「ち、ちがっ……わないかも……」
唯「おおう……素直にゃんだ」
梓「何ですか素直にゃんって」
唯「素直なあずにゃん、略して素直にゃん!」
梓「略す意味あるんですかそれ」
唯「あ~ずにゃん♪」
梓「にゃっ!」
唯「去年の水着よりすごく抱き心地いいよ~」
梓「や、やめてくださいっ」
抱きつかれるのはある程度なれてきてたけど、これは……ほぼ裸な状態での密着する素肌と素肌。
さすがにこれは、気持ちいい!……じゃなくて!早く離れてもらわないと。
梓「ゆ、唯先輩っ、早く浜辺に行きましょうよっ」
唯「もうちょっと~」
梓「ダメです!行きますよ!」
唯「ちぇ……」
残念がる唯先輩可愛い!じゃなくて後で抱きついてもらおう。
……ち、ちがっ、そうじゃなくて、抱きつかせてあげよう!です!って誰に言い訳してるんだろう……。
とりあえずそれよりも、私も言ってあげないとな。
梓「唯先輩のその水着、すごく似合ってて可愛いですね」
#10 浜辺にて
梓「綺麗なところですね」
唯「そうだねぇ、二人だけとしてはあまりにもったいなすぎるよ~」
梓「ほんとですね、ムギ先輩に感謝しないと」
唯「うんうん、あとでいーっぱいお礼言おうね」
梓「はいっ」
唯「それにしても……」
梓「はい?」
唯「また真っ黒にやけちゃいそうだね!しかも今回はたっぷりと!」
梓「うぅ……しょうがないじゃないですか、そういう体質なんですし」
唯「あずにゃんらしいってことだね!」
梓「なんですかそれ」
唯「そういうところもふくめてあずにゃんなんだよ~」
そういえば夏フェスのときも『可愛いからいいじゃん♪』って抱きついてきたっけ。
唯先輩は、私のどんなところでも受け入れてくれる素敵な人だ。
私はそんな唯先輩とつりあうのだろうか……?
唯「どうしたの?難しい顔しちゃって」
梓「あ、いえ、なんでも……」
唯「せっかくなんだから楽しまないとダメだよ~、そんな顔してないで悩みがあるなら話してごらん?」
梓「えっと、ほんとになんでもないです」
唯「遠慮しなくたっていいんだよ?なんていったって、私はあずにゃんの恋人ですからっ」
梓「唯先輩……」
唯「あずにゃん、大丈夫だからね?話してみて?」
梓「はい、その……唯先輩はすごいんです!」
唯「ふぇ?」
梓「えっと、その、私にとって唯先輩はすごい人なんです。
困ってるときはいつでも傍にきて助けてくれるし、唯先輩の笑顔を見るだけで心が落ち着きます。
抱きつかれるのは恥ずかしいですけど、すごく安心できるんです。
唯先輩の明るくて元気なところが、周りのみなさんを明るくさせます。
唯先輩はとても素敵な人です、だから唯先輩はすごいんです」
唯「う、うん……?」
梓「そんな唯先輩に私はつりあうのかなって、不安なんです。私なんかでいいのかな……とか」
唯「あずにゃん、それは違うよ?」
梓「え?」
唯「私にとっては、あずにゃんじゃなきゃダメなんだよ」
梓「唯先輩、でも」
唯「大丈夫、自分で思ってるよりもあずにゃんは、素敵な人だよ。それなのにそんなこと言われたら、さ。
逆に私なんかで!ってこっちが思っちゃうよ~」
梓「そ、そんな唯先輩は」
唯「うん、だからあずにゃんも私もそうなんだよ。だから、心配しなくていいんだよ?」
梓
「唯先輩……」
