フォアグラ用ゆっくりの一生は繁殖工場から始まる。
まだ満足に「ゆっくりしていってね!!!」とも言えない時期に親から引き離され、野外に放牧される。
数週間かけて成熟し、健康な体(生首)となったゆっくり達は工場へと送られる。
工場に送られてからはずっと、無機質に区切られた鉄製ケージの中で過ごすことになる。
睡眠時間を除き、3時間おきにやってくるのは巨大なタンクへと繋がるホース。
そのホースの先端を、ゆっくりの口内へと無理矢理押し込む。これでセット完了。
タンクの中に入っているのは蒸かした小豆。
スイッチを押すとタンク内の小豆が凄まじい勢いでゆっくりの胃へと送り込まれる。
最初の一回は、好物の小豆を食べられることで喜ぶゆっくりだが、3回目あたりになると大抵のゆっくりは激しく抵抗する。
「ゆっくり食べさせてね!!!」
工場のあちこちで聞こえるゆっくりの叫び声は工場の外からでも聞こえるという。
たまらず、小豆を吐き出そうとするゆっくりもいるが、ゆっくりの体(生首)の構造上、嘔吐することは難しい。
仮に嘔吐できたとしても、次の給餌では吐き出した分を加算して与えられるので苦しくなるだけである。
ゆっくりの性格はさまざまで、作業員の姿を見てビクビク震えるものもいれば、懲りることなく「ゆっくり食べさせて!」と懇願するものもいる。
狭いケージでは満足に動くこともできず、小豆を消化することもままならない。
常に満腹感に満たされながら、ゆっくり達は死ぬこともできずにただひたすらに小豆を流し込まれる。
「ゆっくり食べさせてね!」「ゆっくり順番になってね!」「次はもっとゆっくり来てね!」
しかし、このような声は給餌開始から2週間ほどで聞こえなくなる。
2週間も経つと、ゆっくり達はたまった餡子のせいでパンパンに膨れ上がり、もはや満足に言葉を発することもできなくなるのだ。
元から狭かったケージに密着するようになり、本格的に動くことができなくなる。
そして、生成が終わる3週間目ともなると、ゆっくり達はケージからハミでるほど膨張している。
小豆は、ゆっくり特有の消化器官を経て餡子に変わることで知られているが、大量に送り込むことで小豆のうまみを凝縮した最高級餡子を
作ることができると分かったのはごく最近のことである。
しかし、このままでは水分が多すぎて出荷することはできない。
最後の工程では、ベルトコンベアーを利用しケージごとサウナへと送られる。
もはや植物状態であったゆっくりも、このときばかりは叫び声をあげはじめる。
「ゆっくり冷まして!」「ゆっくり戻して!」「ゆっくりさせて!!!」
窓からは断末魔が聞こえ、排水溝からは洪水のようにゆっくり達の汗が流れてくる。
24時間の脱水工程を終えると、ゆっくり達は3週間前の体(生首)くらいに小さくなっている。
このとき、より小さくなったゆっくりなほど餡子のうまみを凝縮しており、高級とされる。
そのまま作業場へと流されたゆっくり達は大きさによってランク分けして箱詰めされる。
こうして全工程を約1ヶ月かけ、めでたく店頭に並ぶのである。
幻想郷にお越しの際はひとつ、ゆっくりのフォアグラをご賞味あれ。
最終更新:2008年09月14日 09:23