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午後の紅茶より甘い出来事

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yuimio

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午後の紅茶より甘い出来事



澪「はー…また外れだ……」カチカチ

携帯片手にがっくりうなだれる私。最近ローソンで『けいおん!!フェア』がやっている。10ptで限定平沢唯フィギュアが当たる。
私もそのフィギュアを目指して日々午後の紅茶を買い占め携帯片手にカチカチと番号を打っている。もう、紅茶に約4万円も注ぎ込んでいるのだがいっこうに当たらない。最初は頑張って飲んでいたが、今では飲みきれず余った大量の午後の紅茶。

澪「唯はそんなに私の事が嫌いなのか?」カチカチ

午後の紅茶を眺めながら呟く。さっきからゲームが当たらない。250ptくらいがもう20ptしかなくなっていた。狙いは最初からフィギュア。日を置いてフィギュア。それでも当たらない。連続でフィギュア。当たらない。

澪「ううう……ゆいぃ~」グスン

結局、20ptも当たらなかった。残ったのは4pt。何故か着うたとTシャツは当たった。でも、全く釣り合わなかった。
翌日、音楽室行ったらフェアの話で持ちきりだった。律はそれに興味がなくたまたま当たったTシャツで満足していた。
梓は60pt分のお茶代でフィギュアを当て、ムギは20ptのギターと10ptのフィギュアを当てたらしい。本人はあんまり買ってはないと言ってたが、ムギの金銭感覚のあんまりは私のような4万円でも、ほんの一握りも行かないだろう。
唯というとなんとフィギュア本人なので貰ったのだと言う。妹の憂ちゃんは一発でフィギュアを当てたと唯は言う。
私は全く会話に入れ無かった。と言うか4万円かけてTシャツと着うたなんてとても言えなかった。

澪「私は……千円でTシャツだったよ」

普通にしていたはずだが何処かぎこちない気がした。原因は嘘まで付いてTシャツが許せなかったのと悲しかったのだ。
練習でも全くと言って良いほどダメダメで普段しないはずのミスを連発。皆心配するが私は続行するようせがんだのだが、挙げ句の果てには……

律「澪は個人練習な」

結局、1人で練習した。周りは調子良く合わせている。まさか、フィギュアでこんな調子狂わすなんて自分も思って無かったし、言いたくも無かった。
はぁ……皆が羨ましい。特に梓と憂ちゃんは…。
梓は唯に抱き着かれてるし、家に帰れば憂ちゃんが料理作って待ってるし。それに比べて私のところには全く寄ってこない。寄る価値が無いんだろう。

紬「あっ!澪ちゃん練習終わったらちょっと付き合ってくれない?」

と、帰りにムギに誘われた。まあ、特に予定は午後の紅茶を飲むくらいしか無いので付き合うことにした。指定先は音楽室。相変わらずムギは紅茶を注いだ。紅茶三昧だから勘弁して欲しいところだ。

紬「澪ちゃん、本当にTシャツだけで良かったの?フィギュアの話でとても恨めしそうな顔してたわよ」

いきなり核心を突いてきた。やっぱり、ムギはこういう時はやたら鋭かった。唯も鋭いがムギはもっと鋭いのだろう。

澪「……良かったよ」

つい、維持張って顔を逸らしてしまう私の悪い癖。でも、ムギの事だから私が維持張るくらい予言していたのだろう。

紬「実はフィギュア2体当たったの」

澪「ホントか!?……あ!」

条件反射で見事、顔を輝かせてしまった。すぐ顔を戻したけどムギには伝わっていていた。その表情はいつもの笑顔だった。

紬「澪ちゃんがフィギュア狙ってたのはわかってたわ。結構注ぎ込んでも当たらなかった事もね」

澪「うう…」

唸り声しか出なかった。どうせムギはフィギュアをくれないだろう。自慢だけして終わるんだろう。そうとしか考えられなかった。

紬「ふふ。フィギュアはあげないけどフィギュアより凄いのをプレゼントします。ちょっと待っててね」

そう言って音楽室を一旦出ていった。プレゼント。なんだろうか。午後の紅茶だろうか。それは流石に勘弁して欲しいところだ。そんな事を考えていたらムギが台車を押して戻ってきた。

紬「これがプレゼントなんだけど……料金は澪ちゃんの買い占めた午後の紅茶ね。後で取りに行くから」

澪「ムギこれは…」

そう尋ねる私にムギはいつもの何を考えているか解らない顔でニコニコしている。
台車のプレゼントは大きい。もちろん。被せ物をしてあるので何なのかわからない。
その時、急に視界が真っ暗になった。