唯「私と一緒にいたくない?」
梓「そんなことないです!」
唯「ならそれでいいんじゃないかな?お互い一緒にいたいからいる、十分だよ?」
梓「……そうですね、ありがとうございます、唯先輩にはいつも助けてもらってばかりですね」
唯「私もあずにゃんにいろいろしてもらってるんだし、お互い様ってことで!」
梓「ふふ、そうですね」
唯「それよりさ……」
梓「はい?」
唯「話してるだけで日焼けしちゃったね♪」
梓「にゃっ!」
唯「えへへ、あずにゃんはほんと可愛いな~♪」
梓「もう、唯先輩ったら……やめてくださいって言ったじゃないですかぁ」
唯「すごく安心できるんでしょ~?」
梓「あうう///」
今は恥ずかしいって気持ちよりも、うん、すごく落ち着くし安心できる。唯先輩の腕の中はとても心地いい。
悩む心配なんて何もないんだ。唯先輩と一緒ならそれでいい。
唯「あ!あずにゃん!」
梓「はい?」
唯「ほら!海の向こう!」
梓「あっ」
唯「綺麗だね~」
梓「そうですね……」
海の向こうに沈んでいく夕陽、すごく綺麗……唯先輩と二人きりの浜辺でこんな景色が見れるなんて。
今日、二度目のキスは、とても気持ちのいいものでした。
#11 晩御飯
梓「結局海にすら入りませんでしたね」
唯「私たちらしくっていいんじゃないかな、いちゃいちゃできたし十分だよ!」
梓「もう、唯先輩ったらぁ///」
唯「暗くなってきたし、そろそろ晩御飯の準備しよっか~」
梓「そう……ですね?」
唯「なぜに疑問系?」
梓「二人で作るんですよね?」
唯「うん!初めての共同作業ってやつだよ!」
梓「それ言いたいだけですか」
唯「うん!なんとなく言ってみたかった!」
梓「はいはい……ところで何作るんですか?」
唯「カレーのちライス!」
梓「普通にカレーって言ってくださいよ」
唯「えー、あずにゃんのけちぃ」
梓「はいはい、さっさと作っちゃいましょうか」
唯「しょうがないなぁ、腕によりをかけてすっごいの作ってあげるよ!」
梓「できたら食べれるものお願いしますね?」
唯「ひどいよっ」
梓「前科あるの忘れたわけじゃないですよね……?」
唯「あ、あれはさー……気合いれすぎたっていうかぁ、ほんの出来心でぇ」
梓「やりすぎないようにお 願 い し ま す ね?」
唯「は、はぃ……」
唯「いい感じに出来上がってきたよ~」
梓「そうですね、すごく美味しそうです」
唯「どう?みなおしたっ?」
梓「普通に作ってたら何の問題もないだけです」
唯「うぅ、あずにゃんは厳しいねぇ」
梓「別にそんなんじゃないですけど……」
唯「おねがい♪アツアツお鍋のカレー♪スパイスひとさじ刺激ちょーだい♪」
梓「甘口じゃなく今日は中辛なの?」
唯「ううん、甘口だよ」
梓「普通に返すんですか!」
梓「唯先輩にしてはすごく美味しくできましたね」
唯「一言余計だよ、あずにゃん」
梓「愛情ですよ、愛情」
唯「あずにゃんから愛情なんて言葉がでるとはっ……でも冷たい愛情はいらないよっ」
梓「わがまま言わないでください」
唯「いつもならてれて恥ずかしがってそうなのに、今日のあずにゃんは一味違うねっ」
梓「はいはい、早く食べちゃいましょうよ」
唯「はーい……あっ」
梓「どうかしました?」
唯「ごめんね♪ルーだけ残したカレー♪女の子は甘いのがすき♪」
