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一人暮らし?

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yuimio

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一人暮らし?


原作で唯が一人暮らしすると聞いて


 このままでいい、といくら叫んだ所で季節が巡るのは止められなくて。ついこの間高校
を卒業したと思っていた私も、思わず身を縮こまらせてしまうくらい冷たい風を受け、い
つの間にか半年以上大学生として生活してきたことに改めて気付かされました。

「唯んちは久しぶりだなー。相変わらず散らかってんのかー?」

 私が一人暮らししている部屋へ向かう途中、隣でそんな軽口を叩いてくるのは高校の頃
からの友達である田井中りっちゃん。高校1年の時、部活を通じて出会ったのが縁で、今
では私の大親友。大学も同じ所に通うことになって、今はおんなじ講義を受け終わった帰
り道です。

「フフフ……自慢じゃないけどりっちゃんの部屋よりは綺麗だと思うよ」
「ホントかー? えらい自信だな」

 りっちゃんは半信半疑といった感じで私の顔を覗き込んできましたが、それくらいでは
動じません。と、いうのも自他共に認める物臭な私がこれだけ自信満々なのは、とある理
由があるからだったりして。


「邪魔するぜー」
「お邪魔されまーす」
「おかえりー。……ってなんで律までいるんだよ」
「澪ッ!? お、お前こそなんで」

 鍵を開けてりっちゃんを招き入れると、中から長い黒髪をアップに纏めて掃除スタイル
といった感じの澪ちゃんが出てきました。彼女も高校で出来た親友の一人で、りっちゃん
とは幼馴染です。さっき自信があったのは、澪ちゃんが掃除してくれてるのを知ってたか
らだったのでした。
 りっちゃんは澪ちゃんがいるとは思ってなかったようで、口をパクパクさせながら目を
見開いています。そんなに驚くことかな。

「なんでって掃除とか色々。私今日は午前で講義終わりだったから」
「わー。澪ちゃんありがとー」

 事も無げに言う澪ちゃんと、靴を脱ぎながらお礼を返す私。りっちゃんはというと――。

「お、お前ら同棲してたのか……?」
「は……? あっ」

 ぷるぷる震えながら質問するりっちゃんに、数瞬置いて「しまった」という顔になる澪
ちゃん。まあ残念ながら同棲っていうのは違うけど、ちょっとからかうくらいは私達の仲
ならいいよね。

「バレてしまっちゃあ、しょうがないね……。実は私達結婚を前提に……」
「違うだろッ! こ、これはだなあ」

 すかさず澪ちゃんから突っ込まれてしまいました。少しくらい付き合ってくれてもいい
のに……。


 最初は電話越しから。私の中の頼れる人ランキングトップ3のうち、和ちゃんは別の大
学、憂は受験生ということで、残る一人である澪ちゃんを頼ることが多くなった私は、困
ったことがあったらとりあえず澪ちゃんに電話して指示を貰っていました。けれどそんな
事を繰り返していると、いつの頃から澪ちゃんは私の様子を見によく部屋に来てくれるよ
うになり、家事なんかを手伝ってくれたりして――。

「今やすっかり通い妻状態と」
「いやーお世話になってます」

 呆れ果ててるりっちゃんに頭を掻きながら惚気る私。通い妻……なんだかいい響き。思
わず頬が緩んじゃう。

「最初はアドバイスするだけでなるべく唯が自分でやるようにさせてたんだよ。でも何度
かそんなやりとりをしていくうちに、ちゃんと部屋片付けてるのかなとか、洗濯物溜めた
りしてないかなとか、ちゃんと栄養バランス考えて食べてるのかなとか気になっちゃって」
「お前は子離れできない母親か」
「だって……」

 半眼で突っ込むりっちゃんとバツが悪そうに指を突っつき合わせもじもじする澪ちゃん。

「しかしこんだけ澪が甘やかしてちゃ、憂ちゃん離れした意味が全くないな」
「あはは。もう澪ちゃん無しじゃ生きていけないかも」

 少し意地悪く言ってきたりっちゃんにおどけて返すと、彼女は「おいおい」とちょっ
と呆れ顔。でもわりと本気でそう思わないでもなかったりして。

「だから――」
「ン……?」

 キョトンとする澪ちゃんに後ろから抱きつく。そうすると、恥ずかしがり屋な澪ちゃん
は綺麗な顔を茹でタコみたいに真っ赤にしちゃって。私は追い打ちをかけるように彼女の
耳元でこう囁きました。

「――責任とってね?」

(了)


初出:2->>472

  • もう結婚しちまいなよ! -- (名無しさん) 2010-09-10 20:26:32
  • うん責任とってやるべきだよ! -- (名無しさん) 2011-08-04 14:25:56
  • 結婚しろよ! -- (名無しさん) 2012-08-30 03:03:20
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