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十三夜 その1

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十三夜 その1


唯「うひゃ~もう夕方だよ」

澪「唯がだらだら問題解いてるからだろ」

時刻は午後5時だと言うのに空は夕焼けの真っ赤に染まっていた。時々トンボが2、3匹連なって飛んでいる。時期はもう秋になっているんだろう。

唯「うー。何で誰も待っていてくれなかったの?」

澪「私が待ってただろ」

唯「そっか。澪ちゃんありがとう」ダキッ

澪「うう・・どっどういたしまして///」

唯はやたらと人に抱き付く抱き魔である。一番の被害者は梓だ。

唯「それよりさ。何で澪ちゃんは私に付き合ってくれたの?」

澪「そりゃ軽音部の誰か1人でも欠けたら悲しいからな」

と、私と唯はだらだらとした下らないおしゃべりをしながら帰路につく。やはり夕方は太陽の傾きも凄いので私と唯の影も細長い。

唯「もう秋だよ~」

澪「そろそろ文化祭か」

唯「今年は成功させたいね!」

わかった事がある。意外と唯だけでおしゃべりしながら帰るのは面白い事。ただ内容は梓か憂ちゃんしか出てこない。
と、ここで何処からか鳴き声が聴こえた。

唯「?澪ちゃん聞こえた?」

澪「聞こえた。ここから聞こえた」

唯「神社?」

澪「うーん何だろ?猫なのはわかったけど大きさは解らないや」

唯「ちょっと行ってみてみようよ!」ワクワク

澪「えっええ~もう5時半だぞ」

唯「まあまあ。ほら行くよ!」ガシッ

って事で唯に連れられて神社に来た。


神社

唯「あっ!猫だよ!小さくて可愛い!」

澪「ホントだ!真っ黒と寅みたいな色してる」

唯「捨て猫かな?」

澪「うーん。その可能性あり得るな。ほらタオルやミルクとか備わってるし、第一段ボールに入ってるし」

唯「可哀想」

そう唯は言って切なそうに捨て猫を見つめる。とここで唯はこんな可笑しな事を言った。

唯「なんかこの猫ちゃん達今日の私達みたいだね」

澪「えっ?」

唯「だってほらこの猫ちゃん達の黒い方が澪ちゃんで寅みたいな模様が私」

そう唯は説明しながら捨て猫を指差す。時刻は6時を過ぎている。あんまり唯も捨て猫も見えない。日も結構沈んでしまっている。

澪「唯、そろそろ帰らないと」

唯「もうちょっとだけ!」

そう唯はいとおしいように捨て猫を抱える。とここで唯がポツリと呟く。

唯「ねえ澪ちゃん。この猫ちゃん達飼えないかな?」

澪「それは無理だろ。もちろん私の家じゃ飼えないぞ」

唯「私の家もダメだからここで」

澪「それは無理がないか」

唯「お願い澪ちゃん!」ダキッ

澪「なっ///」

唯「だってこの猫ちゃん達このままだと飢え死にしちゃうんだよ!私と澪ちゃんが飢え死にだよ!」

どうやら唯はその捨て猫の私と唯の名前で呼んでいる。なんかとても恥ずかしい。それにいつも抱き付き攻撃まで加えてきて反則だ。

唯「おねがーい」ギュー

澪「わっわかった。ただ条件がある」

唯「良かったね~私達が面倒見てあげるよゆいにみお!」

聞いちゃいねーって

澪「待て唯!その名前は?」

唯「えっ?ゆいとみおがどうかしたの?」

澪「なっ何でそんな名前付けたんだよ///」

唯「あれです。今日の仲間外れチームが私と澪ちゃんだからです」

澪「紛らわしいだろ!」

唯「まあまあ。でも猫ちゃん達が気に入ってるよ!」

澪「うっうう///」

唯「それじゃあ今日はもう帰ろう。また明日来るから」

澪「こっこの事は皆には内緒だからな///」

唯「わかってるよぅ」

本当にわかってるのか怪しいが唯を信じる事にした。
そして私と唯の秘密が出来た。


次の日・神社

唯に連れてこられ子猫のいるところに向かった。もちろん時刻は昨日と同じぐらいで日も結構沈んでしまっている。

唯「ゆいーみおー来たよー」

澪「おっおい!恥ずかしいだろ///」

唯「いたいた!ほら、今日はミルクを持ってきたよ~」

子猫は産まれてから歩ける用にはなっているとはいえ、まだまだ子供。そんな子猫に冷たい量産の牛乳を飲ましてしまったら身体を壊してしまう。だからホームセンターで専用のミルクを買ってきた。

澪「おっ飲んでる。可愛い」

唯「まだまだちっちゃいね~」ナデナデ

澪「ごめんな~ホントは飼ってあげたいんだけど」ナデナデ

唯「しつけとか大変だもんね」ナデナデ

唯にしては珍しく正論を言った。確かにどんな生き物に対してもしつけは必要だ。ちゃんとしつけをしていてもワニに・・・辞めよう。

唯「それじゃあそろそろ帰ろっか」

澪「そうだな」

唯「それじゃあね♪ゆいにみおー!」

相変わらず自分の名前を子猫に言う。私にはとても恥ずかしくて無理な話。

唯「明日もミルクで良いかな?」

澪「そうだな。キャットフードはもうちょっとしてからだ」

そう話しながら私と唯は帰路に着く。大体子猫と戯れるにしたって時間が遅いから仕方がない。かといって日曜日に1日中触れ合ってるのもどうかと思う。いや、それは唯なら賛成だな。

唯「ねぇ、今日って何日?」

澪「ん?えっと9月12日だが・・・」

唯「そっか。ふんふん・・・」カチカチ

そう唯は携帯を片手に弄っている。危なくないのか?

唯「・・・・・」パァ

澪「どっどうかしたのか?」

唯「ごめん澪ちゃん!明日猫ちゃん・・・じゃなかったゆいとみおに会うのちょっと遅くなる」

澪「まあたまには良いんじゃないか。唯にだって用事はあるだろうし」

唯「ありがとう」

そう言えばここのところ毎日唯と子猫に会いに行っていたから唯と帰るのが日課になっていた。人とは不思議なもので習慣が狂うと色々狂ってしまう。


次の日の放課後

唯「じゃねー」

澪「それじゃあな」

律「なんか最近の唯と澪って一緒に帰ってる回数多いよな」

梓「たまには一緒に帰りましょうよ~」

紬「梓ちゃん寂しいの?」

梓「そっそんな事ないです!」

唯「ゴメンねあずにゃん~」ダキッ

澪「・・・・」

そう言って唯は梓に抱き付く。それにしても時間は大丈夫かと言えば大丈夫らしいがなんか私の気持ちが可笑しい。なんというか梓に唯を取られたみたいだ。

唯「それじゃあね。行くよ澪ちゃん!」

澪「ああ」

前言撤回。可笑しいだけだった。

唯「それじゃあ私さちょっと用事あるから澪ちゃん先行ってて!あっ今日は何時もよりすごーく長くいるから覚悟しててね♪」ダッ

そう唯は行ってギターを背負ったまま走っていった。・・・・意外と遅かった。


神社

澪「ひっ1人で来るのは怖いな」

思わずそう呟いてしまった。子猫のところに向かう。


子猫が


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