梓「また歌うんですか……」
唯「あこがれだけど♪……」
梓「……?」
唯「ちゅうはおあずけ~♪」
梓「なっ///」
唯「期待通りの反応ありがとう!」
梓「へ、変なこと言わないでくださいっ///」
唯「あずにゃんってば、思い出してるのかな~♪」
梓「もう///早く食べてくださいっ」
唯「は~い♪」
#12 食後
唯「美味しかったねぇ」
梓「そうですね」
唯「もぅ、あれくらいのことで不機嫌になっちゃうあずにゃん可愛いなぁ♪」
梓「別に不機嫌になってません」
唯「またまた~♪」
梓「むぅ……」
唯「えへへ♪」
梓「……あ、そうだ」
唯「うん?」
梓「アイスありま「食べようかっ」…よ」
唯「アイスぅ、アイスぅ♪」
梓「そんなに嬉しそうに食べなくても……」
唯「あれぇ?またやきもちぃ?」
梓「ち、違いますっ。ってかまたってなんですかまたって」
唯「ギー太にしてたじゃないの~」
梓「違いますって!」
唯「てれちゃってぇ、あはは可愛い♪」
梓「むぅ……」
唯「あずにゃんも早くお食べ~」
梓「……唯先輩」
唯「うん?」
梓「唯先輩は、私と……アイス、どっちが好きなんですか?」
唯「えっ」
梓「……」
唯「えっと……」
梓「……」
唯「アイス、かな」
梓「え……?」
唯「じょ、冗談だよ!そんなに悲しい顔しないで!」
梓「ゆ、唯先輩なんて信用できません!」
唯「ふざけただけだよ~、おちついて……ね?」
梓「もう、唯先輩ったら……」
唯「私は、あずにゃんだけを愛す!」
梓「ぷっ、なんですかそれ」
唯「私の気持ちだよ~、だからおあずけしないでちゃんとしてあげる」
梓「え、唯せんぱ……ん」
三度目のキスは、アイスの味でした。
#13 お風呂
その後、再びギターの音をあわせて練習をし、お風呂に入ることにしました。
唯「それだけやけてると、お風呂入るの大変そうだねぇ」
梓「そうですね……今日は身体洗って、シャワーだけにしようかな……」
唯「よし、私が洗ってあげよう!」
梓「えっ、い、いいですよそんな」
唯「まあまあ、遠慮しないで~」
梓「遠慮とか、そうじゃなくて!」
唯「はい、ここに座ってー」
梓
「はぁ……」
唯「私に任せてね!」
梓「じゃあ……お願いしますね」
唯「うん、一生懸命頑張るよ!」
梓「身体洗うだけでそこまで気合いれないでくださいよ」
唯「それじゃあ……痛かったら言ってね?」
梓「は、はい……って手でやるんですか?」
唯「うん、そうだよ~」
梓「えっと、それはちょっと……」
唯「大丈夫、こっちのほうが痛くないと思うから」
梓「そ、それはそうかもしれませんが……」
唯先輩の手が、私の素肌をなでるように動いていく。優しくて、とても温かいぬくもり。
背中、肩、首、腕…そして胸…?
梓「ゆ、唯先輩っ///」
唯「どうかしたぁ?」
梓「どうかしたじゃないです!前は自分でやりますから!」
唯「えー、いいとこだったのにぃ」
梓「な、何がですか///」
唯「じゃあさ、今度は私を洗って~」
梓「しょうがないですね……特別ですよ?」
#14 就寝
お風呂はいろいろな意味で疲れました。それにしても唯先輩の手気持ちよかったなぁ……。
じゃなくて!唯先輩の肌すごい触り心地よかったなぁ……じゃなくてっ!