澪「わっ!むっむむむムギなのか!?」

紬「はい。紬でーす!」

澪「何なんだ!?何とかしてくれ!」

紬「落ち着いて澪ちゃん。ただのアイマスクだから」

自分の顔をペタペタ触る。確かに目の部分しか布みたいなのは無かった。とりあえず、アイマスクなのは理解出来た。

紬「実はね、このフィギュア……思ってたより大きかったの。だから澪ちゃんじゃ、意識が持つか解らないからアイマスクを付けさせて貰いました」

澪「意識が持つか解らないからってどういう事だ?」

紬「4万円も唯ちゃんのフィギュア狙ったんでしょ」

澪「くぅ…」

情報を仕入れてくる場所が全くわからない。だが、ムギの正確な解答に返す言葉が無かった。

紬「それじゃあ、私は午後の紅茶取りに行くから。私が戻って来るまでアイマスクは外さないでね」

ドンと押されて何かにぶつかってそのまま何かを押し倒してしまった。

澪「いたたた……ん?」

押し倒した物はふよふよして弾力がある。つまり、これがムギの言っていたフィギュアの事か。

澪「ゆっ唯のフィギュア」

4万円叩いても当たらなかった。唯のフィギュア。どうせムギが持って帰るから今の内に堪能しておこう。そう考え、フィギュアの身体をぺたぺた触って顔を探した。

澪「それにしても、フィギュアの作りがリアル過ぎるがいいか。ムギも居ないし…えいっ!」

ちゅっ

ファーストキスがフィギュアなんて誰にも言えないけど唯のフィギュアなら良いか。せめて唯としたかったな。
でも少し考えてみる。ムギのくれたフィギュアは結構大きい。リアルに出来てる。唯と変換しても良いのではないのか。

澪「なら……いいよな」

紬「ただいまー」

澪「うおわっ!!」

紬「ふんふん……澪ちゃん。アイマスクはずして良いわよ」

澪「もういいのか?」

ムギに許可を得たので外す。光がまぶしい。段々と目が慣れてきたと同時に段々と自分の顔が赤くなって行くのがわかる。

唯「やっやっほー///」

澪「むむむっムギ!!これはどういうことだ///」

慌ててムギに講義を申し出る。まさか今までぺたぺた触ってたのがゆっ唯だなんて///

紬「澪ちゃんがフィギュア手に入らなくて可愛そうだからプレゼントしました!」

澪「だから!なんで唯なんだよ!?」

紬「いやだった?」

唯「いっ嫌だったかな?」

ムギと唯のダブルの攻撃になすすべもない私。

紬「唯ちゃん。澪ちゃんに何された?」

唯「ちゅっちゅーといろんなとこ触られた///」

テレながら唯はムギに自分の痴態をペラペラ話していく。ムギはそれを楽しそうに聞いている。
私はその自分の痴態を顔を真っ赤に聞く羽目になった。

紬「さてさて、澪ちゃんにはどうしてほしいかな?」

ムギの問いに唯は顔を真っ赤にしたまま答える。その回答を聞いて私も真っ赤になる。

唯「せっ責任とってほしいな///」

紬「だって澪ちゃん」

澪「せっ責任///」

唯「ふ~ん。あんだけ触っておいて///」

真っ赤な顔をむすーっとさせると余計に可愛く見える。いや、普段も可愛いんだが。

唯「ふ~んふう~ん」

遂にいじけてしまった。余計可愛くて困る。

澪「じゃっじゃあどうすれば責任取れるんだ?」

紬「キスね」

そうさりげなくムギが言う。

澪「なっ///」

紬「あらら。でもさっきしたでしょ。それに唯ちゃんは澪ちゃんの事好きなのよ」

澪「えっ?」

紬「だってそうじゃなきゃ等身大フィギュアなんてしてくれないわよ」

そうだったのか。全然知らなかった。じゃなくて私はどうすれば……

紬「あっ!お邪魔虫は退散ね」

そう言ってムギは音楽室から出て行った。音楽室には私と唯だけ。再び唯と向き直る。気まずい空気が流れる。

澪「えっと…その……」

唯「じぃ~」

澪「唯は私のこt「好きだよ!」

唯「澪ちゃんの事は好き。りっちゃんに負けないくらい」

澪「わっ私は……」

澪「私も唯の事が好き///」

唯「…………ふふ」

澪「………あはは」

唯「おかしいね。告白って結構真剣なものかと思ってたのに」

澪「全くだ。でも私で良いのか?」

唯「ふ~ん。澪ちゃんは午後の紅茶のフィギュアで満足するのかな?」

澪「いやだって、まさかなんて」

唯「何言ってるかわからないよ」

澪「まあ、これからよろしくな」

唯「こちらこそ」

澪「じゃあ午後の紅茶買いに行こう」

唯「おー!」

終わり

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