今日はいろいろあったし疲れたからゆっくり寝たかったんだけど……。
梓「こんな広い別荘で、あまってる部屋なんていっぱいあって、なのに……。
どうして一緒の布団で寝てるんですか……?」
唯「一緒に寝たいからだよ!」
梓「そのうえ抱きついたまま寝るつもりですか?」
唯「あず枕だね!」
梓「もうどうでもいいです」
唯「まあまあ、そう言わずに」
梓「はぁ……」
唯「あずにゃんや」
梓「何ですか?」
唯「今日は、二人にとって忘れられない一日になったよね」
梓「……そう、ですね。」
唯「最初はさ、ただ二人で楽しんで、いい
思い出になればいいかなって、そう思ってた」
梓「……」
唯「でも告白できて、キスして、恋人同士になれたっていうのはすごく嬉しかった。」
梓「私もです」
唯「ほんとはこうなるなんて思いもしなかった。
というか、あずにゃんが私を受け入れてくれるなんて思わなかったよ」
梓「どうしてですか?」
唯「あずにゃんが私を嫌ってるとは思ってなかったし、どちらかといえば好きでいてくれてるって思ってた。
けれどそれはあくまで先輩として、とかそういったものだと……。
だからさ、ずっと……ずっと私の片思いだと思ってたんだ。」
梓「私も、同じです。いつも可愛がってくれるし、気にかけてくれてるのはあくまで後輩として。
私なんかに恋愛感情を抱いているわけがないってずっと思ってました。」
唯「そっかぁ、ごめんね」
梓「別にそういうんじゃないですよ」
唯「うん、わかってる」
梓「今日こうして、唯先輩と二人で合宿ができてほんとによかったと思ってます。」
唯「私もだよ、来てくれて本当にありがとね」
梓「そして、唯先輩の正直な気持ちを伝えてくれてありがとうございました。
そのおかげでこうして唯先輩と……きっと、私からは言えませんでした。
素直になりたくても、なれないんです。特に唯先輩の前だと……」
唯「私は、あずにゃんがあずにゃんだから大好きなんだよ。
怒ったり、泣いたり、笑ったり……素直になれなかったりさ、そんなあずにゃんが大好きだよ」
梓「唯先輩……私もそんな唯先輩の事が……」
唯「……ぷっ」
梓「え?ちょっと何で笑ってるんですか?私おかしなこといいました?」
唯「いやぁ、ちょっとねぇ」
梓「な、なんですか!いい雰囲気だったのに!」
唯「思い出し笑いしちゃってね、てへ」
梓「へ?」
唯「いやだからその、あずにゃんが噛んだのを、ね。また噛むんじゃないかと思って」
梓「うぅ、そんなの思い出さないでくださいよ!」
唯「ご、ごめんね」
梓「心配しなくていいです、もう噛みませんから!よーく聞いててください!」
唯「う、うん」
梓「私も、そんな唯先輩の事が、だ、だ、大しゅきです!」
唯「……」
梓「……」
唯「進歩したね……?」
梓「うぅ……もう嫌ぁ……」
唯「な、泣かないで!気持ちはちゃんと伝わってきたから大丈夫だよ!」
梓「うぅ……」
唯「それにほら、言葉じゃなくても気持ちは伝えれるでしょ?」
梓「唯先輩……」
唯「おいで?」
梓「はい……」
今日最後のキスは、涙の味がしました。
#15 夏に想いをのせて
唯「合宿……あっという間だったねぇ」
梓「そうですね」
唯「でもいっぱい練習できたし、遊んだし、それにあずにゃんと……」
梓「……はい、すごくいい思い出になりました。」
唯「こうしてあずにゃんと二人で合宿できたのもみんなのおかげだね」
梓「みなさんにお礼言わないとですね」
唯「うん、その代わりにとかいろいろ聞かれちゃったりしてね」
梓「変なことは喋らないでくださいよ?」
唯「変なことって何かなぁ?」
梓「わかってて言うのやめてください」
唯「はーい」
この合宿で私と唯先輩の関係は大きく変わった。
唯先輩の告白から始まり、初めてのキス……。
初めてのキスは、温かくてとても優しく、そして甘いものでした。
合宿中にいろいろあったし、
これからもいろいろあるかもしれない。
でも実際は、いつもとそう変わらないままかもしれない。
入部したあの日から、唯先輩との思い出は数え切れないほどある。
その中でも今回の合宿が一番いい思い出になりそう。
だけど、これから先もっと素敵な思い出が増えていく。
私と唯先輩なら、きっとこれから先ずっと素敵な未来が待ってると思う。
だからまず、今はちゃんと伝えておかないとね。
梓「今も昔も、そしてこれからも大好きですからね。ずっと、私の傍にいてくださいね」
私の気持ちを…この夏に想いをのせて……。
END
- すーばーらーしいー -- (あずにゃんラブ) 2012-12-29 21:51:44
- 砂糖を吐くほど甘甘でしたw -- (名無しさん) 2013-06-16 14:39:28
最終更新:2012年09月11日 05:54